2016年09月30日

「幼児教育と脳 」澤口 俊之 (著)

「幼児教育と脳」澤口 俊之 (著)

最近脳科学が面白いのですが、
子育てに反映できる本はないかと読んでみた本。
2003年版なのでちょっと情報は古いかもですが…

ところで筆者の名前、なんか見たことあるなあと思っていたら、
「ホンマでっか?TV」に出演されている学者さんでした。
私もこの番組はがっつり見たことがないのですけど、
さんまさんにいじり倒されているまじめなおじさん(失礼)という印象…
しかし本の写真を見ると、結構ワイルドなイケメン?(笑)

まあそれはさておき本の内容ですが、
前半は脳の構造や発達についての科学的な解説、
後半はそこから筆者が導き出した教育論、でした。

前半を読んでいると、まじめな脳科学の本なんですけど、
後半になると筆者も熱くなってきて、やや暴走気味に…(笑)
(一夫多妻制が人間のスタンダードだとか、子供は3人は産むべきとかいう話もあり、
 まじめに読んでたらこいつ何言ってるんだと怒る人もいるかも。。)
まあでも脳科学をバリバリ教育に持っていったらこういう意見になるのかなと、
気楽に読むのがちょうどいいかもな本でした。

内容をざっくり書くと
筆者の説によると
○人の知性(心)は、脳の構造と対応しており、
 脳の構造は遺伝するので、知性の6割は親からの遺伝で決まっている

○しかし4割は環境で変えられる
 これは、脳が刺激によって変化する可塑的な性質も持つため
 ただそれも感受性の高い時期が決まっていて、生まれてから8歳までが勝負

○人がほかの生物と違うのは「好奇心」「社会性」「将来への希望」などを持っていること
 このとき重要な働きをするのが「前頭連合野」という部位
 人間として幸せな生活をするには、ここを鍛えることが最も重要

これらを踏まえた筆者の教育論として
○8歳くらいまでに知性を鍛えるべき
 幼いうちに、いろんな環境に連れ出し、たくさんの良質な経験を与えること、
 それも押し付けでなく、本人が得意で熱中することをさせるべき、
 そのためには、好奇心、自発性をそがないこと、
 熱中するものを見つけたら目標を立て、達成感を味わわせる経験が必要、
 というようなことを述べています。

○前頭連合野を鍛える教育(PQ教育)をすべき
 ポイントとしては、いろんな年代の多種多様な人間関係がある環境で育てること、
 だそうです。

以下もう少し詳細を私の理解した範囲で書いていきます。
○人の知性(心)は、脳の構造と対応しており、
 脳の構造は遺伝するので、知性は6割は親からの遺伝で決まっている
 知性と脳の構造が対応している…というのは脳科学的に考えられることだそうです。
 ・「知性」とは
  古典的な心理学によると、
  知性は「言語的知性」「絵画的知性」「空間…」「論理数学…」「音楽…」「運動…」
  と、担当分野ごとに分かれていて、
  それぞれの知性がある程度独立して働いている、と考えられている(「多重フレーム構造」)

  筆者はさらに人間的に生きるための知性として
  「社会的知性」「感情的知性」を加え、
  すべての知性を統括するのが「自我」だとしています。

 ・一方脳科学では、
  脳は「視覚野」「聴覚野」など機能ごとに分かれ、それぞれの部位が違った構造を持つ
  この機能ごとの単位(筆者は「モジュール」と呼ぶ)
  が知性にある程度対応しているのではないか、とのこと
  
  さらに、各モジュールは階層構造をしている、とも述べています。
  例えば視覚野でいえば第一次視覚野、第二次視覚野…などがあり、
  単純な情報から複雑な情報までを順次処理している
  
  そして、脳はモジュール間、階層間でそれぞれネットワークがあり、
  このたくさんのネットワークが同時に並列的に働くことで、
  素早い情報処理を可能にしているのだそうです。

 ・つまり筆者に言わせると、脳と知性の構造は類似性がある
  (どちらも機能ごとの単位を持ち、それらの単位が互いに働きあって全体を作っている)
  なので、知性と脳の構造は対応していると考えられるらしい。
  脳の構造は遺伝子で決まる。遺伝子は親から伝えられる。
  なので、知性の6割は親からの遺伝で決まるという結論なのだそうだ。
 (親が作家なら子も作家、というのはある程度ありうるのだそうだ)

○知性の4割は環境で変えられる
 これは、脳が刺激によって変化する可塑的な性質も持つため
 ただそれも感受性の高い時期が決まっていて、生まれてから8歳までが勝負 
 これも脳科学的に説明できるそうです。
 まず脳は可塑性がある、という話(可塑性とは要するに変化しやすいということ)
  脳には各部位どうしのネットワークがある、と先に述べていましたが、
  このネットワークの回路となるのはニューロンとシナプス(シナプスとはニューロンの末端部位)

  脳内の情報は、ニューロン内では電位変化が起きて電気信号となることで伝えられる
  ニューロン末端のシナプス間(つまりニューロンとニューロンの間)では、
  電気信号の刺激を受けて物質(ホルモンなど)が分泌されることで伝えられる

  さらに、一つの回路だけでは情報が速く伝わらないので、
  たくさんのニューロンとシナプスを同時に働かせることで迅速な情報処理を行えるようにしている。

  このとき働くニューロンやシナプスの数、情報伝達物質の数や種類などは、
  環境により変わることがあり、このため「環境により脳が変化する」
  例えばストレスでホルモン(情報伝達物質の一つ)の分泌量が変わるなど
   ドーパミン…思考、運動快楽、集中力にかかわるホルモン
   ノルアドレナリン…注意、警戒にかかわるホルモン
  また、シナプスやニューロンの数は、刺激があるものほど発達し、使わないものは死滅してしまう
   (勉強していないと忘れてしまう、など)

