2017年05月30日

「妻が再就職するとき―セカンド・チャンス社会へ」大沢真知子、鈴木陽子

「妻が再就職するとき―セカンド・チャンス社会へ」大沢真知子、鈴木陽子

この前女性の生き方のテレビを見ていて
自分ってどう生きたいんだろう…
と思って借りてみた本です。
主婦の再就職を自分の人生を考えるきっかけにしよう、とし
実際再就職したい人へ、具体的に何からやるべきか
アドバイスがいろいろ書かれた本でした。

テーマとしてはありきたりだし
似たような本はいくつもあるけれど、
40代~30代専業主婦(特に高学歴)の、
働きたいけど働けないor働かないという心情を
データからすくいとっている記述も見られて
なかなか読みごたえがあった。

まあでも、動かんと何も始まらないな~
その前の準備も大事だな~
ということをしみじみ感じました。

内容としては
前半では、主にデータから
雇用を巡る社会の変化、
時代に伴う男女の生き方、働き方の変化などを分析。

中盤では、主婦の再就職を支援する大学やハローワークの取り組みを紹介しています。

後半では実際に再就職を実現した人たちの体験談と
これから働きたい人たちへのアドバイスでした。

中盤は東京の話ばかりで正直羨ましいなーと思うばかり…
いくつか印象に残る話はありましたが。
後半の事例も、ふーん、頑張ったねぇ、でもここまでは出来んなー。
みたいな感じでした
(すみません…)

というわけであとの方はさらっと読みましたが
前半の分析は興味深かったです。

というわけで前半を中心に内容を書いてみます
〇これからどんな時代になるか
 最初はこれからどういう時代になるかの予測でした
 ・リクルートの「アントレ」編集長の話
  「アントレ」って聞いたことない雑誌でしたが
  独立、開業、起業などの情報を主に扱っているようです。
  でも実は陰のテーマとしては
  「新しい時代の方向性」「生き方」があるんだそう。
  まあ、それが分からないと開業もできないからね。

  この編集長さんが、これからどういう時代になるかを予測していました

  私なりにざっくりまとめると
  ・「個人で」から「みんなと」への回帰
   世の中の流れは100年単位で変わるんだそうですが
   140年前の明治維新から仕事が
   「みんなで社会のために」から「個人で自分のために」
   の形に変わった。この担い手は主に男性だった。
   しかしこれは個人を優先しすぎ、地域との絆などが弱まってしまった
   そこから社会のひずみも起きてきた
 
   その反省からか、明治維新から100年たった数十年前から
   「みんなで社会のために」「みんなで、自分たちのために」
   という流れができてきた、という話をしていました。
   例えばNPOなどの非営利組織、地域のボランティア、社会運動など
   これらをしていたのは主婦や高齢者、学生などお金は稼いでない人たち

   これからは、この「みんなと、みんなのために」の活動をする人たちが
   社会を引っ張っていくのではないか、とのことです
   仕事一筋だった男性もこの活動に関わっていくべき
   女性も、社会的な参加や自立を増やしていくべき、という話をしていました
   
  ・脱中心、多中心の社会
   また、文明が進むと、技術が拡散する、
   それにより、弱者と言われていた人たちにも活躍のチャンスができる、
   という話をしていました。

   例えば軍事的な技術がインターネットという技術になって広まり、
   いろんな人が使うことで多様な使い方が生まれる
   政治も政治家だけのものではなく、
   フェイスブックにより市民が担うようにもなる

   このように、1人のリーダー、1つの中心が物事を決めるのではなく
   いろんな人が主役になれる社会になるのでは、とのこと

  ・多様性を尊重すること、多様な価値観どうしがつながること
   主役が増えると、それらをつなげることが重要になってくる、とのこと

   例えばMITのカレッジリンクという試みがあって、
   これは高齢者と介護する学生をつなげるリンク
   介護される高齢者は、大学の講義を受けることが義務付けられていて、
   高齢者の体験談などが、学生の勉強に刺激になるのだそうです。
   つまり一方的なお世話ではなく、ウィンウィンの関係になっているわけです。
  
   このようにいろんな価値観を持つ人をつなげる仕組みを作ること、
   組織の中でも多様な人の存在を認めることが、
   これから大事なのでは、とのことです。
   相乗効果となって社会にも利益になる。
   
