2016年06月26日

Eテレ オイコノミア「みんなで使えばトクをする!?シェアの経済学」

Eテレ オイコノミア「みんなで使えばトクをする!?シェアの経済学」

今回は、シェアすることで経済学的にも得をする、というお話です。
最近はルームシェア、カーシェア、レンタルなど、
所有にこだわらない人も増えているようですね。
私もモノにはあまり執着がない方なので、
利用できるなら面白そうだなと思って見てみました。

今回は、又吉さんと大竹先生が個性的なルームシェアを訪問するところから始まりました。
○個性的なルームシェア
 このルームシェアでは、いろんな設備がありました。
 ・パイロットがシミュレーターで操縦を教える
 ・サバイバルゲーム、スケボーができる
 ・チアリーディングで美ボディを手に入れてもらう  …など
  ゲストの渡辺直美さんも一緒に踊っていました(笑)
  ここでは体脂肪率20%減で二万円キャッシュバック、なんだそうです。
 ちなみに値段はキッチン、トイレ、お風呂共同で、家賃は3万円台~5万円台くらい。

○ゲストの渡辺直美さん
 又吉さんの後輩芸人さんで、又吉さんとも仲良しなのだそう。
 番組でもそんな楽しい雰囲気が出ていました。

 渡辺さんは「自分はルームシェアはありえない」そうです。
 仕事で気を使っているのに、家に帰ってまで人に気を使いたくないのだそう。
 芸人さんって私生活では繊細なのかもしれないですね。

 又吉さんはルームシェアを行っていて、2人の後輩芸人さんと同居中。
 「今まで人とあんまり交わらない人生だったので、人と共同生活するのもいいかなと思った」そうです。
 ルームシェアの利点としては、
  帰ってから人がいるからおしゃべりなどできる(次の仕事につながることも)
  水光熱費がお得、冷蔵庫など共有できる

 経済学的には、ルームシェアは「規模の経済」
 生産量が多くなるほど、単位当たりのコストが安くなる
 工場など初期投資は同じなので、たくさん作るほどコストが安くなるのと同じ
 家で言うと、固定費は家賃、冷蔵庫、洗濯機
 
○ハウスシェア(民泊)
 又吉さんが、大田区の感じのいい一軒家に取材しに行っていました。
 築60年の家を改装しているようで、内装はとてもおしゃれだけど、
 和風?のお部屋もあり、なんか落ち着く感じでした。

 これは「ハウスシェア(民泊)」…空き家や空き部屋を、旅行者に貸し出すサービス
  ・外国で始まり、広まった
  ・借り手と貸し手が仲介業者に事前に登録
  ・貸し手は写真などの情報を提供、借り手はそれを見て業者に連絡する
  ・普通の旅館やホテルは、貸し手が業者だが、民泊は貸し手が個人
 ちなみに取材した家は2万円くらい、べらぼうに安くはないが
  ・オーナーの個性が出る
  ・住宅街にあり、地元の生活をディープに体験できる、などの利点がある

 ・日本での民泊の問題点
  普通の旅館やホテルは、衛生や安全を確保するため、営業が「旅館業法」で定められている
  民泊は旅館やホテルには当てはまらないが、民泊に対する法律がないので「旅館業法」を適用している
  「旅館業法」
   ・宿泊拒否ができない
   ・住宅用地ではできない
   ・テロ防止のための宿泊者名簿の作成義務
  これは民泊にはなじまないので、違法の形で行っている場合が多い

  そこで、政府は「国家戦略特別区域法」を制定し、
  経済特別区では民泊が経営できるようになった(大田区、大阪市、大阪府など)

 又吉さんの取材した大田区では、民泊利用者に外国人が多いため、
 それに対応したサービスを提供しているとのこと。
 ・英語での生活案内(利用者に地元のマナーを守ってもらう)
 ・地元の商店街のクーポン券、地図などを配り、消費も促す

 又吉さん
 「住宅街で落ち着くし、ディープな情報が得られる利点がある、自分も泊まるなら利用したい」
 渡辺さんも
 「民泊は、友達が海外に旅行に行くと必ず利用している。
  近くの美味しいラーメン屋とか、地元の人にしか分からない情報も教えてもらえる」のだそう。
 海外の方が民泊は盛んらしい。
 ちなみに渡辺さんも、3ヶ月ニューヨークに留学していたそうです。

○いろいろなシェア
 ルームシェアや民泊以外にも、いろんなものをシェアするビジネスが盛んになってきている
 ・ライドシェア(車に一緒に乗る)
 ・パークシェア(駐車場をシェア)
 ・ベビーカー、一年に一回しか使わない工具など

 ライドシェアは、日本では違法(自家用車をタクシーに使うのは白タクに当たるらしい)だが海外では人気
 渡辺さんもニューヨークではよく利用したのだそう。
 仲介業者に携帯で電話して来てもらうシステム、なのだそうです。

 このようにシェアビジネスは多種にわたっており、今後も広まると考えられている
 2025年には41兆円規模のビジネスになる見込みだとか(2013年は3兆円余り)

○シェアリングしても経済全体の消費活動は減らない
 「シェアしたら、モノが作られなくなり、経済学的に損なのでは?」という疑問がありました。

 しかし先生によると、シェアリングは経済学的にはアリらしい。
 高いものにお金をかけなくなった分、別のモノにお金を使える
 別の需要が生まれ、消費活動が行われれば結果的にはGDPは下がらない、と考えることもできる

 例えばパソコンは昔より今の方が格段に安い
 消費者にとっては、その分他のものを買うことができるので喜ばしいことになるらしい

○シェアリングは遊休資産を有効活用する、という利点がある
 シェアリングが盛んになっている理由として
 ・インターネットの普及で、借り手と貸し手の仲介がしやすくなった
 ・ものを持つ人が増え、不用品も出てきた
  「使っていないものを有効活用したい」という希望が出てきた

 又吉さんと渡辺さんの不要なものを挙げています。
 ・渡辺さん…服
  ご自身のサイズが大きいので、普段いい服がなかなか見つからないこともあり、
  いいものがあればすぐ買ってしまうらしい(週10着とか…)
  クローゼットに入りきらず、部屋いっぱいになることもあるのだそう。

  「シェアするのはどうですか?」と聞かれましたが、
  「絶対いや」とのこと。
  破られたり、汚されたりが嫌なのだそう

  しかし先生によると、
  「経済学的には、使わず所有しているだけでは豊かではない」
   経済学的には、服などは自分が自分にレンタルしている、と考える
   すると、買ったけど使わない服は、貸し手はいるが借り手がつかない
   つまり損をしている状態

  このように、使われていない資産を「遊休資産」という
  シェアリングサービスは、この「遊休資産」を活用する利点がある
  経済学的には、モノは使えば使うほど価値が上がる、と考えるのだそう。

  又吉さんが
  「僕は服を買うとき、このコート月何回着るんやろ、とか考えて買う」とのこと。
  「こないだ古着屋でコートを買おうとしたけど、
   僕が月一回くらいしか着ないより、高校生とかが毎日擦り切れるほど着てくれた方が
   この服にとってはうれしいやろな、と思って買わなかった」
   すごいな~、と思っていたのだけど、
  「でも、これは取材で行った店で、「だから買いません」と言って買わなかったんですけど、
   実は次の日行って買っちゃいました」というオチが…(笑)
  しかし、それくらい毎回買うのは悩むのだそう。
  
  渡辺さんは
  「私は欲しくなったら、ここでしか出会えないと思ってすぐ買っちゃう」とのこと
  「でも服を部屋に飾ってそれを眺めるのも楽しいんですよ。
   私にとってはアートみたいなもの、
   落ち込んだら一時間くらいクローゼットにいることもある」とのこと。

