2017年04月30日

Eテレ モーガンフリーマン時空を超えて「宇宙を支配する法則は何か?」

Eテレ モーガンフリーマン時空を超えて「宇宙を支配する法則は何か?」

今回は、宇宙を支配する法則はあるか?という話でした。
しかし、新しい法則を見つけたという話ではなく、
いつか見つかるはずだ、みたいな願望的な話が多かったかなぁと思いました

○物理学の法則が崩れたという話
 ここでは核物理学者と理論物理学者が登場していました

 2006年12月、スペースシャトルの船外活動中、
 太陽フレアが活発化した
 このとき、飛行士たちはみんな船内にいたので被害はなかったようですが
 核物理学者氏はその影響を示すデータに興味を持ったそうです。

 太陽には様々な放射性物質がある
 これらはエネルギー的に不安定なので、放射線を放出しながら崩壊する
 「放射性崩壊」
 地球にはこの放射線が届いている

 物理学の法則では、
 この放射性崩壊は外部からの影響は受けない、とされていたそうなのですが
 データを見ると、太陽フレアの前後で明らかに反応の変化が見られたそうです
 この変化は4日続いた

 理論物理学者さんはこの原因を調べているそうです
 また、この放射性崩壊は太陽との距離にも影響を受けることが分かった

 地球は太陽の周りを楕円軌道で回っているが
 太陽に近づいたときは崩壊が増え、速まっており
 遠ざかるときは崩壊が遅くなる
 つまり時期により放射性の量が変化する可能性がある

 この放射性崩壊、というのは
 原子力や医療機器、コンピューター科学などに応用されているそうで
 もしこれが本当なら理論的にも応用的にも大きな影響がある、とのこと

 例えば放射線治療を受けている人は
 受ける時期により放射線の量が変わってしまうかもしれない

 一方でこの現象は
 太陽フレアが起きる予兆としても使えるらしい

 放射性崩壊への影響は、太陽フレアの起きる40時間前から見られたそうです
 これを利用すれば、太陽フレアが起きることが事前に予測できる

 将来的に、太陽フレアなどの大きな活動があれば
 人工衛星が破壊される恐れがある
 そうなるとインターネットやGPSなどにも影響が出る
 前もって予測できることは重要らしい

 「物理学の法則が変わるかもしれない
  この現象の原因は物理学の知識を総動員して解明せねばならない」
 と話していました

 (この話は
 http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/touch/20100909/1284009847
 などに載せられていて
 この科学者は
 「ニュートリノの影響は
考えられず
  太陽から未知の物質が降り注いでいるのでは」
 と言っていましたが、私にはいまいちスゴさが分かりませんでした…

 太陽からの放射線が増えた、その影響、というだけのことではないのか?
 実際、その後未知の物質の話が出てきてないし。

 そういや太陽フレアの影響については、2012年近くで騒がれていた終末論
 (「光の12日間」とかマヤ歴の終わりなど)
 で話題になっていたような記憶がありますが

 http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/touch/20100909/1284009847
 などによれば
 科学者も、太陽フレアの影響について警告していたそうです
 太陽フレアが起きると、大量の放射線、高エネルギーの粒子が降り注ぐことにより
 交通、通信、金融などのシステム、
 医療機器や食料調達などに影響が出る可能性がある、とのこと。
 実際、過去には太陽フレアによる大規模停電があったらしい

 ここから見ても、単に放射線の増加による影響ではないかしらと思うのだが…)

○量子力学の奇妙な現象
 次は量子力学の話。
 登場したのはウィーン大学の理論物理学者さん。
 ウィーンは量子力学の祖シュレディンガーの出身地でもあるとか。
 どうでもいいんですけど彼、カフェでランチしてたのが気になった(話には関係なかったのよね、なぜ?(笑))

 彼は大学で量子力学に出会い、衝撃を受けたそうです
 「1つは、その数学的美しさ。
  もう1つは予測の正確さ。
  もう1つは、まったくわけがわからないこと」
  正直なのがよろしい(笑)

 量子力学は色んなテクノロジーに応用されているが、
 我々の現実感覚とはかけ離れた現象を起こす

 例えば量子の非局在性
 2つの粒子が離れた場所で情報を共有する、という現象

 これを証明する実験が行われた
 2つの原子に量子もつれを起こさせて、
 8キロ離れた場所におく
 片方を刺激すると、両方の原子が変化した

 さらに、これと平行してレーザーを照射させたが
 2つの粒子の変化は、街中を走るレーザーより速かったらしい
 つまり光より変化の伝わりが速いことになる

 そのほか、量子力学の奇妙さとして、
 観察する人がいるかいないかで、物質はミクロレベルで違う振る舞いをすることが分かっている

 例えば二重スリット実験
 これは、レーザー発生装置から光子を出し、2つのスリットに通す実験
  ・発生装置からは、一回につき1個の光子しか出ないようになっている
  ・スリットは線状のものが左右2つ並んでいる
  ・発生装置の後ろにカメラを起き、光が到達する場所を撮影できるようになっている

 普通に考えると、光子は左右どちらかのスリットを通るので
 2つの縦線が並んだ図ができるはず

 しかし実際やってみると
 光は2つのスリットを通る2つの光が干渉したかのように、波の模様を描いた

 光子は一つずつ発生するはずなので
 これを説明するには
 1つの光子が、2つの状態で同時に存在したとしか考えられない

 さらに
 スリットの近くに測定器を置くとこの波模様は消え、
 測定器を取り除くとまた波ができるらしい
 つまり観測者がいるかどうかで物理的な現象が変わる

 こうなると現実とは何なんだ?という気持ちになってくる

 彼によれば
 「我々の感覚で説明してはいけない
  光子はどちらかのスリットを通る、
  2つの状態が同時に存在する、
  どちらの表現も正しくない」

 よくわかりませんが我々の感覚では理解不能な世界らしい。

 彼によれば
 「量子力学が生まれてから100年たっているのに
  まだほんの基礎的なことすら分かっていない
  しかし解明されれば世紀の大発見となるだろう」

○量子力学の振る舞いは目に見える形で現せる?
 量子力学での素粒子の不思議な振る舞いは、
 我々の現実世界では観察できない、とされてきた
 しかしこの物理学者は、現実でも観察できることを発見したようです

