2017年12月14日

朝スッキリ目覚める方法

冬の朝、寒いし暗いし起きるのが辛い…
 (ついでに言うと、昼間は寒いのでブログ書くのも最近辛いですが…)

というわけで、今回は「スッキリ起きる」話について。

私は割りと早寝早起きできる方なのですが、
それでもこの季節は起きるの辛いです。
脳科学的に言うと、朝に太陽の光を浴びるとメラトニンが減って、体が目覚める
(メラトニンは夜になると増えて、睡眠リズムを調整するホルモン)
というから積極的に日の光は浴びたいが、
この季節、起きたときにはまだ暗い。
そのために体も起きません。

最近はEテレ0655の
「二度寝注意報発令中」
の曲が朝から頭のなかでリフレインしてます。。
(二度寝、二度寝、負けるな二度寝♪)
でも体は動かない…

何とかならんかな~
と思っていたときに
「試してガッテン」
で眠りについての特集がありました。

たまにこの番組ポカもあるし、
結論もったいぶるからせっかちな私としてはイラつくし(スミマセン)
私自身はそんなに積極的には見てないのだが、
我が家ではニュースの続きでそのままなんとなくついてる。
それで、上の子が熱心に見てたりします。
私は家事とかしながらなのでざざっと見るんですが、

さてその眠りの話では
「スッキリ目覚める方法」
を紹介してくれていました。

結論から言うと、
「90分サイクルは嘘、自然に目が覚める時に起きるのがベスト」
だそうです。

これはどういうことか?

今までの睡眠学だと
眠りには
「レム睡眠」(浅い眠り)
「ノンレム睡眠」(深い眠り)
があるとされ、
そのサイクルが90分とか定期的にあるとされていて、
だから90分サイクルで起きるとスッキリ目覚めますよ、
という話でした。

しかし実際には
レム睡眠で起こしても全然目覚めは良くないらしい。
(スタッフさんが体を張って実験していました)
睡眠サイクルを見ても、人により日によりバラバラでした。

睡眠の研究家によれば
「90分サイクルはただの都市伝説」
なんだそうな。
そして、実際にはそんなに脳波のサイクルはきっちりしているわけではなく、
眠りの浅い瞬間、というのは
不定期に時々訪れるんだそうです。
電車とかでうたた寝しててビクッと目覚める、
てのはそういうタイミングである可能性が高いらしい。

そして、この不定期に訪れる、眠りが浅い瞬間
(番組では勝手に「ゴールデンタイム」と呼んでました)
に起きるのがベストなんだそうです。

ただ、これは不定期なので自分では分からないのだそうです。
しかし最近では便利なことに、
それを知らせてくれるスマホのアプリなんかが出ているそうです。

これはどういう仕組みかというと、
ゴールデンタイムの前後には、寝返りなどの体の動きが増えるらしい。
そこで、設定時間の範囲内に持ち主にその動きがあれば、
スマホのセンサーやカメラがその動きを捉えて
その瞬間にアラームを鳴らしてくれる、
と言う仕組みなんだそうだ。

これを利用している人は、スッキリ目覚めるようになっているそうですよ。

しかし、スマホがない人、アプリのない人はどうしたらいいのか?

番組に出ておられた研究家の方によると
アラームを最小の音量にして鳴らしておくといいそうです。
ゴールデンタイムの時は、頭は起きているので
ちょっとした音でも起きられるようになっているそうです。
なので最小の音量でも起きられる。

ただ、この方法だと
ゴールデンタイムが起きたい時間に来なかったときヤバいので(笑)
リミットの時間の時になったら大音量でなるようセットしておき
リスクヘッジを取っておくと安心、だそうです

司会の志の輔さんが
「我々は今まで、目覚ましで無理矢理起こされていたんですね、
 起きられるときは小さい音でも起きられるんですね」
と言っていてなるほどと思いました。

毎朝目覚ましで起きるとき、
なんで起きねばならんのだ、と理不尽な怒りを感じていたんですけど(笑)
それは強制的に起こされていたからなんですね。機械ごときに。
自分で目覚めた時に起きたらスッキリするのね。

そう言えば子供が小さいとき
うちは100%母乳で育てたんですが
一人目の子の時は夜中の授乳が辛かった。
育児が慣れないし疲れてるから寝てるのに、泣き声で起こされるし
しかも授乳しても泣くからキレて赤ちゃんに怒ってしまい、
旦那に怒られたこともありました。

しかし二人目の子の時は夜中の授乳は楽でした…
なんかもう悟りの境地というか、夜中は起きるもんだと構えていたら
自然に三時間おきくらいに目が覚めるようになり、
下の子もそれが分かるのか、
泣きもせず目を開けて待っていました。

今にして思えば、上の子の時は「起こされてる感」があったからイライラし、
子供にそのイライラが伝わってぐずり…
という悪循環だったのね。
下の子のときは自然にゴールデンタイムで起きてたんでしょうね。

そもそも「スッキリ起きられない」悩みは
産業革命以降のものなんだそうです。
産業革命により工業化社会になり
人々は決まった時間に起き、決まった時刻に出勤せねばならなくなった。
それまでの時代だと、仕事も農業など自然相手だったりして、
割と時間にアバウトでもどうにかなったんでしょうね。

しかし、産業革命のころは目覚まし時計もなかったので
寝てる人を起こす職業(名前わからんけど「起こし屋」?)があったそうです
さすがNHK、そのふるーい時代の動画もあり
冒頭で紹介されていました。
彼女らは、長い棒を持ってマンションの外を歩き、
窓を一つ一つ叩いて寝ている人を起こしている。
たぶんここから「目覚まし時計」が発明されたんでしょうね。

そう言えば昔
「こんなに違う!世界の子育て」
という本を読んだ時も睡眠の話がありました。
この本では、子供は夜更かししても大丈夫なのか?という疑問をもった筆者が
睡眠の研究者にインタビューしていますが
それによると、世界的に見れば、
規則正しく8時間睡眠している民族の方が少ないんだそうです。
昔ながらの生活をしている民族は、
儀式とかで夜通し踊る、
寝たくなったら寝る、
というスタイルで生きているらしい。
8時間睡眠せねば、とかいう概念は産業革命により生まれたものなのだそうだ。

だとすれば赤ちゃんの方が人間の摂理にかなっているのかな~
朝起きられない、てことに罪悪感を感じていたけど
我々は実は体に合わないことを、
無理やりやっていただけなのかもしれないのね。

それでも、工業化しちゃったんだし、そんなこと言ってたら社会生活できないじゃん、
と我々長年思っていたけど、
スマホという便利な道具によって
また産業革命以前の「自然に目が覚めたときに起きる」
という牧歌的な時代を再現できるようになった、
ていうのは素晴らしいですね。
というか、テクノロジーのおかげで、ある意味原始的な時代に戻っている、
っていうのがなんだか不思議にも感じました。
でも技術の発展ってそんなもんかもしれない。
完全には戻らず進歩している。
螺旋階段を1段上がっているイメージ、ですかね…

まあそれはさておき、番組では
「眠りについてはまだわかっていないことが多いんです、
 これからまた変わっていくと思います」
みたいな専門家の方の話でまとめていましたが