 そして、この脳の環境刺激による変化は幼少期が重要、という特徴がある。
  低次な機能を担うニューロンは4歳くらいまでにちゃんと刺激しないと、
  それ以降はいくら刺激しても発達しないのだそうだ。
   なので、幼少期に目隠ししていると、ニューロンが死滅し目が見えなくなってしまう
   「狼少女」のように、幼少期に言語刺激のない環境だと言葉がしゃべれなくなる、なども同じ
 
  高次な機能の場合はもう少し期間が長いらしい
  これは高次機能を担う神経線維は発達がゆっくりだからだそうだ。
  この脳科学的な話と、発達心理学の知見
  (感覚と運動能力の発達は12歳までがピーク、言語取得能力は8歳までがピーク)
  と合わせると、知性を担う高次モジュールの感受期は8歳まで、と考えられるのだそうです。

  ただし、大人になってもニューロンは死滅したり作り直されたりするので、
  大人になっても学習や経験は必要らしいですが…(この辺は認知症とかと関連するらしい)

○人が人間として幸せな生活をするには、前頭連合野を鍛えることが最も重要
 これも脳科学的に説明しています。
 筆者によると、前頭連合野は「社会的知性」「感情的知性」「自我」と関わりがあるようです。
 ・進化論的なヒトの特徴として
  「好奇心」がある…豊かな森林から丸裸のサバンナに飛び出した
  「社会性」がある…チンパンジーなどと比べるとヒトは社会性が発達している
   前頭連合野が他の生物と比べて発達している
 
 ・脳科学的な前頭連合野の機能
  「ワーキングメモリ」に関係しているそうです。
  短期記憶を一時的に保持して、必要なときに取り出したり組み合わせ、次の行動を決める機能

  これが「自我」「感情的知性」「社会的知性」のためには重要らしい
  自我とは、自分についての情報を取り出し、組み合わせて自分をコントロールすること
  時間への感覚も、過去現在の情報を取り出し、組み合わせて未来の行動を決めること
  このため、ワーキングメモリは
  将来への希望、自発性、自意識、社会性など「人間らしい活動」に大きく関わる
  ストレスなどでここにダメージが起きると、
  無気力になったり人まねばかりしたり、固執行動をとったりするようになるらしい
   
  過去に前頭連合野を除去したサルの例があり、これにより凶暴なサルがおとなしくなったそうです。
  これを応用して、人間にも性格を改善させるため、
  前頭連合野と他の部位をつなぐ神経を切断するという、結構過激な手術が実際行われたらしい。
  (それも何万人も…)
  これは倫理的な問題もあるが、
  何よりも「人間らしさ」が無くなる、という重大な副作用があり、今は行われていない
  ここからも、前頭連合野が人らしさには重要ということが分かるらしい。
   
これらの脳科学的な話を踏まえた上で、筆者の教育論が展開されています。
○8歳くらいまでに知性を鍛える具体的な方法
 ・幼いころに多様な刺激を与えてあげる
  良質な音楽を聞かせたり演奏させる(音楽知性)、
  良質な絵画を見せたり、描かせたりする(絵画知性)、
  積み木レゴ(空間知性)、
  裸足で自由に運動させる、野外に連れ出す(運動知性)
  幼いころから英語をさせる(言語知性)

 ・ただし、本人が得意なもの、熱中したり喜ぶものをさせる
  熱中したり喜んだときに分泌されるホルモン(ドーパミン)はニューロンを発達させる
  逆に押し付けたとき、怒られたときに分泌されるホルモンは発達を阻害する

 ・何が熱中するか分からないときは、親が得意なものをさせる
  知性は遺伝するため

 ・自発性を育てる
  好奇心は本来人間として持っているが、幼少期に伸ばしてやらないとそのあとも育たない
  子供の好奇心を削がないようにし、多様な環境に連れ出すことが大事
  親が一緒になって好奇心を持つことも大事
 ・自発性が育ったら、そこに目的を持たせる
  夢を持ち、目標を立て、それを達成するという経験が自信になる
  達成したら大げさなくらいほめてあげる

○「前頭連合野」を鍛える教育をすべき
  筆者はこれをPQ教育と呼んでいます。
  要するに、社会の中で人とうまくやって幸せに生きる能力を育てる、ということ
  筆者は従来の教育がIQ偏重教育になっており、社会性を育てることを怠ってきたので
  切れやすい若者、引きこもり、いじめなどの問題を起こしているのでは、としています。
  (ここら辺から筆者はかなり熱くなっていますけど…(笑))
 
  性格や幸福感は脳の構造と関わりがあるので、もちろんある程度は遺伝するらしい
  しかし、環境により変えることも可能
  筆者によると「普通の環境」で育てるのが大事なのだそうだ

  筆者の言う普通の環境とは
  ・一夫多妻制(筆者によると、世界の8割は一夫多妻制を採用または寛容しているらしい)
   …こう書くと誤解を与えそうなので、補足すると
    いろんな世代、いろんな性格の人たちがたくさんいる豊かな人間関係がある環境、
    が大事なのだそうです。
    また、一夫多妻では父親が厳格に統率する、というのも大事らしい
    (これは脳科学的な理由は説明されていませんが…)

   昔の日本の
   ・隣近所のおじちゃんおばちゃんとかが子供の世話をしたり注意したりする環境
   ・近所のいろんな年齢の子が遊び、ガキ大将が取り仕切る環境
   などでも似たようなものなのでしょうね。  
   筆者も、昔の日本は地域コミュニティが豊かな人間関係を提供してきたが、
   現在の少子化、核家族化、女性の社会進出、主婦の役割軽視などがこれらを壊している、
   というようなことを書いていました。