  先生は「それなら渡辺さんにとっては服は着なくても価値がある、ということですね」
  又吉さんにとっては本がそれに当たるのだとか。
  読み返さない可能性もあるけど、置いといて眺めるのが楽しいらしい
  経済学的には、「使わなくても所有しているだけでもうれしい」モノでも価値があると考えるのだそう。

 ・又吉さんの不要なものは、旅行かばん(ガラゴロ引くスーツケース)
  年に数回しか使わないのに、畳一畳とか場所を占めるのが嫌なのだそう。
  思い入れも特になく、所有していてもうれしくない
  
  つまり使っていなくても所有するだけでうれしいなら有効資産、うれしくないものは遊休資産
 「遊休資産」を有効活用できるのがシェアリングの利点

○シェアリングは需要の変動に対応できる
 シェアリングの他の利点として「供給が流動的なので、変動する需要に応えられる」

  例えばオリンピックなどがあれば観光客が増え、宿泊施設がたくさん必要になる
  しかしホテル業者は、オリンピック後使われないことを考え、ホテルを増設したがらない。
  民泊なら、使っていない部屋や家を貸し出すだけで、
  新たに施設を作ったり、壊したりする費用が必要ない
  一時的な需要の増加にこたえられる、ということになる

  リオ五輪でも、観光客が38万人来るという予想で、
  民泊仲介業者と契約、二万五千の宿を確保しているのだそう。

 又吉さん
 「昔お祭りしたとき、近所の人から炊飯器を持ち寄ってましたけど、
  あれを自治会で炊飯器買ったら一年使わないままになる。
  みんなで持ち寄ったら有効活用できる、それと似たようなものですかね」
 先生「そうですね」
 又吉さん「でもカレーピラフとか作っちゃって、
 あとでにおいが残ってこれどうすんの、ってなってましたけど」
 先生「・・・・」 言葉に詰まっていました(笑)
 
○情報の非対称性を解消する「評価システム」
 シェアリングが経済学的に良くても、相手がどんな人か分からないと貸せない不安がある
 これは、経済学的には「情報の非対称性」がある、と考える
 「情報の非対称性」市場において、売り手と貸し手のもつ情報が平等でない状態

 例として、見知らぬ男性がパソコンを抱えて出てきました。
 渡辺さんに黒いパソコンを差し出し「渡辺さん、このパソコン買いませんか」(怪しい…)
 (男性の正体は、ADのナカジマさんらしい)
 「何ですか?絶対買いませんよ、ちなみにおいくらなんですか」
 「20万です」
 「20万?結構高いじゃないですか。元のお値段は」
 「50万です」
 「ホントに?」
 「ホントですよ、信じてください」
 やっぱり怪しい(笑)。買わないのは当たり前ですよね…

 同じように、中古車など、売り手がいくら高性能を主張しても、
 買い手が信用しなければ買われることはない

 そこでこれを補うのが「評価システム」
 五つ星などで評価、買った人のコメントも載せる
 男性も「なかじまさんへの評価」という、五つ星がダントツに多い評価を見せました。

 「どうですか、買う気になりましたか」
 「いや、絶対買いません(笑)パソコン持ってますから」
 又吉さんが「買わないんですか、オイコノミアはこういう番組なんですよ」とささやいてましたけど…(笑)

 渡辺さんも、ニューヨークでライドシェアを行ったとき、評価システムがあったのだそう。
 特徴的なのは、貸した人だけではなく、借りた人も評価されること。
 借りた人のマナーも評価されるのだそうです。
 すると、借り手も五つ星でないと、一緒に乗るのが嫌だとキャンセルされ、
 結果的に乗れなくなったりしてしまうこともある。
 このため、マナーを守る人が多い。
 また、貸し手も評価を上げたいので、お水を無料で提供するなどのサービスをしていたりする、とのこと。
 緊張感が保たれて、なかなかいいシステムですね。

 又吉さん「もめ事にならないといいですね」
 評価の仕方によってはもめごとになる恐れがある。
 渡辺さんによると、フリマアプリなどでも
 「一日届けるのが遅れます」と書いているのに、遅いと評価を下げられる、
 などのトラブルも実際存在しているらしい。
 逆に、サクラ的な評価の上げ方もあるかもしれないですね…

○利用者が多いほど便利になるシェアリング
「渡辺さん、評価システムがあってもシェアは嫌ですか」
 渡辺さんは、やっぱり汚されるなどが心配なのだそうですが、
 借り手がいるのか、という心配もあるらしい
「このサイズの人で私の服の趣味の人がどれだけいるかどうか…」
 (派手好きなのだそうです)

 しかし、先生によると
「利用者が多ければ、それだけいろんな人が対象になるので、
 中には同じような体形で同じような趣味の人もたくさんいる可能性が出てくる」とのこと
 外国人ならいっぱいいるかも、と言われ、たしかにそうかも、とのこと。
 
 このように、利用者が多いほど、シェアは便利になるのだそうです。


感想など。
・ルームシェアは私も経験したことがあります。
 といっても今みたいなおしゃれなシェアハウスではなく、おんぼろの寮生活ですけど。
 でも落ち込んだとき夜中でもしゃべってくれる相手がいたり、
 物の貸し借りが手軽にできたり、情報が交換できたりして楽しかったです。懐かしいなあ。
 お風呂、キッチン、トイレなどは共同でしたが、
 部屋は個別にあったので、プライベートは保たれていて、それも良かった。
 冒頭で紹介されていたルームシェアも、独身だったら住みたかったなあと思ってしまった…

・シェアというシステムは、経済学的にもアリ、という解釈はちょっと安心しました。
 というのは、たまに目にするのが「最近の若者は消費活動しない」という話。
 車は買わない、持ち家にもこだわらない、飲みにも行かない。
 シェアリングにも抵抗がない。
 だからお金が回らないんだ、みたいな、景気停滞の原因にされている場合もあるような。

 でもお金って消費すればいいのか?と思っていたのです。
 例えば一昔前だと、高級車やブランドバッグ、持ち家を持つ、海外旅行、高級レストランで食べるなど
 所有や消費自体がステータスだった時代もあります。
 でもそれって、なんか不健全なような…
 本当に欲しくて買っているのかな?幸せになれるのかな?と。
 見栄とか、みんな持っているから買っているだけではないのか?と。
 (もちろん、本当に欲しくて買っている人もいるのでしょうけど)

 若者がシェアリングとかレンタル、リサイクルなどを抵抗なく利用している、という流れは、
 そういうお金の使い方はもういいでしょ、と思うようになってきたからかなぁと。
 車とか家とかはそんなにこだわらないし、ほんとに自分が欲しいものにお金を使うよ、みたいな。
 それこそ、本当に豊かな幸せになれる生き方なんじゃないかなぁ。
 (「ミニマリスト」という言葉もありましたね)
 なので、「若者は消費活動しない」と言われようが、それはいいことではないかと思っていました。
 
 経済学的にも「シェアリングして浮いたお金を、別の消費活動に使えるのだから、お金は回っていく」
 という話だったので安心しました。
 つまり、シェアリングとかリサイクルとかが広まろうが、人間の消費意欲自体はなくなるわけではない。
 企業の側からしたら、じゃあ次にできる需要は何だろう?と考えていくことが重要なのでしょうね。

・ライドシェアでの評価システム(借り手と貸し手が互いに評価するシステム)がありましたけど、
 民泊はどうなんだろう、と思ってちょっと調べました。
 最近、民泊でトラブル…というニュースをたまに目にするので。

 民泊は世界的にはアメリカの「Airbnb」(エアビーアンドビー)という業者が有名らしい。
 ここの評価システムはけっこうよくできています。
 借り手も貸し手も評価されるだけでなく、
 両方がレビューを書かないと閲覧できないシステムらしい。
 つまり、自分が評価を付けているときは、相手がどんな評価をしているのか分からない。
 なので、例えば一方が低い評価をつけたとして、
 相手が後から報復で低い評価をつけたりするのを防げるのだそうです。