 彼はシリコンのしずくを振動する液体の上に整列させ、
 シリコンがはねる様子を観察する実験をしていたそうです

 「液体の表面に空気の層があるので、
  シリコンは液の表面に触れることはない」そうです

 しかしこのシリコンの振る舞いを1/1000秒単位で撮影してみると
 粒子と波と両方の振る舞いをしたらしい
 シリコンの粒子はランダムに動きながらも
 波が描く軌道に沿って動くように見えた
 あるいは、波がシリコンの動きを先導しているようにも見えたらしい
 これは、量子的な素粒子の振る舞いと同じなのだそう

 物理学では、量子的な振る舞いは目にできないとされていた

 このため、この科学者も信じられなかったらしい
 そこでこのあとこの科学者は
 はねるシリコンのしずくで二重スリット実験をした
 するとやはり素粒子と同じ、波と粒子と両方の性質の振る舞いをしたらしい

 しかし彼は
 「これは素粒子の世界そのものではない
  しかし粒子と波との関係のモデルを示すものだと思う」

 (これもネットで少し扱われていて
 http://ggsoku.com/tech/bouncing-droplet-realize-pilot-theory/
 後述の「パイロット波」理論の実証だとされていたようです。
 その後の話はないけど…)

○量子力学の異端児?
 次は、今までの量子力学は間違いではないか、と考える理論物理学者です

 彼は20世紀ルイド・ブロイが提唱した
 「パイロット波」
 の理論を支持しているそうです
 (この理論自体は廃れたものとされているらしい)

 これは、素粒子が時には波、時には粒子の性質を示すのは
 粒子の振る舞いを先導する
 「パイロット波」
 というのが存在するからではないか、
 と考える理論らしい

 一般には量子力学の波というのは確率の波とされ、
 純粋な数学的な概念とされる
 しかし彼はこの波は実在する、と考えている

 彼は素粒子を手紙を入れた瓶に例えていました
 手紙は素粒子のもつ情報で、
これが波に流されて動いていく

 彼によれば、パイロット波は三次元ではなく
 見えない別の次元に存在しているとする
 見えないとはいえ、同じ現実に存在するものと考えている

 量子力学も目に見える世界も同じ現実に存在し、
 同じ物理法則に従うのかもしれない、
 とのことです

 「今までの量子力学が間違っているかもしれない
  間違った理論に基づいて話をしていくと、真実から遠ざかってしまう」
 と話していました

○量子重力理論を考える理論物理学者
 物理学では、大きな世界と小さな世界をどうやって同居させるかを考えてきた

 大きな世界を説明するのは相対性理論
 小さな世界を説明するのは量子力学

 しかしこの2つの理論はまったく違う
 例えていえば
 相対性理論は物理法則に律儀に従うエンジニアの夫、
 量子力学は気まぐれで感覚的なアーティストの妻、なんだそう
 「合わないように見えるが、世の中の夫婦はそれでもなぜか仲良く同居する」(笑)

 物理学でもこの2つを同居させる理論を考える人は多い

  ここで登場した理論物理学者もその一人でした
 「その場合、量子力学が相対性理論に沿うように修正されるか、もしくはその逆か」

 彼は、2つの理論の違いを、
 時空の物質が見えるスケールの違いで説明しようとしている

 モナリザの2枚の絵がありました
 「この2枚の絵は、2つの時間と空間に存在する素粒子に例えられる
  遠くから見ると2つは同じに見えるが
  近くで見るとまったく違うかもしれない」

 物理学では、時間と空間は一体化しているとされる
 しかし彼は、量子レベルではズレがあるかもしれない、とのこと

 「この1枚の紙を時空とします」
 1枚の紙は滑らかな幾何学的なもの

 しかしこの紙を引き裂いてみる
 切れ目を遠くから見れば滑らかに見える
 しかし近くで見るとギザギザで不規則に並んでいる
 そして切れ目はつながっていない

 宇宙も、大きなスケールで見ればつながっているようにみえるが
 量子レベルではつながっていないかもしれない、とのこと

 見える尺度の変化により、時間と空間が分離する、
 と考えることで
 量子力学の奇妙な現象が観測される、とのこと

 「時間と空間が分離していたら、特定の場所にはいられない
  これは量子力学の曖昧さにつながるのでは」
 とのことでした

○ダークエネルギー
 次は宇宙にあるとされるが目に見えず、まだ発見されていないエネルギーについてです

 登場したのはCERNで研究している物理学者の女性。
 ローラースケートが好きな元気な方でした

 宇宙の始まりはビッグバンとされる
 ビッグバンは巨大なエネルギーの塊だが
 温度が下がるにつれ、気体、液体、固体と姿を変え
 天体が生まれていく
 宇宙を理解するにはエネルギーの形態を理解せねばならない

 宇宙は膨張しているが
 昔はこの膨張がある時点で止まり、
 収縮に転じるとされていた

 しかし観測結果では宇宙の膨張はむしろ加速している
 未知のエネルギーがあると考えないと辻褄が合わない

 膨張宇宙の観測などから、
 普通の物質は4.6%、
 質量のほとんどないニュートリノは0.4%、
 ダークマターが23%、
 ダークエネルギーは72%あるとされているのだそう

 ダークエネルギーが存在しないと
 宇宙は計算上、自分の重力で押し潰されてしまうのだそう

 彼女はこのダークエネルギーは
 まだ発見されていない
 「カメレオン粒子」
 の副産物ではないか、と話していました
 このカメレオン粒子は、4つの力とは別の、第5の力を伝えるとされる粒子なんだそうな。

 4つの力とは、
 重力、電磁気力、
 それから素粒子内に働く弱い力、強い力

 カメレオン粒子は、
 周りの環境により見た目を変えるためにこの名前がつけられたらしい
 つまり
 重いときはのろのろ動き、力が弱い
 軽いときは素早く動き、力が強い
 この違いは周りの環境に左右される、とのこと

 彼女によれば
 「地球では、たくさんの物質に満たされているので
  カメレオン粒子は動けず、周りの物質にも作用しないから観測もされない
  何もない宇宙では、カメレオン粒子は軽く、遠くの物とも作用する
  他の物と作用するので、宇宙を膨張させる」

 カメレオン粒子は見つかっていないが
 彼女は検出する方法を探している
 極大または極小の状態で見つかるはずなので、
 小さな粒子の動きを見るために加速器で衝突させるか、
 あるいは光の進みかたに影響を与えるかもしれないので
 遠い星からの光を観測する、
 などの方法が考えられるらしい

 彼女によれば
 ダークエネルギーは人類にどんな意味があるかは何とも言えないらしい
 それでも恩恵はあるはず、と話していました

 (カメレオン粒子は主流の考えではないのか
 あんまり調べても出てきませんでした。

 色んなサイトを見ると、
 今はヒッグス粒子の発見で、
 ヒッグス粒子のような、小さい不安定な粒子が作る場みたいなものがダークエネルギーではないか、という考え方があるみたいです