上の子はさっそく「明日最小の音量で目覚ましかける!」
と張り切ってセットしていました。
でももともと上の子は目覚めがいい方で、
そもそも目覚まし使ってないし
私がごそごそやってたら勝手に起きてくる人間なので
あんまり必要なくね?と思ったんですけど、
まあやりたいみたいなので任せることに…

そして朝、目覚まし聞いたら結構音が大きい…
そしてそれで一応起きてきたけど
「やっぱりいつもの方がいい」だって(笑)

しかし私自身は、子供が起きてくる前
たまたまですけどゴールデンタイムに起きていました。
朝ふっ、と起きて時計を見ると
まだ目覚ましより20分早い…
でもここで二度寝したら起きるの辛いなあと思って
そのまま起きたんですけど
いつもより睡眠時間20分少ないけど、そっちの方がすっきりできました。
スッキリたって、眠いのは眠いです。辛い。
でも「起こされた」理不尽感が無いので、そこは納得できた(笑)

私自身はスマホアプリもないから目覚ましアプリは使えないし
っていうか枕元に携帯置くと、踏みそうで怖いので置かないけど、
自分の体のリズムになるべく沿う瞬間、ふっと起きられたときに起きたらスッキリするんだな、
と分かりました。
あとは、もうちょいシステマティックに分かる方法があるといいんだけど…

いろいろ勉強になりました。
というわけで、今回はこの辺で。





posted by Amago at 12:23| Comment(0) | 人生 | 更新情報をチェックする

2017年12月11日

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「この世界は仮想現実なのか?」

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「この世界は仮想現実なのか?」

今回は、この世はもしかしてコンピューターの中の世界?という話でした
まさに映画「マトリックス」の世界ですねえ…
(私はこの映画大好きで、何回も観ました、一番気に入ったのはインド人の数学者です)
モーガンさん、映画の「マトリックス」になぞらえて
「本当の世界を知るための、赤い錠剤を飲む覚悟のほどは?」

〇ゲームデザイナーの仮想現実
 最初に登場したのは、カーネギーメロン大学のジェシー・シャル氏
 コンピューターの仮想現実を作るゲームデザイナーだそうです

 彼は平面上のゲームに三次元世界を再現しているが、
 彼によれば、これがリアル三次元世界の再現となると、はるかに難しくなるんだそうです。
 
 平面上のシミュレーションでは、
 ニュートンの法則や運動の法則を正確に守る必要がある
 これが崩れると、現実味の欠けるシミュレーションになってしまうのだそうです

 彼は大学で、現実世界をリアルに再現するシミュレーションを作ろうとしているそうですが、
 もしこの世界が誰かのシミュレーションだとしたら、
 あらゆる感覚を正確に再現しないといけない、
 それには、もっと複雑なプログラミングが必要になる、とのことです
 「コーヒーの味や温度がシリアルと同じなら、
  これは変だと思うでしょう?」と変顔(笑)

 しかし、精密なシミュレーションをしようとすると、コンピューターに大きな負荷がかかるそうです
 そうすると、処理能力が追い付かず、画面に乱れが起きるかもしれない
 フリーズも起きるかもしれないそうです

 しかし彼によると
 「シミュレーションの画面がフリーズして、中の人もフリーズして
  そのまま千年たってからまた動いたとしても、
  中の人は時間の断絶に気づかない」
 つまり我々が画面のキャラクターだったとしても、そこは問題はないらしい
 
 もし、我々がゲームのキャラクターに過ぎないとしたら
 創造的な力とか会話なども、誰かに支配されているのかもしれない
 彼によれば、
 「人間にとって重要なのは正確な会話」
 なのだそうです
 例えば、彼は人工知能と会話していましたが
 「将来は何になりたいですが」
 「消防士です」
 「消防士ですって、自殺願望があるか放火が趣味なんですね」
 など、人間ならこの人アブナイ?と思っちゃうような会話をしている
 彼によれば、全人類の会話をかみ合わせるのは至難の業なのだそう。

 この科学者はこのため
 「もし誰かがこの世のプログラミングを作っているとすれば、
  非常にシンプルな方法で負荷を減らしているはず」
 と話していました
 
 例えば、アクティブな登場人物を数人だけにして、あとはシンプルなキャラにする
 あるいは自分の視界の範囲内だけを詳細にシミュレーションし、
 あとはぼんやりしたものにする、などの方法が考えられるそうです
 我々にとって、アクティブなキャラは自分だけで、
 ほかの人は意識したときだけ動く、…としてもいいのかもしれない

 しかし睡眠はどうか?
 寝ている間も、自分のキャラクターは動いている
 「夢は仮想現実の一つなので、
  夢のプログラムは、仮想現実の中にもう一つ仮想現実を作ることになるから、さらに複雑ですね。
  この複雑な世界を作っているのはどんな人なのか、想像もできない、
  眠りながら考えます」
 と彼はベッドに入っていました(笑)

 シミュレーションのプロがこのように言うということは、
 この世界のシミュレーションはかなり難易度が高そうですね…
 しかし次の方は、この世界は未来の人類の仮想現実ではないか、というご意見です。
〇私たちは「ポストヒューマン」の仮想現実のキャラクター?
 次に登場したのはオックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロム氏
 彼は我々の世界は、将来の人間、つまり我々の子孫の仮想現実の世界に過ぎないのでは、
 と考えているそうです
 言わばリアル「マトリックス」の世界ですね。

 彼は、
 数百年前にはテレビなど想像もつかない世界だった、
 ならば数百年後は今の人間には想像できない世界だろう、と話していました。
 そして彼の予想では、人類は近い将来、
 テクノロジーと生物学を融合し、
 人間とマシンのハイブリッド「ポストヒューマン」となっているのでは、とのことです

 現実の世界のシミュレーションは、20年前の世界では不可能だったが、
 今は精密な映像が作れるようになっている
 「ポストヒューマンなら、もっとリアルな世界が作れるだろう」

 彼は、人間の脳をシミュレーションするために必要な処理能力は大体わかっているし、
 高度な文明が持ちうる処理能力もだいたい計算できる、
 そこから考えると、十分に成熟した文明ならば、
 70億人の脳を再現することは可能、と話していました

 もしそんな高度文明を持つ生き物がいるとすれば、
 彼らは何のためにこの世界を再現するのか?

 この科学者によれば、
 「子孫にとっては、我々が舞台芸術を作るのと同じなのかもしれない」
 「シェイクスピアは「ハムレット」を400年前に仮想現実として作っていた、
  我々の物語が、ポストヒューマンの精巧な仮想現実である可能性はある」
 とのことです。
 それが娯楽目的なのか、科学目的かは分からないが、
 それは彼らにとって、技術的には可能だろう、とのこと
 
 そしてなんと彼によれば、
 我々の現実が仮想現実である可能性は、生身のオリジナルである可能性よりはるかに高いらしい
 「我々が仮想現実ではなく、生身である可能性は
  ハムレットの初演を見る確率程度に過ぎない」

 人生はコンピューター内の現実にすぎないんでしょうか?