 ・子供は最低3人
  …これも誤解を与えそうだが、子供を産まない人はそちらを選択すればいい、とのこと
   今は核家族化、都会暮らしで近所づきあいも減っているので、
   産むなら3人子供がいるといいということらしい
   (2人より3人の方が格段に関係が複雑になるらしい)
   保育園などだと、同じ年代の子しかいない問題があるのだそうだ。

 ・けんか、いざこざはある程度口出しせず、子供に任せる
  けんかをどう折り合っていくかで人間関係を学ぶので、
  ちょっとしたいじめや喧嘩は親や先生が大騒ぎすべきでない、とのこと
  (もちろん反社会的なことはきちんと注意すべきだそうですが)

 そのほか、
 ・倫理観は押し付けでなく、共有させることに意味がある
  筆者によると「援助交際はダメ」「人を殺すな」とか一方的に言っても不毛なだけなのだそうだ
  そのコミュニティの中で「これはダメだよね」という価値観を共有して、
  みんなが納得するルールを作らないと意味がないらしい
 ・父性、母性の復活
  父性とは、父親による統率のある環境
  母性はセロトニンにより生物学的に作られている
  (筆者によれば男性からの押し付けではなく、母性というものは備わっているらしい)
  そして、子供は幼いころに愛情に漬からせてあげるのが大事なのだそうだ
  (8か月までは家にいてほしい、とか…)

感想など。
・知性がある程度遺伝で決まる話は、ある程度は納得。
 ただ、親とは無縁な道をあきらめろということではなく
 (好きなことなら、数をたくさんすることで達人になることは可能だろうし)
 将来進む道を選ぶときの手掛かりの一つして使えるかな、と思いました。

・8歳までに知的な刺激を与えるべき、というのは、
 英才教育推奨みたいな誤解を与えそうだな…と思いました。
 昔汐見稔幸さんの本を読んだことがあるのですけど、
 英才教育で言葉はいっぱい覚えたけど、精神のバランスを崩してしまった子の話が出ていました。

 彼によると、言語などは、経験という土台があって初めて記憶に残るものなんだそうです。
 だから難しい言葉を覚えてもそれが何なのか、体で理解していないと混乱するだけらしいです。
 幼いころは、たくさんの身体的な経験をさせることがその後の学習に生きてくる。
 それから、好奇心とか自己肯定感を育てることも大事で、
 そこからいろんなことにチャレンジできるようになる、
 みたいな話が書いてありました。

 つまり今回の本で書かれている、
  好きなこと、熱中できることをさせよう、
  好奇心を大事に育てよう、
  いろんな体験をさせてあげよう、
 という提案は汐見氏の話と共通しているのですけど、
 知識的な刺激よりも身体的な体験を先行させるのがいいのかなと思いました。

・この本では、豊かな人間関係が、前頭連合野の発達と関係があるのかはっきりは分かりませんが
 (他にも前頭連合野の鍛え方はあるのかもしれない)
 「集団養育」は子供にとっても親にとってもメリットがある、という話は聞いたことがあります。

 これは「こんなにちがう!世界の子育て」という本で
 アラブ社会の大家族制について書かれていたくだりにありました。
 アラブでは、親の兄弟一家やいとこなどもみんな一緒に大家族で暮らしている。
 このため子供はいろんな人たちに囲まれて暮らすので、いろんな考え方を吸収できる。
 親にとっても育児の相談や手助けをしてもらえるメリットがある、ということです。
 
 ちなみにこの本では、ポリネシア社会での子供の遊びについても書かれていました。
 ポリネシアでは、子供がある程度大きくなったら大人は子供と遊ばずほったらかしで、
 隣近所のいろんな世代の子供がみんなで集まって遊ぶのだそうです。
 こうした中で、小さい子の扱いだとか、人間関係を学んでいくのだとか
 (子供同士なのである意味シビアらしい)

 これらのことからも、いろんな世代がたくさん入り混じる環境というのは、
 子供にとってはいいのかなと思います。
 まあ現代の日本社会ではなかなか難しいのですけど、
 なるべくいろんな人と交わることが大事なのかな。

・じいさんばあさんとの同居も効果があるのかなと思います。
 うちも兄弟は2人ですが、義両親と同居しているメリットはあるような気がする。
 何だろうな、うまいこと言えないのですが、他人との交渉とか人間関係のやり方が上手な気がします。
 ものの頼み方が柔らかいとか、あと人間観察が鋭かったりとか。

 だんなの説でも「職場とかで物腰が柔らかな子は、じいさんばあさんと一緒に住んでいる人が多い」
 (都会ではないので、けっこう昔からの家が多くて同居の人もいる)
 まあ今の時代、同居も難しいのかもしれないですけど、
 子供の教育のためにはいいのかもしれません。。

・うーん、筆者の言う
 「幼いころに豊かな経験を」「豊かな人間環境を」という話は分かるんですけど、
 「女性の社会進出が良くない」「母性は幻想や押し付けではない」とかいうのは言い過ぎというか、
 世間的な感覚となーんかずれているような…
 でも筆者の生真面目さゆえのズレなのかなという印象。
 そこが妙にクセになるというか、ある意味筆者の魅力なのかも…
 なるほど、バラエティに発掘した方もさすがだな~と思ったりしました。

というわけで見方によっては面白い?本でした。
それでは今回はこの辺で。。





 
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2016年09月27日

NHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」

NHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」

人口減がテーマの番組でした。
以前読んだ本(「シルバー民主主義」)やテレビで、
人口減少に伴い、自治体を選別する動きが出てくるかも、
という話を聞いていたのでちょっと気になって見てみました。