 (http://gigazine.net/news/20131009-what-is-the-higgs/
 では、ヒッグス粒子を雪に例えており、
 スキーをするときやかんじきで歩く時に、足にまとわりつくものと表現されていました。
 つまり粒子、というより場、モヤモヤ存在するものらしい。

 しかし世の中にはダークエネルギーとは熱エネルギー
 (ビッグバンで宇宙が励起状態になった、と仮定)
 ダークマターはそのダークエネルギーが、普通の物質と作るホログラム、
 という理論を考えている方もいるらしい
 http://wired.jp/2017/04/02/case-dark-matter/

 いずれにせよ、宇宙の膨張が加速している、という事実により
 ダークエネルギーの存在はある程度確信されているが、
 正体の解明はこれから、ということになりそうです)

○数学ですべて説明できる
 この理論物理学者は、宇宙のすべては数学で示される、
 という話をしていました

 数学は宇宙を説明するための手段ではなく
 宇宙そのものが数学なのだそうだ。

 方程式が見つかるかは分からないが
 そんなものがないなら、いずれ物理学は行き詰まるだろうし
 あるとすればそれを阻んでいるのは我々の想像力不足だけ、
 とのことでした

感想など
・最後の方が、
 「数学は宇宙を説明するためのものではなく、宇宙が数学そのもの」
 と言われていましたが、

 世の中すべてが数字なら
 人の愛情とか思いやりとか、
 合理的でない行動とかはどう説明されるんだろう?
 と思ってしまいました。

 世の中が数学、というのはホースの水とか、客観的な現象のことだけを指しているのかもしれないけど、
 相対性理論も量子力学も、
観察者の存在を抜きには考えられない理論なわけで、
 純粋な客観てのは物理学的にもあり得ないだろうと思います。

 それに人間の意識も1つの宇宙の現象、素粒子から成るもの…

 例外はあり得ないだろうから、
 彼の理論で言えば、人の気持ちもやはり数学で表されねばならないことになるのでは、と思いました。

・「紙でちぎった時空」の話がありましたが、
 ちぎった紙が
 「滑らかに見えるスケール」と
 「ギザギザに見えるスケール」
 の境目はどこにあるんだろう
 そこの間を埋める理論はどうなるのかなと疑問に思ったのだが、

 しばらく考えていたら、
 もしかしたら、どのスケールでも、両方の理論が共存しているのかもしれないのかなとも思いました。

 人間の中で肉体と意識が共存して関係しあっているように、
 宇宙も人間も物質も、
 大きいレベルで見れば相対性理論、
 小さいレベルでは量子力学の世界になっているのかもしれない。

 数学とか物理学では
 スケールを広げると
 「○の値を△に対して十分大きいと見なせば、この式が成り立つ」
 みたいな、
 けっこうざっくりした近似をするときもありますけど
 (物理学のくせにそれでいいのか?と思うときもある)
 マクロレベルとミクロレベルの物理学の関係も、それに近いものがあるのかも。

 あるいは、量子力学でいう存在の曖昧さ、てのは、実はマクロレベルにもあるが、
 でもマクロレベルではたくさんの観察者がいるから確固としたものになっているだけで、
 物理学の法則もそこからでてきているのかも、とも思います。
 誤解を恐れずに言えば、物理学の法則もある意味幻想というか、我々が観察する1つの現実に過ぎないのかも…
 (そういやスピ系の本では
「信念が現実を作る」
 とかいうからそれに近いのかも)

 これを理論的に説明しようとすると、
 観察者の存在、てのを方程式に組み込むのが難しそう。
 「宇宙そのものが数学」と見なすことの限界はここにあるのかも…

・ダークエネルギーについては本当によくわからない存在だなぁと思いました。
 ヒッグス粒子とかがあるとしても
 その粒子はどこから来たのか?
 何のために存在しているのか?
 という謎が更に生まれてくる。

 でもこのエネルギーが
 我々の宇宙を押し潰さずに保ってくれているわけで…

 もしかしたら、宇宙ができたときの大変化の反作用みたいなものなのかもしれない。

 ダークエネルギーの起源とか、存在の理由などが分かったときに
 宇宙の始まりや終わりも解明されるのかもしれないですね。

 量子力学の曖昧さは何回聞いてもおもしろいな~と思います。
 色々勉強になりました。
 というわけで今回はこの辺で。

2017年04月29日

NHKBS1スペシャル「「欲望の民主主義」~世界の景色が変わる時~」

NHKBS1スペシャル「「欲望の民主主義」~世界の景色が変わる時~」

今回は民主主義の危機、話でした。
ナビゲーターは吉田徹氏。
比較政治学、ヨーロッパ政治学が専門だそうです
ほとんどがフランスの有識者へのインタビューなんですが
登場人物が多すぎて理解するのに苦労しました。

あとフランス人って観念的、哲学的で、
言い回しが独特なので解釈するのが難解…
ホッブズもルソーもあんまり知らなかったし。

前後半二つに分かれています。
前半は
第1章 フランスの誤算…?
第2章 アメリカの憂鬱
第3章 パックス・アメリカーナの終焉
第4章 アメリカ 未来へのシナリオ

後半は
第5章 内なる敵 外なる敵
第6章 2つの革命
第7章 今民主主義とは?恐怖を超えて
最終章 世界の景色が変わるとき

前半は主に格差問題、
かなりざっくりいうと
グローバル化が格差をもたらし、
格差の生み出す負の感情が、民主主義の規範の崩壊を容認させている、という感じの内容でした。

後半は主に移民問題と民主主義の歴史で、
移民排除、内向きの動きが出ている今だからこそ
民主主義の原点に立ち戻り、
違いを乗り超えるシステムである民主主義を守ろう、
という感じの内容になっていました。

というわけでもうちょい詳しく書こうと思います。
第1章 フランスの誤算
 最初は吉田氏がフランスの共和国広場を訪れていました。
 ここは集会がよく行われ、
 多様な意見を戦わせるフランスの
 「ポリフォリズム」
 の象徴的な存在だそう。
 現在の政治は、極右人気がある一方、極左も台頭している
 フランスはどこに向かっていくのか…

 ・マルセル・ゴーシェ氏(哲学者で編集者)
  「民主主義の危機についてどう思うか」
  彼もこの問題については悩んでいました。
  「これは、生きるか死ぬかの瀬戸際の問題だ」