 (「ポストヒューマン」という言葉は、「トランスヒューマニズム」という思想から来ているそうです。

 この科学者ニック・ボストロムさんはその思想の支持者で、
 「世界トランスヒューマニスト協会」てのを設立されたそうです。

 日本にもこの協会の支部があるそうで
 そのホームページによると
 「トランスヒューマニズムは、科学技術を積極的に活用することで生物学的限界を超越しようとする思想および運動、そして哲学」
 なんだそう。

 つまり遺伝子改変とか人体とロボットを融合させるとか
 テクノロジーと人体の融合で生物学的な限界を超えた人間が
 「ポストヒューマン」みたいです。

 この考え方は「シンギュラリティ」という言葉を世に広めたレイ・カーツワイル氏や、
 イーロン・マスク氏などのシリコンバレーの起業家たちも支持しているようです。

 そう言えば前
 「あなたの周りのサイボーグ」
 というドキュメンタリーで
 2016年のアメリカ大統領選挙で
 この考え方を支持する
 「トランスヒューマニスト党」
 なるものが出馬して話題になったという話が紹介されていました、。
 これを見たときは、党首の方が体内にコンピューターのチップ埋め込み公開実験をやったり
 棺の形をした車に乗って選挙運動したり、ちょっとクレイジーな人たちだな~とか思ってしまいましたが(笑)
 最近のAI技術の発展の速さを見ると、本当に数十年内にハイブリッドができているのかも?)

次の方は、仮想現実の実現を先取りするような研究をしています
〇デジタル生物を作る科学者
 次に登場したのは、カリフォルニア大の生物工学者スティーブン・ラーソン氏
 彼は生身の生き物のデジタルなレプリカを作ることを目指しているそうです。

 彼がモデルに使っているのは線虫、C・エレガンス
 生物学や神経科学ではよく使われる生き物です。
 この生物は1000個の細胞、300のニューロンで作られており、
 人間よりははるかに単純だが、
 シミュレーションするのは簡単ではないそうです。

 彼が目指すのは、見た目も機能もそっくりで、
 食べ物を見つけ、排泄もし、子孫も残すようなデジタル線虫。

 これを実現するには、
 それぞれの細胞の持つ固有のプログラムを、
 統一的に機能させ、自律性を持たせなければならない。
 しかし
 「筋肉の細胞やニューロンのモデルを作るだけではなく、
  それがどうやって一体化しているのか、
  神経学のモデルを作らないといけない、
  相互作用は複雑です」
 「自律的な生物を作るのは難しい、
  外見だけならすぐできるが…」
 とこの若き科学者は話していました
 
 というわけでまだプログラムは完成しなさそうですが
 「いずれはデジタル線虫は誕生するだろう」
 「何十年、何百年かかるかもしれないが、いずれデジタル人間も作れる」
 と彼は話していました

 うーん、最初の方と合わせても、まだまだ仮想現実ができるまでの道のりは長そうですが…

 次の方は視点を変えて、この宇宙が仮想現実的な作りになってるんじゃないか、と考える方の話です
〇この世にはグリッドが存在する?
 次に登場したのはワシントン大学の原子核物理学者サイラス・ビーン氏
 彼はこの世にグリッドが存在する、と考えているそうです
 (グリッド、ってのがよくわからなかったんですが
  コンピューターの画面上を区切る碁盤の目みたいなものみたいです)

 彼はグリッドのラインをアメフトのコートに例えていました
 アメフトのコートのヤードを区切る線を平面上に延長し、
 上空にも格子状の線を延長したようなものが、グリッドなんだそうです
 この世の中には、三次元上の空間にもこの区切り線があり、
 ビデオゲームの環境と同じく、いろんな空間が立方体の集まりになっている
 と彼は考えているそうです

 そしてこの構成するグリッドに素粒子が並んでいる
 それは科学的な観察では分からないわずかな隙間だが、
 この存在は、ある宇宙現象で説明できるんだそうです。

 それは、超新星爆発に伴う宇宙線の放出
 超新星爆発とは、恒星の最後に訪れる爆発で、
 これが起きると強い宇宙線が放出される
 …はずだが、観測はできていないんだそうです。

 そして、この科学者によれば
 宇宙線が観測できないのは、グリッドがあるからだ、とのことです
 「もしこの宇宙が人工でないとしたら、
  宇宙線を作る粒子のエネルギーには上限はないはずだが、
  現実には上限がある」

 彼によると、宇宙線を構成する素粒子は、
 グリッドに沿って動くよう制限されているのではないか、とのこと。

 「宇宙線の粒子がグリッドに沿っていないなら
  すべての粒子はあらゆる方向に同じように進むはずだが
  グリッドに沿うなら、方向により粒子のエネルギーが変わる」
 のだそう

 彼はアメフトのグランドをぐるぐる動く演奏隊で例えていました
  どの粒子もグリッドに沿わないならランダムに動き、エネルギーの消耗は同じだが、
  グリッドに沿うもの、沿わないものがあるなら
 沿わない粒子はグリッドに沿わない粒子に比べジグザグに進み、余計なエネルギーを使うのだそうです

 「いろんな方向に飛ぶ宇宙線のエネルギーを比較して、
  宇宙線の方向によりエネルギーが変わることが分かれば、グリッドの存在が証明できる」
 のだそうです

 (この科学者は番組で
 宇宙線にはエネルギーの限界がある、
 これは「グリッド」が宇宙に実在して素粒子の動きが制限されるからだ、
 と説明していましたが
 http://karapaia.com/archives/52198106.html
 によれば、この宇宙線のエネルギー限界、とは「GZK限界」と言うものだそうです
 「GZK限界」とは宇宙マイクロ線背景放射の干渉で素粒子のエネルギーが減るために、
 素粒子のエネルギーには限界がある、
 とされるもので、前から研究されていたものらしいですが

 しかし別のサイトなどでは
 「GZK限界」を破るエネルギー粒子が観測された、という報告もありました
 (東大の宇宙線研究所で1990年から10年の間に11個見つかっているとか)
 これは観測の誤差なのか、もとからグリッドや限界などないのかは今後の研究が待たれるのでしょう)

 そうすると、なぜグリッド構造があるのかという研究も進むのでは、とのこと
 「グリッドがあるとすれば、
  本当にそういう構造が自然界に存在するのか、
  もしくは、我々の世界は、高度な存在によりシミュレーションされた結果なのか、という話になる」

 もしコンピューターなどによるシミュレーションだとすれば、
 それを操るマスターコードがあるはず
 そのマスターコードはすでに見つかった、と主張する科学者がいるそうです
〇宇宙は単純なマスターコードで動いている?
 次に登場したのはスイスのテール・モール人工知能研究所の
 ユルゲン・シュミットコーバー氏
 ベレー帽をかぶってカフェでコーヒー。おしゃれなおじさま、という感じの方でした。
 彼は進歩した存在が宇宙のすべてをプログラムしていて、
 その全宇宙のプログラムは10行に満たないマスターコードで動かしている、
 宇宙を動かすコードは複雑ではない、
 と考えているそうです

