2017年11月17日

Eテレオイコノミア「悩める上司・部下へ 上下関係の経済学」

Eテレオイコノミア「悩める上司・部下へ 上下関係の経済学」

今回は上司と部下の関係について。
仕事上の関係は、たしかにめんどうですね…
講師は大竹先生でした。

○フライドポテト論争
 番組は、とある居酒屋から始まっていました。
 上司らしき男性と部下らしき男性が険悪そうな雰囲気。

 上司「君ね、せめてフライドポテト頼んでいいですか、と先に聞くだろう?」
 部下「だってなんでも頼んでいいって言ったじゃないですか」
 上司「仕事でも人の気持ちを考えるのが大事だろう、だいたいこの前も君は…」
 と説教を始めたが、
 お店の人が
 「あの、ご注文はよろしいですか」

 そこで部下の人が
 「フライドポテトを1つ」
 上司は部下を睨み付ける…

 又吉さん
 「先生、あれは何なんですか」
 先生
 「あれはね、フライドポテト論争と呼ばれるものなんです」

 これは、インターネットの掲示板での投稿がきっかけの論争だそうですが
  新人と思われる男性が
  上司と飲みに行ったら
  「なんでも頼め」
  というからフライドポテトを頼んだら、上司に説教された、やってられない、
  という内容の投稿だそうです

 それに対し、
 「社会人としての振る舞いを考えろってことじゃないの」
 「上司大人げない」
 「社長にくつろげ、て言われて靴下は脱がないでしょ?」
 「会社ってめんどくさい」
 など色んな意見が投稿されたそうです

 先生
 「又吉さんならどうしますか」
 又吉さん
 「僕が上司ならフライドポテトは頼まないですねえ。
  でも部下が頼んでもああ好きなんやな、て思うだけですね」

 そこへ今回のゲストが…
○今回のゲストの大久保佳代子さん
 「ダメですよこんな上司。
  まったくケツの穴が小さいっていうか…」
 とボヤくのはオアシズの大久保佳代子さん(笑)
 彼女はお笑い芸人の傍ら、14年間OL生活を送られた経験があるそうです。

 大久保さんの意見では
 「部下になんでもいいよ、って言って
  白子とか高いもん頼まれたらさすがにカチンと来るけど、
  フライドポテトならそんなに高くないんだからいいじゃないですか」

 私もフライドポテトごときでごちゃごちゃいう上司は度量が狭いと思うが、
 たぶん上司は学生気分が抜けてないなこいつ、と思ってイラっとくるんだろうね。
 でもお腹空いて食べたいときに説教したって効果はないし、
 もうちょっと言い方を変えたらどうかなと思うのですが。
 
○部下と上司の人間関係は難しい
 先生
 「お二人は部下に対してどう接しますか」
 大久保さん
 「私は自分が中心になりたいマスコット願望があるんで、
  部下に対しては、よっぽどじゃなきゃあんまり言わないですね」
 又吉さんは
 「僕は褒めることもあんまりしないですけど、
  それでも後輩に何か言わなきゃいけないことがあったら、3つ褒めてから言いますね。
  それでも壁を作られることもある」

 他の人はどうか?
 街頭で部下や後輩との関係で悩んだ経験を聞いてみると
 30代女性「私たちの頃と今の子ではモチベーションの上がる言葉が違うと感じる」
 20代男性「上司が飲みに行こうって誘ってきたのにガッツリ割り勘は勘弁してほしい」
 40代男性「部下が主体性がない、アドバイス通りのことしかやらない」
 30代女性「部下が可愛すぎてつい厳しく言ってしまう」
 20代女性「部活で負けたとき、後輩に言い方が段々きつくなっちゃって、失敗を怖がってチャレンジしなくなってしまった」

 …など、悩む人は多いらしい。

 大久保さん
 「部下、上司の関係だと、逃げ場がないから大変ですよね」
 又吉さん
 「嫌いだからって逃げることはできないんですね」

 先生
 「上司の人は部下に厳しく叱ってしまう、という人が多いんですけど
  それはなぜだと思いますか」
  大久保さん
 「自分もそうやって育てられて来たから?」
 先生
 「なるほど、自分もされてきたから、それがいいと思う人が少なくないということですね。
  実は、部下を叱って成績が上がった経験があるから、という人が多いんです」
 つまり、叱ることの成功体験があるからまたそうする、ということらしい。

 「そうなんですか?」
 「でもね、これは大きな勘違いである可能性があるんです。
  それを実験で実感してもらいます」

○平均への回帰
 次に先生が取り出したのはダーツ。
 これを次のルールで投げるゲームをしてしてもらいます。
 ・真ん中に行くほど得点が高い
 ・2回的に当てて、合計点を競うゲームをする
 ・本番の前に実力を見るため、10回投げて平均点を見る

 まず10回平均を出すと、
 又吉さんは70点、大久保さんは54点でした。

 そのあと本番を行います。
 大久保さんは1回目はなんと100点、2回目は80点。本番に強いタイプ?
 又吉さんは40点、100点でした。

 さて、これで何を見るのか。
 実は得点の大小はあまり重要ではなく、
 得点を競う設定にしたのは、真剣に投げてもらうためだったらしい

 街頭の方も含めた10人のデータを比べています。
 その中で、1回目の成績が実力より低い人を挙げてみると、全部で5人。
 又吉さん
 「半分くらいの人がそうなんですね」

 この「1回目に成績が良くなかった人」の2回目の成績を見ると、
 全員が1回目よりは良くなっていました。
 逆に、1回目良かった人は2回目は成績が下がっています。
 先生
 「つまり、平均値に近づいているんですね」

 これは統計学的には
 「平均への回帰」というそうで
  1回目の結果が平均より大きく外れている場合、
  2回目は平均値に近づく、というもの

 これと同じで、
 「ミスした部下に叱ったら次はうまくいった」
 という現象だけを見たら
 「叱ること」と「うまくいった」こととの因果関係があるように見えるが
 次回に良くなったのは、単に平均に回帰しただけかもしれないらしい
 先生
 「関係ないのに、叱ったら成績が上がったように「見える」んですね」

 またこれと同様に、褒めると成績が落ちてしまう場合
 誉めたのが悪いと思いがちだが、そうではなく、
 1回目がまぐれで、そのあと単に実力に近づいただけの可能性はあるらしい

 又吉さんはしかし
 「うーん、でもこれだけなら勘違いしないんじゃないですか?」
 との意見。

 たまに、ほんとに叱れば伸びるタイプがいて、
 そういう人に本気で怒ってうまくいった例があるから
 余計複雑なのではないか、とのことです

 先生は
 「だから、本当に因果関係があるのか、
  それとも単なる平均の回帰なのか、
  を見分けないといけないんですね。
  部下を指導したり子育てするときには、
  それを気を付けないといけない」

 というわけで
 ・上司側としては
  叱れば育つ、は思い込みかもしれない
  冷静にアドバイスをするべし

 ・部下としては
  少々のミスには一喜一憂せず、
  平均値つまり実力を上げる努力をすべし
 
 …だそうです。

 (子育てでも似たような話は聞いたことがあります。

 子育ての場合、感情的に叱っても誉めてもあんまり意味はないらしい。
 子供にはその時の感情(恐怖とか)だけが残り、
 言われた内容は記憶に残らないので、
 自主的に次はこうしようと考えられなくなってしまう。

 冷静に、理由つきで、なぜいけないのか言ってあげるのが大事みたいです。

 また、特に子供は1回言ってもすぐ忘れるので
 「この前言ったでしょ!」
 て言いたくなってもそこは抑えて、
 何回でも根気強く注意する方がいいみたいです)

〇人間関係のスキルを学ぶインバスケット
 次に、又吉さんが
 人材育成コンサルタントの島原隆志さんに取材をしに行っていました。

 島原さんは社会人のスキルアップの講座なども開いていて
 そのとき「インバスケット」というシミュレーションゲームをするそうです
 (ちなみにインバスケット、とは
  未処理の書類が入ったバスケット、の意味だそう)
 
 又吉さんも実際に受けていました。
 あなたは以下の状況になった時、どの選択肢を選ぶか?