  彼によれば、
  フランス国民の8割は政治制度が機能していないと考えているらしい
  これはグローバリズムと密接な関係がある、とのこと
  「グローバリズムがヨーロッパから権力を奪い、
   グローバリズムが社会の分断、人々の不安、経済的な分断をもたらした」

 ・クリストフ・ギリュイ氏(都市地理学者)
  彼はこのグローバル化による経済的分断を
  地理的なデータから示していました
  フランスでは、
  都市部には4割の高所得者、周辺部には6割の低所得者が住む

  そしてこの低所得者が国民戦線の支持に回っている
  パリの郊外のアミアンでは
  「民主主義は機能していない」
  「右派にも左派にも失望するから、国民戦線支持に回っている」

  ギリュイ氏によれば、フランスをはじめ世界中で
  「中間層の消滅」が起きている
  この消えた中間層は、フランスでは国民戦線支持層と重なっているらしい
  「彼らは労働者、被雇用者、農業者、
   グローバル化による競争に一番さらされた人たち、
   自分たちの生活水準の低下を最も目の当たりにしていた人たち」

  しかし、中間層の喪失は30年前からすでに起きているらしい
  「民主主義の危機は将来ではなく、今そこにある」

 ・ジャン=ピエール・ルゴフ氏(社会学者、作家)
  「フランス国民は、どんな社会に向かっているかわからないカオス状態」
  「国民は無理な選択を強いられている」
  無理な選択とは
  ・昔はよかった、とノスタルジーに浸り過去に戻る
  ・目的はわからないけどとりあえず前に向かって進む未来
  後者がポピュリズムを生み出している、とのこと
  (前回の「欲望の資本主義」で
   トーマス・セドラチェク氏の「資本主義の果てに、我々は成長せねばという義務感にかきたてられている」
   という指摘があったけどそれに近い)

 フランスでは、グローバル化の果てに格差の拡大が起きており
 どちらに向かえばいいかわからない状態
 アメリカではどうか?
第2章 アメリカの憂鬱
 ・ダニエル・コーエン氏(経済学者)
  彼はフランス大統領選、トランプ大統領、イギリスEU離脱は
  「社会から取り残された人たちの抗議」
  という話をしていました。
  社会に希望の持てない人、学歴のない人がトランプ氏を選んでいる

 ・ジャッキー・クルバック氏(鉄鋼会社CEO)
  彼女はペンシルバニア州にある鉄鋼会社の方。
  トランプ氏の人気について
  「彼は市民の声を聞いて、市民とふれあい手を差し伸べてくれる」
  「レーガンは偉大なコミュニケーターと言われたが、
   トランプは後世に偉大なモチベーターと言われるだろう
   彼のメッセージはポジティブで、
   それがアメリカンスピリットにパワーを与えてくれる」
  と話していました

  ここの町の人たちもトランプ支持の人がいる
  一方で
  「彼は空手形を切っているだけ
   人々は彼の言うことを信じたいだけ。
   私もこの町を良くしたいが、彼が約束を守るとは思えない」
  と冷めた見方の人もいました

 ・藤田浩之氏(医療機器メーカーCEO)
  彼はオハイオ州クリーブランドの医療機器メーカーの方。
  アメリカで、学歴、人種に関係なく雇用を生み出したことで話題になったらしい
  オバマ氏にも絶賛されたそうです
  http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20131023/254984/?rt=nocnt
  彼は、アメリカは稼ぐ人は稼ぎ、収入が少ない人は少ない、としながら
  「アメリカには、余裕のある人が、
   支援を必要な人に手を差し伸べる文化がある」
  格差は認めるにしても、所得の再分配ができる仕組みを考えるべき、としている

  また、
  「アメリカの民主主義は世界の規範となっていた、
   アメリカ人はそこに誇りを持たないといけない
   移民を減らせ、というアメリカはアメリカじゃない」
  とも話しており、今の内向き社会には批判的でした。

 ・ジョナサン・ハイト氏(社会心理学者)
  彼はトランプ現象を「何かを壊したかった衝動」と表現している
  アメリカは左岸、右岸が都市で
  真ん中は飛び地とされていた(飛行機の時間を取るだけの邪魔な存在らしい)

  そしてその飛び地の人たちが
  周辺部のエリートが失敗した、
  庶民をおろそかにしてきた、
  と怒っているのではとしている

 ここまでをまとめると
 格差の拡大で取り残された人々の怒りが
 トランプ氏を選んだ、という話になる
 しかしこの怒りにより、民主主義の規範の崩れも起きている
 という話が次にされています

 ・ヤシャ・モンク氏(政治学者)
  彼はアメリカで民主主義の規範が崩れている、と指摘している
  一つは、民主主義に前ほど熱意を持たず、
  部分的に独裁的でも、軍が統治してもいいと考える動き
  もう一つは、民主主義の規範をないがしろにする政治家が現れる動き

 ・民主主義とは何か
  街頭インタビューでは
  アメリカ人の男性は
  「みんなで話し合い、多数決で物事を決めること。
   ただし特定の人たちの権利を侵害しないこと。
   今はそうではないけど。
   トランプ氏は一般投票では過半数を取っていないし
   彼はマイノリティや女性の権利を侵害している」
  フランス人の女性は
  「国民が力を持つこと、それに納得していること、真実をメディアに伝えること
   フランスは思っていることを口に出せる素晴らしい国」

 ・リチャード・J・サミュエルズ氏(政治学者)
  彼はチャーチルの
  「民主主義は最悪なシステム、ただし今までの政治システムを除けば」
  という言葉を引用している
  つまりいいシステムではないが一番まし、ということらしい

  彼によれば民主主義は、いろんな前提のもと成り立っているらしい
  礼節のある対話や、受け入れられる規範があることが前提
  みんなで選んだリーダーは、公共の活動のために努力することが前提
  集会、信教、報道などの自由が認められていることが前提

 ・マルクス・ガブリエル氏(哲学者)
  彼は民主主義は、少数派の声を尊重すること、と話している
  「多数派は支配するのではなく、
   少数派が何を感じているか考えながら治めること」

 ・社会心理学者のジョナサン・ハイト氏は、
  「実は建国の父の人たちも、民主主義は独裁政治になる恐れがある、と考えていた」
  彼の学ぶ政治倫理学では、
  怒りや恐れ、嫌悪感などのマイナス感情があると
  民主主義は誤った選択をする、とのこと