 このサイトでは、他にも民泊についての利点と問題点を解説してありました。
 http://airstair.jp/about_minpaku/

 やはり旅館業法が安全弁となっていた、
 衛生面、安全面、周囲の住民への理解、などをいかに確保するかが課題のようです。
 ちなみにAirbnbでは貸し手が自分の地域の法律に注意するように、と書いてあり、
 トラブルがあっても当事者の自己責任で、というスタンスのようです。

 うーん、でも、日本だとそれでは貸し手がなかなか出てこない気がするのですよね。
 日本人ってもめごととか訴訟って苦手だし、
 民泊も含めてシェアビジネスを日本に定着させようと思うなら、
 貸し手がよっぽど安心できるシステムにしないといけないような気がする。
 例えばもめごとがあったときの仲裁機関や制度をしっかりさせるとか、
 あるいは業者に管理も丸ごと委託できるシステムにするとか…
 
 物の貸し出しなら、シェアリングよりも業者が完全に買い取ってレンタルする、
 あるいは完全にリサイクルマーケットにする方が使う人が多いのでは。

・経験から言うと値段の割にあまり使わないものって結構あるので
 (ベビー用品、結婚式や葬式の服、子供の入園式などの服、スーツケースなど)
 もっとシェアリングとかレンタルビジネスが広まってほしいなと思います。
 ビジネスが拡大する見込み、ということなので、今後に期待。

色々勉強になりました。毎回ありがとうございます。
というわけで、今回はこの辺で。


 
 
posted by Amago at 00:19| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする

2016年06月22日

NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」第1回&第2回

NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」
「第1回 あなたを蝕むストレスの正体~こうして命を守れ~」
「第2回 ストレスから脳を守れ~最新科学で迫る対処法~」

過度のストレスは体を蝕む。
そのメカニズムと、予防法についての最新の科学を紹介した番組です。
1回目はストレスが起こす身体的な病とその予防法、
2回目は精神的な病と予防法が主な話でした。
でもどちらも密接につながりあっているようですね。

それにしてもこういう情報番組はNHKがダントツですね。
メカニズムの説明、実験の説明など、CGが分かりやすくて素晴らしい。

<第1回 ストレスの正体>
1回目のゲストは澤穂希さん、高須光聖さん、林修さん、小島瑠璃子さん、
アドバイザーとして九州大学の須藤先生がおられました。

司会は特にないものの、ほぼ林さんが進行役でした。
他の番組で司会もされているせいか、さすがに話の振り方とかが上手ですね~

最初は一人一人狭い箱の中に入ってもらい、ストレスを感じてもらっていました。

○ストレスがあると体にどのような変化が起こるか
 ・ワシントン大学の実験
  被験者に「1873」から順に「17」引いていく、など難しい計算をさせる
  このとき、「早く」「間違ってる、途中からやり直し」
  など、わざとプレッシャーをかける言い方をする
  このときの脳などの変化を調べると、
  脳の偏桃体が活発になっていた
  「偏桃体」不安、恐怖を司る部位

 ・ストレスが起きたときの体の反応
  反応1 偏桃体が活発になると、副腎が刺激され、様々なストレスホルモンが出される
   ・血圧上昇、心拍数増加
   ・血液が固まりやすくなるなど
  反応2 偏桃体が交感神経を刺激、血管を締め付ける

 ・このような反応が起こる理由
  太古の昔、天敵に出会ったら戦わねばならず、
   動きを素早くするために血流が増加するように
   怪我をしたとき、すぐ血が固まるように、など、戦えるように体が進化した
  つまり、天敵と戦っていた時代の体の名残

○体を蝕む「キラーストレス」
 ・ストレスで脳出血になり、緊急搬送された女性
  この女性は旅行会社勤務だが、外国人が増え多忙になり寝不足
  さらに親族の葬式が重なり、ストレスが重なった

  このように、ストレスがいくつか重なると体に出やすい

○ゲストの人達のストレス
 箱の中から出てきてトークをしておられました。
 ・澤さん
  試合ではあまりストレスは感じない方だった
  一度だけシドニーオリンピック出場がかかった試合では、試合前に蕁麻疹が出た、とのこと

 ・高須さん
  放送作家というお仕事で、一時期バラエティを15本、ドラマの脚本も抱えていた
  この時はドラマの仕事が終わったとき胸がが痛くなり、病院で診てもらったら血管が詰まっていた
  睡眠不足、多忙など色々なストレスが重なっていたとのこと

 ・先生によると、太古の時代は天敵に遭えばストレスは大きいが、
  敵がいなくなればストレスホルモンは消えていた。
  その時代と比べると、今はストレスの大きさは小さいが、
  なかなか消えずに蓄積しやすくなっている、とのこと

○「キラーストレス」が病気を起こすメカニズム
 ストレスが、体に深刻な病をもたらすメカニズムがいくつか分かってきているそうです。
 ・ストレスホルモンの暴走による心臓病
  心臓病の患者にストレスをかけ、CTで見た研究
  ストレスがかかると、左心房のところの血管が狭くなり、血流が流れなくなる

  説明によると
   偏桃体→副腎→ストレスホルモン→血圧上昇、心拍数増加
   偏桃体→交感神経→心臓の筋肉の血管を締め付ける
   この相反する2つの働きで心臓に負担がかかり、体が破たんする

 ・ストレスホルモンが免疫細胞の働きを妨害して、ガンを増殖させる
  オハイオ州大学の研究
  乳ガン患者のATF3という免疫細胞
   この遺伝子がオフの患者は生存率85%
         オンの患者は生存率45% 

  考えられるメカニズムとしては、
   免疫細胞がガンを攻撃していたが、
   ストレスホルモンでATF3にスイッチが入り、ガンへの攻撃が妨害される

 ・ストレスホルモンは日和見細菌を増殖させ、血管を破壊させる
  ニューヨーク州大学の研究
  血管が破裂した患者の血管を調べると、血管の中に細菌がいることが分かった
  これは健康な人にもあるが、悪さはしない
  虫歯などから侵入したと考えられている

  ストレスホルモンは血液中の鉄を遊離させる
  この鉄で細菌が増殖し、血管を破壊する、と考えられている

  ・これを再現した実験
   血管に見立てた細胞の膜の上に細菌をのせ、これに鉄を注入
   20分後、鉄を取り込んだ細菌が急に増殖して泡を作り、膜を突き破る

  後でスタジオで高須さんが質問されていましたが、
  健康な人なら、細菌は普通の免疫システムで排出されてしまうので、このようなことはない、とのこと

○その他のストレスを起こす病気
  心臓病や高血圧、がんのほかに、ストレスが起こす深刻な病を紹介しています。
  ・蕁麻疹、アレルギー…免疫システムを暴走させる
  ・胃腸炎
  ・エコノミークラス症候群…血液が固まりやすくなる
  ・糖尿病…ストレスホルモンは血糖値を上げることが分かっている

 ・小島さんのストレス
  高校のころ逆流性胃腸炎(ストレスのあるサラリーマンがなる病気らしい…)
  本人によると、人間関係、田舎者が地方から出てきて東京で暮らす、高校が替わるなど、
  いろんなストレスがたまっていた、とのこと
  (アイドルやるのも大変ですね…)

 ・都市の人のストレス
  都市に住む人は、村や町に住む人より偏桃体が過敏になっているという結果
  都市にいると刺激が多く、常に神経が高ぶっている状態になるらしい
  小島さんも、須藤さんも都市にいるだけでストレスになる、とのこと
 「人は多いし、早く歩かなくちゃいけないし、電車はすぐ来るし…」

○ストレスの要因
 もともとストレスは「歪み」をもたらす刺激、だそうで、
 引っ越し、結婚など、環境の変化がストレスをもたらすことが多い
 「ストレスチェック表」もありました(ホームページで見られます)
 一番大きいのは配偶者の死だが、
 結婚、収入増加、昇進など良いことでも、変化を起こすものなら何でもストレスになる