  ・一人の人間が色んな顔を持つこと
   社会が多様な中心を持つように、
   一人の人も、いろんな場所、いろんな顔を持つことが大事だとのことです。

  つまり総合すると、今まで弱者だった女性も活躍がしやすいおもしろい社会になるのでは、
  ということみたいです。
  男性も女性も、いろんな顔をもち、つながりあうことが大事になってくるようです。
  30、40代女性の就職したい気持ちはマズローのいう「承認欲求」の現れでは、
  という話もしていました

 (なかなか面白い時代になりそうですね。
  女性の活躍もしやすい、というか、活躍しないと社会が回っていかない時代になるのかも。)

 ・社会的な情勢の変化
  その次に、本格的な共働き時代がやってきた、という分析がされていました。

  これは社会的な背景として
  1990年代の経済のグローバル化により
  会社は短期的な利益を求められるようになり、
  人件費を減らすために正社員をリストラ、
  非正規雇用を増やすという流れができた

  このため男性の所得の1997年と2007年のデータを比較すると
  (所得を横軸、その人数を縦軸にしている)
  2007年では所得が全体的に下がっており
  さらに一番人数が多い所得も500~600万から、300~400万へとシフトしている

  一方、女性の雇用はむしろ増えているらしい
  というか、夫の収入源を妻が補っている、という構図がある
  産業の成熟化により、女性が得意な
  サービス業、医療、福祉などの分野の求人が増えたこと
  非正規雇用の増加、なども原因としてあるそうです。

 ・フィナンシャルプランナーの話
  分析を踏まえ、これからの時代をどう生きていくべきか、
  フィナンシャルプランナーの方に尋ねていました
  これから働く人へのアドバイスとしては
  ・老後の貯蓄を考えるあまり、今の生活を犠牲にしないほうがいい
   本などでは「老後に1億必要」などあるが、
   若い人は結構堅実なので、無理する必要はないと話していました。
   将来のことを考えるあまり、
   今の生活が楽しくなかったら意味がない、とのことです。

  ・女性の再就職は、自分の年齢で計画を立てる
   ほとんどの女性が「子供が〇歳になったら働く」という計画を立てる
   しかし雇う会社が見るのは本人の年齢
   そのとき自分がいくつになるか、
   その年齢で要求されるスキルは何か、
   を考えて準備をした方がいいそうです。
   その時になってから
   「だって働いてなかったからスキルがないのはしょうがない」
   という女性が多いのだそうです。

  ・お金のために働くのか、自分のために働くのか
   お金のためなら税金や社会保険料を抑えて扶養内で働く選択肢もあるし、
   自分のためなら今は条件が悪くても、スキルアップのための仕事をして
   子供が大きくなるにつれてステップアップする、という働き方もできる
   つまり働き方が変わるのだそうです。
   (これはこの本ではほかの方も言っていました)

   また、扶養内でいいやという人も
   「100万の年収で20年働くより、240万の年収で10年働く方が楽」
   (どちらも手取りは同じだそうです)
   つまり今きっちり準備して、あとの10年でバリバリ働くという手もあるようです。

  ・他人に合わせない、どう生きたいのかを考える
   「友達が働き始めたから」などと始める人もいるが、
   家庭の事情はそれぞれなので、
   自分中心で考えたほうがいいとも話していました

  フィナンシャルプランといっても、人生はいろいろ想定外のことが起きるので
  きっちり決める必要はない。
  「将来の暮らしをどうしたいのか、それにはいくら必要で、どれくらい稼げばいいか」
  を設計できる能力があれば、何があってもぶれないとのことです

 (「今備えて、あとの10年でバリバリ働く」というやり方もあるんだなというのは新鮮でした。
  それから、子供がいくつの時に自分はこの年だから…と逆算するのは重要だと思います。)

〇女性の働きかたの変化
 次に主にデータ分析。女性の働き方、意識の変化をデータで見ています。
 ・女性就職率の変化
  女性の就職率はM字カーブを描く(子育て世代でいったん下に落ち込む)
  とよく言われますが、
  最近はこのMの落ち込みが減り、
  落ち込みのピークも30~34から35~39歳の後ろ側にシフトしているそうです

  つまり晩婚化あるいはキャリアを確立するため出産を後にしたり、
  出産しても辞めずに働く女性が増えている

 ・女性の働き方を世代別にみる
  筆者は女性の世代を
  1均等法前世代(1987年より前に就職)
  2均等法世代(1987~1993年就職)
  3バブル崩壊後世代1(1993年~2000年就職)
  4バブル崩壊後世代2(2000年~就職)
  に分けています。