内容をざざっと紹介すると…(数字や地名など間違っていたらすみません)

最初は、今年の国税調査で、
調査開始(大正時代)以来初めて日本の人口が減少に転じたこと、
減少した自治体は全体の8割に上っていること、
などの話がされています。
そして、急激な人口減に直面する中で起きる問題を紹介しています。

内容をざっくり分けると、
・大都市での人口減少問題(東京都豊島区)
・予算縮小により住民サービスが削られていく問題(北海道夕張市)
・過疎地での人口減少問題(島根県)

○大都市での人口減少問題(豊島区)
 東京都では、2020年に人口減に転じるという予測がある。
 豊島区ではこれに危機感を抱き「対策チーム」を作った

 ・豊島区の人口構造
  豊島区では、元々出生数より死亡数が多い
  しかし若者が仕事を求めて転入してくるので、全体の人口は増加していた

 ・低所得の単身者の増加と高齢化
  以前は20代で仕事を求めて転入し、
  25歳を超えると、結婚して転出する人が多かったが、
  最近は転入者の年齢層が上がっている

  ほとんどは地方からの転入で、
  貯金ができたら戻るつもりだったのに、
  収入が低い(年収200万円台)ため貯金できず、
  そのままずるずるととどまってしまう

 ・単身低所得者の増加に伴う問題
  区にとっての問題は、
  収入が低いまま結婚できない単身者が増えると、
  税収が増えないということらしい。
 
  現在の人口ピラミッドで言うと、低収入の単身者は20代の若い人たち
  しかし彼らが高齢化し、人口に占める割合が増えていくと、
  さらに問題は深刻になっていく

  区の将来予測によると、
  2028年には区の税収が減少に転じ、
  2035年には社会保障費が50億円不足する、
  2060年には100億不足する

 要するに、大都市で今は人が転入超過な自治体でも、
 居住者(特に若者)の雇用を安定させなければ先細りだということです。

 では社会保障費が不足したらどうなるか?
 そこで、次は数年前財政破綻した夕張市の例を挙げています。

○自治体サービスの縮小(北海道夕張市)
 夕張市は数年前財政破たんし、人口も縮小(11万→9千人)
 住民サービスが縮小されている
 (図書館や公園の廃止、医療機関の縮小など)

 現市長は、東京での仕事を辞めて立候補した36歳の方
 自身の月収も手取り15万程度、出張なども自腹で工面しているらしい
 財政難に苦悩していました。

 ・空き家が増えた団地を縮小する計画
  空き家が増えている中、インフラ維持にどれだけ予算をかけるべきか?
  清陵地区での団地の問題を取り上げています。

  ここの団地は人口が全盛期に比べ大幅に減少
  団地は何軒かの建物が並びになっているが、
  このうち一軒でも人が住んでいれば、その並びは取り壊せない

  しかし、団地に行くまでの橋に年間560万、ほか浄水所など
  インフラ維持だけで年間16億円かかる

  そこで、市が考えたのは団地の大部分を「政策空き家」として将来的に取り壊す計画でした。

  団地の住人は、ほとんどが住み慣れた土地を離れたくない高齢者
  しかし、予算不足で建物が壊れても修理してもらえないので、
  (壁が壊れて水が漏れても、ブルーシートを敷くだけ、とか)
  諦めて出ていく人もいる

  市の政策としては、
  このように引っ越しや、亡くなるなどして住民がいなくなった並びから、順次取り壊す
  そうして団地全体を縮小させ、
  最終的には数軒にして維持コストを抑える

 ・住民の反発
  このやり方には町長さん(団地の長?)が抗議していました。
  例えば去年引っ越した高齢者は、転居後半年で亡くなっている
  その方は心臓に病気がある方で、
  環境の変化により亡くなったのではないか、と。
  取り壊すにしても、住民の気持ちに寄り添ったあり方で欲しい、と訴えていました。

  しかし市長は、
  今は全員の納得を得るのを待つのではなく、
  大多数が賛成することなら、少数の人には仕方ないよねと納得してもらうまで説明し、
  理解を得てもらう時代だ、と話していました。

 ・教育関連費の捻出
  夕張市のもう一つの問題として、教育環境の問題も取り上げていました。
  夕張市には高校が一つだけあるが、
  市内の中学生のうち、市内の高校への進学希望者は3割(かつては8割)
  この子たちは、幼いころから住民サービスが削られているのを目の当たりにしていて、
  市の将来に希望が持てていないのではないか、と。

  一方で、保育園の老朽化がある
  全国の自治体の8割以上は耐震基準を満たす建て替えができているのに、
  夕張市内の保育園はすべて古いまま

  どちらにも予算を配分したいが、どちらにも足りない
  市長が決断したのは、
  市内高校に予算を付け、進学者希望者に支援し、将来に希望を持ってもらう方法
  財源はふるさと納税で、全国に呼び掛けて寄付してもらったのだそうだ。

社会保障費が不足すれば、限られた財源でサービスを削る必要が出てくる。
インフラ維持や、教育費などへの配分を効率的にせねばならない。
住民も納得してそれを受け入れなければいけない部分もあるようです。

次に、行政サービスを住民自身が担う取り組みも紹介されていました。

○過疎地の人口減少問題(島根県)
 番組の冒頭で、前回の国税調査で島根県は大正よりも人口が減少した、
 という話が出ています。

 島根では人口減に対応するため、
 市民サービスを住民自身に行ってもらう、という取り組みをしています。

 ・住民自身がサービスの担い手になる
  飯南町では、地元の人が交代で、路線バスの運転や管理をしている

  また、雲南市では住民組織を各地に作り、
  国からの借入金から得たお金で支援金を出し、
  住民自ら行政サービスを行ってもらう取り組みをしている

  ある地区では、水道の検針を住民組織が担っていました。
  メンバーが、山の方に住んでいるお年寄りの見回りも兼ねて、
  一軒一軒を尋ね回っていました。
  その際、チェックシートでチェックを行い、市に報告を行っているらしい。