 「あなたはクレーム処理の仕事をしているが
  顧客は「あなたじゃ話にならない」と言っている
  上司に対応してもらいたいのだが
  上司はたぶん「自分で処理しろ」というだろう。
  さてあなたはどうする?
  1上司には何も伝えず自分で頑張る
  2上司に状況を報告して、一緒に謝りに行かないといけないかも、ということをにおわせる
  3無理です、と上司にやってもらう
  4上司の上司にお願いする」
 
 又吉さんは
 「1は難しいですよね、できていないんだし…
  4はたぶん後で怒られますよね。
  3も仕事してないことになるんで、2ですかね」
 島原さん
 「その通りです。
  これは「根回し」が上手な選択肢なんですね。
  「クッション材のようなイメージ」と言っているんですけど、
  衝撃を与えずににおわせるのが大事なんです」
 又吉さん
 「そうですよね、あとになってダメと言われると余計困ってしまいますからね」

 次の問題は
 「あなたの部下が
  「すみません、失敗しました、100万円の損失です」
  と言ってきた。あなたはどうする?
  1成功するようはっぱをかける
  2助言してもう一度やらせる
  3自分が代わって対応する」

 又吉さんは
 「僕だと3だけど、2が良さそうですよね。
  でも部下がこの言い方だと
  助言しても無理ちゃうかと思うけど…(笑)」

 島原さんは
 「3をしてしまうと、部下から成長の機会を奪ってしまうんです。
  だから失敗をしてもあえてやらせてみる」
 「やらせるのは一番難しい技術ですけど、
  それをしないといつまでも自分が処理しないといけなくなる、
  失敗をさせるのも経験、損失も人材を育てるための投資だと思うんです」
 又吉さん
 「うまくいけば有効ですよね。
  分かってるけどできひんけど、それでもやった方がいいということですね」

〇部下に失敗させる経験も投資の一つ
 大竹先生の解説によると
 経済学からしても、失敗しても部下にやらせるべきなのだそうです
 「やらせて失敗しても、訓練だと考える。
  それからの人生の方が長いので、
  失敗しても部下がそれで成長すればおつりがくる、と考えるんです」
 又吉さん
 「ちょっとなら損失もいいですけど、
  何千万も損失ってなったらどうするんですか」
 先生
 「そこが上司の腕の見せ所なんですよ」

 先生によれば、上手に仕事を配分するのが、上司の仕事なんだそうです。
 会社にとっては、失敗しても損失にならない程度のこと、
 部下にとっては、実力よりちょっと難しい、達成感や有能感を感じられる程度のこと
 を選んで任せるのが、上司のスキルだとのこと

 なかなかそういううまい案件はないですけどね。
 
 又吉さん
 「ある程度余裕のある会社じゃないと人材は育たないですね、
  これ失敗したら倒産に直結する、となったら任せられない…」
 先生
 「そうですね、
  でもそういう会社は、人材が育たないからいずれはつぶれると思います」

 (とはいえブラック企業みたいに、
 はなから人材を育てるつもりもなく使い捨てにする企業も世の中にはありますがね)

〇クラッシャー上司
 次に「クラッシャー上司」についてでした
 これは
 ・仕事熱心で有能
 ・部下をこき使う
 ・部下が失敗するとネチネチ当たり、部下を精神的に追い詰める
 というちょっと困ったタイプの上司だそうです

 ここでこの言葉の生みの親である方が出演されていました
 松崎一葉さんというかたで
 精神科産業医をされているそうです

 「こんな人いるんですか」
 「大会社の役員さんにはだいたい何人かおられますね」
 松崎さんによると、
  こういう人たちは仕事はできるので出世するし
  会社も辞めさせることがなかなかできない、
  しかし下につく部下はつぶれていくらしい
  そしてたちの悪いことに、
  「俺は部下を3人つぶしたんだよ、ハハハ」
  と武勇伝のように自慢する人もいるらしい

 松崎さんが、典型的な例を物語仕立てで示してくれました
 
 「Fさんは国立大を卒業後、機械メーカーに就職
  まじめな性格で、求められること以上のことをしないと気が済まない。

  彼女の上司はAさん
  少し難しい案件があったが
  「お前ならやれる、俺がサポートするから」とFさんに任せる

  Fさんは期待に沿うべく頑張るが
  クライアントが理不尽なことを言ってくる
  そこでAさんに相談するが、
  Aさんは「納期の変更は認めない、信頼を失墜させるな」と叱咤激励する

  それから、朝6時から夜中2時までマンツーマンでFさんに付きっ切りになる
  Fさんは食事も一緒、トイレもAさんに合わせないといけなくなった
  彼女はストレスで食事も喉を通らなくなったが
  Aさんは「無理してでも食べろ」
  そこでFさんは頑張って食べるが、あとで吐いてしまう

  クライアントは「納期を変更してもいいですよ」
  と言ってきてくれたが、
  Fさんは自分に厳しくしてあえて断ってしまう

  しかしそれからFさんは1週間、出勤できず…
  精神産業医に見てもらったところ「うつ病」と診断される
  ところがAさんは
  「やっぱ最近の若い子はダメだな、もっと根性あるの回してよ」
  と言い放つ…」

 大久保さん
 「こんなことってあるんですか」
 松崎さん
 「そうですね、よくあるわけではないですけど…
  難しいのは、上司も言うことは間違っていないということ、
  それから中には、厳しいことを言うのは愛情のため、という人もいる」
 正義感があるゆえに自分でも治そうとしない難しさがあるようです。

 又吉さん
 「なんで上司がこうなっちゃうんでしょう、
  本人がこういう環境でやれてきたからですか」
 松崎さん
 「その通りですね、成功体験があるからでしょうね」
 又吉さん
 「僕は無理してでも食べろとかいうのはダメですね、たぶんすぐ辞めてます…」
 大久保さん
 「そういう人はいいんですよ、
  まじめで負けず嫌いの人とかが被害を受けちゃうんでしょうね」
 松崎さん
 「Fさんのような方だと、
  逆に私を鍛えてくださっている、と思ってしまうんですね」

 まじめな部下は、できない自分が悪い、と思ってしまい、抱え込む。
 クラッシャー上司の方は、自分は正しい、と思い込んでいる。
 世間の感覚からしたら、それはちょっとおかしい方向に行ってしまっているのだが、
 2人の間では普通のものとして一致している。
 このため表に出ることがない。
 こうして、パワハラとか長時間労働はなかなか改善されない…という構図なのだそうです。

 大久保さん
 「上司にも上司がいるんじゃないんですか」
 松崎さん
 「上司の上司もクラッシャーだったりするんですね」
 又吉さん
 「つないでいってしまってるんですね。
  クラッシャーじゃないやつは正統じゃないという認識になってしまう…」

 先生は
 「こういう、企業の中でクラッシャーがいい、という価値観ができてくることを
  「選考の内生性」というんです」
  
  選考の内生性、とは
  人の好みが環境や経験で形成されること、で
 
  例えば男性の育児参加が進まないのもそのせいではないか、と言われるそうです
 先生
 「中高年の人たちは、母親が専業主婦の環境で育った人が多いので、
  女性が家庭に入って家事育児をする、
  という概念を子供のころから植え付けられてしまっている。
  すると、今は妻も夫も働いた方が生産性が高い時代なのに、
  大人になってもその価値観が治らない…」

 (うちの旦那や義父さんがその典型だろうな。
  この前なんかは
  「やっぱり子供はお母さんじゃないとダメ」
  みたいなことを言われて少々イラっとしました。
  旦那や義父さんに言わせると
  「子供は母親が育てなきゃいけない」
  「父親があやしても泣く」
  らしいのだが、
  そんなもん単に子供が生まれてから接する時間の違いのせいだろう、と思う。

  だって世界には男性が育児する民族もあるんだから、性差は言い訳にならんと思う。
習慣の問題ではなかろうか。

  それまで育児にそんなに参加してないのに
  (仕事でできなかった、というのはあるんだろうが)
  「男だから」育児能力がない、
  とか言うのはなんか納得いかない。

  こっちは子供苦手だけど、やんなきゃいけないからそれなりに子育て頑張ってこうなったんだよ、
  努力もしてないのにハナから諦めて女に育児を押し付けるようなこというな、
  くらいの勢いのことを思ってしまいました。

  まぁでも私より若い世代の人は、非正規でも働くお母さんは増えてるので
  我々がおばあさんになる頃には、また価値観も変わっているのかもしれない、とも思います)

 大久保さんは
 「この業界でも、寝ずに長い収録を取れば面白いみたいな考え方もありますけど、
  今なら短時間でぱぱぱって取った方が面白いこともありますよね。
  〇〇とかダメですよ」
 と実名を出して毒づいています(笑)
 又吉さん
 「それは聞きたくなかった…」(笑)