 民主主義は色んな前提があってこそ成り立つ原則がある。
 格差の怒りの果てにその原則は忘れ去られ、民主主義は誤った選択をするのか…

第3章 パックス・アメリカーナの終焉
 ・ピーター・ラール氏(元銀行重役)
  彼はトランプ氏について
  「彼は賢い、問題がどこにあるかを指摘したのは彼だけ」
  アメリカは世界のためにいろいろ負担してきたが、
  これからは他国は自分で自分のことを決めねばならない
  という話をしている

  政治学者のヤシャ・モンク氏は
  アメリカのリベラル派は、
  アメリカが世界に関与する、としてきたが
  これは国民にとってメリットが分かりにくい
  「世界への関与を減らし、自分の国に回せばいい」という話になる
  (しかし彼は「これは長期的にはアメリカにとって損」とも言っているが)

  このような内向きの流れは
  今に始まったことではないらしい
  そしてそれはアメリカの民主主義自体に潜む根本的な問題らしい

  社会心理学者のジョナサン・ハイト氏によれば 
  いつもアメリカは開かれていたかといえばそうでもない、とのこと。

  1920年代は閉じたアメリカだったし、
  ソ連との冷戦後は、自由世界のリーダーにならなくても良くなった
  さらに、911テロ後は、外からの敵から国民、国を守るべきという話になった、とのこと

  アメリカが内向きになったり開いたりするのはなぜか?
  これはアメリカ民主主義の特徴にあるらしい
  アメリカは伝統的に、
  中央政府弱い分、自分達で中間共同体、コミュニティを作る伝統がある
  しかし民主主義がいきすぎて個が尊重されると、
  一人一人が内向きとなり孤立化する

  これは数百年前、トクヴィルというヨーロッパ人が指摘していたらしい

  しかし最近では1960年代頃から、このコミュニティが崩壊しているらしい
  そして孤独を感じたアメリカ人が選んだのがトランプ氏だ、とのこと

  (トクヴィルさんの話は
   https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20160310-00055281/
  に民主主義の危機についての解説とともに書いてありました

  トクヴィルは1831年、フ ランスの判事としてアメリカに赴任、
  そこで得た知見を
  「アメリカのデモクラシー」
  に書いたそうです
  これは未だに、アメリカ民主主義を知るためのバイブルになっているとか

  彼のいうアメリカ民主主義の光とは
  ・アメリカはヨーロッパとは違い、封建制や身分制の歴史がなく、
   平等という概念は最初から当たり前だということ、
  ・アメリカでは政府が弱いために地域の話し合いで色々決める、という習慣があり、
   この話し合いを通じて、お互いを尊重せねばならない、という意識が自然に身に付いていた

  当時のヨーロッパでは、
  民主主義とは、多数派が少数派を迫害する大義名分となりうる、
  という危険性がすでに指摘されていたようですが

  アメリカは、平等という概念が、国民自身の強い信念により支えられている
  これは称賛に値するものとしてヨーロッパ知識人の目に写ったようです

  一方で彼はアメリカ民主主義の危険性も予見している
  ・平等がいきすぎると
   「多数派は強制することなく、少数派を説得する」
   つまり平等を意識するあまり、少数派が周りに合わせてしまう
  また
  ・平等であろう、他人より下になるまいとするために競争意識が強くなる
   これは豊かになるためのモチベーションにもなるが、
   これがいきすぎると今度は自分のことだけに関心が払われるようになり
   コミュニティや協力が忘れられてしまう(孤立化)

  この結果、アメリカ民主主義を支えてきた、互いを尊重する気持ちが忘れられてしまう、
  その危険性をすでに指摘していたようです)

  編集者マルセル・ゴーシェ氏は
  「今は競争にさらされている時代、とても厳しい。
   これはホッブスの時代から変わっていない」

  ホッブズは「リヴァイアサン」の中で
  「人間は教育や文化のない自然状態では資源や財産を争いあう存在」
  と書いている
  (リヴァイアサンは、聖書に登場する海の怪物、
   人間の野蛮さを怪物に例えている)

  厳しい時代に孤独を感じている人たちが
  主張の強い指導者を選ぶのか…

第4章 アメリカ、未来へのシナリオ
 ・政治学者のヤシャ・モンク氏は
  これからのアメリカの取りうるシナリオを3つ挙げている
  1トランプ氏のようなポピュリストが支持され、
   独立行政機関が弱体化し、
   裁判所は無視され、報道は抑圧される

  2トランプ氏の暴走を独立行政システムが止めるが、
   政治規範の崩壊は続き、第2、第3のトランプが生まれ続け、
   民主主義は長期的に衰退する
  彼によればこれが一番ありうる、とのこと

  3若者が現状を憂い、民主主義のために戦う
  これが一番希望のあるシナリオ

 ・哲学者のマルクス・ガブリエル氏は
  「トランプ氏を国民が弾劾したら歴史的」
  というような話をしていました
  トランプ氏、という特異な個性による危機を国民が回避した、
  その優れた民主主義に世界が称賛するだろう、と。
  「今我々は、トランプ氏と行政機関の対立、
   行政のチェック&バランスシステムを見ている、
   これは民主主義の極端なストレステストでもある」
  と話していました

  前半の締めくくりとして、
  編集者マルセル・ゴーシェ氏の
  「このような世界では、我々は守ってくれるものを必要とする」
  という言葉が出ていました。
  民主主義が我々を守るものとなるのか…

後半
第5章 内なる敵、外なる敵
 最初にナビゲーターの吉田徹氏がパリにいました。
 昔は、セーヌ川を隔てて南は左派、北は右派と別れていたらしい
 しかし今は郊外に労働者、都市内部に富裕層がいる

 ・編集者のマルセル・ゴーシェ氏
  グローバリゼーションは分断をもたらした、という前半の話の続きなのか
  「グローバリゼーションは人の行き来にもかかわる」と話している
  つまり移民問題ですね。

  彼は移民問題について、
  フランス人はEUの前では国家権力は弱いと思っており、
  一方EUも無力感を感じている、
  と述べている
  「なぜ機能しないのか?」という質問にも
  「そこが問題」と明確には答えない。

 ・政治地理学者のクリストフ・ギリュイ氏は
  移民に対して、フランスは「多文化共存モデル」を築けると考えていたが、それは間違いだった、とのこと
  アメリカやイギリスとは違い、
  フランスには「共和国同化主義」により多様な文化を受け入れてきた

  しかし現実では、他人と交わらず、距離をおき、同化しない
  それぞれのアイデンティティが緊張関係を持つことになる

 ・フランス郊外へ
  吉田氏はパリ郊外に来ていました。
  豊かな人が都市の中央に住み、
  郊外に住む人は所得が低い人
  しかし子供たちは、屈託なく吉田氏に将来の夢について話していました

  援助組織の人がいました
  彼女によると
  移民による暴動はますます増えており
  郊外の若者も人を信じない、とのこと
  北アフリカ出身の移民がここで警察に追われ、
  変電所に逃げ込んで死傷した事件があったらしい
  「若者は、私がかつて愛したフランスを知らない」

  彼女によれば、郊外の人は差別されていると感じ
  都市の人は郊外は怖いと思う
  移民の居場所の無さが
   怒り、悲しみ、不安…
  を生んでいる、とのこと

 ・政治学者のドミニク・レニエ氏
  吉田氏はパリの役所に掲げてある
  「自由、平等、博愛」
  の看板を見て、「空虚に見える」と話していました
  これらの精神はどこへいくのか?