  1均等法前世代
   1987年に男女雇用機会均等法が成立、これより前に就職していた世代
   結婚したら辞める人が多い。というか結婚退職制度があった
   このため、この世代は「辞める」ことを前提に人生設計している
   この世代の価値観が、日本のジェンダー意識に大きく影響しているらしい
  
  2均等法世代
   1966~70年生まれの人が相当するそうです
   結婚、出産を選ぶ女性が増え、働き続ける人も出てきたが
   育児と仕事の両立を支援する制度はなく、働く女性への理解も少ない

  3バブル崩壊後1世代は71~75年生まれ
  4バブル崩壊後2世代はそれ以降
   バブル崩壊後2世代では、育児と仕事の両立支援制度が充実してきたらしい
   2002年には少子化対策プラスワン、
   2005年には子供看護休暇制度ができたり、育児休業の対象が拡大したり
   男性の育児休暇取得も促されるようになった

   バブル崩壊後1世代では
   ・バブル崩壊により、男性の雇用が減る
   ・就職できずに非正規につく人も少なくない
   ・一方、正社員で働く人にしわ寄せがきて、長時間労働を強いられている
   このため、出産を機に長時間働けずやめる人も多く
   M字カーブは変わらなかった

   一方バブル崩壊後2世代では、制度が整ってきたこともあり
   出産をむしろ早めて働き続ける人
   やめてもすぐ働きだす人が増えた(ゼロ歳児を預けて働くなど)
   2005年以降に出産した人は、それ以前と比べて働き続ける人が多いなど
   ある程度制度の効果は上がっているとのことです
   ただし、非正規が対応されていないのは問題だそう

 ・女性の離職理由
  女性の離職理由を見ていくと、日本の雇用の問題点が見えてくる

  離職理由で最も多いのは「体力的、時間的に育児との両立は無理」
  前述したように一人当たりの残業は増えており、
  先ほど区分した4つの世代では、あとになるほど女性の残業が増えている
  また、夫の残業も多いため、
  家族からの支援が期待できない人が仕事を辞めてしまう
  
  このため女性の育児仕事との両立支援、男性の育児休暇取得などが
  まだまだ必要だとのことです
  ただそれでも、仕事にやりがいのある人は、何とか都合をつけて続ける人が多い
  このため、女性側も独身のうちから、
  一生続けられるような仕事を探すべきだとのことでした

 ・再就職の問題
  次に、女性が再就職するにあたりハードルとなるものは何か、を分析しています
 
  2007年の未就学児を持つ専業主婦は95%が再就職希望、
  というデータもあるそうです。

  では実際再就職する人はというと
  今は出産後1~2年後にすぐ働く人か、
  7年などブランクが空く人の両極端に分かれているそうです。
  前者は20代など若い人が多く、夫の収入を補うためという切羽詰まった事情の人が多い
  この世代は子供が小さいうちに働きはじめており
  「3歳児神話」はすでに昔のものという感じらしい

  一方40代などのバブル世代などは出産後仕事をやめ、
  そのあと子育てが一段落して、
  「自分だけ社会に取り残されている」感を感じて就職を希望する
  しかし実際探すと、こういう人たちに合う労働市場がない
  いまだに企業側が変わっておらず、
   ・ブランクが長い人は企業にとって嫌がられるし
   ・30代なら30代相当のキャリアパスで来たスキルを求める
  このため工場勤務、サービス、販売などの補助仕事の求人が多い

  ただし、コンピューターや薬剤師、看護師など専門性がある人材の市場はあるし、
  なにか夢中になれるものを見つけて就職できた人はハッピーになれるそうです

  ハッピーになれるものを見つけるための「ケイコとマナブ」元編集長さんのアドバイスとしては
  ・離職期間をブランクとせず、自信を持つ
  ・育児、社会活動の経験をビジネスに応用する
  ・離職期間に勉強などして専門性を身に着ける
  ・NPOなど、企業以外での働き方も視野に入れる
  ・人脈を作ったり、昔の人脈を当たってみる
  再就職を、自分の今までの生き方の見直し
  これから何をしたいかを見つけるきっかけにすればいい、
  とのことです
  