 ・住民組織のメンバーの高齢化問題
  しかし最近そのシステムも少子化により立ち行かなくなりつつある
  メンバーの高齢化、亡くなる例も増え、住民組織が維持できなくなっている

  水道検針を行っていた地区でも、組織の代表者が悩んでいました(この方も70代)
  しかし市としては「どうするかは住民に考えてもらう」という方針らしい

  そこで、代表者は島根大学の先生に意見を聞いています。
  大学の先生の話では、
  維持管理が難しい地域(山の険しいところとか)を切り捨て、
  そこに住んでいる人には移住してもらって、
  真ん中に集落を寄せていくしかない
  どの地域を切り捨てるかは住民に決めてもらう、という厳しい意見

  もちろんそのような場所に現に住んでいる人たちからの反発は予想される。
  しかし先生は
  「元気なうちならまだ間に合うが、
   そこに住んでいる人たちが動けなくなってしまったら、
   話し合いのテーブルにもつけなくなってしまうんです」
  さらに、今考えないと、もっと若い担い手になる人たちも流出していってしまう

  そこで代表者は集落を実際に調査しに行きました。
  そうすると、耕作放棄された荒れ地が予想以上に広がっていた
  手入れされていない土地が点在し、このままでは水道検針の見回りすら危ない
  現実を目の当たりにした代表者は、集約を含めた議論をしていくことを決意したそうです。

 島根に限らず、このような行政サービスを自ら担う住民組織は最近増えているのだそうです。

人口減の問題もすべての自治体にとって他人事ではない、
というような締めくくりがされていました。

感想など。
・将来的には、人が集中して住むところと、
 切り捨てられるところが出てくるのかな…と思ってしまいました。

・東京の問題は人口減というより、雇用問題かなと思います。
 そもそも、何もしなくても仕事があり、労働者も来るという事実にあぐらをかいて、
 労働者を使い捨てにしてきたツケが回ってきているのでは?
 各区に転入してきてくれた人たちが定住できるように、
 雇用や結婚、子育てをしやすい環境を整えれば、解決しそうな気がします。

・地方に関しては、過疎化などの暗い話だけではなく、
 最近は地域振興とかで、いろんな工夫をして人を呼ぼうとしている地方もありますね。
 そういう地域では、就労や生活を奨励する政策を取っていたりする。
 (どこかの自治体では牛一頭進呈とか)
 そういう元気な地方自治体の活力も生かせたらいいのかなと思います。

・夕張市も過去の負の遺産にだいぶ苦しめられているようですね…
 夕張メロンとかあるから、もう少し振興できそうな気がするんだけど。
 若い人が集まるような何かがあるといいですね。
 市長さんがんばれ~と応援したくなりました。

・問題はどう頑張っても過疎化が進んでしまっている自治体ですね…
 島根の問題はかなり深刻だと思いました。
 私の住んでいる地域も、山に近い方は高齢化が進んでおり、
 自治組織を合併しようかという話も出ているようで、他人事ではない(なんせ田舎なんで)

 理想から言えば、住みやすいところに住居をまとめてしまって、
 高齢者とかもそこに住んでサービスを集中させれば、という話になるんだろうけど、
 住み慣れた土地を離れるのは抵抗があるんでしょうね…
 (環境が急変すると認知症が進む、というデータもある)

 しかし、私も含めて、人間高齢になって体が動かなくなったら、
 若い人には多かれ少なかれお世話になる運命だと思います。
 その若い人たちが困らないようにしていかないと、
 結局自分にも跳ね返ってくるんじゃないかなあとも思ったりします。(孤独死とか)

・うーん、自治体単位の話はどうにもできないので、
 個人としてできることといえば、
 高齢になってもどこでも住めるようにフットワークを軽くしておくこと
 (自分の地域が過疎化して、移住してくれと言われる可能性もなくはないので)
 あと自分より若い子とも普段から交流して、つながりを作っておくことかなと思ってしまった。
 それから、先立つものを貯めておくこと、ですかね。。

なんか重たい話だったのですけど、希望は持って生きたいなと思った次第です。
というわけで、今回はこの辺で。
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2016年09月24日

Eテレオイコノミア「シングル続ける?続けない?結婚の経済学」

Eテレオイコノミア「シングル続ける?続けない?結婚の経済学」

今回は結婚の話でした。
講師は大竹先生。
又吉さんと大竹先生が、六本木の会員制婚活バーに行くところから始まりました。

このお店は婚活バーの先駆け的な存在だそうですが、
会員はもちろん独身限定、
更に仕事のある人限定、つまり結婚後も仕事家事を両立させるのが前提なのだそうです。
このバーに今回のゲストが…

○ゲストの武田修宏さん
 元サッカー選手、49歳独身
 Jリーグ立ち上げ時期のエースストライカー
 (あの頃は三浦カズと共に大人気でしたね~)

○今回のテーマ「結婚」
 又吉さん、武田さん共に独身ですが、
 2035年には生涯未婚の人が、
 男性では全体の29%、
 女性では19%に達する、という予測もあるそうです。
 
 又吉さんも35歳まで結婚したい、と発言していたらしい(本人は覚えてないけど…)
 今回は又吉さんをモデルに
「未婚化や晩婚化がなぜ進んでいるのか」を考える、とのこと