 ゲストの皆さんもされていました。
 260点以上で要注意、300点以上で警戒レベルなのですが、みなさんだいたいは200点以下くらい。
 澤さんは引退、結婚、引っ越しなどが続いたので高得点でした。
 (たしかに私も結婚したころ、原因不明の皮膚病にやたらかかっていた…)
 でも「配偶者の死」は80点ななど、大きい出来事があると一気にやばいレベルになってしまう。
 
○ストレスを防ぐ方法
 アメリカの心理学会が提唱する5つの方法
 ・ストレスの原因から遠ざかる
 ・周りからのサポート
 ・笑う
 今回注目されているのは、残り二つの方法。
 ・習慣的な運動
 ・瞑想(マインドフルネス)→次回

 今回は「習慣的な運動」について。
 ・習慣的な運動の効能を調べた実験
  心臓疾患の人に、指に針を指す(ストレスを与える)後、心電図をはかる
  ストレスがあると、健康な人よりも心電図に変化が出やすい
  しかし、習慣的な運動をすると、変化のレベルが健康な人と同じくらいに戻ったらしい

 これは、運動して精神的にリフレッシュしたたけではなく、
 なんと脳細胞自体も変化しているのだそうです。

 ・先の、心臓疾患の患者の延髄の神経細胞を調べたところ、
  運動継続後は、延髄の神経細胞の突起の数が減少していた
 「延髄」は、ストレスを受けた偏桃体が、体に変化をもたらすルートの中継地点にある
   偏桃体→延髄→副腎→ストレスホルモン、心拍数増加など
   偏桃体→延髄→交感神経→血管締め付けなど
  ここで運動すると、延髄の神経細胞が減り、ストレスの影響も減る

 ・実際に必要な運動
  先の実験で行ったのは有酸素運動、速足(会話はできるくらい)など。30分を週3回
  特別運動の時間を取らなくても、出勤のとき速足で歩く程度でも大丈夫だそう。
 継続が大事だそうです。

残りについては次回。

<第2回 こうして脳を守れ>
前回はストレスが体の病を引き起こす、としていましたが、次は精神的な病についてです。
第2回のゲストは、澤さんの代わりに宇宙飛行士の古川聡さん、
アドバイザーとして早稲田大学の熊野先生がおられました。(他の方は第1回と同じ)
○ストレスがうつ病を起こす
 ・うつ病になった男性
  大手家具メーカーのクレーム対応係を4年続け、うつ病を発症
  本人曰く「心ここにあらずという感じだった」
  感情を失い、笑えなくなっていたのだそう。

 ・ストレスがうつ病を起こすメカニズム
  その1 コルチゾールが海馬を破壊する
  ストレス→偏桃体→副腎→様々なストレスホルモン
  ストレスホルモンの一つ、コルチゾールが海馬を破壊することが分かった。
  「海馬」記憶、感情をつかさどるところ

  アリゾナ州大学の研究
  ラットを長時間網に閉じ込めてストレスにさらすと、海馬の神経細胞が減少した
  
  慢性的、蓄積するストレスがコルチゾールの過剰分泌を起こしているのでは、とのこと

  その2 マインドワンダリングにより、自分でストレスを繰り返してしまう
  「マインドワンダリング」くよくよ考える心の働き
   人間は進化により記憶や想像ができるようになった 
   このため、「過去」の出来事を思い出したり(記憶)
   「未来」にその出来事にあったらどうしよう(想像)
   とくよくよ考えてしまう

   研究によると、我々は生活の47%は過去や未来を考えているらしい

○スタジオでの話
 ・先生によると、現代はストレスがおおざっぱにいって2種類ある。
 「頑張るストレス」…アドレナリンが出る、心拍数、血圧上昇
 「我慢するストレス」…コルチゾールが出る、うつ病

 ・小島さん「最近はボーッとする時間がない、つねにニュースをチェックしたりしてしまう」
  先生によると、インターネットが普及してからはそういう人が多い
  特にメールなど、テキスト情報だと考えてしまう。
  「思考する」というのがストレスの原因になるのだそう。

 ・海馬は記憶にも関わるので、ストレスは認知症を進行させる原因にもなる
 
 ・林さん「最近の若者はストレスに弱い」
  
○ストレスを決める要因
 ・アメリカの大学での研究
  子供のころ強いストレスを受けた人が、30年後にどのような影響を受けているかを調べたところ、
  子供の頃強いストレスを受ける人は、大人になって偏桃体が肥大している傾向にある
  つまり、ちょっとしたことでストレスを受けやすくなっている
  この大学で研究にかかわっていた日本人研究者は
  「子供のころの環境がストレスの受け止め方、感じ方に影響をもたらす」と述べている

 スタジオでは、他のストレスの要因についても話が出ていました。
 ・遺伝的要因(病気になりやすさ)
 ・生活習慣…規則正しい人ほどストレスに強い
 ・考え方のクセ…神経質な人はストレスになりやすい、など

というわけで、いよいよ予防法の話。
○宇宙飛行士のストレス対策法
 JAXAには宇宙飛行士専属の医師がいて、ストレス対策の研究もしているらしい。
 ・コーピング
  ストレスになったとき、自分なりの気晴らし法を書き出す
  何でもいいから出来るだけたくさん書き出す
  そして、実際ストレスになったとき、そのうちいくつかやってみる

  つまり、ストレスの観察と対策を、意識的に繰り返す練習をする
 
  宇宙飛行士はそれぞれ自分のコーピングを行っているのだそう。
  ギターを弾く、スイーツを食べるなど
  古川さんは、ネットでの家族との会話、青い地球を眺める、一人野球など。
  一人野球は、無重力状態でボールを投げて、急いでボールを追いかけて自分で打つ…
  という、無重力状態ならではのスポーツ?でした。達成感が良かったのだそうです。

 ・広島大学の研究
  コーピングの一つ一つの項目を行った後の気分を数値化して記録する
  数値化することで、行動と効果が目に見えるのだそう。
  
  患者さんの例
   数値化すると、公園で歩くのが思っていたより気分がよくなることが分かった
   そこで、意識的に外出を増やすことでストレスがなくなったのだそう。
   「他にもやりたいことが出てきました」とのこと
  「閾値下うつ」うつ手前の人
  コーピングを行うと、閾値下うつの人が健康レベルまで回復するらしい

 ・ミシガン大学のコーピングの脳の状態を調べた研究
  コーピングすると、前頭葉の一部(認識を司る)が活性化
  ストレスになると偏桃体が活発になるが、
  前頭葉が「そんなに反応しなくても大丈夫」となだめる働きをしているらしい。
  「車のアクセルとブレーキみたいなもの」とのこと

  もともと前頭葉は不安を覚えたら、「そんなことないよ」となだめる役割をしていた
  ストレスに弱い人はその働きが弱いが、
  コーピングはそれを取り戻す働きをする、とのこと

 ・スタジオでコーピング
  臨床心理士の先生が来られて、ゲストの皆さんにコーピングを指導されていました。
  古川さんは
   「実験のため麦を育てている同僚がいて、それを観察させてもらっていたら癒された
    植物の力を感じた」という話もされていました。

  出せる行動はみなさん10個以下でしたが、
  先生は「治療の時は、100出してくださいと言います」とのこと。

  そんなにたくさん出ない、と腰が引けてしまうが、実際治療者(40代男性)のコーピング例が出されていました。
  例えば唐揚げ食べるとか、宝くじに当たったと妄想…など、これなら出せそう、という感じ。
  先生によると「しょぼくてもいいからとにかく数を出すこと」
  具体的な行動だけでなく、想像するだけのものでもいい。
  例えば先の例では、
  「イチローだったらどうするか」「初恋の女の子を思い出す」などもありました。
  想像だけだったら、コストも時間もかからず、迷惑も掛かりません、とのこと。