(ここでの時代ごとの分析には実感迫るものがありました
 私が仕事をやめ、上の子を出産したときは、
 子育てと仕事の両立支援の法律や制度ができたころ…

 なので、同期、同級生などは、1人目出産のときは
 育児休暇はしっかりとれるようになってきた。
 でも第一号で前例がないとか
 夫側の育児休暇が取れる雰囲気ではない、などまだ少し使いにくそうでした
 (私は結婚して、職場が県外になり
  すぐに仕事をやめてしまったため、その恩恵はあずかっていないが)

 一方第2子くらいになると職場も育休女性に慣れてきたり
 夫も育休が取れるようになったりで、だいぶ進んだなという感じです
 だんなも自分の時は一日しか育休取れなかったけど、
 後輩は1か月取っていた、とのことでした
 
 また、上の子が園に行っていたころはまだ専業主婦も少しはいましたが
 下の子が園に行く頃は、働いてない人の方が珍しい
 (赤ちゃんがいる人くらい)
 少しずつ共働きはしやすくなっているのかな、と実感しています

 なので制度の充実って結構大事だと思います。
 今の政府の女性支援、もうちょい頑張ってくれんかな。)

〇大学での学び直し
 ここでは
  日本女子大学の「リカレント教育課程」
  昭和女子大学「学び直し講座」の紹介をしていますが
 その前に高学歴女性についての分析がされており、これも興味深かったです

 ・高学歴女性についての分析
  昔は高学歴でも結婚すると仕事をやめる人が多かったそうです

  大卒、高卒の女性の就職率の変化を見ると、
  1987年では
  20代では大卒の方が就職率は高く、9割近い
  30代になると、大卒女性は5割強に落ち込む
  むしろ高卒女性の方が6割近く働いている
  また、大卒女性は5割強のまま60代近くまでフラット

  つまり育児などで半分はやめてしまい、
  働き続ける人は働くが、やめた人がまた働くことはない

  しかし2007年では
  高卒女性も大卒女性も30代で落ち込むが、
  40代後半で再び就職率が7割以上に上がる
  高卒も大卒も、30代以降の就職率にあまり差はない
  M字の下がり方も緩やか
  という特徴がある

  つまり若い世代ほど結婚や出産前にも働き、辞めない人も多いし辞めても復帰も早い
  若いときの男女の就職率の差もなく、本格的な共働き時代になっている

  一方で別のデータでは、
  大卒の女性は勤続年数が伸びていないそうです
  1985~2007年の推移で見ると高卒、大卒女性、高卒、大卒男性で比べると
  大卒女性だけ伸びが悪いらしい、つまり5年などでやめてしまう

  この理由として
  育児などで退職するほか、
  キャリアアップを求めて自ら転職するケースもある
  自分の理想が周りと合っていない、というのもあるらしい

  理想としているコースをアンケートで聞くと
  大卒女性は「結婚して子供を産み仕事を続ける」を4割以上が選ぶそうですが
  現実は
  「いったん辞めて再就職するだろう」
  と言う人が多いそうです

  また、専業主婦になった大卒女性は就職を希望しているが、
  実際に仕事を探している人は少ない、特に高学歴女性は少ないそうです
  理由を「育児のため」という人が多い

  筆者は
  「親の世代の価値観と、
   新しい現実とのギャップとで揺れ動いている」
  と分析しています
  働きたいけど、親から植え付けられた「子供が小さいうちは母親が見るべき」
  という価値観に縛られて、働き続けられない、ということかな?

  一方でキャリアを求めて結婚前に転職する人もいるし
  結婚を軸に人生を考えるのではなく
  仕事を自分のアイデンティティとして捉える人が増えている
  とも話しています
  なので、独身のうちにやりがいのある仕事を見つけることが大事なのだそう

 (大卒女性の揺れる心情…というのはわかる。
  私も「子供が小さいうちは母親が」という価値観は何とかならんのかと思います。
  それでも、前述のとおり、男性の育休取得促進、女性の時短勤務促進などで
  少しずつ正社員に関しては待遇が良くなっているので、
  またデータにも変化が起きるのかもしれない。

  問題は、非正規の方の待遇改善と、
  いったんやめた人の再就職支援というか、
  再就職市場がまだ少ないことかなあ。

  非正規の方は育休制度がなかったり、
  職場を転々とするばかりでキャリアアップがなかなかできない問題点がある。

  また、再就職が難しいのは
  新規採用が前提で、給料体系も右肩上がりが前提、という制度が原因だと思う。
  転職市場でも、30代の人にはそれなりの給料を出す代わりに、
  それなりの能力を求めたりする。
  なのでブランクがある主婦などは使いづらいのだろう。