○独り身がいつまでも楽しいとは限らない
 先生の「お二人はなぜまだ結婚しないんですか?」との質問に、
 又吉さんは「やりたいことがまだある」とのこと。
 結婚をいつから考えたらいいのか分からない、とも言っていました。
 武田さんは「僕は結婚したい」らしいです。
 若い頃は収入が不安定だったのでためらっていたが、そろそろいいかなとは思っているらしい

 一般の人にも、街頭インタビューで「まだ結婚しないのはなぜか」と聞いていました。
 ・自分の時間がなくなる
 ・自由にお金が使えなくなる
 ・貯金がない
 ・まだ仕事をしたい
 ・1人の方が楽しい
 ・忙しい  …など

 先生はこのうち
 ・楽しいから
 ・自分の時間がなくなる
 などに注目しています。
 つまりこれは
 「結婚生活より今の生活の方がいい」という思い込みがあるとのこと

 「プロジェクションバイアス」
  現在の状況を未来に過度に投影し、正しく判断できないこと(プロジェクションとは投影のこと)
   例えば、スーパーでの買い物のとき、
   お腹いっぱいの時に買い物すると、少な目に買ってしまう
   お腹ぺこぺこのときは、たくさん買ってしまいがち
  これは買い物のときのお腹の状態を投影してしまっているということ
  しかし実際夕飯の時は普通にお腹が空くので、買った量が適切とは限らない

  先生によると、暑い日にはオープンカーやプールつきの家が売れるという統計もあるらしい
  暑い日が続くとは限らないのに、買うときの環境に左右されてしまう
  家や車など大きな買い物ですら、こういうことが起きてしまう

  又吉さん「これから夏になるのに、涼しい日に長袖を買ってまうとかありますね」
  武田さんも「こういう判断をする人は、今を生きる人たちなんですね」とコメントしていましたが
  先生は
  「今モテてるからこれから先もモテるだろう、と思うのもプロジェクションバイアスです」
  と武田さんに厳しい一言(笑)

  今独身の方が楽しいからといって、将来もそうとは限らない…らしいです。

○出会いが多い人ほど、結婚の決断ができない
 「武田さんはどんな女性がいいですか?」という質問に
 「素敵な人、世界に活躍する人」
 又吉さんは「中学生みたいなこと言うてますね」(笑)
 又吉さんも武田さんも芸能界にいて、人に会う機会が多いから求めるものが高くなる、
 という指摘を受けていました。

 又吉さんは
 「色んな人にお会いするんですけど、出会いにならないんですよね」
 武田さんにどうすればいいんですか、と聞いていました。
 「食事に誘うとか、又吉さんも守りじゃなくて積極的にいかないと」
 「リスクを負わない攻撃は魅力がない」
 「失敗がない成功はない」
 とか格言めいたことを言ってました(笑)

 先生によると経済学では
 「出会いが多いほど結婚が遅れる」
 という結果があるらしい
 それを実感するための実験をしています。

○カレーを選べるかどうかで結婚の決断能力が分かる?
 実験は以下の通り。
 10種類のカレーを一口味見し、ベストな物を探す
 ただし結婚の模擬実験ですので条件があり、
 ・選んだカレーを一生食べ続けてもらう
 ・全種類食べてから決めることはできない
 ・ベストだと思ったカレーを食べた直後に決断しないといけない
  遡って「あれが良かった」もダメ

 これはつまり、理想の人と出会ったときに結婚を決断できるか、の実験だそうです。
 一種類ずつカレーを食べたあと
 「あなたはこのカレーを一生食べ続けると誓いますか?」
 と聞かれます。

 1バターチキンカレー
  二人とも「美味しい」と言いつつ
  「一発目だから」とパス。

 2グリーンカレー
  随分辛そう。
  武田さん「わがままな女性だね」(笑)
  二人ともパス。

 3さくらんぼカレー(山形のさくらんぼで、果肉入りだそうです)
 「優しい味」「正確で言うと、何を考えているかわからないおとなしめな方ですね」
  これもパス。

 4ビーフカレー
  「美味しそう」「色は好き」
  実際食べても「美味しい~」
  武田さんは「外見は最高、内面は80%」とまで評価。
  …ですが、二人ともパス。
  武田さん「8点9点ではだめ、10点を目指すんです」
  又吉さん「もっとぴったりくるのがあるんじゃないかと」

 5納豆カレー(水戸納豆)
  「癖がある」「自己主張が強そう」 …パス。

  でも又吉さんは「そろそろいいのが来たら決めたい気分です」

 6マリンブルーカレー(北海道の流氷をイメージした新感覚のカレーだそうだ)
  「外見がデザートみたい」
  「美味しいんだけど…」 …パス。

 7ほうれん草とチーズカレー …パス。

 8豆のカレー(ひよこ豆とキマメ) …パス。

  この頃になると又吉さんも
  「4番にしとけば良かった…」とボヤいていました(笑)

 9レモンクリームチキンカレー(地中海のレモン使用)
  先生が「これか次ので決めないとそれになっちゃいますよ」
  と言ったけど、二人とも「次にかける」とパス。

  「じゃあもう次ので決まりですよ」と言われ、二人とも「え?」
  先生は構わず「じゃあお二人とも、このカレーを一生食べ続けてください」
  出てきたのは…

 10イカスミカレー
  「ええー色おかしい」
  食べてみても、「ダメだな」「うーん…」

 先生は、「じゃあこのカレーにお二人のハートを置いてください」
 二人とも4番に置いてたけど「ルールですからダメです」(笑)

 本当はどのカレーが良かったですか?
 という質問には二人とも
 「4番のビーフカレーが良かった…」

 つまりこれは、
 意思決定を先のばしした結果、
 好みでないものを選んでしまった例ということになる。
 「まだ合うのがあるんじゃないかと思ってしまった」とのこと。