 大久保さん
 「古い価値観で成功している人もいるけど、
  今の人のパワーの方が大きくなってるじゃないですか」
 先生
 「若い人にも選考の内生性、というのはあるんですよ」
 又吉さん
 「この前収録で地図見ていて、場所が分からないから教えて、と言ったんですけど、
  若い子はグーグルマップ見て、と言ってきたんですよ(笑)

  僕らの価値観からしたら腹立つけど、
  でもこの人たちからしてみたら、何でこんな便利なのあるのに使わないの、
  って思うんでしょうね」
 先生
 「若い人の方が、その時代の技術や環境に適応しやすいんです」

 例えば伝統芸能の職人など、あんまり昔からやり方が変わらない集団であれば
 昔の人のやり方を習っていたらそれでいいが、
 技術の進歩が速いとそれも難しくなる、とのことです

 又吉さんは
 「僕、いまだに2009年のノートパソコン使ってて、
  なんでそんな古いの使ってんの、新しいのにすればと言われるんですけど
  変えるのがめんどくさいし、新しいのに慣れるのに時間がかかるんですよね。
  個人のレベルでもそうだから
  新しいものを取り入れるのはパワーが要る」
 大久保さん
 「そこを乗り越えたらたぶんずっと楽だよ(笑)」

 そして、世の中の価値観が変わってきているのに
 それに適応できていないのがクラッシャー上司、のようです

 松崎さんによると
 「クラッシャー上司はクラッシャー上司のコピーは作れる、
  右肩上がりの時代ならそれでよかったけど、
  今はなかなかそうもいかない」

 実際、クラッシャー上司対策に熱心なのは
 イノベーションが必要な仕事、科学の世界の企業が多いそうです
 クラッシャー上司なんかのさばっていたらイノベーションできない、てことですね。

○クラッシャー上司への対処法
 それでは、クラッシャー上司にはどう対処したらいいのか?
 松崎さんによれば
 ・上司に対しては、カウンセリングをして自覚を促す
 ・被害者にもカウンセリングをして対応する
 ・ロールプレイングをして被害に遭う気持ちを実感してもらう
 「自分が被害を受ける立場になると、
  こんなつらかったんだ、と驚く人もいます」
 
 大久保さん
 「頑固で根深そうですね」
 又吉さん
 「それか、若者は離れて起業していくか、ですね」
 大久保さん
 「定年があるからそういう上司は自然淘汰されそうなのに、
  100年たってもいるんですね」
 
 松崎さんは
 「クラッシャー上司は日本特有のもので、
  欧米ではほとんど見られないんです。
  欧米だと、そうなる前に転職してしまう。
  日本はやはり終身雇用なので、
  ここで耐えねばならないと思ってしまう」

 又吉さん
 「みんなが起業とか転職できるわけでもないですからね…
  どうしたらいいんですか」
 松崎さん
 「中長期的にはコンプライアンスを遵守することですが、
  短期的にも解決はできます」

 1つは、同じクラッシャー上司の部下だった人に話を聞きに行く
  ・これは、同じ被害にあった仲間と話すことで
   「自分だけじゃない」という気持ちを取り戻せる
  ・その人なりの対応策を持っているはずなので
   そこから学ぶため、だそうです
   「こういう風に自慢してきたらこう接しとけ」
   「こういうことをしたときはおとなしくしていた方がいい」
   とか言うのが分かるらしい

 もう1つは、会社と関係ない友人と話をする
 クラッシャー上司の価値観が普通だと思ってしまうのが問題で、
 心理学的には「認知のゆがみ」というそうですが
  (真実を冷静にとらえられなくなる、
   非合理的な心のパターン)
 ほかの集団にいる人と話をすると、そこから解放されるのだそう

 又吉さん
 「芸人の突っ込みみたいなの、会社にいた方がいいですよね。
  おかしいでお前、みたいなの」
 大久保さん
 「そうよ、ほんと大事。
  それでみんな笑ってたら誰受けてるんだろうな、てなるかも」(笑)

〇まとめ
 又吉さんは
 「クラッシャー上司は、本人が気づいてないからかわいそうなところもありますね」
 と話していました
 クラッシャー上司も、本人としては悪意はない可能性が高くて、
 自分の経験をもとに、部下に良かれと思ってしていることが多い。
 それは人間として当たり前なのに
 相手には害になっているのが不運だ、とのこと

 先生
 「第三者の視点は大事ですね」
 又吉さん
 「自分に言ってくれる人は大事ですね」
 先生
 「そうですね、
  私も又吉さんにそういうことを言うようにします(笑)」
 又吉さん
 「割りと言われてますもんね、先生に…」
 という会話で終わっていました

○感想など
・番組ではクラッシャー上司が取り上げられていましたが、
 逆パターンは無いのかな?と思いました。
 つまり、困った部下(クラッシャー部下?)に潰される上司…

 というのは、私の知り合いには実際に部下との関係でストレスがたまり、病院に行くはめになった方もいるのですよね。
 学校の先生でも、生徒が反抗的で、学級崩壊起こしてうつになっちゃう人もいるし…

 今はパワハラするなとか
 上司に対する要求が高いので、特に板挟みになる中間管理職は大変だと思う。
 
 真面目で誠実な上司ほど、
 言い過ぎたらダメなのかなとか
 甘すぎてもダメなのかなとか
 悩んじゃうし、
 そこにつけこむ部下に潰される、てこともあるので
 理不尽な部下への対応も教えてほしいな~

・私自身は本格的に上司になった経験がないので
 (ヒラのまま辞めてしまったので)
 あまり偉そうなことは言えないんですが、
 元々上下関係、てのはあまり好きではなく、
 部下にせよ、子供にせよ、上司にせよ、自分と対等な存在として接した方がいいんじゃないか、と私は思っています。

 基本的に、どんな偉い人でも、
 あるいは自分がどんなに偉い立場だとしても、
 結局は一人の人間だし、そんなに変わらんのじゃないの?と思ってしまうのですよね…

 なので学生時代でも仕事でも、
 立場が上だろうが興味のある人の所にはズカズカ行くような人間だったかも。

 逆に先輩の立場としては
 尊敬とか畏れられるのは好きではなく
 どっちかいうと、親しみを持って対等に接してほしいなぁと思う方です。
 (後輩にもいじられていた気はするが)

 そのせいか、アドラー心理学の本を読んだとき
 「部下と上司も、親子関係も
  上下関係ではなく対等な関係と考える方がいい」
 というような考え方があって頷いてしまいました。

 アドラー心理学には
 「課題の分離」
 という考え方があって、
 自分の課題は自分が解決すべき、としている。
 それは子供も部下も同じ、
 彼らの問題は彼らに任せるべきで、
 彼らのアドバイザーにはなっても支配者になるべきではない、
 としています。

 つまり相手が部下だろうが子供だろうが、相手を尊重しているんですね。
 やらせれば自分の力で問題を解決できる、と信頼しているとも言える。

 そういう、対等に接することで得られるメリットは大きい、
 と私は思います。
 彼ら自身が成長できるのもあるし、
 自分が部下や子供から新しいアイデアを学べることもあると思う。

 例えば私は子供と出掛けるとき、
 行き先とかスケジュールを子供に決めてもらったりすることもあるんですけど
 本人が決める方がやる気でたりするし
 そういうアイデアもあるんか、と思うときもありますし。
 クラッシャー上司もそれくらい柔軟になれたら、自分も楽だしクラッシャーにはならないと思うのですが。

 それから、部下の立場としても
 上司とは気持ちの上では対等でもいいんじゃないか、と思います。
 (態度に出しちゃうと尊大なやつ、と思われる場合がありますがね)
 例えば上司の言ってること変だな、と思っても
 「なんでこの人こんなこと言うんだろう?」
 と考えていくことで、
 上司がヒラだった頃の経験とかを知って、そこから何か学べることもあるかもしれない、
 あるいは同情することもあるかもしれない。
 そうなったらやみくもに従うのではなく、一歩引いて接することもできるんかなと思います。

…とはいえ、会社って出世したい人が多いから
 中には部下を踏み台にして、自分の優越感を満たしたいタイプもいるんだろうな。
 なかなか難しい。

 それから、日本は終身雇用制、という話がありましたが
 もう少し職場を変えやすい
 (前回の話ではないが、再チャレンジしやすい)
 文化になってくれないかなぁ~、と思いました。
 
大久保さんの毒舌がなかなか面白かったです(笑)
というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 08:14| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする

2017年11月14日

Eテレ100分de名著 ラッセル幸福論「第2回思考をコントロールせよ」

Eテレ100分de名著 ラッセル 幸福論「第2回 思考をコントロールせよ」

ラッセルの幸福論、2回目の今回は「不幸になる原因とその解決法」についてでした。
次回は島津有理子アナ、伊集院光さん、
解説は小川仁志氏です。

不幸になる原因を一つ一つ挙げて
「こういう風に考え方を変えたらいい」
と示してあるのが分かりやすかったです。

○ラッセルの挙げる「不幸の原因」
 第1回ではラッセルは不幸の原因を「自己没頭」としていたが
 今回は、さらにそれを具体的に見ています。
 ラッセルが項目として挙げていたのは
 ・バイロン風の不幸
  (バイロンは19世紀の詩人で、悲観的な作調が特徴。
   ここでは悲観的な人を指すらしい)
 ・競争
 ・退屈と興奮
 ・疲れ
 ・妬み
 ・罪の意識
 ・被害妄想
 ・世評に対するおびえ 

 小川氏によれば
 「これらを無くすには思考のコントロールが必要」なのだそうです
 次に、一つ一つ解説しています

○バイロン風の不幸(悲観主義)
 悲観的な人は
 「どうせうまくいかない」と考えて何もしなかったり
 「どうでもいい」と思って何にも興味を持とうとしない

 これについてラッセルは、
 「自分も一切は空だ、と感じる気分を何度も経験したことはある」
 としながらも

 「そこから脱出できたのは
  何かの哲学によるのではなく、
  どうしても行動を起こさねばならない必要にかられたから」
 としています

 「もしも我が子が病気になったら不幸だと思うかもしれない。
  しかしあなたは一切が空だとは思わないだろう。
  それよりも子供の健康を取り戻すことに一生懸命になり
  人間の生命の究極の価値とは、
  などということはどうでもよくなるだろう」
 
 このように、何か外に向けて行動する必要性に目を向けるべきだ、
 とラッセルは言うそうです

 小川氏によると
 「悲観的になると考えすぎてしまう、 
  でもそこでやってもしょうがないとか諦めるのではなく、
  今やらないとマズイ、という状況に目を向けて行動すること」
 なのだそうです

○競争
 勝つことが全て、と思っていると幸福にはなれない。
 成功を夢見て仕事人間になっても、
 家族や健康など他の大事なものを失ってしまう

 このことを、ラッセルは読書を例えに出しているそうです
  読書には、本を読むことを純粋に楽しむ人と
  こんな高尚な本を読んでるんだぞと他人に自慢するために読む人がいる
  後者は人と競争し、勝つことを目指す行為だが、
  本当は自分が純粋に楽しむ方が幸せになれる
 というようなことを言っているらしい

 小川氏によると
 「成功だけが幸福、という考え方は
  ほかのものは犠牲にしてもいい、となってしまう。
  バランスが大事」
 とのことです

○退屈と興奮
 人は退屈なので興奮を求めるが、
 興奮も、度が過ぎると不幸になる

 ラッセルは
  多すぎる興奮に慣れた人は
  多量のコショウを求めるようなもの、としています
  そういう人は、むせるほど多量のコショウがあっても味が分からなってしまう。
 いわば依存症のような状態になっている、と。

 そしてそれを防ぐには、退屈を否定的に捉えないこと、としています
 退屈を楽しみ、味わうこと。
 現代で言えば携帯の電源を切り、
 自然の中に出て静けさを味わい、大地のリズムを感じること、だそうです

 小川氏によると
 「退屈だと不幸と思うと、興奮を求めるが、
  それが過ぎると依存症になる、
  じゃあどうすればいいかといえば、
  退屈は否定的なものではなく、楽しめるものなんじゃないかと発想を変えること」
 とのことです

 伊集院さんは
 「コショウの例えはすごく思い当たることがあって、
  今グルメブームで、美味しいものを求めて色んな店に行くけど、
  それが疲れてくる時がある」
 という話をしていました
 「たまにうまくも不味くも無いものを食べたくなるときがあるんですよ。
  嫁さんなんかは、
  「それを「飽きが来ない味」って言うのよ」って言うんですけど。
  今欲してるのは美味しいものじゃなくてこれなんだよ、と思えるか、なんだろうな」
 小川氏は
 「視点を変えることですね」

○疲れ
 ラッセルによれば、疲労は精神的な心配から来るらしい
 ラッセル自身、本が有名になって講演などするようになったが
 最初の頃は緊張して
 「足の一本でも折れてくれればいい」
 と考え、講演が終わるとクタクタになっていたそうです

 しかし宇宙的な視点になり、自分を俯瞰するようなしたらしい
 「自分の講演がうまくいこうがいかまいが、宇宙には大きな変化はない」

 島津アナは
 「ラッセルも講演が嫌で足が折れないかな、と思ったというのは
  すごく親近感を感じました」
 小川氏は
 「僕らでも会社行くのも辛くて風邪ひかないかな、と思う時もあるんですけど
  そう思ってシミュレーションしてても疲れるだけだよ、
  と言ってるんですね」

 伊集院さんは
 「僕なんかもっとひどいこと考えるときがあって、
  自分じゃなくてクライアントさんが病気にならないかな、とか思う時もある」
 正直ですね(笑)

 島津アナも笑っていましたが、伊集院さんはまじめな顔で
 「でもこれって結構重要なことで、
  こういうことの積み重ねで、誰か戦争起こさないかな、になっていくんじゃないかと思う
  疲れから解放されるために、どっかの国がミサイル撃つとか…
  みんながコントロールできずに暴走しちゃうと、大変なことになる」 
 話が大きくなってきました。 
 小川氏は
 「ラッセルも同じようなことを考えていたと思います、
  個人のそういうのを防ぐのが、平和にもつながると」

 伊集院さん
 「思考のコントロールは大事なんですね」
 島津アナ
 「大事だけど、それが難しいですよね…」
 小川氏は
 「大事なのは、考えるべきことを考えるべき時に十分考えることと、
  「哲学せよ」とラッセルは言っているんですよね」
 小川氏によると、哲学とは
 何でだろう?と原因を問い詰めていき、
 具体的に考えて解決策に至っていくもの。
 それにより本質に迫ることができるのだそうです。

〇妬み
 例えば
 「お隣さん、今度の休みにハワイだって~。うちは何年も旅行もしてないのに~」

 ラッセルは「比較をやめよ」というそうです
 「他人と比較する習慣は致命的な習慣だ。
  何事も、楽しいことが起きれば目いっぱい楽しむべきだ。
  これはもしかして、よその人に起こっているほど楽しくないんじゃないか、
  などと考えるべきではない」
 
 小川氏によると
 「誰しもよくなりたい、という気持ちはあるが、それが不幸の始まり」
 だそうです。そのためには
 「他人と比較をやめること。
  相手をほめること。自分も相手もほめること。
  自分のありのままを認め、楽しむこと」
 だそうです

 伊集院さんは
 「野球の観戦に行ったときに興奮しているのに、
  指定席を見てあそこいいなあ、とか思う必要はないですよね。
  100%楽しいんだから」
 小川氏
 「楽しんでいたらそんなことにはならないでしょうね、
  どこかでねたんだり比べたりすると、そういう気持ちが生じるんだと思います」

〇罪の意識
 幼少から植え付けられた固定観念が、罪の意識として残ってしまうそうです
 例えば、結婚したら幸せになるよ、と言われ続けていると
 結婚できなかった時に罪悪感を感じてしまう
 
 これについてラッセルは
  「理性が悪くない、と告げることについて
   後悔を感じ始めるようなときは
   その都度、後悔の感情の原因を調べて、
   それが不合理なものであることをいちいち得心すること」
 と書いているそうです

 小川氏は
 「ラッセル自身も祖母の禁欲主義で育てられて、
  強い影響を受けて悩んだ経験がある」
 伊集院さんは
 「僕はずばりの経験があるんですけど、
  父親に「惰眠をむさぼるな」寝るな、と言われたんです。
  お前が寝ている間に努力している奴がいる、と。
  だから今でも長く寝ると罪悪感を感じて、4時間以上は続けて寝られない」
 4時間しか寝られないって大変そう…

 伊集院さんは
 「でも親は良かれと思って言っていることもあるじゃないですか」
 小川氏は
 「良かれと思ってるからこそ無意識のレベルまで、罪悪感は入り込む」
 島津アナ
 「どうやったら無意識のレベルまでコントロールできるんですか?」
 小川氏
 「意識すると、あれが原因だったと思い当たって、心が軽くなる。
  それを徹底的に繰り返すことですね。
  そこまで入り込んでやらないと無意識の罪悪感は取れない」