  年齢にかかわらず、ブランクがあっても再チャレンジできたり
  人によって柔軟に給料や仕事内容を変えられる制度があればいいいのになあと思います)

 ・大学の再就職支援
  次に、日本女子大の「リカレント講座」
  昭和女子大の「学びなおし講座」を具体的に紹介しています。
  日本女子大は1年、
  昭和女子大は3か月の講座で
  どちらもパソコンなど総合的なビジネススキル養成とともに、
  就職の斡旋や相談もしているのが特徴的、みたいです。
  しかしその前に「どういう生き方をしたいか」
  を考えさせることは重視しているようです。

 (ちなみにこの動きは広がっていて
  明治大学や、関西では関西学院大学なども同じような講座をされているようです
  単発なら社会人向けの講座を開いているところもありますね)
  
  それぞれの担当者とのインタビューが書かれていますが
  長いので私の印象に残ったところを上げると
  ・受講者は大体二つに分かれる
   一つは若くて非正規が長く、キャリアアップで正規雇用になりたい人、
   もう一つは3040代の専業主婦で、子育てが一段落し、働きたいが自信がない人
   他は、正社員でキャリアをやりつくしたが、これからを見直したい人、などもあるそうです

  ・受講者の変化
   担当者によると「最初はお客さん気分の人が多い」そうです。
   しかし講座を受けていくにつれ、主体性や自主性が出てくるらしい
   講師の方は「その服は何?」とか「それくらい自分で調べなさい」
   など結構ビシビシやるそうです。
   修了生の話によれば、そうやって厳しくやってくれたことが仕事に生きた、とのことでした

   服などもびしっとした服にしないと雇用主に気合が伝わらない、
   姿勢など、態度から変えていくし、
   自分から何かを調べたり吸収しないと仕事ではやっていけない、ということらしい。
   
  ・受講生どうしの絆が作れる
   PTAやママ友、仕事仲間では、
   自分の生き方など、プライベートなことについて真剣な議論をする機会はない。
   同じ目標に向かっていく仲間どうしなので、絆が生まれるそうです

  ・やってみたらいい、そこからキャリアが広がることがある
   これは担当講師の方のアドバイスですが
   受講生、修了生はやりたいのに動かない人が多いらしい
   全員が就職するわけでもなく、躊躇している人もいる
   しかし、そのときに「これ」と思ったものをつかんでとりあえずやってみれば
   次のキャリアにつながる道ができる場合がある
   なので、ピンときたら働いてみたら、とのことです

  またこの講義の話からちょっと脱線なんですが、興味深かった話。
  昭和女子大の講師の方は本業がキャリアコンサルタントだそうで
  最近は若い人の相談も多いらしい
  若い世代は夫も妻も非正規の共働きの人も割と多く、
  非正規なので子供ができても育休制度がなく、辞めざるをえない
  しかし生活のためにすぐ働かないといけない、働きたい、という相談が多いそうです
  「若い人は大変だな、と思います」と話していました

  しかしこのコンサルタントさんは、
  そういう人にはそんなに焦らなくていいのでは、と話すらしい
  3歳児神話とかではなく、お母さん自身がしんどいからだそうです。

  子供は小さいほど手がかかる。
  また、子育てに触れ合える経験はなかなかないから、それを逃すのももったいない
  キャリアやお金は後からでもどうとでもなる
  その代わりしっかり休んで、準備をしっかりして、次に備えればいいのでは、
  とのことです
 
  逆に男性はなかなかそういう経験はできない
  キャリアブレークを、
  キャリアや生き方の見直しができるきっかけ、
  場合によっては全く違うキャリアに挑戦する機会、
  と前向きにとらえたらいいのでは、と話していました

(とりあえずやってみたらいい、という言葉は印象に残りました。
 動かんと始まらないということね。

 あと、子供が赤ちゃんのうちから働くのは
 「自分が」しんどい、というのは共感します。

 ある新聞では、3月の保育園の定員に入るため、
 予定日前に無理やり帝王切開して出産した、という例が書かれていて
 それで本当にいいのか?と思ってしまいました。
 批判とかいう意味ではなくて、その人と赤ちゃんの体が心配だなあと…
 何かあったら取り返しがつかない、仕事どころじゃないでしょ?