 ・冒頭のうつ病の男性のコーピング
  この男性も、一年かけてうつ病を治療したあと、再発防止のためにコーピングしている
  「木に触れる」などなんでもいいからやってみるといい、とのこと

○マインドフルネス療法
 他に、現在企業や学校でも注目されている「瞑想」も紹介されていました。
 「マインドフルネス」
  マサチューセッツ大学の、瞑想の研究から始まったプログラムで、
  瞑想から宗教的要素を外したもの

 研究者によると、とにかく呼吸や体に集中し、考えない
  「背筋を伸ばし、からだの中心を意識する
   呼吸に意識する
   呼吸の長さはなんでもいい
   吸って吐いて、
   吸ったときお腹や胸が膨らむ感じ、
   吐いたときはお腹や胸が凹む感じ
   部屋の大きさ、自分の感覚を意識
   雑念が浮かんでも何も考えない」

 ・マインドフルネスの効果
  体の不調を30%軽減、心の不調を40%軽減
  先に「マインドワンダリング」で
  「過去」や「未来」を思い描いてくよくよ悩んでしまう、とありましたが、
  それを排除して「今」に集中する、という効果があるようです。

  さらに、海馬が増え、偏桃体が5%減少する
  つまり脳細胞が変化することも分かったらしい。
  ストレスを減らすだけでなく、子供のころストレスで受けた影響も治す可能性がある

○スタジオでのトーク
 ・林先生が、「マインドフルネスは、過去にも未来にも蓋をしちゃうんですね」
  余計なマインドワンダリングをなくし、今に集中する。
  高須さんが、「ということは先生、過去でもなく未来でもなく…」
  林さん「今でしょ!!」(笑)
  林さんは、実はマインドフルネスの本質をついていた??
 
 ・スタジオでも実践されていました(ただし、うつ病の方は医師の指導のもと行ってくださいとのこと)
  10分行った
  小島さん
  「世界が変わった。
   睡眠とは違うけど、自分の中心をふわ~っと漂っている感じですね。
   瞑想というと宗教的だけど、科学的な脳のことなんだと分かった」とのこと
  古川さんも「すっきりしました」
  林さんは「みんなを意識せず、自分だけの世界にいました」とのこと

  先生によると、
  ストレスを感じたときに、コーピングを行う一方で、
  毎日の生活にマインドフルネスの時間も意識的に取れるようにするとよい、とのこと

  本来、マインドフルネスは日本には昔からあるもので、
  例えば武道、茶道などは一つ一つの動作に心を向けることで
  余計なことを考えず、「今」に集中している作用がある、とのこと。

番組の最後では、
ストレスがたまりやすい社会ではあるが、
最近の科学で予防法も分かってきている、
あなたも意識改革しませんか、と締めくくっていました。

感想です。
・ストレスが体に良くない、というのは感覚的には分かるけど、
 血管、脳細胞、免疫細胞などで物理的に影響している、というのが興味深かった。
 まだまだ分かっていないところも多いのでしょうけど。

・マインドフルネス療法、というのは新聞かなんかで名前だけは聞いたことがありました。
 そのときはふーん、と思うくらいだったけど、ここまで注目されているとは知らなかった。
 しかも脳も変化させるというのもびっくりでした。

 たしか新聞には、うつ病治療には認知療法がある
 (トラウマとなっている出来事を思い出して、そんなことはないよと認知しなおす方法、だったっけ?)
 これは治療の過程で過去の嫌なことをまた思い出して傷付いてしまう欠点があるが、マインドフルネスは今に集中するだけでいい、と。

 正直そんなんでいいのか、と思っていたけど、
 たしかに過去のことを認知しなおそうと思ったら、
 感情の渦から抜け出して冷静になれる心の強さが必要。

 マインドフルネスで今に集中すると、悩んでいる自分から離れることができるので、
 問題に立ち向かう心の強さを取り戻すことができるのかもしれません。

・運動、コーピング、マインドフルネスいずれも、
 体に働きかけて脳を変える、というアプローチが斬新に思いました。
 今まではストレス対策っていうと
 「ものの見方や考え方を変える」
 というアプローチが多かった気がするので…
 体を変えるところから入るので、誰でも手軽にできるのがいいですね。

 ただ、これでは根本的な解決にはならないような気もする…
 原因がその人の考え方のクセなんだったら、また同じことの繰り返しにならないのかな。
 その辺はどうなんだろう。

 考え方のクセを治すアプローチも必要かなとも思いました。

 といっても過去の傷をほじくり返す必要もないと思う。
 アドラー心理学みたいに過去のトラウマに囚われずに捉え方を変える方法もある。
 そんなんと組み合わせていくといいのかなと思いました。

色々勉強になりました。見ていてとても面白かったです。
というわけで、今回はこの辺で。


 

posted by Amago at 16:32| Comment(0) | テレビ(科学) | 更新情報をチェックする

2016年06月20日

「こんなにちがう! 世界の子育て」メイリン・ホプグッド (著)野口 深雪 (翻訳)

「こんなにちがう! 世界の子育て」メイリン・ホプグッド (著)野口 深雪 (翻訳)

世界のいろんな子育てを紹介している本です。
といっても、統計的に調べた学術的な本というわけではなく、
筆者が事例を集め、自分の子育てに実践を試みた体験記、という感じです。

筆者はアメリカ出身のフリーライターですが、
仕事のためアルゼンチンに移住、出産されたそうです。

筆者にとって、異国での子育ては驚きの連続で、
ときには欧米の常識とは違うこともあったようです。
しかし、国際結婚をしている親戚や知人の話を聞いたりして、
外国の常識もそれなりに根拠があり、学べることに気付いたのだそうです。

そこで、今までの自分の常識にとらわれず子供にとってベストな子育ては何か、
と考えたのが、世界の子育てを調べる動機になったようです。
読んでいて、子育ての常識って絶対じゃないのね。
という気にさせられ、とても気楽になれました。
学術的な内容もありますが、どちらかというとエッセーに近くて読みやすい本でした。

各章の話について。
○アルゼンチンの子供たちは夜更かしをする
 アルゼンチン人は夜の9時10時から夕食を始め、
 それから朝までゆっくりおしゃべり、ということもよくあるらしい。
 しかも、そういう場に赤ちゃんや幼児を連れているのはよくある光景らしい。
 友人のパーティーに招かれても、子連れは大歓迎なのだそう。

 アルゼンチンのベビーシッター制度はかなり発達しているが、
 親としては友達と過ごす楽しい時間を、子供とも共有したいのだそうだ。
 子供も楽しんでいる。目がらんらんな子もいるし、眠たくなったらうるさかろうが寝ている子もいるらしい。
 
 筆者はこれに戸惑い、受け入れながらもこれでいいのかといろいろ調べたらしい

 ●欧米の常識
  ・子供は規則正しい生活をするべき
  ・早寝早起き、8時間睡眠をとるべき

 ●欧米以外の文化圏での実態(文献、研究者への質問などから)
  ・文化により多種多様、
  ・子供と大人は同じ場所で寝起きするので、生活スタイルも親と同じことが多い
  ・儀式、ダンス、火を囲んでの語らいなどで夜を明かし、寝たいときに寝ることも多い

 ・欧米の睡眠常識を疑問視する学者の意見
  ・8時間睡眠は欧米の工業化社会が強要したもので、
   むしろこの強制的な習慣が睡眠障害の原因になっている可能性もある

  ・昼寝などで睡眠を補えば結果的にはいいのでは、という専門家もいる
   睡眠を規則正しくさせようとしても、赤ちゃんはそうはなっていない。
   子供のリズムを重視していれば勝手に寝るし、親も寝られる。
   子供の生活リズムを重視しつつ、大人の生活に溶け込ませるのが、
   子供にとっても大人にとっても、親子関係にとっても有効ではないか。とのこと。