 彼によると、宇宙の基本原則はデータ圧縮にあるそうです
 「例えばこの数字(円周率の数字、彼の座っているカフェの床に並んでいる)
  これは途切れることはなく複雑に見えるが、円周と直系の比で簡単に示せる」
 つまり複雑に見えるものでも、
 単純な数式に置き換えることは可能、と彼は考えているそうです
  
 彼によれば複雑な風景も単純化できる
 例えばフラクタル地形、というのも、三角形の形や大きさを変えて積み重ねれば描ける
 複雑な風景も、ほんの数行のコードであらわせる、とのこと

 では人間のふるまいもコードであらわせるのか?
 彼によれば、我々が学習、と呼ぶものもデータ圧縮にすぎないのだそう
 例えば初めて行く土地は、目的の場所まで時間がかかるが
 二回目なら簡単に行ける
 「人間は問題を解決したがる生き物、
  有能な人ほど簡単で素早い解決策を見つける」

 そして彼によれば、山登りなどの動きも1つのプログラムなのだそうです。
 複雑そうに見えるが、
 足の動き、手の動きなど、単純なサブプログラムの組み合わせなのだそう
 例えば、足の筋肉を電子記号にして、足を動かす、つまり歩行
 協調して足を動かすのも、一つの単純なサブプログラム、なのだそう

 「人間と機械の相互作用も同じで、
  別のサブプログラムが足を動かし、自転車を動かす」のだそうです

 では不測の事態もプログラムだというのか?
 例えば切符をなくすとか、電車が故障するときなど… 
 
 しかし彼によると
 この世には偶然などは存在せず、すべてはあらかじめ決まっているのだそう
 「この世界がプログラムでできているなら偶然は存在しない、
  あくまでも、偶然が存在しているように見えるだけだ。
  真にランダムなデータは単純化できないからだ」
 
 そうなると運やチャンス、自由意志もすべて幻想で、
 あらかじめプログラムされている、ということになる

 しかし、これらの動きは、本当にわずかな数行のマスタープログラムでコントロールできるのか?
 どうやって実現しているのか?

 彼によれば、ここでもカギはデータ圧縮、らしい
 「最初に、実行可能なプログラムを、短いものからリストにするプログラムを作ります。
  リスト化されていれば新しいプログラムを作ることができる
  そうすれば、マスタープログラムは、
  全体の時間のなかで、それぞれのサブプログラムをうまく配分することができる」

 しかし全てはプログラム通り、というと
 個人は大した存在じゃなくなる感じがしますが、
 彼によればプログラムを作る個人はすべて大切な存在なのだそうです。
 少しでもプログラムが変われば、世界はまるで変ってしまう
 一人の人間も削除するのは大変で、
 我々はみんな欠かせない世界の要素、なのだそうです

 宇宙がプログラムで示せるなら
 この宇宙の要素は物質ではなく情報、つまりビットなのか?
 次の方は、宇宙を構成するビットを見つけた、と考えているそうです
〇ひも理論はビットで示され、エラー訂正コードに相当するものを持つと考える科学者
 次に登場したのはメリーランド大学の物理学者、ジェームズ・ゲイツ氏
 彼はひも理論に賛同している方なんだそうです

 理論物理学者は、方程式、複雑な数式で世界を現す。
 彼の好むひも理論によれば、世界は少なくとも十次元からなる…

 しかしこんな話はほかの人は複雑すぎて理解できない
 そこで彼は、他の分野の人にも理解してもらうため、
 素粒子の相互作用を幾何学的に説明するモデル
 「アディンクラ」
 (抽象的な概念を意味する西アフリカの言葉)を提唱しているそうです

 このモデルは主流派からは批判されているそうですが
 彼はそれでもこのモデルで多くの数学者などと共同研究を続け、
 その過程で自分の方程式の中に、コンピューターのプログラムコードに共通するものを見つけたのだそう

 コンピューターは0と1で表す、ビットと呼ばれる単位でできている
 彼は、自分の方程式の中のビットがエラー訂正コードと同じものだ、
 と気が付いたそうです

 エラー訂正コード、とはブラウザ中にも使われる
 ブラウザでビットを伝送するとき、途中で失われるビットもある
 このとき、エラー訂正コードは失ったビットを保護したり補う役割をし、
 コンピューターのクラッシュを防ぐ役割をする

 彼は、このエラー訂正コードは宇宙にも存在し、
 素粒子間の相互作用を安定させるのにも役立っていると考えているそうです

 しかし現実の世界は本当にコンピューターのシミュレーションみたいなものなのか?
 という疑問があるが、

 彼は、自然界の現象でも、エラー訂正コードがあると気が付いたそうです
 例えば遺伝学の世界。
 DNAは複製により自分のコピーを作るが、
 間違いがあれば自己修復する。
 これにより、人間の体は安定して全体を保つことができる。
 彼はこれがエラー訂正コードではないか、と考えているそうです

 これは試合中のボクサーみたいなもので、
 エラーコードが無ければ腕が使えなくなり、片足が使えなくなる、目が見えなくなる
 そうなると急速にスタミナを失い、
 安定性が失われ、倒れてしまう
 「活力はいずれ無くなるものではあるが、
  エラーコードはその活力を長持ちさせる」
 
 細胞も同じで、エラーコードが無いと、死んだりガン化してしまう
 エラー訂正コードのおかげで、複製のエラーを10億万分の1に減らしているのだそうです
 
 彼は宇宙のエラー訂正コードも同じで、
 宇宙の基本粒子を平静に保っていると考えているそうです

 (http://karapaia.com/archives/52215519.html
 などによれば
 ゲーツ氏は
 「私は素粒子のクオークとレプトンの計算をしていたのに、ブラウザに使うコードが出てきた」
 「だから数学的にはこの世はシミュレーション、という仮説は正しいと言わざるを得ない」
 みたいなことをおっしゃっているそうです)

〇新しい宇宙を創ることを考える科学者
 最後に登場するのはブリュッセル大学のクレマン・ヴィタル氏
 彼は物理学者で、
 彼はいずれこの宇宙はなくなる、
 それに備えて新しい宇宙を創るべき、と考えているそうです

 その手順としては、
 まずコンピューターでシミュレーションする

 「はるかに進んだ文明ならシミュレーションも作れるはず、
  まず複数のシミュレーションを作り、それを検証して最良な1つを選ぶだろう」
 これは、我々の宇宙や地球が生命には最適な条件を満たすが、
 その謎の解明にもつながる、とのこと

 そしてシミュレーションができれば、次に必要になるのはエネルギー源
 ビッグバンを起こすほどの大きなエネルギーが必要で
 最終的には新しい宇宙を、この宇宙から切り離す必要もある

 彼はこのエネルギーを連星系から取ることを考えているらしい
 連星とは、白色矮星、中性子星などが連なっている、
 この連星は、片方の星がもう片方のエネルギーを吸い取り、大きなエネルギーを持つのだそう
 
 このエネルギーは木材ペレットのようなもので
 エネルギーが高密度で詰まっているのだそう

 片方の星のエネルギーがペレットに変換され
 (1つのペレットはエベレスト以上のエネルギーなんだそう)
 もう一方に移る、
 そのエネルギーの集積を利用すれば
 宇宙構造を変えることもできる、
 と彼は考えているそうです

 「新しい宇宙を創るためには、時空構造をうまく操る必要がある
 宇宙は高密度で変形させやすい、という説もある」

 しかしこのアイデアは壮大すぎ、奇想天外すぎて主流ではない
 それでも彼は、いずれはこの考えをテストしたい、できると考えているそうです
 「後は想像力を駆使して科学的なテスト方法を考えるだけだ、
  それにはまずシミュレーションが必要」

 あるいは、他の文明が既にテストしているのが我々の宇宙かも?
 それは完成バージョンなのか、それともテスト段階なのか…とのことです

モーガンさんは最後に
我々が仮想現実のキャラクターに過ぎないとしたら、
操り人形だと無力感を感じるのか、
それとも逆に自由な気分になれるのか?