 産んだばっかりって、自分も体調も戻ってないし、
 赤ちゃんもなんでも食べられるわけでもないし、動けないし…
 自分にとっても子供にとっても、ほかの家族にとっても無理のない選択肢
 (それは家庭によって違うと思うけど)
 をすべきだと思う)

〇ハロワの取り組み
 東京の「マザーズハローワーク」の取り組みの紹介。
 同じような施設は全国にできていて、
 出産で退職した女性の再就職支援が進んでいる、という話でした。

 最近では、小さい子を抱えたお母さんが、今から働きたいというケースが多いらしい
 そういう人は、保育園に預けて…という考えを持つ人が多いが
 サポートする人はいるのか、ベビーシッターなどの手もある、
 などいろんな選択肢を教えていくそうです。

 それから再就職支援に関しては、
 マンツーマンでの支援も行っているそうです。
 できれば長期間でマンツーマンでその人の適性、したいことを見て
 信頼関係を作りながらアドバイスしていく方がうまくいく、とのことでした
 (ただし、人手が足りないそうですが…)

 その担当者にもインタビューしていて、印象に残った点を挙げると
 ・3040代でなかなか就職が決まらない人は、スキルがあっても条件を下げない人が多い
  自分がバリバリ働いていたころのイメージがあるので、
  この給料では…とか、この環境では…などという人もいるらしい
  そういう人には
  「今はこれで不満かもしれないが、キャリアを積めばステップアップは可能、あとはあなた次第」
  と説得していくそうです

 ・厳しく言われなれてない
  主婦生活が長いと、友人や家族など、自分に甘い人ばかりになる
  なので、厳しく叱ったり欠点を言ってくれる人がいないため、
  ちょっと厳しいことを言うと泣きが入る人がいるそうです。
  なので、マンツーマンの場合は信頼関係があれば、時にはびしっというのだとか

 ・自分の能力を客観視し、一方で自信を持つこと
  社会に出ていないと、自分の市場価値をわかっていない人が多いそうです。
  昔の栄光にとらわれず、
  自分が今社会に出た時にどれくらいの価値があるか、客観的に見る必要があるとのこと

  また一方で、ブランクがあるために必要以上に自信を無くしている人も多いらしい
  仕事はしていなくても、PTAなどで人前でしゃべる経験があった人などは、
  ブランクが長くても早く見つかる可能性が高いので、
  離職期間にしていたこと、子育て経験などに自信を持つといいそうです。

〇アメリカのリローンチ・プログラム
 次に、アメリカで再就職支援のプログラムをしている方の話がありました。
 アメリカって女性がバリバリ働いているイメージがあったんですけど(私だけ?)
 意外にも育児などでやめてしまう人は多いそうです。

 彼女たちも就職希望はしているが、
 子供の行事に抜け出せるなど、理想の条件に合う仕事がなかなかない
 そもそも、どうやって再就職したらいいか分からないらしい

 一方社会でも、このような女性たちの潜在能力に注目が集まっているらしい
 ベビーブームが終わり、労働力不足が予測されているため

 ハーバードビジネススクールはこのような女性を集めて
 座談会やフォーラムなどを開いたり
 そこで実際復職した人に、ケーススタディとして講演してもらったりしているらしい
 そしてそこで出会った卒業生どうしが
 自分たちの経験をもとに再就職プログラムを作ったのだそうです。

 そのリローンチ・プログラムは7つのステップがあるそうで
 一応ざっと書きますと
 1再就職するかしないか決める
 2自信を取り戻す
 3キャリアの棚卸をして、キャリアの選択肢を洗い出す
 4スキルをアップデートし、備える
 5ネットワークを広げて自分を売り込む
 6家族のサポートを得る
 7再就職、あるいは復帰

 1の再就職するかしないか決める
  については、
  ・仕事にまだ意欲があるか、仕事をしなくて寂しいと思っているか
  ・趣味やボランティアにどれくらい時間を使っているか
  ・一日何時間仕事に使えるか、何時間家族に使えるか
  ・家族からのサポート、応援が受けられるか
 などを自問するといいそうです。

 また筆者の調査によれば、実際就職した人の話を聞くと
 「機が熟した」と思う瞬間がその人にやってくるらしい
 それは人それぞれだが、
  ・子供が小学校に上がった、という物理的なきっかけもあれば
  ・社会から取り残されている、というさみしさを急に感じた、という人もいる
  ・テレビや本がきっかけ、という人もいるそうです