  レニエ氏は
  「これらの精神は残る可能性はあるが、
   20年前からこの精神の衰退、弱体化が見られる」

  その象徴が「シャルリ・エブド事件らしい」
  「ジャーナリストの出版物が気に入らないから暴動を起こす、
   これは言論の自由を認めないこと」
  基本的価値観が分断されたのを感じたそうです。

 ・シンシア・フルーリー氏(精神分析学者)
  「ルネ・ジラールの論文によれば
   政治共同体とは「内なる敵、外なる敵」
   の二つの力で成立する」
  現在では
   外にはテロリスト
   内には移民、貧しい人
  この二つの敵で成り立っている、と話していました。

同化できない移民が、内なる敵になっているフランス…

第6章 2つの革命
 ここからは、民主主義の歴史、みたいな話になっていました
 ・哲学者のマルクス・ガブリエル氏は
  「民主主義の精神は18世紀から始まる」
  その基本的価値観は、平等、自由、連帯

 ・作家のジャン=ピエール・ルゴフ氏は
  「私にとって、政治とは一種の文明」と述べ
  民主主義について、
  「共有されている幻想がある」と指摘している
  その幻想とは
  「誰もが善人で思いやりがあり、
   悪い人が生まれるのは、システムや政治が悪いのだ、
   善人を生むには、自分で選んだ政治で統治することだ」

 ・ルソーは、社会契約の重さについて述べているらしい
  「人間は、欲望に従うだけなら奴隷と変わらない
   だからホッブズのいう「自然状態」社会から移行せねばならない、
   本能は正義、欲望は倫理に入れ替わり
   人々は一般意思に目覚め、理性の力で公共の利益を求める」

 ・しかし、ダニエル・コーエン氏(経済学者)は、
  「ルソーは国王支配から抵抗する論理を考えていた」
  と解釈する

  そして、
  当時のような国王支配の世の中ならば、
  そこに対抗する「一般意思」はあり得るが
  現代では、国民の意思となるとポピュリズムになる、
  あるいは一部の人間が大多数に対抗する時に使われてしまう、
  と述べている

  アイルランドのエドマンド・バークという哲学者はかつて、
  「いたずらに変化ばかり求める人間の欲望」を批判したらしい
  欲望を追求しつくすと、次はそれを失うしかない
  (エドマンド・バーグ氏の思想は1つの哲学になっているようです
  ウィキなどで私が理解した範囲で書きますが
   (間違ってたらスミマセン)

  彼はイギリス革命は支持したがフランス革命は批判した

  というのは、彼はイギリスの経験論的な考え方のようで
  自由とか平等とかいう概念は、
  人間の根元的な意識とか経験などにより長期にわたって醸成されるもので、
  理性により作られるものではない、
  と考えていたようです

  この考え方は、
  人間は元々間違いや過ちをする存在だ、
  理性を過信するな、
という人間観に基づくようです。

  彼によれば、政治や社会で何らかの意図で計画などが行われれば、
  個人の自由も奪われる可能性がある、
  と指摘していたようで
  実際フランス革命ではギロチン台の処刑など、残酷な行為もされた、とのこと

  また、前述の
  https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20160310-00055281/

  でもエドマンド・バーグについても言及があり
  それによるとバーグは
  民主主義の名の元に、
  大多数が少数派を残酷に弾圧できる危険性を指摘していたようです

  本来民主主義では、少数派の意見も多数派と同等に尊重せねばならない
  しかしこの前提を忘れていると
  多数決の名の元に非人道的な行いがまかり通ってしまい、
  結果的に多数派と少数派との亀裂が深まる、とのことです)

 ・マルセル・ゴーシェ氏は
 「思考も感情も欲望も同じなのです」と話す
  我々は欲望を思い描き、
  情動的な理由で思考する

 「フランスは矛盾した国だ、
  あるときは無政府主義、あるときは権威主義」
 しかし彼にとって大きな変化とは68年の革命、と話す

 作家のジャン=ピエール・ルゴフ氏によれば
  このとき教育制度改革を求めて若者が暴動を起こし、
  ここに労働者、市民も加わり町を破壊、
  改革の波は世界にも広まった

  彼によれば、
  この革命は教育、科学、経済が発展しているはずの現代で起きたことに意味があるらしい
  戦争を知らない若者が消費文化に反発し、
  我々の近代的な社会は何だったのか
  近代化はどこに向かうべきか
  と問うものだった、とのこと

  この運動自体は急進過ぎてすぐに支持を失ったそうですが、
  この改革以降、それまでの慣習、文化は否定され
  個人の自由だけが尊重されるようになった、とのこと

  また、国家は支配と圧力の象徴とされ、
  国家と個人との対立関係が生まれた

  社会の分断もこの頃から始まり
  取り残された大衆層と
  先端を行く新しい社会階層が生まれた、とのこと

  ゴーシェ氏もこの運動にのめり込んだそうですが
  「運動はうまくいかなかった、
   そこで政治倫理を学んだ。
   民主主義は勉強になったよ」

  この革命の後、経済の論理が全ての時代、
  グローバル化、資本主義社会となった

  (1968年の革命とは
  「5月革命」と呼ばれるらしい

  http://www.y-history.net/appendix/wh1602-082.html

  あとウィキ、ブリタニカなどによれば

  この事件は1986年の5月、
  パリの学生が、教授独占的な大学の体制の改革を求めて運動したが、
  大学は閉鎖して改革を拒否した
  このため、抗議した学生らがカルチェ・ラタンに結集して警察と衝突した

  政府は警察を動員し、鎮圧するが、
労働者、労働組合、教員組合、農民組織などが応援のデモやストライキを行い、
それは2週間あまり続いたらしい。

  ド・ゴール大統領は、賃上げや議会選挙の開催などを決めて静めたそうですが
  翌年の国民投票では大敗し辞任。
  この革命は、11年続いたド・ゴール時代を終わらせる契機となったそうです