いずれにせよ、人生は素晴らしいゲーム、
良い結果を出しましょう、という感じで終わっていました

○感想など
 今回の話で全体的に横たわっていた
 「我々が生きているこの世界は、未来の人類あるいは高度な文明の人たちのコンピューターのシミュレーションだ」
 という仮説は
 「シミュレーション仮説」というそうで、
 世の中では賛成派、反対派がおられるみたいです

 両方の意見を色々読んでみたんですが
 (多すぎて紹介できませんが)
 申し訳ないんですが、宇宙人はいるのか、というのと同じレベルの議論かなぁ…と。
 (悪く言えば不毛な議論…スミマセン)

 反論する人は
 「物理的な証拠がない」
 賛成する人は
 「高度な文明の人が作るんだから今の私たちには分からない」
 で、結局平行論になってしまう…

 まぁでも
 「この宇宙はなぜできたのか?」
 「どうやってできたのか?」
 「誰かが目的をもって作ったのか?」
 とかいう風に考えて、仮説を作っていくうちに本質にたどり着くんかなー、
 その助けになるんなら、荒唐無稽な仮説もありかなー、と思います。

 個人的には、この世界がリアルなのかシミュレーションなのか分かりませんが
 本質的にはどっちも同じなんじゃないかなぁと思います。

 シミュレーション仮説の人は
 「素粒子論の中にブラウザのコードが隠れている」とか
 「宇宙の構造とバーチャル世界の構造が似ている」
 とか言うけど、
 宇宙も我々人間もコンピューターも、
 細かくしてしまえば同じ素粒子、同じ宇宙なんだから
 似ている要素や構造があるのは当たり前なのかなぁ、とも思うし

 この世界はリアルだと思っていても
 生きていると、この世界って完全に自分の意思では決まってない、何かが動かしてるんじゃないかと思える瞬間が誰しもある。

 番組では、
 「この世はすでにプログラムされていて、マスターコードもあるんだ」
 と主張している方が
 「だから我々はコードの一部に過ぎない」
 んじゃなくて
 「我々はみんな重要な存在」
 と話していました。

 私はこれにちょっと驚いた、というか感動しました。
 我々がプログラムの一部だろうがリアル生身だろうが、
 それぞれの命の大切さは変わらないわけで、
 それだけで、もうどっちでもいいんかなー、と…

 話はずれるかもしれんが、
 私は昔は前世とか信じていたけど
 今はどっちでもいいかなと思っていて、
 それは、前世があろうが無かろうが、現世で全然自分は覚えてないんだし
 それなら今の人生を後悔なく生きるしかないんじゃないか、
 と思うようになったからです。

 それと同じで、我々がコンピューターゲームのキャラクターであろうが無かろうが、
 ゲームオーバーになるまで楽しくみんなと仲良く、ハッピーに生きられたらいいんかな、と思いました。

まぁでも、宇宙をシミュレーションするとか、
新しい宇宙を中性子星のエネルギーで作るとか
そういうでかい突拍子もない発想、個人的には好きですねぇ…
こういう発想から新しい発見が生まれるんだろうなぁ。見習いたい。

というわけで今回はこの辺で。




2017年12月10日

Eテレ「人間ってナンだ?超AI入門「第10回味わう」」

Eテレ「人間ってナンだ?超AI入門「第10回味わう」」

全12回でAI(主にディープラーニング)について感覚的に学ぶ番組。
進行はチュートリアルの徳井さん、東大の松尾豊氏。

今回はレシピを考える、調理する、味わうことについて、
ゲストは和食料理人の笠原将弘さんでした。

最近では、調理ロボットのほか
AI冷蔵庫が残りの食材からレシピを提案したり
AIソムリエがワインを提案したり
創作レシピを作ったりしているらしい…

○AIの創作料理
 まず最初に、徳井さんと笠原さんの前におしゃれなサラダっぽい料理がありました。
 徳井さん
 「見たことのないような料理がありますね…先生、これ何ですか?」
 松尾氏
 「まず食べてみてください」

 笠原さんがまず食べてから
 「…色んな要素がありますね、
  甘み、酸味、油っぽさとか。
  正直、スゴい美味しいかというとそうではない」(笑)
 徳井さんも食べてみて
 「…おっしゃることが何となく分かります。
  んー、不味くはないんやけど。すごく美味しいわけでもない」

 先生
 「実はこれは、AIが創作したレシピを元に人間が調理したものなんです」

 レシピを見ると
 ・ラード、グリーンカレーペースト、リコリスと薄力粉を炒め
 ・タマリンド、メープルシロップ、お酢、塩、コショウを入れてソースを作る
 ・アボカド、モヤシ、梨、キュウリにライム汁、オリーブオイル、塩、コショウをかける
 ・フライドポテトに上記のものを全てかけてチーズ、ピクルスをトッピングする

…モヤシに梨って斬新すぎる(笑)
 んー、なんか入れすぎでボヤけそうな、節操ない料理だな、というのが私の印象。
 徳井さん
 「人間の気に入りそうなものはこれだろうと考えてってことですかね?」
 先生
 「たくさんのレシピデータを学習して、これとこれを組み合わせたら美味しいだろう、とか、
  あとは栄養のバランスなんかも加味して作っています」

 笠原さんは
 「もう少し工夫したらカフェにも出せそうですけどね」
 徳井さん
 「フライドポテトをマッシュポテトにするとか…」
 笠原さん
 「レシピの根拠を知りたいですね、どんな人が欲すると思ったのか」

○シェフ・ワトソン
 創作レシピを提案するAI、シェフ・ワトソン(IBM製)が紹介されていました

 調理法や安全性、食材、味覚のデータを入れて学習させ、
 美味しくてかつ食材を無駄にしないレシピを提案しているのだそうです

 シェフ・ワトソンが考えたレシピを提供するレストラン?みたいなのがあるらしく、
 ・韓国&トルコ風のキムチいりシーザーサラダ、
 ・そら豆と子牛のチェダーチーズのギリシャ風バーガー、
 など独創的な料理がありました

これらを提供するレストラン?では
「とても美味しいと評判ですよ」

 IBMの上級副所長ジョン・ケリー氏は
 「どんなに優秀な人でも、全ての情報には対応できない。
  AIはそこを補ってくれる
  2050年には、人間はこの相棒なしには生活できないだろう」
 とまで言っています