 2自信を取り戻す
  これは先ほどハロワでも言ってましたけど「それまでの経験は無駄じゃない」
  と思うことが大事なのだそう。

 3キャリアの棚卸しをして、選択肢を洗い出す
  これはプログラムを作った方の経験では
  「それまでは金融の仕事をしていたので、当然それにまたつくと思っていたが、
   実際仕事をやめてみると、自分は金融の仕事が好きでないことに気づいてしまった。
   これは私にとってショックだった」
  彼女はそこから、人と話すのが好きと気づき
  キャリアアドバイザーの仕事にたどり着いたそうです

  このように、今までの仕事に縛られるのではなく
  自分のしたいこと、最優先事項を考えていくといいそうです。

  これも人によりさまざまで
   子供との時間、職場での人間関係、仕事自体のやりがい、会社の知名度、社会貢献できるか…
  重要視するところはいろいろある。
  この段階では、正社員とかパートタイムなど、とらわれないほうがいいそうです。

 4スキルをアップデート
  キャリアの方向性を決めたら、最新情報に追いつけるようにしておく
  例えば新聞を読む、講座を受ける、自分で勉強する、など
  プログラムを考えた方も、6年新聞を読んでなかったので、半年かけてじっくり新聞を読んだらしい
 
  ほかに、面接の練習、自己紹介の仕方、
  洋服も今の自分に合わせる、態度もびしっとしたほうがいいそうです。

 5ネットワークを広げて売り込む
  ママ友でもいいし昔の知り合いでもいい、チャンネルを広げておくこと
 6家族のサポート
  家族に伝えてサポートをお願いする
  あとで出てくる成功例の方もこれは強調していました。

〇実際の成功例とその方からのアドバイス
 日本で起業や再就職をした方のアドバイスがありました。
 ざざっと上げていくと
 ●家族からの協力を得る方法、
  ・子供に仕事のことをちゃんと話す、職場に連れていく、
   子供の地域活動にも参加していく
  ・夫にもアドバイスを求める、夫との時間も大事にする
  ・家族に感謝を示す、家族に合わせて働きかたをコントロールする
  家族にも協力してもらわねばならないので、
  感謝を示すこと、
  それから無理が出ないように大人なので自分でコントロールすること、だそうです

 ●社会復帰するとき
  ・好きなこと、続けられることから考える
  ・どれか1つを選ぶのではなく、バランスを状況に合わせて変える、
   仕事への意識を高める
  ・折り合いをつけて頑張りすぎない
  ・年齢は気にせず若い人からも学ぶ

後半の具体的な話は参考になりました。
特に
「ブランクが長い人は、自分の市場価値を過大評価しているか、過小評価している」
「厳しく言われることに慣れていない」
てのは確かにそうかもしれないなあと思います。

まあうちの場合はじーさんばーさんもいるので
結構厳しいことも言われるから、逆にそれがいいかもしれないが…

自分の市場価値か。
実際社会に出たらそれがお金として明確に評価されるわけで、確かにシビアだなー。

まだ時間はあるので、
自分の分析もきちんとしたいと思います。
個人的には「家族のサポートを受ける」
あたりが一番ネックになりそう…
そのタイミングになったら
自分の中で「今がこの時期」という感覚が来るのかな。
それまで自分の力を鍛えておこう。

というわけで、今回はこの辺で。


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2017年05月26日

Eテレオイコノミア「あなたの知らない“お菓子”な経済学」

Eテレオイコノミア「あなたの知らない“お菓子”な経済学」

今日のテーマはスイーツだそうです。
講師は大竹先生。

今日の舞台は都内のロールケーキ屋さん。
又吉さんと先生が二人で訪れています。
先生が
「実はこの中に、経済学的なロールケーキがあるんですよ」
先生が指差したのは一見普通のチョコレートロールケーキ。
これがなぜ経済学に関係あるのか?
ゲストの方が説明してくれました

○ゲストの辻口博啓さん
 このお店のオーナーパティシエさんだそうです。
 メディアに出たり、監修スイーツを出されていますね。
 もちろん本業でも数々の賞を受賞されているそうです。