   そういう意味では、アルゼンチン式も、
   子供に大人の夜の生活になじませて社会への準備をさせている、
   という見方もできるらしい。
  
   アルゼンチン人も、子供の健康にはいいとは言えないかもしれないが、
   それでも子供にとっても親にとってもこういう体験は良かった、と考える人は多いのだそう。
   学校に行き出したら、みんなそれなりにちゃんとした時間に起きるようになるとか。
   (ただし、伝統的に遅刻は多いらしい)

   というわけで、筆者はほどほどの夜更かしになるように、あまり悩まずいこうと考えたようです。

○フランスには幼児食はない
 筆者は子供には野菜を食べてもらいたいが、
 夫の食べさせるファストフードの方が食べたがる、と悩んでいたそうです。
 そこで、食を大事にするフランス人の考え方に興味を持ったそう。

 ●フランスの食への考え方
  ・子供と一緒に野菜を育てたり、
   その野菜を使ってシェフが作った料理を子供に食べさせる、
   というプログラムをしている学校がある。

  ・田舎では、自給自足が当たり前(野菜、バター、チーズなども手作り)
   栽培や調理も子供と一緒にするためか、子供も野菜好き
   ベビーフードもなく、おやつも自然のもの

  ・フランス人はながら食べはあり得ない、「食事と良好な関係を持つ」
   食べ物について語るのが大好き

 ●アメリカ人の食についての考え方
  ・食べることはやっつけ仕事、ながら食べ、加工食品は当たり前
   しかし、アメリカでも昔はそうでもなく、それはここ20~30年の話に過ぎないのだそう。
   これは共働きにより親が忙しくなったせいもあるが、
   アメリカの加工食品のマーケティングが原因では、との分析がある
   (とにかく加工食品を売るために、栄養の良さなどが協調される)

  ・市販のベビーフードの方が栄養的に優れているので、使うべきだと考えられている
   ちなみに筆者はベビーフードは手作りだったそう(アルゼンチンにベビーフードがない)で、
   娘は市販のベビーフードはまずいと言って食べないらしい

  筆者はフランス人の食べ物についての姿勢を学び、
  できるだけ大人と同じ物、手作りのものを食べさせ、
  料理にも参加させ、娘にも食に関心を持ってもらいたい、と思っているらしい

 ちなみに世界の子供たちが食べるものも紹介していました。大人と同じですね…
 アルゼンチン…肉(内臓も)
 ブラジル…薄いコーヒー
 イタリア…オリーブオイル、瓶詰めベビーフードなどけっこうこってり系
 日本…においのキツイ海藻や干物
 オーストラリア…ベジマイト(ノリみたいな色のしょっぱいペースト、原料はイーストらしい。ちなみに私も食べたことあるけど塩辛くて…。慣れたらはまるのかな?)
 韓国人…キムチのかけら
 イヌイット…生肉、血   など

○ケニア人はベビーカーを使わない
 筆者はベビーカーを買うときに非常に悩んだそうです(種類が多すぎる)
 しかし、ケニア在住のジャーナリストから、
 ケニアではベビーカーを使わない、という話を聞いて興味を持ったらしい。

 ●ベビーカーを使わず、布を使っておんぶする文化
  ・ケニアでは、布で赤ちゃんをおんぶしている。
   道路事情が悪くベビーカーには不向き、
   信号無視の車が多いのでおんぶや抱っこの方が安全、
   ベビーカーは高価    …などが理由。
  
   他にも、日本のおんぶ紐、かごに乗せる民族など、抱っこやおんぶ文化は多い
   (ただし欧米でも、おしゃれなスリングは流行っているらしい)
  
  ・おんぶや抱っこの効用
   ・赤ちゃんとお母さんの触れ合いが多く、双方の精神状態に良い
    実際、ベビーカーなどに放置されがちなアメリカの赤ちゃんはよく泣くらしい
   ・運動生理学者によると、おんぶなどは赤ちゃんの運動の発達を促す
    お座りとか姿勢を変える、とかいうのが、脳の刺激になる
    コンテナとかベビーカーに閉じ込められていると、運動能力が発達しにくい

  ●ベビーカーについて
   ・ベビーカーの起源 
     イギリスの上流階級が、子供のためのおもちゃとして、
     馬車のミニチュアみたいなのを作って乗せたらかわいらしかったので、流行したらしい
   ・アメリカなどでは、連れ去りなどの危険を避けるためにベビーカーに乗せる場合もある
   ・抱っこしないので腕が疲れず、荷物も載せられるので親にとっても便利、という面もある

  おんぶの良さを聞き、筆者自身もブエノスアイレスからシカゴに帰国するとき、
  スリングに挑戦しています。
  ただ筆者がおんぶしたのは二歳近くの娘…
  かなり重たかったのと、縛り付けられるのを嫌がって逃げ回る娘と格闘するのに疲労困憊したらしい。
  筆者はその後しばらく、スリングは見るのも嫌なくらい憎たらしくなっていたそうです…

  結論的には、筆者は抱っこも混ぜつつ、
  便利なベビーカーの恩恵にもあずかろう、というスタンスになったようです。

○中国人はおむつ外しが早い
 筆者は、出産する10年ほど前、ツアーでたまたま中国に寄ったとき、
 幼い子供が股割れズボンをはき、そこから排泄しているのに目を奪われたらしい。
(つまり座ったりしたら、ズボンの割れ目からお尻が見えるのだそうだ)
 そこでおむつやおむつ外しについて調べています。

 ●おむつを使わない中国文化
  以下は中国系アメリカ人ブロガーの体験談だそうです。
  ・中国のやり方
   中国人はおむつを使わない(蒸れる、高価などが理由)
   股割れズボンをはかせ、その下には洗い替えができる布を当てる

   1歳を越えた頃になると排泄の練習を始める
   やり方としては、おしっこしたそうになったら何かにまたがせて、大人が笛を吹く
   それを繰り返していると、笛を吹いたら条件反射でおしっこするようになるらしい。
 
  ・ブロガーの彼女は子供が二歳のとき中国に住むことになり、おむつ外しに挑戦したそうです。
   体験によると、おむつがないのでそこらじゅうで排泄するようになるが、
   中国社会ではそれに対して寛容なのだそう。
   そこらへんで垂れ流して、始末していてもあんまり眉をひそめられないのだそうだ。
   1か月でおむつなしでトイレするようになったそうです。

  筆者もそれを聞き、2歳前の娘のおむつ外しを挑戦しています。
  最初はおまるでさせようとしても、おまるでないところでおしっこしたり、
  排泄したものを始末したり、とても大変だったそうですが、
  それでも2週間で外れたらしい。

  ●おむつ外しについての専門家の見解
   ・おむつ外しは子供に任せ、遅い方がいいという意見
    アメリカでは2歳では早すぎる、とのこと
    おむつメーカーがおむつを売るための戦略、という分析もあるが、
    排泄は自立の一環、自尊心にもかかわるので、本人の自覚を待つべきという意見もある

  ・外すのは早くても構わないという意見
   中国以外でも排泄の練習が速い文化も少なくなく、
   そういうところでは早すぎて失敗しても、その後の本人の人生に影響はない

  でも中国の例など見ていると、時期がどうこうというより
  排泄の失敗に社会全体が寛容かどうか、というのが重要そうな気がします。

○アフリカのアカ族はお父さんの子守りが積極的
 筆者は夫との育児分担について悩み、
 お父さんが子育てをする、というアフリカアカ族の子育てについて調べています。

 ●世界のお父さんの子育て
  ・アカ族の例
   父親の狩猟にも抱きかかえて連れていくこともあれば、
   父親同士でたき火を囲んでお酒を飲むときにも、赤ちゃんをそばに置いておく
   ぐずったらお父さんが自分のおっぱいをくわえさせることもする