  そしてこの運動の背景なのですが
  それまでド・ゴール大統領による長期政権が続き、
  安定した経済成長が続いていた

  しかし一方で格差が進み、
  経済優先の風潮が生まれ、
  学生は閉塞感を強めていた

  60年代後半の経済の後退とともに、
  高齢のド・ゴール氏の政治が
  古くて硬直的なもの、として学生の反抗の対象となっていた

  当時は超エリート校と一般の学校との格差も大きく、
  これも学生の不満の要因になっていたそうです

  経済成長の果てに格差が広がり、怒りを生んだ…というのは今と状況が似ている

  この運動は世界の左翼などの運動に影響を与えたようで
  日本でも安保闘争などが起きていますが
  アメリカ、日本などでは保守勢力が選挙で支持されており
  世界を変えるほどではなかった

  しかもこのあと資本主義がより進み
  経済優先の風潮がさらに進んだ、
  というのは何となく皮肉めいてます)

  ここの章は分かりにくかったのですが、私なりに解釈すると…
   最初の民主主義革命では、
   「人間は放っておくと欲望だらけの社会になるが、
    それは民衆(一般意思)の「理性」で変えられる」
    という考え方だった

   しかし実際は、理性も欲望も分けられるものではなく
   民主主義は、単に現状を変えたいという願望の実現手段にもなりうる、
   それが現れたのが2回目の革命

   そしてこれ以降国家の否定、個人主義が強まり
   拝金主義、欲望を求める資本主義を呼び、
   前半でいう個人の孤独、不安を強めた…ということかな。

第7章 今、民主主義とは
 ・哲学者のマルクス・ガブリエル氏は
  「民主主義とは情報処理の特定の形」
  と述べている

  彼によると、
  民主主義とは
  「1つの感情処理システムの形、人間の行動を組織する活動」
  に過ぎないのに
  人々が民主主義により
  「真実を得られる」
  「嘘つきの政治家を暴ける」
  「誰かがこの大きなシステムを理解している」
  と幻想を抱くので混乱を招く、としている

  そしてこれに対しては
  「中立的になること
   感情的にならないこと」
  としている
  例えばテロリズムは恐怖という感情で支配する
  しかしこれは、誰かが見ているという根拠のない恐怖に過ぎない

 「恐怖」
 ホッブスの「リヴァイアサン」は、
 宗教戦争など、恐怖だらけの時代に書かれた

 ・シンシア・フルーリー氏によれば
  「ホッブズは「恐怖は社会契約の基礎」と書いている」
  ホッブズは
  人の敵は人なので、
  お互いでなく「リヴァイアサン」を恐れることで平等になると考えた、とのこと

  ホッブズは
  人間の生活は恐怖と暴力に満ちたもの、
  とし
  抑圧への恐怖からのがれるため、
  いつも人は先手を打つか、助けを求めるかの情動に駆り立てられる
  と述べているらしい

 ・しかしマルクス・ガブリエル氏は
  「リヴァイアサンは政治理論ではなく、先住民の虐殺を正当化するもの」
  と解釈している

  彼によれば、
  ホッブズは、アメリカ先住民も西洋文明のルールに従うものとし、
  その中ではもろい文明は同化させるか、殺すかしかない、とした
  しかし人はその後、
  己の残虐さを自覚し、この残虐性は政府が管理すべきだと考えた…

  しかし彼によれば
  「政府は残虐さを管理もするが、増加もさせる」
  「政府は自然状態を克服できていない、
   というか、もともと自然状態には善人も悪人もない」とのこと
  「シリアは自然状態という人もいる
   生きるためにもがいているように見えるからそう言われるが、
   あれは単なる戦争だ」

 ルソーも戦争について
 「戦争は個人同士ではなく国家同士の関係」と書いている
 人は個人でも市民でもなく、兵士同士として敵になる

 悪人を善人にするための民主主義、とは幻想で、
 人はもともと悪人でもないし、民主主義は完璧でもない、ということか…

最終章 世界の景色が変わるとき
 ・再びマルクス・ガブリエル氏
  「民主主義とは制度の中で普遍的価値観を実現させるものだが、
   今はまだ実現されていない。
   これから実現されるものだ」
  今を正しいと思ってはいけない、と強調していました

 ・マルセル・ゴーシェ氏は
  「私の思う自由とは
   「自らの運命を決定する力」」
  そして、これは一人で決めるものではなく
  人と人とが結び付くところに自由がある、と述べている
  「個人で提供できる以上の目的を実現するために、
   それぞれの自由を結集させる」

  そして
  「私にとって民主主義とは理想の世界です」
   同意できないことを議論するのがおもしろい、
   色んな人種の違いを克服するのが民主主義、
   民主主義とは人類最高の形、と述べている

   この対立や違い、多様性から創造的なものが生まれる。
   そこがおもしろさでもあり、
   文明を発展させ、人々を結集させる、とのこと

 ・シンシア・フルーリー氏は
  「度を越えた個人主義は民主主義を危機に陥らせる」
  と述べ、
  「「個人主義」ではなく「個性化の確立」をしなくては」としている

  個性化、とは、
  自分の特異性、才能を明確につつ、
  お互いを認め合い、
  他人と集団の物語を作っていくこと、
  だそうです

 ・ナビゲーターの吉田氏
  「この人怖い、というマイナスの感情をどうプラスに持っていくか…
   大切なのは、お互い正しい間違ってるじゃなく、
   その人を尊重すること
   人は理不尽な思いをするのが一番辛い、
   人を傷つけるのもそこから始まる
   それをなくすことですよね」

 ・マルクス・ガブリエル氏
  「民主主義とは、「反対派の共同体」です。
   異なる意見を認められれば、あなたは民主主義だといえる」
  しかしこれには
  「「普遍的な価値」を尊重することが前提」
   他人の苦しみを理解する度量、
   難民は自分だったかも、と想像できる力にかかっている、
  と述べている

  そして彼は
  「民主主義が崩壊したら、かつてない戦争に陥ることを忘れないで欲しい。
   民主主義は守らねばならない、
   それはみんなで生きるための唯一の選択肢だから」
  と話していました

 ・ジャン=ピエール・ルゴフ氏
  最初に「国民は無理のある選択肢に直面している」と話していた彼は
  政治家、知識の役割について
  「まず現状を理解し、
   それからありのままの世界について考え、
   可能な選択肢を提示する責任がある
   無理な選択肢を拒否することです」