 松尾氏は
 「AIは固定概念が無いんですね、
  使っちゃいけないのがないので、色んな素材を並列で扱う。
  だから人が思い付きもしないようなレシピを作れる」

 徳井さん
 「笠原さんは経験もたくさんおありだと思うんですけど、
  ありとあらゆる料理を考えててきて、縛りみたいなのは出来てくるんですか」
 笠原さん
 「うーん、結局自分の知ってる味の組み合わせですからね。
  これとこれは相性がいいなとか、習ってきた方程式みたいなのとか、そういうのはありますね」
 徳井さん
 「それなら一切の方程式を取っ払えば美味しくなる、てことはありますか」
 笠原さんは
 「僕の師匠が言ってたのは、根拠がないとダメだ、と」
 例えば、たまに料理が下手でも何となく作ってたまたま上手くいく時がある、
 しかし野球でヘタな人がたまたま打てるのと同じで、
 料理はそれではダメなんじゃないか、と思うそうです
 「だからAIも、学習して確実にこうすればこうなると分かって作ってるのか
  それとも何となくデータを入れて当てはめたらこうなったのかを知りたい」

 先程のワトソンシェフが作ったレシピ本も出ているそうです  「Corrective Cooking with Chef Watson」
 英語版で日本語版は無いのかな?見てみたい気もします…

○人間の感覚に近い味覚センサー
 松尾先生は、AIも学習を重ねればレシピ作りも上達するのではないか、というご意見だそうで
 徳井さん
 「いずれはAIも、人間を唸らせるようなレシピを作れるようになると?」
 松尾氏
 「そうですね」
 徳井さん
 「じゃあ、笠原さんがAIに負けるということでよろしいすね?」(笑)
 松尾氏
 「(笑)…答えにくいですね、
  笠原さんには勝てないと思いますけど、
  笠原さんの下で働く人たちの中には勝てる可能性があるということです」

 味覚は五つの味、
 「甘味、塩味、酸味、苦み、旨味」
 からなる、とされているそうです

 ここで、味覚センサー開発者の鈴木さんが登場していました
 徳井さんと笠原さんの前にコーヒーを置いて
 「まず味わってください」

 笠原さん
 「…いわゆるブラックですね」
 鈴木さん
 「どの味が強いですか」
 徳井さん
 「いわゆる苦味?」

 鈴木さんは
 「お次は、砂糖を2杯いれていただいて…」
 徳井さんは
 「飲まなくても結果は分かってるんですけどね、40過ぎてますし」とブツブツ言いつつ飲む(笑)
 鈴木さん
 「どうですか」
 徳井さん
 「甘くなって飲みやすくなってます」

 鈴木さん開発の味覚センサー「レオ」 がこの味を分析していました。
 味覚センサーは、5つの味の組み合わせを分析し、
 五角形のグラフで示すのだそうですが
 普通のセンサーでは、
 砂糖をいれようが入れまいが「苦味」の数値は変わらない

 「基本的に濃度は変わらないんで…
  でも人間が飲むと、甘さが入ると苦味が薄くなったように感じますよね」

 鈴木さんは、こういう人間の感覚に近いセンサーを開発できないか、と言っていたら
 たまたまAIの研究者が近くにいたので、
 共同でAI味覚センサーを作ることになったそうです

 レオの味覚センサーで味覚を測ると
 砂糖を入れると、甘味数値が増えるのはもちろんだが、
 苦味成分の数値も減っていました

 松尾氏
 「人間がどう感じるか、例えば苦味が減るとかは、どうやって測定してるんですか」
 鈴木さん
 「そこは学習させるんです」
 人間に味覚評価のアンケートを取り、そのデータを入れて学習させるのだそうです

 徳井さん
 「これからどういう研究を?」
 鈴木さんは、味覚のトレンド予測に使えないか、と考えているそうです
 「美味しさにはトレンドがあるんですね、10年前と今は好まれる味覚が違う」
 鈴木さんは、この研究を20年30年続ければ、
 その時代時代のトレンドの味が蓄積される、
 そうなると次の年に何が流行りそうか予測できるかも…
 という話をしていました

 「人間は飽きるんで、常に新鮮さを求める、
  でも新鮮すぎても警戒してしまう、
  新鮮さと警戒との真ん中を予測するのは難しいですけど
  分かるようになったら面白いなと…」
 たしかに流行りもののスイーツや料理などは時代により変わりますね。

○画像からレシピを予測する
 徳井さん
 「笠原さん、見たこともないような料理が出されたら、それを再現できますか」
 笠原さん
 「味見できるなら、ある程度はできると思います」

 徳井さんは松尾氏に
 「AIにはこれが出来るものがあるんですよね?」

 このAIは、料理画像を見てレシピを推定するのだそうです
 松尾氏
 「例えば徳井さん、この画像の料理はどんな材料だと思いますか」
 と言って示した写真は、
 軍艦寿司みたいな料理で
 具として赤い海老みたいなのと菜っぱが載っています
 徳井さん
 「酢飯と海苔ですよね…。あと海老と…」
 笠原さん
 「菜の花」
 徳井さん
 「それから白子?」
 というわけで「海老と菜の花と白子の軍艦」
 笠原さんは
 「でもビジュアルだけだと分からないですね、
  例えば軍艦ももしかしてシャリはシャリじゃないかも…
  AIもそこは分からないですよね」
 と鋭い指摘。

 実際にAIが推定したレシピでは
 「す飯、海苔、サーモン、アボカド、クリームチーズ」を材料としていました

 笠原さん
 「菜の花が緑だからアボカドなんですね、ダメですねAI」(笑)
 徳井さん
 「これアメリカだからアボカドなんですかね?」
 松尾氏
 「そういうのはあるでしょうね、
  料理は文化的な差異が大きいので、日本とアメリカでは全然違うでしょうね」

 次はげんこつハンバーグにとろけるチーズ、サラミかドライトマトが乗っているような料理。
 徳井さんは
 「スイーツ?」
 笠原さん
 「僕は一瞬ピザかと」
 徳井さん
 「あー、甘くないかもしれないですね、
  ハンバーグにチーズのっけて、…トマト乗せたような」
 笠原さん
 「僕はサラミかと思いました」

 AIは「螺旋状のパスタ、サラミ、ひき肉、ピザチーズ、モッツァレラチーズ、乾燥パセリ、オニオンパウダー」という材料を出していました

 徳井さん
 「イタリアンな料理と思ったのかな?」

 松尾氏はこのAIについて
 「巨大なデータベースを使って学習しています」
 このAIは、色んな料理の写真のデータを入れて学習させることで、
 画像からこれは何の料理かを分析できる
 また、レシピのデータもたくさん入れることで
 分析した画像から、ありそうなレシピを探し出せる。
 今のところ6割くらいの正答率なんだそうです。

○ディープラーニングの過学習を防ぐ方法
 これらの学習はディープラーニングにより行われるが
 松尾先生がそれについて解説してくださいました

 料理の画像が入力されると、何の料理かが出力として出される
 AIはこの学習をしていくとき、ネットワークの太さを調整していく

 しかしこのとき
 「過学習(overfit)」
 が起きると上手く学習できないんだそうです

 過学習とはなにか?
 松尾氏は
 「勉強のとき、
  練習問題で100点だけど本番で20点とる人と
  練習問題で80点、本番で70点の人とどちらがいいですか」
 徳井さん
 「本番で点とれる人」
 松尾氏は
 「じゃあ本番で20点の人はなんでこんなことになったと思います?」
 笠原さん
 「…本番に弱いタイプ?」(笑)

 徳井さんは
 「んー。訓練の仕方が間違ってるんでしょうね」
 松尾氏
 「その通りで、こっちの人は、問題と答えの組をそのまま覚えてしまうんですね」
 しかし本番は練習とは問題が違うので、
 そのまま丸暗記しても応用が効かない
 「本番でもできるためには、
  練習を丸々暗記するんじゃなくて、
  ポイントをつかんで抽象化して、
  問題と答えの関係を見つけないといけないんですね」

 過学習はそれができないので問題がある。
 しかし、この過学習を防ぐ方法はいくつかあるそうです

 ニューラルネットワーク研究で有名なトロント大学のジェフリー・ヒントン氏は
 AIに画像を見せてその説明文を表示させる学習について
 「ニューラルネットワークは何層にも渡るが、
  目標は画像から説明の一文を導くことです」

 この学習の際、ニューラルネットワークは、説明のタグつきのたくさんの画像を見て学習するが
 その際
 「Rectified Linear Unit」という新しいニューロンを使ったネットワークと
 「ドロップアウト」という新しい学習法を使っているそうです

 これについては松尾先生が
 「解説しますね」

 まず「Rectified Linear Unit」
 これはReLUとも言うそうですが
 ニューラルネットワークは、人間の神経細胞を模したものだが、
 神経細胞は刺激が一定の値(閾値)を越えると発火するようになっている

 このため従来のニューラルネットワークでは、
 マイナスからプラスへ刺激が増大していくとき、
 刺激がある一定の値になるまでは0、一定の値を越えると1になるように関数を設定していた
 これをシグモイド関数、というそうです

 しかし最近では、刺激xがマイナスの時は出力yが0、
 xがプラスの時はy=xになる関数(Max(0,x))にしているそうです
 (これをRectified Linear Unit、正規化線形関数、ランプ関数、と言うそうです)

 「これは神経細胞からしたら、刺激が大きいほど無限大になるからおかしいんですけど、
  これがうまくいくと分かったので使われている」

 (シグモイド関数、は色んなサイトで説明がありますが
 https://mathtrain.jp/sigmoid
 に式とグラフがあって分かりやすかったです
 シグモイド関数は、式にするとy=1/(1+eの-x乗)
 (文章で書くと分かりにくいですね…)
 グラフにすると、xがマイナスの無限大(グラフの左の方)ではyが0に限りなく近づき、
 xがプラスの無限大(グラフの右の方)ではyが限りなく1に近づき、
 その間はSの字を右斜め上にクイっと引き伸ばしたようなグラフ。

 一方神経細胞が刺激を受けて発火する様子を関数、グラフにすると、
 刺激をx、発火をyとすれば、
 xが閾値になるまではyが0、
 xが閾値以上ならyが1、
 という不連続なグラフになる。

 しかし実際は不連続な関数だと扱いにくいので、
 これを連続なシグモイド関数で近似させている、ということらしいです。

 一方ReLUはこれとは違う形なのだが、
 2011年、Xavier Glorotさんらがこの関数を使う方がいい、と発表したんだそうです。
 数学的な根拠もあるみたいなんですが
 (確率の総和とかなんとか言う話だが、長すぎて理解不能…)
 ジェフリー・ヒントンさんたちのネイチャー論文によれば、2015年5月現在これが最善としているそうです)

 「ドロップアウト」については
 「過学習というのは、重要じゃないところも丸々覚えちゃうからまずいんですね」
 そこで、ドロップアウトでは、
 学習させるニューロンの半分をランダムに消して、
 わざと少しのデータで予測させる
 そして、消し方をランダムに色々変えて学習させる、ということを繰り返す

 すると、細かいところまでいちいち覚えていたら答えが合わないので
 だんだん本質的な特徴だけ引き出せるようになるそうです

 うまく過学習を防ぐのを正則化、というそうですが
 ドロップアウトなら正則化できると分かってきたそうです

○過酷な環境の方が学習できる?
 過学習を防ぐ方法はほかにもいくつかあり
 例えばわざと汚い画像にして学習させる、というやり方もあるらしい
 人間と同じで、過酷な環境の方が力が磨かれるのか?

 徳井さん
 「笠原さんどうですか、料理人もあえて過酷な環境に身をおいたりするんですか」
 笠原さん
 「そもそも料理の修行が過酷ですからね」(笑)
 徳井さん
 「悪い食材を使うこともあるんですか」
 笠原さん
 「わざと形の悪い大根で桂剥きの練習することはありますね…
  悪いのが当たっても器用にできるように、とか」
 徳井さん
  「先生、これはドロップアウトに近いですね」

 徳井さんはまた
 「僕の場合はお笑いのとき、わざわざ滑ってお客さんを引かせて、
  冷えきってる状態でネタを始めることがあって、
  ある意味快感になってるんですけど…」(笑)
 松尾氏
 「(笑)…それは、次に上手くやったらリカバーできるのがある程度はあるからですか、
  わざと窮地に追い込むというか」
 徳井さん
 「そこは感覚的にやってるんですけど、
  次にテンションの冷めきったお客さんの前にいきなり出てきたときに上手くできる、
  とかはあるかもしれないですね」

 笑うお客さんを半分にすることで、お客さんの笑いのツボを探す学習ができる、てことなんですかね?

○目で見て行動できるAI
 松尾氏は
 料理のディープラーニングは、
 自動運転や医療診断に比べ、
 まだ学習データが少ないこともあり、まだ実用化段階ではないが
 「料理もデータが増えたら人間を越えるはず、
  と僕は思っています」とのこと

 すると、次に起こるのが、深層強化学習とロボットの組み合わせ、なのだそう。
 深層強化学習は認識を行い、ロボットは実際に動作する
 つまりAIが目で見て、次どう動くかを自分で考えて動けるようになるらしい

 第1回?で出ていたピッキングロボットは、目で見てつかみやすそうな所を探してつかんでいたが
 これが色んな分野でできるようになるとのこと
 今のところ応用が考えられているのは
 農業、建設、食の3つの分野だそうです

 「これらの分野は今人手不足で、社会的にも困っている」
 例えばファミレスは人手不足だが
 それは調理には人間の目でみる過程がどうしても必要だったからで
 調理機械があったとしても補助的にしか使えなかった

 しかしこれがAIで自動化されれば可能性が広がる、とのことです
 「日本の食のレベルは高いけど、海外はそうでもなかった、
  しかし日本の技術をロボットにのせて世界に発信できれば
  世界に職人が増えることになり、これは新しい産業になると思います」

 笠原さん
 「うーん、でも複雑ですね…
  料理人が要らなくなるのは寂しいというか。どこまでAIにやらせるのか」

 しかし松尾氏によると、
 AIに任せるのはそこそこのレベルの料理で、
 レベルを上げるための教師データとして、
 ハイレベルの料理人はやはり必要だと話していました。

 私も一瞬、ロボットやAIが人間の仕事を奪うのか?
 と思ってしまったんですけど
 生身の人間の提供する学習データがあってこそのAIなんですね…

○味覚はミステリアス
 フランス料理人の生江史伸さんは
 「定点観測」
 という料理を提供しているそうです
 これは一年同じレシピ、素材で同じ料理を作るもの
 野菜自体は季節により味わいが変わるので、
 その変化を同じ料理法で楽しんでもらおう、というコンセプトだそうです

 彼はイベントでAIの作ったレシピ本の料理を作ったことがあるそうですが
 味覚について興味深い話をしていました
 「AIは予想したことない、食べたことのないものを提案し、
  新しい経験をさせてくれる」
 とは言うものの
 「しかしAIは仕上げまで責任はもっていない」
 奇抜なアイデアはAIに提供できても、
 最終的に人が食べて美味しい、と思える形にできるのはやはり人なのだそう

 そして、
 「まだまだ味覚はミステリアス」という話もされていました
 味覚は5つの味だけでは表現できず、
 環境や一緒に食べた人など、色んな要素が偶発的に混ざって美味しい、と感じるもの。

 人間はそういう、多角的に感じたものを料理におとしこむ力がある、とのことです。
 例えば寒いときには、暖かいものが食べたいから鍋にしようなど、
 ベースを知った料理、環境にあった味を出せる

 しかしAIにはそういうベースがないから
 いくら美味しいものを出しても、食べる人にとってはその時美味しい味ではないかもしれない

 感情的に美味しい、と思うものとは一番複雑怪奇で、
 レベルが一番高いところにあるんじゃないか、
 …という話をしていました

 笠原さんは彼のVTRを見て
 「ラーメンやの流行ってるところは、
  美味しいよりクセがあるよね、
  と料理人の間では言ってるんです」

 「美味しいものは作れても、それは美味しいで終わっちゃう。
  行列ができるような店はなんか臭いとか油っぽいなどクセがある」
 つまり常習性、があるんだそうです

 徳井さん
 「そこはAI、難しいんでしょうね…」
 松尾氏
 「たぶん、記憶に残るんでしょうね」
 クセがあると、何かのきっかけで思い出しやすいが、
 単に美味しいだけだと、バランスが良すぎて記憶に残らないんだろう、とのことです

○2分で分かるディープラーニング
 映像でディープラーニングを理解するコーナー、
 第10回は「分かると作れる、作れると分かる」

 今回は、ニューラルネットワークは画像(猫の写真)から概念(「ネコ」)を学習すると、
 逆もできるようになる、という話でした

 学習のときは、画像を入力、概念を出力とし
 その途中で猫の特徴を抽象化して抽出する

 抽出化がマスターできれば、このネットワークは逆方向に流すこともできる
 このため
 「ネコってどんな姿?」
 と質問したら猫の画像を出せるようにもなる、という話でした

○人間ってナンだ?
 笠原さんは
 「アナログ」とボードに書いていました
 「いつの時代でも、隣の家からカレーの匂いがしたらカレー食べたい、とか
  露店のとうもろこしの醤油の匂いで美味しそうだな、てのありますよね…」

 徳井さんは
 「腹が減る」と書いていました
 「人間は腹が減るけどAIは腹が減らない、
  AIにもグーって腹がなる感覚が分かってきたら、美味しいのを作れるんかなぁ」
 と話していました

 松尾氏は
 「食は人間の感情や、本能のなかでも一番重要だと思います。
  美味しいものを食べたいのは、人間の根元的な欲求で
  何千年も続いてきたもの、これは大きいと思います」

 そして
 「これは高齢化になっても大きいものになると思う、
  たとえば健康上で理由で食べるものに制限が出ても、
  それでも美味しいものを食べたいというニーズはやっぱりあるんですね」

 食への需要は時代が進んでも常にある、ということですね。
 だからこそ
 「日本の技術を世界に向けて提供できれば、日本にとっても大きくなる」
 食のAI化は、これからの日本の強みになるのではないか、とまとめていました

○感想など
・AIレシピ、面白そうなので日本語版もあれば見てみたいです。
 最近は焼きそばにチョコレートとかショートケーキ味とか、あり得ない~っていう商品もたくさんありますけど、
 新しい商品開発の参考にもなりそうですね。

 また、日本のAIが生むレシピ、アメリカのAIが生むレシピ、など、教師データにより生まれるレシピにも個性が出そうだなとも思いました

・「わざと汚い猫の画像を見せて学習させる」という話では
 アモーダル補完だっけ?人間の視覚の補完機能についての話を思い出しました。

 これは人間が、ものとか風景などの一部が隠れて見えなくても、
 脳のなかで見えない部分を補完する機能。
 (Eテレの「0655」という番組の「そうとしか見えない」という曲のミュージックビデオでこれをやってるんですけど
 なかなか面白いです)

 これは、少ないデータでも抽象化できているから残りを想像できているわけで、
 AIのドロップアウトは、この機能を訓練しているようなものなのかな、と。

 人間はまだ赤ちゃんだと、親が見えないと本当にいなくなったと思って泣き叫ぶので、
 こういう機能はまだ無いんだろうと思われる。
 AIも、人間の子供みたいに経験を重ねて身に付けていくんかなと思いました

・深層強化学習の認識+ロボットの運動機能、で、
 目で見て動ける人工知能が作れる、という話も興味深かったです。

 人間の脳には、人の行動を見たら同じように真似して行動できる機能がある
 (ミラーニューロン)
 と聞いたことがあります。

 ミラーニューロンの研究によれば、
 人の行動を見たとき活発になる脳の部位を調べると、
 自分が同じ動きをしているときの運動野も活発になっているそうなんですけど、
 認識のニューラルネットワークと運動のニューラルネットワークを連動させるとか、コピーさせるようにすれば
 AIでもミラーニューロンみたいなのを再現できるんかな~、とか思いました。




認識+動き、で、何かあったときどう動くべきか判断して動くロボットは作れるようになるかもしれないが
自律的な動きをするにはやはり経験、データが必要なのかな

・そこそこレベルの料理人がAIで再現できても、トップレベルの経験、味覚のデータとしてやはり人間の料理人は必要だという松尾先生の指摘と、
 フランス料理人さんの「人間は環境、雰囲気、感情に味覚が左右される」という指摘にはなるほどと思いました。

 体を動かして経験を蓄積することや、
 総合的な判断、方針を決めるなどはやはり人間が勝るのかな。

 将来的には、
 経験は人間が提供、
 その分析をしてベストな選択肢を提示するのがAI、
 それを見てその場の空気とかも考えて最終的に判断するのが人間、
 みたいな、
 AIと人間が協調、融合した使い方ができたら面白いのかなと思います。

色々勉強になりました。
というわけで今回はこの辺で。