 「では、最初から3種類しかないと分かっていたらどうですか?」
 「美味しいと思ったときに決めた方が安全かもしれないですね」

 これは、チャンスがが多いほど期待が大きくなってしまうからだそうです。
 「留保水準」
  取引の時、この値段なら売らない、この品質なら買わない、など、取引を止める水準
  平たい言葉で言えばOKライン、らしい。
 つまり、出会いがある人ほど、まだいい人が現れるんじゃないかと、
 OKラインがあがってしまうのだそうだ。

○いつ結婚を決断したらいいかを示した法則
 ではどうしたらいいか。
 経済学には「3.7人目までは見送る」法則があるそうです。
 恋愛や秘書の採用などで有名な法則らしい

 秘書を雇う面接で、10人面接して、この人がいいと思ったら即座に決定する
 この条件で、ベストな人を選ぶ確率を計算すると、
 1人めで選ぶと10%、2人めで選ぶと28%…など。
 グラフ化すると、上昇カーブをえがき、3.7人めでピークになりまた下がる

 つまり3人目まではパスし、
 次に理想的な人に出会ったらその人にするのが一番いいのだそうだ。
 同じように、100人出会うとしたら、
 37人までパスし、そこからはベストだと思う人に出会った時に即決するのがいい

 でも実際は、生涯何人の人と付き合うかは分からないという問題がある。
 「又吉さんは今まで何人付き合いましたか?」
 「3人4人ですかねぇ」
 「じゃあ、生涯で出会う人の人数と、
  又吉さんの年齢を考えたら、
  今まで3割は付き合ってきたことになりません?」
  「ですから、又吉さんが今まで出会った人の中で最高な人が又吉さんの留保水準ということになります。
   なので又吉さんは、次にその水準を超える素敵な人に出会ったときに、
   その人を手放さないことが大事なんです」
 
 つまりある程度の年齢になったら、
 この人が今までのベストだと思ったときに決断しないと、
 後悔する可能性が高くなる、ということですね。
 又吉さんが電撃結婚、てのもありうるかも?
 しかし武田さんは「僕の好きな言葉は「don't look back」(過去を振り返るな)」だそうです(笑)

○主夫という新しい家庭像
 話は変わり、又吉さんが主夫をしている方々を取材されています。
 「秘密結社主夫の友」
 主夫とは主体的に家事を行う夫、と定義し、新しい家族の形を提案する団体だそうです。

 そのメンバーの一人のご家庭を訪問しています。
 だんなさんのお仕事は放送作家。
 午前中仕事をしたあと、掃除、洗濯、晩御飯などは彼がするそうです。
 「結構家事も力仕事なので、男性がやればいいと思うものもあります」

 しかし彼も「初めから主夫になる気はなかった」とのこと
 ファッションデザイナーの妻は、結婚したときは専門学校生だった。
 結婚したとき、料理の上手な彼が家事を任されるようになった

 彼によると、この生活スタイルについて
 最初は「妻は何でこんな考え方をするんだろう?」と抵抗があったらしい。
 しかしこの人にとってはこの考え方が普通なんだ、と思ったら受け入れられるようになったらしい。
 これがうちのやり方なんだ、
 お互いの得意なことをする方が合理的だ、と思うようになり、
 そこから自分も主体的に家事をするようになったのだとか。

 彼は夕食の支度をしながら
 「家族に美味しいって喜んでもらえるのも嬉しいですよ。
  これは実感していただかないと分からないかもしれないですけど」
 と話していましたが
 「又吉さんも何か作りませんか」
 と又吉さんも卵焼きを作ることに。

 そのうち、妻が娘さんと帰宅、食事。
 彼女は、又吉さんの卵焼きを美味しいと笑っていました。
 彼女は今の生活スタイルについて
 「心から感謝している」とのこと。
  夢を叶えさせてもらっている上、子供も育てることができた、と。

 主夫の会には、病気、介護がきっかけで主夫になるなど、人により色んな事情があるようです。

 メンバーの一人が又吉さんに
 「奥さんが自分より収入が倍くらいで、子供が生まれて、
 私働きたいからあなた育児と家事やってくれる?と言われたらどうしますか」
 と聞いていました。

 又吉さんは「受け入れる可能性もある」とのこと。
 幸福度の問題だそうです。
 奥さんが尊敬できる人で、その人の仕事も尊敬できて、
 それを応援するのが自分の幸せと思えたらできると思う。と。

 ただ、奥さんの方が収入が上とかの経済的な理由だけで、
 自分のやりたいことを我慢して主夫になってもなんか違う。
 それは役割分担が逆転しただけで今までと根本的には何も変わってない。

 そうじゃなくて
 奥さんを応援するとしても、
 その範囲で自分もやりたいことをやれないか、
 お互い話し合うのがベストだと思う。
 というようなことを言っていました。

○「主夫」が広がらない理由
 又吉さんは、主夫の会のメンバーに
 「世の中に主夫という選択が広がらない理由はなんだと思いますか?」
 と聞いています。

 一人は、
 自分の親は団塊世代だが、
 団塊世代は女性に家庭を任せて仕事を頑張ってきた。
 彼らはそれで日本の成長を支えてきた、という自負がある
 そのスタイルにいいイメージがついてしまっているのではないか、
 というようなことを言っていました。

 別の方からは
 自分が母親が主婦という家庭に育っているからそれしかイメージがなく、
 そうしなくてはいけないと思ってしまっている、

 逆に女性も自分が働いていても、
 家事育児は自分がメインでやらなくてはという思い込みがあるのでは、
 という指摘もありました。

○時代に合った家庭観が社会に広まることが大事
 大竹先生の意見では、
 若者の未婚化、非婚化が進んでいるのは
 「男は仕事、女は家」のような、
 「性別で」役割分担していた親世代の考え方が
 いまだに根強く残っているからではないか、とのこと。