〇被害妄想
 ラッセルは次の例え話をしているそうです
 
 高潔な理想主義者が、国民のために政治家になろうとする
 しかし本当は、権力欲や虚栄心のために政治家になりたいだけなのかも…
 だから「なんで自分の理想を分かってくれないのか」という被害妄想に陥る
 
 あるいは成功しない劇作家について。
 彼が劇を書くのは、
 ある思想や感情を表現したい、という衝動のためなのか、
 それとも拍手喝さいを浴びたい欲望のためなのか?
 前者なら、作品を作り続けることが幸せになるが、
 後者であれば、自分を理解しない観客が間違っている、という被害妄想に陥ってしまう

 ラッセルは、被害妄想の解決法として4つを挙げているそうです
 1あなたの動機は、あなたが思っているほど利他的ではない、
  ということを忘れてはいけない
 2自分の美点を過大評価してはいけない
 3自分が自分に寄せるほどの大きな興味を、ほかの人に期待してはいけない
 4他人は、自分を迫害してやろう、というほど
  あなたのことを考えている、と想像してはいけない

 小川氏によれば
 「1は、先ほどの政治家
  2は、先ほどの劇作家
  3は、なんでもっと自分を気にかけてくれないの、と思ってしまう人
  4は、どうして自分を大物扱いしてくれないのか、と思う人」
 だそうです
 
 要するに、他人はそんなに自分に興味があるわけじゃないよ、ということらしい

 伊集院さんは
 「後輩に説教するときに
  「お前のために言ってるんだ」っていう時があるけど、
  これは違うな、自分のいらだちを乗せてるだけだな、と気づくときがある。
  俺の機嫌が悪いだけだ、と思った瞬間に言い方が変わることがある」
 うーん、私も子供に怒るときよくある。
 「あんたのため」って言う言葉を使うのは慎重になりますね。

 小川氏は
 「でも自分ではなかなか気づきにくいので、
  ラッセルにズバッと言ってもらうとハッとしますね」

〇世評に対する評価
 これは自分が他人にどう思われているかを気にすることだそうです。
 現代のSNS炎上にも通じるのかも、とのこと

 ラッセルはこれについて
 「一般に、重大な問題でも、些細な問題でも、
  他人の意見が尊重されすぎているのではないか」
 と書いているそうです

 「飢えを避け、投獄されないために、世論を尊重しなくてはいけないときもあるが、
  その一線を越えて世論に耳を傾けるのは、
  自ら進んで不必要な暴力に屈することであり、
  あらゆる形で幸福を邪魔されることである」

 要するに、生き死にに関わる問題でない限り、
 不必要に他人の意見に過敏になることもないんじゃないの、
 ということを言っているらしい
 
 さらにラッセルは、究極の解決策は
 「ただ一つ、一般観衆が一段と寛容になること。
  自分は真の幸福を享受しているから仲間に苦痛を与えるのを幸福としない、
  と考える人を増やすこと」
 というようなことも述べているらしい

 小川氏は
 「最終的にはみんなが寛容になるしかない、
  自分もそんなに他人のことをとやかく言う必要もないし、
  自分も多少言われても気にしないようにすること」
 
 伊集院さんは
 「ネットなどで批判的な意見を見るとき思うのは、
  それも一理ある、あながち間違ってないな、
  くらいの意見が大多数であるべきだということですね。
  「いいね!」と「炎上」しかないのはあまりにも不健康だし、不寛容」
 そして
 「「極論だけども間違いじゃないって言い切れない力があるよね」
  ていうボタンも必要ですね、長くなりそうですけど…」
 と話していました

〇まとめ
 伊集院さんは
 「今回驚きなのは、
  全部の項目が複雑に絡んでストレス、不幸になっていると思うんだけど、
  それをまぜこぜになったまま漠然と提示されると実感しにくいけど、
  数学者を目指していただけあって、
  複雑な要素を分解して示してくれている。

  あの8個のつまみがあって、それぞれを個人個人がチューニングするのが
  思考のコントロールになっていくのかな」
  
 小川氏は
 「みんなそれをどうしていいかわからないので、
  万人に当てはまる公式みたいなのをラッセルは提示しているんですね、
  自分なりの幸福の答えを公式から出していくことだと思います」

 伊集院さんは
 「僕今日のオンエア見て、自分なりのチェックシートを作ろうと思います。
  人には見せたくないですけど…」
 と話していました

〇感想
・一つ一つの項目も納得できるんですが、
 それよりもラッセルさんの思考法が論理的でいいなと思いました。
 基本的にどの項目でも

 1とりあえず、感情をわきに置いて、今の自分の状況を客観的に見る
 2今の自分の気分を自覚する
 3その理由はなぜかを探る
 4それが消えるための手段を考える
 5とりあえずそれを実行
 という手順を踏んでいるように思う。

 たぶん最初の「感情をわきに置いて、状況を見る」
 のが一番難しいのだろうと思うのだが、
 そこはチェックリストを8つ挙げて、
 どれが今の自分に当てはまるか、だけを機械的に考えればいいようになっている、
 というのが素晴らしい。

・中でも
 「とりあえずやるべきことを行動する」
 というのは理にかなっていると思います。
 体を動かすと、体の方に注意が行くので精神的にも感情から一歩引いた状態になれるし、
 物理的にも、少なくとも何かはするので確実に解決に近づいていることになる。
 一挙両得だと思います。

 脳科学の本でも
 「感情が行動を起こす」のではなく
 「行動が感情を起こす」のだ、と最近は言われていますね。
 悲観的なら、ハッピーになれるような行動を起こしてみること、なのかな。

・私もだんだん年齢が言ったせいか、開き直りが増えましたが
 ラッセルの言葉を私なりに置き換えてみます。
 「他人と比べなくてもいいじゃない」
 「何もすることないけど、ボーっとするのも悪くないな」
 「別に自分が失敗したって世界が終わるわけじゃない」
  (そういえばこれはスケートの鈴木明子さんが言ってました
   彼女は拒食症を克服した後
   「スケートできるだけでうれしい」という境地に至ったそうなので
   それくらい失敗を俯瞰して見られたんでしょうね)
 「まあいいか、他人はそんなに自分のこと気にしてない」
 
・「罪悪感」に関しては深いものがあるな~と思いました。
 最近「毒親」なんて言葉もある。
 確かに親とか、自分の受ける教育は選べないのだが、
 それを自分の人生がうまくいかない言い訳にしてはいけないのかな、と思います。

 どんな親も完璧じゃないんで、
 親から受けた教育が、子供の変な罪悪感になっちゃうことも
 たぶん誰しもあるんだろうと思う。

 でも、それを毒親のせいだったとか
 人によっては前世のせいだとか言う人もいるが、
 それは一種の逃げだと私は思う。
 ラッセルが、罪悪感の根源を掘っていくことで祖母の厳格な教育から解放されることができた、
 ていう体験談は勇気づけられるものがあるんじゃないでしょうか。
 
 私も母親が結構感情的な人だったので、
 先回りして人の気持ちを考えてしまう癖があります。
 …ていう傾向は、義父母と同居していろいろあって
 自分の気持ちを掘り下げて考えていくことで出てきたことです。
 気づいたおかげで対処ができるようになった。
 そこまで気付くまでの過程は辛かったけど、
 それをしたからこそ今の穏やかな気持ちがあるのかな、と。
 自分の人生を幸せにできるのは自分しかいないんじゃないかなぁ、と思うのです。

・最後のネット炎上に関わる話は難しい…と思いました。
 最近は無視すればいい、とも言い切れなくなっていている。
 自分の住所とか写真を公表されてしまう場合もあるし、
 職場を辞めざるを得なくなる人もいる…
 ネットでのバッシングがひどくなるのは、お互い見えない存在ゆえなのか。
 小川先生の言う
 「自分も他人をとやかく言う必要はないし、
  他人の言うことも多少は気にしなくてもいい」 
 という寛容な社会が広がるといいのだが、と思います。

次回は、「幸せを積極的につかみに行く方法」
だそうです。
楽しみにしたいと思います。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 11:53| Comment(0) | テレビ(100分de名著) | 更新情報をチェックする

2017年11月13日

Eテレ 人間ってナンだ?超AI入門 第6回「お金を使う」

Eテレ 人間ってナンだ?超AI入門 第6回「お金を使う」

全12回で人工知能について学ぶと同時に、
人間について深く知るための番組、だそうです。
進行はチュートリアルの徳井さんと東大の松尾豊氏です。

だんだん面白くなってきたこの番組、
(司会のお二人のからみがいいですね)
今回のテーマはお金、
投資に人工知能を使うことについてでした。

○今回のゲスト
 今回のゲストはエコノミストの上野泰也氏。
 机には色んな新聞が…

 徳井さん
 「エコノミストって何をするお仕事ですか」
 上野さん
 「経済の動きを予測するんですが、
  そのためにこれらの新聞や電子メディアを集めたり、
  時には外に出たりして情報を集めるんです」
 集める情報には経済以外のものもあるそうです

 徳井さん
 「なるほど、芸能人がスキャンダル起こしたらその事務所の株価が下がるとか?」
 上野さん
 「アイドルの流行が景気を左右するという話もあるんですよ」
 徳井さん
 「そうなんですか?」

○AIにお金の管理を任せる
 「上野さんにとってAIとは」
 上野さん
 「職業の危機ですね」

 現在は投資の分野でもコンピューターが使われており
 600人いたトレーダーが今は2人、という投資銀行もあるそうです
 15年後には、エコノミストの4割以上がAIにとってかわる、という予測もあるらしい

 徳井さん
 「AIは敵とも言えるんですね(笑)」
 上野さん
 「でも情報を集めて整理すればいいかといえばそうでもなくて、
  日常生活の感覚というか、世の中の動きというか、
  数字では分からないことを加味して予測できるのが
  人間の特徴だと思います」
 徳井さん
 「予測で大事なことは?」
 上野さん
 「バランス感覚ですね、一般論や多数派に惑わされないことです」
 もちろん多数派意見でコンセンサス(同意)が生まれ、流れができることもあるが、
 そこから外れることもあるのがマーケットの醍醐味なのだそう

 徳井さんは
 「僕も金融商品やったけど、ほったらかしですね」
 松尾氏は
 「個人の資産運用は大体みんなめんどくさがってやらない、
  そこにAIが使える余地はありますね」
 徳井さん
 「AIが助けてくれたらありがたいですね」

 最近金融分野の人工知能としてフィンテックが注目されている
 フィンテックはファイナンス(finance、金融)とテクノロジー(technology、科学技術)を組み合わせた造語

 松尾氏
 「徳井さん、フィンテックはご存じですか」
 徳井さん
 「儲かるAIですか」

 ここで登場したのが瀧さんという方。フィンテック有識者だそう
 瀧さんは
 「儲からない」とのことですが(笑)
  お金やマーケットの情報は個人の行動により変わるが、
  AIはその分析と相性がいいのだそう
 徳井さん
 「財務管理とか資産運用をAIがするんですか」
 瀧さん
 「家計簿の管理などは長続きしませんよね、私もそうでした。
  今ではスマホで家計簿をつけたり、
  余った資産を分散投資するサービスにAIを使うことが増えています」

 上野さんは
 「ロボットがするようになったら仕事を失う人も出てきますね」
 と言っていましたが(実感こもってますね(笑))
 徳井さんは
 「主婦の人とかは、家計簿つけるのから解放されていいですね」

 AI技術にはお金は組み込みやすいそうで、
 AIを利用したサービスには
 例えば割り勘アプリというのがあり
 飲み会の支払いの割り勘額を正確に計算してくれる
 (人間だと計算ミスもあるけど、アプリはミスらない)
 決済システムと連動させれば支払いまでしてくれる

 また、瀧さんによれば
 貯まったお金を勝手に貯金してくれるサービスもあるそうです

 瀧さん
 「せっかくなので実際のものを見てもらいます」

 そこで取り出したのはコーヒーやさんのレシートとスマホ。
 コーヒー屋さんのレシートをカメラで撮影すると、
 その画像データから、
 アプリでどこでいくら使ったか読み取って記録してくれて
 しかも「カフェ代」というカテゴリーに勝手に分類してくれる
 そのあと、電話番号とか名前でライブラリーを検索して
 それを使って家計簿につけてくれるそうです

 徳井さんは
 「ふんふん」
 と聞いていましたが
 松尾氏はそれを見て
 「ちょっと今、反応薄いですね」

 「あっさりやられましたけど、これは驚く技術なんです。
  だってただの画像が、ちゃんと表になってでるんですよ。
  エクセルとかに自分で打ち込んだらめっちゃ大変でしょう、
  それが瞬間的にできてるのに、
  それがいまいち分かってない」
 徳井さん
 「珍しく怒ってらっしゃいますね」(笑)
 松尾先生、穏やかだからあんまり怒ってるようには見えなかったんですが。

 瀧さんはそれとは関係なく
 「もうひとついいですか、
  電話番号とかお店の名前で食費、など判定するのに
  我々は機械学習、教師あり学習を使っています」
 と説明を続ける。
 徳井さん
 「教師あり学習って何ですか」
 松尾氏は
 「そこは解説しましょう。
  しかしその前にですね、」
 とまだ何かこだわりがあるような(笑)

 それはさておき松尾氏の解説によると

 カメラで撮った画像は、
 まずOCR(光学的文字認識、Optical character recognition、画像から文字を認識する技術)
 で文字の羅列に変換される

 そのあと、文字の羅列から意味を持つ塊を、単語として認識する

 例えば
 「コーヒーショップの名前(タリーズとか)」
 「東京店」
 「アイスラテ」
 「○○円」
 …など
 その際、無視していい文字情報は取り除く

 そのあと、「東京」とは住所だな、とか
 「タリーズ」は店の名前だな、
 「○○円」は値段だな、
 と分類し、

 それらのデータを総合して
 「食費」「コーヒー代」と分類する

 教師あり学習では、
 この分類の際に、分類のルールをたくさんの教師データから学習し、
 教師データにないものが出てきても、自分で「食費」だな、などと判断できるようになる、
 とのことですが

 しかし松尾氏が引っかかったのはそこではないらしい(笑)
 「教師あり学習はそうなんですけど、その前の段階がスゴいんです、
  ここがなかなかうまくいかなくて苦労してきた」
 つまりOCR技術がスゴいってことかな?

 「これはスゴいのに、
  この番組、今まででもみんなスゴい人たち出てきてるのに
  (徳井さんの)リアクションが薄いのが気にくわなかった、」(笑)
 徳井さん
 「松尾先生にここまで言われたの初めてです(笑)」

 (OCR技術ってのは、
  画像データ、ただのピクセルの集まりを
  意味を持つテキストデータに自動的に変換しちゃうんですから確かにすごいんですが、
  人間の目や脳では当たり前にやってるので、
  スゴさが分かりにくいんでしょうね…

  私もどれだけ技術的に難しいのか知らなかったので調べてみました。
  https://mediadrive.jp/technology/ocr.html
 (OCRのソフトを作っているNJKという会社のホームページ)
  http://www.fujitsu.com/jp/group/labs/resources/tech/techguide/list/character-recognition/p02.html
 (手書き文字の認識を行っている富士通のホームページ)
  など、いろいろ説明がありますので
  私の理解の範囲で書きますと

  1スキャナーなどで画像データを読み取る
  2画像データ上の情報を解析し、絵と文字の領域を分離して、文字領域を取り出す
   (カラーなどがあれば、背景のノイズなどを削る作業もする)
  3画像の中の文字の塊を取り出し、行ごと、一文字ごとに区切っていく
  4一文字を拡大し、さらに細かい区画で区切って、
   区画ごとに文字の特徴を抽出する(たて、横、斜めの線がどのくらいか数値化する)
  5文字の特徴から候補の文字を出し、
   前後の文字との組み合わせと単語を照らし合わせるなどして
   最終的に文字を決定する

  …かなりめんどくさそうな作業ですね。。
   特徴を抽出したり、文字のライブラリー作るのも大変そうです。
   でもこれを人間の脳が瞬時にやっているのは、それはそれですごいかも)

○投資分野のAI
 「上野さん、投資の分野ではAIは活躍しているんですか」
 上野さん
 「してますよ、どんどん存在感を増している」
 投資の世界ではアルゴリズム取引、というのかあり
 パターンを読み込んで売買を判断しているそうです

 また、HFT(高頻度取引、コンピューターが千分の1秒以上の速さで行う取引)などもある
 上野さん
 「速すぎて、人間の認知できない取引が増えていますね」

 ここで、アルゴリズムによる自動取引を既に採用している証券会社の
 原田さんという方へのインタビューVTRがありました
 AI及びアルゴリズム取引の担当者だそうです
 「我々は5分後の株価予測にディープラーニングを使っています」

 今までは人間が条件を決めてアルゴリズムを組んでいたが
 ディープラーニングでは、その条件自体も自動的に選択させるのだそう

 その際、AIは人間が捨てていたような条件も自ら採用して活用するため
 取引のパフォーマンスが上がるのだそう
 「我々のパフォーマンスも20%向上しています」

 また、AIは人間が認識できない、1秒間などわずかな間の変化も読んで瞬時に売買している

 上野さんは
 「AIは人間よりスピーディー、それもドライに判断してチャンスを見つける。
  取引の情報を集めて上がる下がるを見るのは、本来時間がかかるプロセスなんですが、
  AIは短い間に判断する。
  人間の方が振り回されている感じですね」

 ただAIによる投資にも限界や歪みがあり
 「例えばフラッシュクラッシュの問題がありました」
  フラッシュクラッシュとは、株価が瞬間的に乱高下する現象
  あるいはAIはどう売買するのか読めず、
  マーケットが不意に上がり下がりしてしまうことがある

 また、上野さんによれば
 AIの投資はスパンが短く、
 数時間とか1日単位くらいななら投資判断はできるが
 中長期的な投資は人間の方が得意なのでは、とのこと

 「人間は中小企業の経営者の話を聞いて、ここが伸びそうだと判断して株を買ったりする。
  中長期的な投資に関しては人間が有利なんじゃないか、
  と私は勝手に思っています」

 松尾氏は
 「AIの中長期投資は課題ですね」
 人間はある企業が伸びるかを見るとき、
 その企業だけではなく
 ライバルはどうかとか、その市場全体が伸びそうかとか、
 ユーザーはその商品を使うのかなどを見て総合的に判断する
 これは今のAIには相当難しいのではないか、とのこと

 また、
 「もうひとつ一番大きいのは、マーケットの挙動が変わるとき」
 とも話していました

 リーマンショックなど、
 何十年に一度起こるか起こらないかくらいの事態になったときは過去のデータは使えない。

 そういうときに生きてくるのは人間の知識や対応能力。
 AIでは通常ではある程度強くても、
 マーケットが変わる局面では弱い、とのことです

 再び原田さんのインタビュー。
 先程上野さんが言及していたフラッシュクラッシュは2010年5月に起きた。
 数分の間にニューヨークダウ平均株価が1000ドル急落しだそうです

 これについて、
 「アルゴリズム取引は限界がある、
  誰かが誤発注などして、
  それを見て他の銘柄も売らねばと判断されて、
  どんどん市場に広がったんだと思います」

 そして
 「アルゴリズムは人間が作ったものなので、
  配慮が足りないとこういう問題は起こりうる」

 しかし今では、フラッシュクラッシュ対策(「サーキットブレーカー」など)もされているらしい
 (サーキットブレーカー制度とは
  株式や先物取引の市場で価格が一定以上変動したとき、
  強制的に取引を止めるなどの措置を取ることで、
  1987年10月のブラックマンデー以来、
  ニューヨーク証券取引では採用されていたそうです。

  しかし2010年ではこれが機能しなかった、ということで問題になったようで
  (理由調べたけどよくわかりませんでした)
  その後ニューヨーク証券取引所では
  個別銘柄ごとにサーキットブレーカーを発動させたり
  その対象銘柄を拡大させたり、発動の条件を厳しくしたり、
  などの措置を取っているようです。

  また、短期間での大量の取引に対し課税をかけたり、
  取引時間が集中するときに手数料を高めに設定したり、
  処理スピードに制限をもうけるアルゴリズムを組む
  …などの対策も提言されているようです

  (http://column.world401.com/kinyu/circuit_breaker.html
  http://fis.nri.co.jp/ja-JP/publication/kinyu_itf/backnumber/2011/05/201105_3.html
https://wired.jp/2011/07/15/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%81%E6%9A%B4%E8%B5%B0%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0_5/
など)

  ちなみに日本では、一日の間の変動幅が決まっていて、
  それを超えると取引が停止されるようになっている
  (ニュースでストップ安とかストップ高とかいうもの)そうです)

 ただ、原田さんも上野さんや松尾氏の言うAIの限界は認めていて
 「AIは長期スパンの予測は難しい。
  ただ、短い時間の中でのリスクコントロールや売買はできると思う」
 とのことでした

○景気判断をAIで行う
 現在、景気判断は現場の実感が大事にされている
 この「現場の実感」をAIで行う試みもされているそうです

 ここで登場したのは山本さん
 SNSの内容をAIで分析して経済状況を予測し、
 指数(SNS-AI景況感指数)を発表しているそうです

 「大変なのがツイート数の多さ。
  1日何億ものツイートがあり、そこから景気に関するものを選ぶのが大変です」
 割合にして僅か0.00何%くらいなんだそうです

 実際の指標を見ると2016年後半には上がっている
 これは
 「トランプ氏が当選して、
  いわゆるトランプ相場で景気が良くなるぞ、と実感しているのが反映されたんですね」

 徳井さんは
 「僕の友人にスピードワゴンの小沢くんがいますけど、
  彼は「夜に押し潰されそう」とかツイートするんですけど、それも拾うんですか」(笑)
 山本さん
 「拾います」
 松尾氏
 「今のは景気が悪い方?」(笑)
 山本さん
 「ノイズになってますね」(笑)
  みんなが押し潰されそうなら景気が悪い、と判断されるそうです

 「上野さんはツイッターを利用されるんですか?」
 上野さん
 「仕事以外で使っています。
  あとトランプ大統領はイレギュラーにツイートして、
  それがマーケットを動かしているので
  トランプ大統領のツイッターはアラーム設定してチェックしています」

○AIはどうやってつぶやきから景気を読み取るのか
 徳井さん
 「先生、どうしてこんなことができるんですか」
 松尾氏
 「AIが判断する、という言い方が漠然としすぎて、誤解も与えるので解説します」

 松尾氏によると
 今までのAIによる文章の分析では
 「形態素解析」
 というのを行っていたそうです

 これは、例えば
 「今日はみんなで焼肉だ!」
 「今日は焼肉を我慢した」
 とか言うツイートについて、
 名詞、助詞、動詞など品詞ごとに区切る
 例文では「今日」「は」「みんな」「焼肉」など

 そしてその単語について、景気がプラスかマイナスか、
 教師データを使って学習、判定していく

 例えば
 「焼肉」ならプラスと判断、
 「焼肉」があっても「我慢」とか「行かない」などマイナスの言葉が一緒ならマイナスと判断する、など

 こうしてルールを自分で学習し、
 教師データにないデータでもプラスかマイナスか自分で判断できるようになっていく

 …これが今までの「形態素解析」、Bag of words(単語の袋?)と言われる手法だそうですが

 最近はこれに「RNN」(リカレントニューラルネットワーク)というやり方が加わっているそうです

 これはニューラルネットワークの1つで、
 品詞で分類した単語について、文脈や順序も加味して判断する仕組みなのだそうです

 例文で言えば、
 「今日」を分析したあと
 「は」の分析にその結果を利用、
 「焼肉」の分析に前の結果を利用
 …と、文章を頭から順に分析し、
 単語と単語の組み合わせや、順番などで生まれるニュアンス、文脈で判断するのだそう
 これにより、ネット上の翻訳などでも精度が上がっているのだそうです

 人工知能の世界的権威のヤン・ルカン氏
 (Facebookの人工知能研究所所長、第一回で松尾氏が「この世界で3本の指に入る」方と話していました)
 「リカレントニューラルネットワークは、今後翻訳の場面で活躍するだろう」
 とのことです

 「RNNは文章などの一連のデータの処理に関わる。
  例えば英語から日本語に翻訳したいとき
  1単語ずつ読み取り、意味表現を組み立てる
  長い数字のリストから日本語を正しい順番で出力するため、
  別のニューラルネットワークに入る。
  つまり再帰するネットワークなのです。
  文の長さによりネットワークの大きさが変わるのが特徴です」

 (申し訳ないのですが、ルカン氏の話はあんまり理解できず…(笑)
  RNN、リカレントニューラルネットワークについていろいろサイトはありましたが
  https://www.change-makers.jp/technology/11341
  (クラウド関係のニュースのサイト)
  からリンクされていた
  http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1608/26/news011.html
  (ここもIT関係のニュースのサイト)
  の説明が比較的わかりやすかったです。

  この筆者は文章校正にRNNを応用する研究をされているようですが
  その中でRNNを文章分析に使う例が説明されています。
  私の理解で書きますと
  ニューラルネットワークでは、
   入力層→中間層(隠れ層)→出力層
  の順に情報を送るが、
  その途中の隠れ層では情報の特徴だけを抽出した、次元を落としたデータにする。
  そのあと抽出した特徴を元に出力層で像を作り、元の像と比べて答えあわせする。
  正解になるまで隠れ層のネットワークの重みを調整して学習していくが、

  この際、例えば「今日は焼肉を我慢します」という文章を学習するときは、
  通常のニューラルネットワークでは
  入力層を「今日」、出力層を「は」にしたネットワーク、
  入力層を「焼肉」、出力層を「を」にしたネットワーク、
  …など、直前直後のつながりしか学習できず、それぞれは独立している
  (隠れ層ではネットワークの重み調整をするが、
   「今日」の次に「は」が来るための調整しか学習できない)

  しかし、再帰型ニューラルネットワークでは
  「焼肉」を入力層、「を」を出力層にしたとき、
  その間の隠れ層の重み調整をする関数に、
  「焼肉」の前に「は」がある状態、
  「今日」「は」が「焼肉」の直前にこの順番で存在している状態、
  というのを考慮に入れるのだそうです。

  このため、離れている単語同士でも、その存在を考慮することができる。
  処理が時間的に離れている単語同士も考慮に入れられるので、
  「記憶できるネットワーク」ともいわれる、とほかのサイトにはありました

  翻訳の場合、
  単語の並びの順番は言語により異なる
  (例えば日本語は主語が頭だが述語は最後、
  一方英語は主語の後に述語とか結論がすぐに来ることが多い、など)
  だから、日本語はこの順番の規則、英語はこの順番の規則、
  という学習をAIが自分でして、自動的に組み立てなおしてくれるので
  スムーズな訳になるということかな、と思います。

  今までの翻訳ソフトで英語を日本語に訳すと、
  単語がバラバラに並んだような文章で読みづらいが、
  そこが解消されるのかな)

〇AIは景気の雰囲気を感じられるのか
 徳井さんは
 「上野さんが感じる何となくの感覚は、AIも感じ取れるようになるんですか」
 上野さん
 「私は、そこはAIには限界があるのかなと思います」

 徳井さん
 「雰囲気というものもデータとして受け取れるのか、てことだと思うんですけど…」
 山本さんは
 「私の意見では、そこをAIのSNS分析に期待しています」
 山本さんによれば
 我々の感じる感覚は、数人の知り合いから得られる情報から来ている
 SNSは何億人の人ものつぶやきがあるので、
 それをAIがつかめば、高精度に分析できるのでは、とのことです

○AIを使った投資は儲かるか
 松尾氏は
 「AIで儲けられるか、というとと
  投資判断の情報として役立つかは別の話だと思います」

 投資判断の時は、
 ビッグデータ分析の結果に基づいて事前予測して判断する
 それで投資はできるかもしれないが
 儲かるかどうか、となると別の話だそう
 他の人も同じ情報を使っているのでそう簡単ではない、とのこと

 徳井さん
 「これが進むとAIが同じような判断をして、
  みんなが同じ投資をしてもおかしくないと思うんですけど
  そうなると市場はどうなっちゃうんでしょう」

 上野さんは
 「単純に考えれば売買が成立しない」
 買い注文だけだと売買が成立せず、値だけ上がる
 そこへ誰かが売った瞬間売り注文がどっと入る
 「そのような乱高下が起きる可能性はあると思います」

 徳井さん
 「失敗する人間もいるから売買の動きがあるけど、てことですね」
 山本さんは
 「私も市場が不安定になるのは同感です」

 「ただ、AIも多様性を獲得できる可能性はある」
 とも話していました
 AIも色んな人が開発しているし、
 投資スタイルも様々なはず。
 例えばゴールベースといい
 いつまでにいくらためる、と決めて長期的に投資するやり方もあり、
 長期投資なので無理に売りに行くこともない。
 短期狙いだけではない多様なAIも出てくるのでは、とのことです

○2分で分かるディープラーニング
 ディープラーニングの仕組みを2分の動画で解説するシリーズ。
 毎回やってますが、今回のテーマは「増えても安心」

 ニューラルネットワークでは、○か×か、という二者択一単純な判定するネットワークに
 △、□、という多様な形が選択肢に入っても
 切り替えが簡単にできるそうです

 というのはネットワークのゴールの数、
 つまり出力層のニューロン数を増やして、
 つなぎかたを変えればいい。
 このようにして様々なたくさんの認識ができるのだそうです
 (…ホームページの動画を見た方が分かるかも)

○人間ってナンだ?
 上野さん
 「ドキドキワクワクできる存在!!」とボードに書いていました
 徳井さんは
 「女子高生みたいですね」(笑)
  上野さんによれば、
  AIは感情をもつまでは進化しないのでは、とのこと。
  人間は失敗もするし心が揺らぐ。
  投資でも、先が分からないまま売買する
  そこにAIに乗っ取られない人生の楽しみも残っているのかな、とのことです

 徳井さんは
 「欲だ」とボードに書いていました
 人間は欲をかくから失敗する
 AIはよくも悪くも欲がない。
 お金があって安定しても、
 また何か欲するのが人間だ、とのことです

 松尾氏は
 「お二人がおっしゃるように、
  人間は感情や欲望をもつ、
  しかしそういう存在でありながら知能が高い、
  そうして文明を作り上げてきた。

  それでも人間の根本には欲望がある、AIにはない。
  だからこそ人間は、
  人の気持ちがおりなす株式市場がどう動いていくか分かるし、
  企業の経営者がこの先どうやって会社を大きくしていくか読み取れる。

  よくよく考えると、経済全体、社会は、
  美味しいもの食べたいとか認められたい、という人の欲望で動いている。

  だからこれから、
  AIと人間がおりなす社会がどう変わっていくのかが僕も楽しみでもあるし、
  人の人間性、というのは変わらないものだが、
  テクノロジーと出会うことで、
  どういう形に展開していくのか今後楽しみですね」

 とまとめていました

○感想など
・お金の話題、というのでAI投資の話か、
 あんまり関係ないかなと思っていたのですが
 個人の生活でも家計簿管理などをしてくれるのは便利だなと思いました。
 私は家計簿つけるのが苦手なんですが、
 それはちまちま書く作業自体が苦痛なのもあるのですが、
 あーこれだけ使ってるのかー、と改めて思わされるのが苦痛、というのもある。
 AIならそこは感情もなくやってくれるので
 自分の使った額を冷静に見られそうだなと思います。

・AIによる投資の歪み、てのはちょっと怖いなと思いました。

 AIは100年に1度の危機には対応できない、というくだりでは
 経済学者のマイロン・ショールズ
 (ブラック=ショールズ方程式を発見してノーベル経済学賞を受賞された方)
 の運用会社LTCMの失敗を思い出しました。

 これは以前「フランケンシュタインの誘惑」
 という番組の金融工学の回で紹介されていたんですけど
 この会社はブラックショールズという方程式を駆使して好成績を上げていたが、
 ロシアが財政危機の時に「ロシア国債は割安」として国債を買い続けた
 しかしロシア国債は債務不履行を起こし、会社も倒産したそうです

 このとき方程式は
 ロシア国債デフォルトは100万年に3回しか起きない、
 とか言っていたそうです

 たぶんこれは、方程式が過去のデータから導き出されたものだからで、
 普段の時なら適用できるが、100年に1度の危機には対応できないのだろう。

 AIが行う投資でも似たようなことが起きるのでは、と思うとゾッとしますね…
 AIが学習するのは過去のデータでしかないので、
 そして人間も社会も変化し、未来は誰にも分からないので
 今までにない事態だとAIはアウトなんだろう。

 AIを使って投資するにしても
やっぱり自分のお金は自分で
 ちゃんと情報を見て管理しないとダメなのねと思います…
 まぁでも、うまく使えばいいんでしょうね。

・景気をツイッターから読み取る、という試みは面白いなと思いました。
 ただツイッターとかSNS使う人って限られているし、
 特にお年寄りなどは使う人は少ないかもしれない。
 また、一人でたくさんツイートする人もいるから偏りもあると思う。
 SNSの指標は参考にはなると思うけど、
 ネットを使わない人の声も聞くには、足を使って現場に行くのも必要なのかなと思います。

 今のところAIは補助的な手段になると思うけど
 色々試してみるのはアリだな~と思いました。
 ただAI投資、今のところは手数料が高すぎる気がする…

次回は恋愛の話だそうです。
徳井さんの得意分野ですかね?(笑)

というわけで今回はこの辺で。