 ・政治学者のヤシャ・モンク氏は
  「答えは、民主主義やグローバリゼーションからの撤退ではない」
  「民主主義を活性化させ、
   グローバリゼーションの衝撃を和らげる政策を提示せねばならない」

 そして、マルクス・ガブリエル氏の
 「民主主義は、明らかに欲望の経済と関係している
  この恐怖の経済は乗り越えなればならない、
  民主主義の最大の価値を思い起こせば、乗り越えられるはず」
 という言葉で締めくくられていました。

感想など
・前回の資本主義に比べより思想的な話だったので理解するのが難しかったです…
 結論から言えば民主主義を守ろう、という話になるのだが、
 そもそも民主主義ってなんだ?と思い始めると深い。
 話し合って、多数決で決める、てことだけが注目されがちだけど
 結果として捨てられる少数派の気持ちを尊重する、思いやることこそが民主主義なんだな、と思いました。

・前半でトランプ氏が「民主主義の規範を守らない政治家」の象、
 悪く言えば悪の権化、みたいな扱いになっていたのが印象的でした。

 しかしそもそも彼を選んだのは国民で、
 なぜみんなが彼を選んだかを探らないと同じような人がまた選ばれるんじゃないか…と思っただけに
 アメリカ民主主義の影、民主主義というシステムの影と絡めた考察は興味深かった。

 アメリカ国民は、個人、もっと言えば自分(たち)の「平等」に関心がいきすぎたあまり、
 他人にも「平等」を認めねばならないことを忘れてしまっていのかなと。

 まぁその原因は、仕事が無くなった、自分の生活苦しいってのもあるだろうけど、
 そもそもは、お金がすべて…とまでは言わないにしても、
 経済的に豊かでないと幸せになれない、みたいな価値観になってしまったこともあるのかもしれない。
 昔はもっと経済的には豊かでなくても、アメリカには民主主義や所得分配の文化はあったわけだし。

 でもこれは多分アメリカだけでなく、日本も含め世界的に起きていることなんだろう。

 ブータンみたいに、幸せの指標をもう少しお金から一歩引いて考える価値観、というのもできるといいなと思います。

 また、違う文化や習慣の人達に対して、
 違いを分離と捉えるのではなく、
 おもしろいと感じられる余裕ができたらいいなと思います。

 なんか世界的に、気持ちの余裕が無くなってるなぁ~という気がする。

・後半は主にフランスの思想的な話かな…と感じました。
 フランス人気質を理解するのに参考になりました。
 エドマンド・バーグの指摘によれば
 フランスは理性を重んじる傾向にある、とのことで
 それだけ民主主義に信頼というか、信奉みたいなものを持っているのかもしれない。
 それだけに、民主主義の究極の形とも言えるEUが、今空回り状態になっていることに対して
 一番戸惑いというか、無力感というか、愕然とした気持ちになっているのがフランス人なのかもしれない、と思いました。

 EUも地方自治が強いアメリカみたいに、
 それぞれの国の違いを認め、
 ある程度は個々の国の話し合いに任せ、
 かつてのアメリカ人のように、話し合いの経験を持たせるようなもの、
 尊重の意識を育てるようなものにしていったらいいのかもしれないですね。

色々勉強になりました。
長くなりましたが、今回はこの辺で。


posted by Amago at 21:06| Comment(0) | テレビ(政治) | 更新情報をチェックする

2017年04月28日

ファミマ「トムヤムクンまん」「豆乳ティラミス」

ファミマ「トムヤムクンまん」「豆乳ティラミス」

久しぶりにコンビニ行きました。
珍しいのを買ってみた。

「トムヤムクンまん」
ローソンは中華まん終了したみたいですが、
ファミマとセブンはまだありますね。

エスニックな中華まんって珍しいので買いました。
皮のビビッドなオレンジが強烈です。
さていただきます。

おお、一口目からパクチー全開!
すがすがしい香りです。
パクチーって中華まんに合いますね。
そしてけっこうピリピリ来ます。
中華まんの中ではかなり辛い方では?

中身は竹の子、鶏肉?、あとシイタケっぽいのと野菜みたいなのがあるけどよくわからん。
味は醤油的なものがベースですが、お肉の旨味もあり、レモンみたいな酸味もあります。
唐辛子みたいな刺激的な辛さが良い。
タイ料理の後味爽やかな味と辛さ、というのがよく表現できているなと思います。
ココナツ風味とかはないので完全に南国風、ではないですが、
パクチーの再現ぶりはポイント高い。
どんなんか想像もつかなかったけど意外と良かったです。

ちなみにこのトムヤムクンまん、昔にサークルKサンクスにあったみたいです。
統合して復活したのだろうか?

さて次
「豆乳ティラミス」
気にはなっていたがお目にかかれていませんでした。
これもソイ商品の一つみたいです。

上にトッピングされている黒豆がなんか可愛い。
さていただきます。

上の豆乳クリームのムースから。
おお、けっこうこくがある~
きな粉か豆か分からないが、香ばしさも感じられます。
こくがあるのにこってりくどくないのがいいね。

上のトッピング黒豆はしっとり甘くて美味しいです。一個なのが残念。

ムースの下はシロップ浸けのスポンジです。
このシロップも不思議な味。
香ばしくてほろ苦くて、コーヒーかな?と思いきやコーヒーほど後に残る苦味もないし…
なんだろ、麦茶の濃いところみたいな適度な香ばしさがします。
しかし基本シロップですのでかなり甘いのですが。
ちなみに材料にコーヒーはないみたいなので、コーヒーではなさそう。
けっこうこのシロップ、シャビシャビしていて、
スポンジの間から垂れるくらいたっぷりです。

このムースとシロップ浸けのスポンジが2層になっていました。

以前に豆乳のティラミス、ティラティスというのをどこかの商品で食べたのですが
そのときはコーヒー仕立てだったせいか、
コーヒーの強さとアンバランスで、なんか物足りないなーと思いました。

しかし今回は麦なのか大豆なのか分からないけど和風の材料かな?という感じなので
これは思っていたより美味しかったです。

スポンジにも大豆使用みたいですね。
カロリーは200キロカロリーくらい、低めですかね?

このソイシリーズ、ヘルシーだけが売り物かと思いきや、
予想よりも味も良いです。
豆乳タルトもあるみたいですが
見たことないです。
また機会があれば買ってみたい。

というわけで今回もごちそうさまでした、ありがとう~
posted by Amago at 13:25| Comment(0) | 食(コンビニ) | 更新情報をチェックする