  ・動物に比べ、人間の父親の子育ては文化的な影響が強く、バリエーションが多様
  ・父親が子育てにどれだけ関わるかは、その民族の社会様式に左右される
   父親が子供と距離をとる傾向のある文化…戦闘民族、父親が出稼ぎ、父親の地位や収入が重要視される
   父親が子育てに積極的な文化…非戦闘民族、女性も狩りをするなど
    アカ族の場合、非戦闘民族、狩りには男女とも参加すること、
    体が小さい民族なので父親が抱っこする方が合理的、などの理由が考えられるらしい。

  ・生理学的には、男女の育児能力には差はない、という研究結果
   パートナーが妊娠末期になれば、男性もプロラクチンという子育てホルモンが増える
   抱っこやふれあう経験が多ければ、男性でも赤ちゃんに慣れやすいのだそう。

   アカ族の研究によると、
   赤ちゃんが父親になつくかどうかは、一緒に過ごす時間の質より長さが重要
   小さいころから父親抱っこに慣れていれば、父親にも抱かれたがる

   筆者は夫の子育てのやり方にイラつくこともあったらしいけど、
  「男性は育児ができない」という先入観を捨てねば、
   男性なりの子育ての仕方を尊重しなくては、と考えたようです。
 
○アラブ系の家族は結束が強い
 筆者は異国で子育てしているので、
 祖父母や親族と子供がふれあいにくい、ということに後ろめたさを感じるときがあるそうです。
 一方、筆者が生まれ育った場所ではアラブ系民族の家があり、
 一族の結束は異様と言っていいほど固かった、とのこと。
 そこで、親族が子供に関わる文化、そうでない文化の違いについて調べています。

 ●親族の結びつきが強い文化
  ・アラブの親族の結束
   一つの家に自分の親兄弟の他、いとこやおじおば、祖父母のいとこなども一緒に暮らす
   一家族20人~30人
   一緒に住むだけでなく、買い物や外食、イベントなども親族単位で行動

   また、上の兄弟は下の兄弟の面倒を見るのが義務に近い
   面倒を見るために自分の人生を犠牲にすることもある(ただしそれは当たり前と受け入れている)

   これは歴史的に外部からの侵略や災難などが多いからでは、という分析があるそうです。
   政府や他人はあてにならず、信頼できるのは家族しかない、ということ
   集団で子育てをすることで、子供を危険から守るという考えもある
   アラブ以外でも、親族が子供に強く関わる文化は多い

  ・子供の精神発達への影響
   たくさんの親族が子供の成長にかかわるのは子供にとってプラス、という研究結果もあるらしい
   「集団養育」となる
   おじおば、いとこなどは友達や相談相手になる
   親にとっても、育児を助けてもらえるし、精神的にも息がつまらない
  
   ただし、一家の束縛を嫌がって外へ出たがる若い人もいるし、
   結束が強すぎるが故のもめごとなどもあるにはあるらしい

 ●アメリカ人の核家族文化
  ・親と子供、という核家族単位
  ・子供は早く自立するよう促される傾向にある
   これは、アメリカの産業化が原因、という見方がある
   小さい単位なら移動も自由で、チャンスがあれば身軽に移り住め、自由競争社会には有利
  ・つまりアメリカの親は、
   子供に自由に夢を追いかけて生きてほしいという愛情から、自立を促す
   ちなみに、筆者自身もそういう価値観で育ってきており、
   外国で自由に仕事をさせてくれた両親に感謝している、とのこと。

  ・核家族だと集団養育はできないが、
   その分、近所や友人とのネットワークを大事にする傾向がある

 筆者によると、
 世界でも家族の在り方は変化している。
 仕事などのために核家族にならざるを得ない人もいれば、
 経済的な理由や、親の介護のためなどに実家に戻る人もいる。

 冒頭に話を聞いたアラブ系の知人も、
 時代の流れで昔ほど一族が同じ場所にいるのは無理になってきている。
 それでも遠くても連絡を頻繁にとったり、お互いであったりして結束を確かめているのだそう。

 筆者はそれを聞き、自分も娘に親族とのつながりも感じてほしい、と願うようになったとのことです。
 
○チベット人にとって出産は神聖なもの
 筆者は娘を妊娠する前に、何回か流産を経験しているそうです。
 そのときにチベット人の知り合いに聞いた話が印象深かったとのこと。
 
 チベット人にとっては、妊娠出産は神聖なこと。
 出産は生と死のはざまの特別な状態。
 妊娠するのは、赤ちゃんの魂と両親のカルマがうまいこと組み合わさったときに成立する。
 妊娠している間は霊的なものにつながっている、という考え方なのだそうです。
 なので、妊娠しているときの食べ物、生活などにはとても気を使う。
 また生まれたばかりの子供を祝福する食べ物なども、宗教的な儀式があるそうです。

 チベット人によると、心身ともに穏やかなことが妊娠には必要なのだそう。
 筆者は信心深くはない、とは言っていますが、
 それでもストレスだらけでは妊娠もできないことは、医学的にも分かる、と述べていました。

○日本人はけんかを止めず、話し合いで解決させようとする
 筆者は、娘が他の子どもに悪さをするとき、どう躾けるべきか悩んだらしい。
 その折に日本、アメリカ、中国の子育てを比較したDVDを目にして、
 日本式のしつけに興味を持ったそうです。

 ●日本人の「喧嘩を止めない」しつけ
  ・日本人は悪ふざけをしている子がいても、大人はあまり注意しない
  ・子供同士がけんかしても、すぐには強制的に止めず、話し合いをさせる
   大人からいわれるより、仲間とのやり取りから学ぶことの方が多い
   自分たちで問題を解決できる強さを持ってほしい、という狙いがあるらしい
  
   集団の中で折り合う力を自分で身に付け、
   親や教師などがいなくても自分でどうにかできるようになる、という利点がある
 
 ●欧米の考え方
  ・子供の悪さは、大人が強制的に正すべきという考え方
  ・大人がボス、子供は叩かないと分からない、みたいな考え方

 ●アメリカ人小学生と日本の小学生の善悪の判断についての調査結果
  喧嘩をする、悪さをする、などの項目を上げ、
  それをしてはいけない理由を尋ねた
  結果は、
  日本では「相手が困るから」「自分が罪悪感を感じるから」という理由が多いのに対し、
  アメリカ人は「罰が怖いから」という理由の方が多かったらしい

  この研究者は、
  日本人は集団の価値観を大事にする、という文化的背景もあるのではないか
  (みんなのために行動しなさい、と言われるなど)
  アメリカ人は大人が強制的な注意をし過ぎで、なぜ悪いかを言い聞かせる方がいい、
  という分析をしているそうです。

 筆者も最初は喧嘩を止めないのは怠慢では、という考え方に近かったようですが、
 子供を信じて待つ、という方法の意義を理解し、実践しようとしているそうです。

○ポリネシア人は大人抜きで遊ぶ
 筆者は娘との遊び方について悩み、大人が遊びに関与しない文化について調べています。

 ●大人は子供と遊ばず、子供は子供同士で遊ぶ文化
  ・ポリネシア人のやり方
   ポリネシア人は赤ちゃんの面倒はお母さんが見るが、遊びは子供同士に任せる
   小さい子は大きい子が面倒を見る。
   子供のやり方なので、おおざっぱだし乱暴だが、子供同士なので傷付かない
   大きい子は小さい子の面倒を見ることで、いろんなスキルを身に付ける

  このように、大人は子供と遊ばない文化は結構多い
  (赤ちゃんが泣いたら抱っこはするが、ほとんど会話しない文化もあるらしい)

 ●欧米の、親が子供と遊ぶ文化
  ・アメリカも昔は子供同士で年齢関係なく遊ぶ、という文化もあったが、
   工業化により無くなったという分析
    おもちゃのマーケティングにより、室内で遊ぶことが増えた
    親が教育のため子供の予定を決めるようになった、
    安全確保のため家の中で遊ばせるようになった…など。