 経済学では、自分が持つ理想の家族像や価値観は家庭環境から影響を受ける、
 という考え方があるらしい
 「選考の内生性」
 人の好みは環境や経験により形成される
  例えば共働きで育った人の方が、妻が働くのに抵抗がない人が多い、など

 先生によると、
 バブル期以降、社会の構造は変化したのに、
 若者の家庭観は、親世代の成功体験に縛られて変化していないのが今の日本の問題らしい。
 このため社会の変化にも関わらず、自分やパートナーに親と同じ役割を求めてしまう

 例えば
 「男は大黒柱だから高収入でなければ」という価値観があると、
 非正規で収入が少ない、病気や介護などで働けなくなった、などの男性は、
 自分はそういう価値観から外れてしまうので結婚できない、
 と思い込んでしまうことになる。

 又吉さん「親と同じようになれないと、いつまでも大人になれへん気になってしまうけど、
 自分の時と親の時とは同じとは限らないということですね」

「だからこそ、主夫の会の人たちのように、
 時代にあった価値観をを広めていくことが大事なんです」
 とのことでした。

 自分はこうだからまだ結婚できない、と思っている人も、
 自分の状況とか理想を分析して、
 それに合うパートナーを探してみるといいのかもしれません。
 今ならけっこう何でもありの世の中なので、意外とぴったりの人が見つかるかも。
 (女優さんにも「私家事しません」という方もいましたし)

○雑談など
 先生が武田さんに
 「現役時代、シュートでは決断が求められましたよね?」と聞いていました。
 しかし「サッカーとプライベートは別」なんだそうです(笑)

 又吉さんもここというときは自分から攻めるように…という話で終わっていました。

感想など。
・カレーの実験は面白かったです。
 「いつかいいものに出会えるかも…」と言っているうちに結局途中のが良かった、
 というのは服選びとかにもありそう。。

 それにしても世の中色んなカレーがあるんだなぁと思ってしまった(笑)
 ちなみに西浅草に「カレーランド」てのがあるんですね。
 全国1500種類のレトルトカレーを置いているらしい。
 http://curryland.theshop.jp/
 (この番組も、ここから調達したんだろうか…)
 これを見ていると鯖カレーとかが普通に思えてくるから不思議。

・「3.7人の法則」は以前この番組の本で見た気がするのですけど(「恋愛」の回)
 そのときは、生涯出会う人数が分からないのに何の役に立つのだろう?と思っていました。
 しかし、今回の話からすると、ある程度の年齢の人は縁があったらそろそろ決めた方がいい、
 ということになりそうです。
 (いつかいい人が…と言っていたらそのうち理想の人に巡り会える確率が下がる)

 まあでも年齢がいっていても諦める必要もないかと。
 これは生涯で自分がずーっと同じ価値観、同じ人間だったら、という前提でしょう。
 自分の価値観が変われば、以前魅力的と思わなかった異性のいいところが見えてくるかもしれないし、
 自分自身が成長することで、以前は高嶺の花だった人が自分にふさわしい人になるかもしれない。
 年齢を重ねても、自分を磨いたりいろんな価値観を吸収していくのがいいのかもと思います。
 
・主夫の方の話を聞いていて、
 私より前に結婚した友人が「結婚は文化と文化のぶつかり合いだ」
 という格言?を言っていたのを思い出しました。
 その時は意味が分からなかったけど、結婚してなるほどと思いました…

 お互い、自分が育ってきた環境が当たり前だと思っているけど、
 バスタオルの使い方一つ取ってもいろんな家庭の文化がある。
 
 又吉さんが「お互いの幸福度が最大になるように話し合うことが大事」
 ということを言っていたけど、
 働き方とか子供をどうするかとかいう大事な話でも、
 妥協しないで話し合うのが大事なのかな、と思いました。
 (その最初の部分がめんどくさいので結婚しない、という人もいますけど、
  そこを乗り越えるのもまたいい経験です、これは経験しないと分からないかも)

・自分の親の働き方が自分の家庭観に影響するという話がありましたが、
 私の友人は「親が専業主婦だったから、自分は働く」という逆のケースです。
 お母さんが「働きたかったけど子供がいるからあきらめた」と言っているのを聞いて
 「自分はそんな後悔はしないように仕事を全うしよう」と思ったらしい。
 まあこれも逆の意味で影響を受けた、ともいえるのですけど…

・親世代の家庭観に縛られて、収入がない人は自分は結婚できないと思い込んでしまう、
 という話は、少子化にもつながるのかなと思いました。
 女性も子供は欲しいけど、親が専業主婦だったりすると、
 共働きは大変だから産めないと思い込んで、出産より仕事を選んでしまうとか…
 (我が家はそのパターンに近いものがある。
  だんなは、(子供が小さいうちは)共働きは子供にとっても女性にとっても大変だからやめた方がいい、
  という意見です。。私は納得しているようないないような感じなんだけど)
 共働きでもうまいこといっているモデルとか、
 男性が育児家事をしてうまくいっているモデルとかがもっと広まるといいなと思いました。

・まあでも、「結婚しなくてはいけない」「子供を作らなくてはいけない」となるのもどうかと。
 いろんな事情で結婚しない人生を選んだり(とと姉ちゃんみたいなケースとか)
 結婚したいのに縁がなくてできない人もいるし、
 子供も理由があって産まない人生を選択する人もいる。
 自分の幸福度が最大になるのを助けてくれる選択肢の一つとして、
 結婚やその先の生活があるといいのかなと思いました。

というわけで、長くなりましたけど今回はこの辺で。
 
posted by Amago at 06:41| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする