2016年05月31日

「子育て支援でシャカイが変わる」杉山 千佳

「子育て支援でシャカイが変わる」杉山 千佳

図書館で借りた本です。
2005年と、10年ほど前の本なのですが、
考え方にはうなずけるものがありました。

筆者の全体的な主張としては、
子育てをもっと社会的なものにしよう、ということであるようです。

筆者いわく、「日本の社会は子育てに厳しい」
日本では、子育ての大変さが社会に共有されていない。
特にそれは母親(女性)が背負うことが多い、と述べています。
これについては結構リアルで、そうそう、とうなずける指摘が多かった。
例えばこれは2005年現在の話ではあるのですけど、
 ・当事者意識が母親以外にない
  世間では、子連れが迷惑がられる、ベビーカーが問題になる、、
  中高年が「私たちはもっと大変だったのになにいってるの」と言う
  夫は「子供のことはよくわからない」と子育てに無関心 
 
  また、母親自身も、終わってしまうと辛さを忘れてしまう
  (というか幼児期が終われば小中学校、など、次の子育ての問題に追われる)
  ので、議論されない、という面がある

 ・母親が、自分の人生を生きられない
  母親になった瞬間、「○○ちゃんの親」になってしまう、社会から取り残される
  自分の人生や今までのキャリアを捨て、脇に置いて子育てするという決意をしたのに、
  「自分の決断でしょ」
  「母親になったんだから当然でしょ」 …と片づけられることが、母親を傷つけている

 ・子育ての問題を、子供視点だけで批判される
  専門家でも何か親の不注意による事故などあると「子供がかわいそう」と母親を非難する
  しかし、親にも事情があったのかもしれない
  「親も大変だよね」という視点がないことが、自責の念にかられている親をさらに苦しめる
  筆者によると、両方の視点が必要ではないかと。

 ・孤立した子育ての弊害
  親が子供に夜更かしさせる、
  スマホいじってばかりで子供と遊ばない親、
  など、「子供と一対一で触れ合う」ことができない親

  昔は地域や親が子供を構ってくれ、その中で親も子供に触れ合うことを学んでいた
  今は密室子育てで、子供とどう触れ合えばいいのか分からない親が多い

また、行政についても子育てには厳しい、と指摘しています。
 ・外国に比べれば、子供の手当ては少ない
 ・保育施設を作ることが中心の政策(実際は、3歳くらいまでは保育施設を利用しない人の方が多い)
 ・社会保障費はほとんど高齢者対策、子供にはわずか数パーセント(2002年)
  なのに収入は若者の方が少ない
 ・連携のない支援
  例えば、産婦人科と小児科の連携がない
  健康診断でも、保健師さんは子供の問題だけみて、親の抱える問題は見ない
  公園、児童センター、支援センターは気軽に行ける場所ではない
  何かあったときに、親はどこに相談したらいいのか分からない

これらの問題について、母親たちは泣き寝入りしてきたが、
筆者は母親たちがもっと声を挙げるべき、としています。
  母親の要望や悩みがわがままなのか、
  社会の支援が足らないのかは、要望が出ないことには議論できない、と。

そのためには、日本の親は当事者として、もっと行政に関心を持った方がいいのでは…とのこと。

筆者がそう思うようになった経緯も書いてありました。
筆者はもともと育児雑誌のライターで、その立場上母親たちと悩みを共有していたが、
次第にこれでいいのかと思うようになったとのこと。

 というのは、読者の中には
  子育てが辛い、
  子供を叩いてしまう、
 などの深刻な悩みも出てきたのだそう。
 「大変よね」と同情はできても、「叩いてもいいよ」と言うわけにはいかない。

その折に政府の少子化や次世代支援について考える勉強会に招かれたそうで、
子育てを辛いと思う母親が多いのだ、ということを話したところ、
「母親が子育てが辛いなんて言わないでください」と言われて逆にびっくりしたのだそう。

筆者は、子育ての現状や母親たちの悩みが社会に伝わっていないことを痛感し、
一方で、自分達母親も政治について考えてこなかったことに気づいたのだそうです。
(その一因として、親自身がそういう教育をされてこなかった、とも指摘しています。
 例えば日本の育児書は子供にこう対応しましょう、とは書いてあるが、
 地域とどう関わっていくべきかなど、社会性を身に付ける、という視点には欠けている)
母親が、社会に発信し、社会に関心を持つことが必要なのではないかと。

またそれとは別に、国の支援を待たずに
自分達で子育て支援活動を行う母親たちの存在も知るようになる。
 情報誌を作る、
 子供を遊ばせて母親がくつろげるサロンを作る、
 何かの技能を持つママさんが講師となる講座を開設する …など。
彼女らはその活動を通じて、
ほかの母親たちの育児ニーズに応えるだけでなく、
自分たち、母親自身が輝く場を自分で作っていたのです。

それらを通じた筆者の意見は、
子育て支援について、行政に陳情するのでもなく、企業のサービスを選ぶのでもなく、
 自分でやれることはやる、
 あるいはママさん仲間や地域とのコミュニティでサービスを作ってしまう、
 行政にも働きかけてみる、
という姿勢が必要ではないかと。
それは母親自身の自己実現にもつながるし、
子供と共に地域と溶け込み、社会性を身に付けていくことにもつながるのでは、とのことです。

実際にそれらを実現している母親たちの活動、
行政と共同して活動するNPOの存在も紹介されています。

また、行政の取り組みについても書かれていました。
一つは、虐待防止のための三鷹市のネットワーク事業。
また、国では2003年に
「次世代育成支援対策推進法」
「少子化社会対策基本法」
という二つの法律が制定されたのですが
(ざっくりいうと、子育てしやすい社会を作るために、地方自治体や大企業などが
 10年などの長期スパンで行動計画を立てることを義務付ける法律、みたいなもの)
その経緯について書かれています。

これは地方分権(小泉政権だっけ)の流れとともに行われたので、ちょっとややこしい事情もあるみたいです…
 当時まだ子育て支援政策は未熟な分野だったらしい。
 東京など先進地域もあるけど、地方にはノウハウがなく、地域格差があった。
 なので完全に地方分権にすると、余計に格差が広がる懸念はあったようです。
 それでも「地域のニーズは地域で把握した方がいい」という大義名分に押し切られた、という面があるらしい。(実際は未熟な分野なので利権争いがない、というホンネの部分もあったらしい)
 結局、完全な地方分権ではなく、財源は国のひも付きというところに落ち着いたそうですが…

 まあそれでも、地方が本気になって具体的な支援策を考えるきっかけになったのかな、という感じです。
 また、大企業も、子育てしやすいような労働環境を考えねばならない、という流れになったようです。
 
この本は2005年出版なので、その後の検証はもちろん書かれておらず、
また筆者自身の考え方もまだ定まっていない感じでした。
筆者自身は社会保障政策についても
介護保険と同じく、育児も保険制度を作り、社会で負担した方がいいのではないか、とか、
配偶者控除などを無くし、専業主婦もワーキングマザーも対等な制度にした方がいいのではないか、
など、結構先進的な意見を持っておられるようでしたが、
その辺についてもこれから一緒に考えていきましょう、みたいな結びになっていました。

全体的にこなれてはいないが、
母親が社会を変えることもできるんだ、みたいな勢いを感じられた本でした。

先日池本美香さんの「親も参画する保育を考える」という本を読んだとき、
海外でNPOや協同組合形式で保育施設を経営している親たちが、
その活動を通じて親自身の「自己実現」もしている、
と書かれていたのだけど、それと通じる活動が日本でもされているのだなあ、と頼もしく感じました。

筆者のその後の考えの変遷が知りたいなあ…と読んだあと思ったのですが、
なんと筆者は2012年に亡くなられたそうで…。。
2003年の法律は、10年単位で検証する、みたいな話だったので、
その追跡について書いていただきたかったなぁ、と非常に残念でした。

ただ、ここ十年くらいで「イクメン」などお父さんの保育参加が積極的になってきたり、
子育ての辛さを特集する番組ができたり、
子育ての問題について、母親が抱え込むだけでなく社会的な理解は深まってきたのかな、と思います。

また、私の地域でも、
上の子を産んでからずーっと子育てをしていく過程で、
お母さんたちが自主経営するカフェができていたり、
子育て支援センターの一時預かりが、「リフレッシュ」という理由でもOKになったり、
病児の一時預かり保育サービスもできるようになったり、
子供の医療費の補助が拡大されたりなど、
行政も変化しており、
次第に子育てしやすい環境にはなっているのかな、と思ったりして、
そういう意味では筆者の思いは受け継がれているのかなと思います。

待機児童問題もありますし、
何か子供に問題があると「母親はなにやってるんだ」みたいな見方がいまだに強いなど、
まだまだキビシイ部分もありますが、
一歩ずつでもいいので、
子供にとってもお母さんにとっても子育てしやすい社会になるといいですね…

なんかまとまりないですが、今回はこの辺で。



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2016年05月29日

Eテレ オイコノミア「18歳が社会を変える? 選挙の経済学」

Eテレ オイコノミア「18歳が社会を変える? 選挙の経済学」

先週放送のものです。
録画はしてたけど見ようか迷ってたのよね…

私は選挙には毎回行きますが、
もともと政治家さんに対するイメージがいまいち。。
(本来は自分の理想を遂行する素晴らしい仕事のはずなのに、
実際は選挙に勝つため(=生活のため)に足の引っ張りあいになっている、
という現状に空しさを感じるのですよね…)
あと、NHKさんだし、投票率上げるための国のキャンペーンの一環?という気もして、
なかなか見る気がわかず…

まあでも解説の大竹先生が好きなこともあり、
(話が分かりやすいし、毎回の又吉さんとのゆるーいやり取りも味があるし、
 たまにゲストの方や又吉さんにする無茶振りが何とも言えない(笑))
どんな切り口なのかなと思ってみてみました。

○学生団体「ivote」
 経済学の大竹先生と又吉さんが「ivote」という団体を訪問しています。
 「ivote」は若者の選挙への関心を高めようと考え、イベントなど行っている学生団体。
 代表も21歳の大学生だそうだ。

○ゲスト?の椎木里佳さん
 中学のとき起業、中高生をターゲットにしたマーケティングなどを行う実業家
 (スマホのアプリ開発や、イベントプロデュースをされているようですね)

 今年から選挙年齢が18歳に引き下げられ、
 選挙に参加できるということで、楽しみなのだそうです。

今回はこのivoteのメンバーと椎木さん、又吉さん、大竹先生が座談会を行う、という形式でした。
選挙年齢引き下げへの意見と、
なぜ若者が選挙に行かないか、
そのためにどうすればいいか、
という話が中心でした。

○選挙年齢の引き下げ
 次の選挙から選挙年齢は18歳に引き下げられます。
 (被選挙年齢は変わらないらしいが)
 これは若者の投票率アップを狙っての選挙法改正のようです。
 ・若者の投票率
  2014年選挙では70代が72%、20代は29%

 選挙年齢引き下げについては、
 又吉さんは
 「投票率が低いなら低いなりに、
  若者がなぜ選挙に行かないかをみんなで考えるきっかけになればいい」

 椎木さんは
 「18はまだ若い、という意見もあるが、
  若くてもしっかり考えを持っている人もいるし年齢は関係ない」

○若者がなぜ選挙に行かないか
 しかし「ivote」代表の方の分析によると
 若い人には、「私なんかが行っていいのか」
 という声が多いそうです。

 又吉さんも
 「若い頃は目の前の生活に必死で、
  選挙が生活の変化と結び付かないので投票に行かないのかも」とのこと

 大竹先生によると、経済学的に言うとこれは
「合理的無知」考えた上で知らないことにする行動
 つまり、選挙のために候補者を選んだり投票所に行くなどの手間と、
 投票により得られる利益を比べると、
 行かない方がいいと判断してしまう。

 つまり行くのがムダだと考えてしまうから行かない

 又吉さん
 「でも、何も変わらないからと行動しなければ現状維持のまま
  行動してみて変わらなかったとしても、
  それはそれで次の段階に行ける
  行動しないことには何も変わらない」

 ivoteメンバーからは
 「投票にいく前の議論が活発になることに意義があるのでは」との意見もありました。

  みんながそう思えば投票率は上がるんでしょうけどねぇ。
  高校生にも選挙に興味を持ってもらうため、教育現場にも変化があるようです。

○高校の授業での模擬選挙
 東京の高校では、選挙管理委員会から派遣して模擬選挙を授業で行う試みもされているらしい
 (他の県については話が無かったので分かりません)
 去年で都内だけでも100校以上行われたとのこと

 学校の先生によると、
  「最初に選挙に行かないと、多分それからも行かない
   行く習慣、経験をまず身に付けるのが重要だと思う」

漠然としている選挙に対して、具体的なイメージがわく、という効果はあるようです。

また、若者が選挙に行かないもう1つの理由として
「シルバー民主主義」
つまり中高年向けの政策が多い、ということもあるようです。
○シルバー民主主義になる理由
 「中位者の定理」
  例として、40人とかでエアコンの温度を決めることを考える
  各人、希望の温度を出すと、分布図ができる。
  (16℃1人、17℃3人…32℃1人、など)
  一番低い希望温度が16℃、高い温度が32℃ならば、
  分布幅だけで見ると中間の温度は24℃だが、
  20℃付近の人が多い、など分布が偏っていることもありうる

  このときは、人数で見て真ん中の人
  (40人なら温度の高い方または低い方から数えて20番目の人)の温度を出せば、
  そこが一番適当、ということになる

  このように、
  分布の人数で、真ん中の人の意見を採用するのがベストとされるのが中位投票者定理

  日本の選挙年齢でこの定理を採用すると、中位者は53歳
  つまり日本の政策は53歳向けかもしれないのだそう。

  この定理からすれば、35歳の又吉さんも若者の仲間だそうで…

 又吉さんのコメント
 「小学校のとき、1年と6年、2年と5年、みたいに
  違う学年同士が組んで給食を食べる、という行事があった。
  あれみたいに、20代と80代、みたいに違う世代同士が組む制度を作ったら、
  違う世代のことを考えるようになるのでは」
 孫とおじいちゃん、みたいな組み合わせですかね?
 なかなかいいかもしれないですね。

○ウグイス嬢の意見
 息抜きコーナー、という感じ。
 場面を変えて、勝率9割というカリスマウグイス嬢が、又吉さんの選挙運動をしていました。
 「またよし直樹、またよし直樹をよろしくお願いいたします」というあれです。
 「お笑い芸人、ピースの○○な方!」と紹介しつつ、それと絡めて本人のウリをアピールする。
 笑いを織り交ぜながら良さも分かってもらう、というやり方はなるほどという感じでした。

 ウグイス嬢は立候補者の魅力をいかに短時間に伝えるか、が仕事です。
 なので、この人はなぜ立候補したか、何を目指しているか
 などの背景などを探ると選挙が面白くなるかも、とのことでした。
 つまり候補者の人間性を見ると親しみがわくかも、ということかな?

 そうそう、あとウグイス嬢は自分の喜怒哀楽に関係なく笑顔が作れるそうです。素晴らしい。

○若者の意見を反映させる選挙方法
 若者が、選挙に意見が反映されないから行く気がわかない。
 ならば選挙の仕組みを変える、
 という方法もあるらしい

 ・本屋大賞の仕組みと似ている「ボルダルール」
  本屋大賞は、候補作が10冊あり、
  投票者である本屋店員はすべての本を読み、
  1位に3点、2位に2点、3位に1.5点入れる、という方式らしい。

  又吉さん
  「2ついいのがあって、自分のなかではどっちも差がつけにくい、というときはいいかもしれないですね」
  「1位をちょっととる人よりも、2位をたくさんとる人の方が勝つってことですよね」

  選挙でも同じような方法を考えた人がいるらしい。
  スイスの「ボルダルール」…三つ選択肢がある場合、1位を3点、2位に2点、3位に1点入れる
 
  なんかメリットが分かりにくいんですけど、
   又吉さんとパンサーの向井さんとの人気投票を例に出していました。
   一対一なら又吉さんが勝つが、
   ここでピースの相方の綾部さんが立候補すると、
   ピース好きな人の票が綾部さんに流れて
   又吉さんが負ける場合がある。
   こういうときに、ボルダルールが良いらしい。

  実際の選挙では、スロベニア、ナウル共和国などで行われている

  ただしデメリットもある
  ・二択のときはあんまり意味がない
  ・組織票で予め話し合って順位を決められてしまう場合がある

 その他、いろんな選挙法が考えられています。
 ・世代別投票
   世代の人数を反映して世代別の議員定数を決め、投票する仕組み

 ・ドメイン投票
   子供がいる人はその人の子供の数だけ票がもらえる、
   ハンガリーなどで検討された
   将来世代のことを考える政策が増えるメリットがある

 大竹先生によると
 自分達の世代にとっての利権だけでなく、
 将来を担う世代にとっても、利益になる政策が考えられる仕組みをつくることが必要、とのこと

 又吉さんのコメント
 「想像力が必要。
  50代、60代のためになる政策、というより自分の親、おじいちゃんおばあちゃんが幸せになる世界、
  と置き換えて考えてみるといいかもしれない。
  同じように、若者のための政策、というより自分の孫が幸せになる世界にしよう、
  と考えてみるといいかもしれないですね」

 先生が又吉さんに「そういう小説を書いてください」と無茶ぶりしてましたけど…(笑)

感想です。
・私も選挙には行くのですけど、
 町議会選挙だけは行きませんね…
 もとから組織票みたいに決まっている感があるので。
 逆に国とか県とか範囲が大きくなると、変わる可能性があって行く気になれます。

 数年前、民主党が政権交代をした選挙では、投票率はかなり高かったように思います。
 ああいう感じで、「自分が投票したら変わる」感があったらもっと投票率が上がるんでしょうね。

・又吉さんが最後に
 「想像力が必要」
 と言っていましたが、それは政治家自身が一番必要なんじゃないかという気もします。
 若者には次世代を担っていってもらわねばならないのです。
 ならば若者をもっと大事にしないと日本がつぶれる、くらいの気持ちがいるのでは。
 お年を召した方へのばらまきはいらんから、雇用とか保育にもうちょい力入れてくれんかなあ。
 と思ったりします。
 政治家って、40代が若者という世界なので、なんか現実世界とズレがあるような気がしてならない。
 もう少し若返りというか、若者感覚を取り入れてほしいなあ。

・若者がどうせ政治家は変わらないからと選挙に行かないと、
 ますます「中位投票者」の年齢が上がり、
 票取りのために年寄り向けの政策が増えてしまう…
 ということが、なんとなく分かりました。
 若い人ほど、選挙に行く方が自分のためになるのね。

・政策とか難しくて分からない、という人は、
 ウグイス嬢が言うように、
 その人の人となりとか、人間性で投票するのもアリなのかも。
 その人がきっかけで、政治に興味がもてたらまた何かが変わるのかもしれないし。

そういえば、たまたま最近読んでた「子育て支援でシャカイが変わる」という本にも、
冒頭に「子育て支援政策を考えてもらうために、子育て中のお母さんほど選挙に行こう」
という話が書いてありました。(この本の感想も時間があれば書きます)
本当にそういうノリで、自分の問題を解決する、という気持ちで行くといいのかもしれません。

私も次の選挙も行こうかな~

まとまりないですが、今回はこの辺で。




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2016年05月27日

Eテレ 「オイコノミア あなたは納得?税金の経済学」

Eテレ 「オイコノミア あなたは納得?税金の経済学」

今回は税金の話でした。
(前回の選挙の話は機会があればまた書きます)
「取られている」感がある税金をもっと身近に感じよう、
という構成になっていて分かりやすかったです。

今回の舞台は国税局。特別に許可を得て撮影が許されたらしいです。

○ゲストの山村紅葉さん
 国税局の広報室に着物姿の山村紅葉さんがいました。
 実は彼女は学生時代に女優をし、
 その後国税庁の国税調査官として勤務、
 結婚を機に退職、その後女優として復帰、という経歴の持ち主なのだそう。
 つまり昔の勤務先ってことらしいです…
 たまにバラエティなどでも拝見しますが、
 今回は理路整然とお話しする姿が印象的でした。

○国税局の役割
 広報室の方が難しい言葉で説明してくださいましたが、かいつまんで書くと
 ・税金を国民にかけて徴収する
 ・税理士の活動を円滑に行えるようにする
 ・酒造業関係

 酒税がかかるということで、酒造業の方々の仕事とも関わっているのだそうです。
 そういえば国税局には醸造研究所というのがありますね…(今は独立行政法人だっけ)

○税金の歴史など
 ・トランプのスペードだけ派手なデザインの理由
  海外の話ですが、昔印刷税みたいなのがかかっていた名残なのだそう。
  国が印刷した証拠になるのと、
  偽造防止のために複雑なデザインにされているらしい
 
 ・日本も昔はトランプやマージャンパイなどにも個別に税金がかかっていたそうです。
  (山村さんによると、トランプにも印が書かれていたらしい)
  消費税が導入されて、一律課税になったのだそう。

 ・日本の税金の種類
  いろいろ表に書かれていましたが、「とん税」という謎の税金がありました。
  又吉さんは「トン汁?」とか言ってましたけど(笑)
  外国船舶が日本に入港するときの税金(○トンの船という意味)らしい。

○山村さんが国税調査官を志した理由
 税金がきちんと徴収されれば、
 そのお金が社会のために使われ、
 貧困格差などの問題が解決できるのではないか、
 と思って選ばれたそうです。なるほど~

○税金の使い道
 先生によると、税金は我々が社会生活をしていくための会費みたいなもの
 社会保障、警察、消防などに使われている

 ・学校に使われている税金
  一年間で一人当たり、小学生は85万、中学生は99万、高校生は100万ほど
 ・その他、
  医療費補助に12万、消防警察に4万、ごみ処理などに2万ずつなど
  …けっこうな額ですね。
  又吉さん「当たり前のように学校に行っていたけど、気付かなかった」
  山村さん「もっとこういうことを知らせた方がいいですね」

○税金の考え方
 「非競合性」誰もが同じだけサービスを受けられる
 「非排除性」払っていないからといって特定の誰かだけサービスを受けさせない、ということはない
 例えば、火事で集合住宅が燃えそうなとき、
 消防は払ってない家を排除することなく、すべての家の消火活動を行う
 (でないと他の家に燃え移ってしまう)

 しかし、だからといって払っていない人が増えると困る
 「フリーライド」(ただのり)

○国税局の査察部
 脱税者を取り締まる部署。通称マルサ。
 ここの部屋の前も訪ねていました。
 ただし、査察官は顔を知られるとまずいので、中は見られないそうです。

 ちなみに、山村さんもここに配属を希望していたそうです。
 山村さんはお母さま(ミステリー作家の山村美沙さん)の影響か
 推理が得意なのだそうですが、
 脱税者の家を捜索して、現金の隠し場所を探すときに
 この推理力が求められるのだそう。
  この人はどんな性格か、
  うっかり屋ならどこに隠しそうか、
  この家のこの場所だけを避けているからここが怪しい、…など。
 「天職だと思っていたのにできず、
  女優は向いていないと思ったのに復帰してしまった」そうです(笑)

○税金が高いと感じるのはなぜか
 税金が「高い」と感じる人は多い。
 それはなぜか。どうすればいいか。先生がいくつか案を述べています。
 ・使い道の指定、あるいは「見える化」
  山村さんは
  「もし税金の使い道が指定できたらどうするか」との質問に
  「待機児童がなくなるように、
   保育園を増やすとか、保育士の給料を上げるなどする」
  と答えておられました。

  先生は、
  選挙に行くのは高齢者なので、
  税金の使い道はどうしても高齢者向けになってしまっている。
  しかし実際払っているのは働いている若い世代なので、
  その世代が使い道を指定できれば、少し意識が変わるかも、と述べていました。
  
  山村さんも、
  「払わされているとか取られている感がなくなって、
   自分たちのために払うんだ、という意識になるかも」と賛同していました。

 ・不公平感をなくす
  税金の三原則として「公平、中立、簡素」があるそうです。
  不公平感がなく、分かりやすい制度がいいということですね。
  公平性を持たせる考えとしては
   「水平公平性」同じだけの支払い能力があれば、同じ額を支払う
   「垂直公平性」所得が多い人ほどたくさん支払う

○課税制度
 「垂直公平性」を保つために、累進課税という制度があります。
  税金の制度は少々ややこしいのですが、
  まず所得から控除額(必要経費みたいなもの)を引いて課税対象額を出す
  次に、課税対象額に課税する。これも単純ではない。

   累進課税というと、A万〜B万は10%、B万〜C万は20%、みたいに上がっていきますけど、
   収入が高い人も、全部の額が一律高い税率がかかるわけではない。
   つまり、課税対象額のうち、A万に10%、(課税対象額-A)万に20%をかけて、
   その合計を納税する、みたいな感じ。
   なので、計算すると高い税率を受ける分の額はそんなに多くないらしい。
  山村さん「これも知らない人だと、収入が高いから取られている、と思ってしまうかも」

○収入の変動が年により激しい人の税率
 芸能人やスポーツ選手、漁師さんや農業者など、
 年により収入の変動があると予想される人は、
 コンスタントに同じ収入の人よりも
 生涯の課税額は高くなる可能性が高いそうです。

 ただし、そこも考慮されるシステムはあるらしい。
 なんか複雑な計算でよくわからなかったが、
 高い時の年収を5で割って、
 その分の税率を平均の税率として計算する、みたいな感じでした…(間違っていたらスミマセン)

また、税金は時代に合わせて課税制度を微妙に変えたりもしているそうで、
全体としてはよく作られているシステムのようです。
「新しい税金を作れるとしたら何に税金をかけますか」との先生の質問に
又吉さんは「幸福な人に税金をかけるのはどうですか」と言っていましたが、
なかなか税金を考えるのも難しいですね…という結論になっていました。


感想など。
私もちょっと前に税金の勉強を少ししていたことがありますが、
たしかによく考えられているシステムだと思いました。

例えば、
よく巷で相続税対策とか言われますけど、
実際のところ相続税がかかるのは相当のお金持ちだけで、
一般庶民はあまり心配しなくてもいいようになっている。
また、退職金や不動産売買など急な収入があるときは
課税が1/2だったっけ?なんかだいぶ少なくなっていたような。
他にも、住宅の土地や家屋では、不動産税が1/6と格安になっていたり…

税金の使い道にしてもそうですが、
国ももう少し広報をすべきだし、
国民も関心を持たねばならないのかなと思いました。

ただ、何で関心が持てないかと言えば、
制度が複雑すぎて分かりにくい、というのもあるのかもしれませんね…

正確な理由は分かりませんが、
これはみんなになるべく平等になるようにしようと思って
複雑になってしまっているのかもしれない。
(番組でも言っていた、累進課税とか課税の軽減措置の仕組みとかがいい例ですね)
一方で、「政府が国民をはぐらかすために複雑にしてるんじゃないか」
という見方もできなくはない、
というかそう思い込んでいる人も多いのでは?

この番組自体、Eテレなので政府寄りになってしまう面は否めないと思うので、
その辺は差し引いてみないといけないのかなと思ったのですが、
(前回の選挙も、政府のキャンペーンの一環?と勘ぐってしまいましたが)
税金の話について、ゆるーく身近な感じで解説してあるのはいいなと思いました。

国とか、税金を徴収する立場の人には
「税金はこういう使い道になっています」
「こういう理由で複雑になっています」と広報してほしいし、
税金が間違った使われ方をしたときには速やかに公表し謝罪してほしい、と思う。

だけど、そのためには、
私たちがもっと税金の使い方について知る、
使い道について注文をつける、
なんかおかしい、と思ったら意見を言う、
くらいのことをしなくちゃいけないのかな、
と思いました。
大事なお金ですから、有効に使ってほしいですものね。

なんかまとまりないですが、今回はこの辺で。
 


 



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