  ・遊びはコミュニケーション能力、社交スキルをはぐくむ手段
   なので大人が関与して遊んであげなければいけない、という考え方が一般的

   しかし、欧米の学者の中でも、
   「親が子供と遊ぶのは裕福な欧米社会の一部に過ぎない、世界では一般的とは言えない」
   「これが有益とは限らない」と指摘する人もいる
   (この学者は、学者の世界で大人が子供と遊ぶのは常識だ、遊ばねばならない
    みたいな扱いになっている現状に怒りを感じていたらしい)
   実際、世界で見てみると、大人は子供と遊ばない文化も多い

  筆者も実は子供と遊ぶのは退屈だと思うときもあるらしく、
  自分の趣味や交友に子供を同席させる、
  子供の遊び相手をセッティングする、というやり方を取る場合もあるそうです。
  それでも、一緒に遊ぶ時間も大事にしたい、とのこと。

○マヤ族は小さい子も働く
 筆者は、娘に自分の身の回りのことを自分でできるようにはどうすればよいか、を考え、
 小さいころから家族と共に働くのが当たり前な文化、について調べています。

 ●マヤ族の小さい子たちは働く
  マヤ族では、小さいころから子供も家族の労働力となっているらしい。
  マヤ族の人に話を聞くと、「遊ぶことはなかったけど、それが当たり前だった」とのこと。
  子供たちは喜んで働き、生活能力や責任感を学んでいく

  子供がこのように大人と同じく家で働く、という文化は多い
  家が貧しいので学校に行けず、働かざるを得ない、という事情もある

 ●欧米の子供の労働についての考え方
  欧米では、子供の労働は搾取労働(虐待?)の始まり、
  と考える人も少なくない

 最近では学校で勉強する、近代化で生活が便利になった、などで働くことが減ったが、
 それでも子供たちは働きたがり、
 自分が役になっていることに喜びを感じるのだそう。

 筆者も、娘に洗濯物をたたむなどのお手伝いを苦労しながらさせているようです。

感想など。
・最初にある、ブエノスアイレスの子供たちについては結構強烈でした。
 というのは、私は上の子のとき睡眠について悩んでいたので。
 上の子は赤ちゃんのときは良かったけど、2~3歳くらいのころは寝つきが悪く、
 昼寝が無くなっても、朝早く起きても、夜中の11時12時になっても寝ない、ということが続きました。

 私は市役所の指導で、子供は早寝早起きが言葉の発達にはいい、と言われていたこともあり、
 寝る時間にはかなり神経質でした。(上の子は言葉が遅かった)

 暗いところの方がよく寝る、というので、
 赤ちゃんの頃から、泣いているのに寝床で無理矢理寝かせようとして、
 寝ないと叱る、みたいなことをしていたせいか、寝室で寝るのを嫌がるようになり…

 2~3歳になると、寝る前の儀式が大変だった…
 まず寝る前に本を大量に読まねばならない。
 居間で電気がついてないと寝られない。
 義母さん、だんな、私が一緒に寝転んで寝るふりをしないと寝ない。
 しかも毎朝7時には起きる…
 下の子がお腹に入ってからもそんな感じで、
 いつになったらこんな生活終わるんだろう、と思っていました。

 結果的には、3歳半だったか、下の子が産まれたかどうかくらいのときに、
 突然「今日は布団で寝る」と言い出し、寝室で自分で寝るようになった。
 (添い寝はいまだに必要ですが)
 今になって見れば、あれは何だったんでしょうね~

 まあそんな感じだったので、
 アルゼンチンの子が夜更かしして目がランラン、朝に爆睡、
 大人は自分の友達と楽しく夜を過ごす、
 と聞いて、それが当たり前の文化というのが斬新に感じました。
 悩んでいたころに、こんな話を聞いたらもうちょい気楽になれたかも。
 しかし、いまだに私、夜のお出かけができず、飲みに行くなんて無理。。
 独身時代の友達なんてほとんど出会えていない。アルゼンチンいいなあ。

・食育は今話題になっていますね。
 うちも義母さんが趣味が家庭菜園なので、子供たちが喜んで世話をしています。
 自分でとったキュウリとかは食べますね~~

・おむつについても、ちょっと思い出に浸ってしまいました。
 上の子はだいぶおむつにお世話になり、
 おしっこは4歳過ぎ、大は年長さんでようやくトイレでしましたね…
 外そうと思ったとき、いきなり布パンツにしましたけど、
 濡れても全然気にならないらしく、垂れ流すばかりで全然ダメでした。
 そもそもトイレ自体嫌で(特に外のトイレのジェットタオルの音を怖がった)、おまるも嫌がったので、
 どうしようもなかったです。

 というわけでどう排泄を身に付けたか。
 おしっこに関しては、義母さんが庭でさせたら気持ちよかったみたいで、自分でするようなった。
 (私は何もしてない)
 大きいのは全然トイレでやりたがらない。パンツの中にするのでその都度洗っていました。
 (それでも気持ち悪いと思わなかったらしい)
 まあでも、この子はこだわりが強いから、自分でする、というまで待たないといけないかな、
 と覚悟を決めていました。
 
 そしたら、年長さんの時旅行先でトイレに行けず、不便だったことがあり。
 そのときに旦那にさんざん言われたので発奮したらしく、
 突然やる気になって自分でトイレでするようになりました。
 まあそんなわけで上の子は特殊っちゃ特殊です…
 
 下の子は、3歳過ぎくらいでパンツにしたら、濡れるのが気持ち悪かったみたいで、
 2日で外れました(上の子で苦労したのはいったい何だったんだ…)
 大はもうちょい時間かかったけど、トイレでするのが気持ちいいと分かったら、
 自分でトイレに行くようになりました。

 中国人には怒られそうだな… 
 でも私は経験を踏まえて言うと、早くトイレでさせるかどうかは、
 親のストレスを無くそうと思えば、
 自分でやる気になるのを待ってからの方がいいような気がする。
 あんまり早いと、うまくいかないときにカリカリしそう。
 中国などと違って今は紙おむつもものはいいし。
 (まぁちょっと出費はありますが)
 あと、中国人も言ってましたが、汚されてもイライラしないのがコツですかね…
 一日中そうじと洗濯する、というくらいの覚悟で。。
 (下の子のときは、もっと掃除と洗濯する覚悟だったので、あっけなかったです)

・アカ族のお父さんの子育ても面白かったです。
 おっぱいもくわえさせる…とか。
 最近、結構母親が父親の子育てにダメだしする、というのをテレビなどで目にしますけど、
 女性がカリカリしすぎなんじゃないかなあ…と思うことも。
 この章でも、子育て能力に男女差はない、ということですので、
 お父さんに任せるときはお父さんのやり方でやってもらえば、
 女性ももうちょい楽になるのでは。。と思います。

・子供は子供同士で遊ばせる、という文化もうらやましいなあと思いました。
 私も子供と話すのはいいけど、一緒に遊ぶのは苦手だなあ…
 義母さんは遊ぶのが好きなので、私はお任せしています(笑)
 
・全体的に、(多少は誇張もあるかもしれないが)
 欧米の考え方って、言い方は悪いけど四角四面的なところがあるなあ…という印象を受けました。
 動物のしつけにちかいというか。
 ベビーカーに乗せるとか、ベビーフードを食べさせるとか、
 たたかないということを聞かないとか、睡眠時間はきちんとさせなきゃいけないとか。
 
 日本では、話し合いを尊重するとか、おんぶひもとかの文化がある。
 お手伝いや食育も普通にしていますよね。
 日本の育児文化にも素晴らしいものがあるのだなあと
 改めて考えさせられました。
 
子育て中の方々はちょっと視野が広がるかもな本でした。
というわけで、今回はこの辺で。

posted by Amago at 15:36| Comment(0) | 本(子育て) | 更新情報をチェックする