〇「彼氏」だけでなく「お父さん」にも買っていくケーキ
 「実は、こちらのロールケーキはお砂糖を使っていないんです」
 今流行りの低糖質だそうです。

 最近は、健康志向のチョコが増えており、
 それに伴い、特にシニア世代のチョコ消費量が増えているのだそうです
 (50歳以上の方のチョコ消費量が、ここ15年で5割増らしい)

 辻口さんのお店では砂糖なし商品として
 チョコロールケーキの他、フォンダンショコラやスコーンなども置いている。
 現物もあったけどおいしそう…

 「5年ほどお店をしていますが、
  去年くらいから低糖質商品の動きが出てきましたね」
 女の子が彼氏だけでなくお父さんにも買う、
 など今までとは違う買い方も出てきたそうです

 砂糖ゼロでもなぜ甘いか?
 原料である砂糖ゼロのチョコレートを又吉さんが試食していましたが、
 これは甘味料を使っているそうです

 「甘味料は甘みのピークが早くてすっと消えるもの、
  後から甘みの来るものなどある
  これを組み合わせることで
  砂糖と同じ放物線を描くようにしている」

 先生は
 低糖質の商品は値段が少し高めにしている、と指摘。
 辻口さん
 「材料の調達とかコストもかかるので…」

 それでも買う人は買う。

 先生によれば、
 これは「低糖質」という機能を加えたことにより
 似ているけども違う商品になった、だから高くても買ってもらえる、とのことです。

 経済学的には、
 商品に機能とか特徴を加えると、
 その機能を欲しがる人はそれしか買わなくなる
 その商品はほかの商品と競争する必要がなくなり、高い独占力を持つようになる。
 このため高い価格設定でも買ってもらえるようになる、
 と考えるそうです。

 また、新しい機能を加えて差別化することで、
 「お父さん」みたいな、
 今まで買わなかった層もターゲットにできるようになった。
 辻口さんも
 「(これらの商品は)普段売れているもののプラスで売れている」
  ほかのスイーツとは競合していない、とのことです。
 又吉さん
 「新しい市場を作ったってことですね」

 経済学ではこれを
 「製品差別化」
 というそうです
  新しい機能、特性を付けることで商品を差別化し、消費者を獲得すること

 お菓子などは価格競争にさらされ、
 生産者にとって不利になりやすい商品なのだそう
 ここで機能を付け、製品差別化をすれば高くても消費者は買うようになる、とのことです

○甘いチョコレートのほろ苦い話
 スイーツの中でも好きな人が多いチョコレート。
 2015年の日本のチョコレート消費量は年間250t、
 日本人一人当たり年間2㎏食べている計算になるらしい
 先生
 「チョコレートの原料になるカカオの産地はご存知ですか?」
 又吉さん
 「ガーナ?」 

  実際は、
  コートジボワール、ガーナ、
  インドネシア、
  ナイジェリア、カメルーン…など

 「サッカーの強いところが多いですね」

  実はこのカカオ豆を作っているのは低収入の家族経営の農家が多く、
  彼らの貧困が世界的な問題になっているのだそうです

  チョコレートがたくさん売れているのに、カカオ農家がなぜ貧しいのか?
 先生
 「カカオの市場が、仲介人の「買い手独占」だからなんです」
 「買い手独占」
  たくさんの仲買人がいれば、競争が生まれて高く売れるが
  仲買人が一人だと競争が起きず、安く買いたたかれてしまう
 先生
 「この状態だと売り手の交渉力が低くなるんですね」

 これはなぜか?
 辻口さん
 「談合しているからですかね」
 先生
 「一番の原因は貧しいからなんです」
  農家の人もある程度豊かなら、
  車で自分で市場まで売りに行ける(カカオ豆は重たい)、
  貧しいと車もないので、
  村まで買い付けに来てくれる人に頼るしか無い
  そこで買付の人が少数だったり、
  この村はこの人とか、談合で決めてたりすると安く買われてしまう
 辻口さん
 「マフィアが村を抑えていることも…」

 さらに問題なのは児童労働。
 子供が農業を手伝うのに忙しく、学校に行けないのだそうです。

 コートジボワールでは児童の120万人がカカオ農園で働いており
 農家の1/3の子供は学校に行けていないのだそう

 辻口さん
 「貧しいからなかなか勉強をさせてもらえないし
  小さいうちからカカオを取るしかない生活だから
  それ以外の思考が働かないんですね」
 又吉さん
 「カカオづくりに没頭しないと生活できないから、
  勉強に没頭する時間も余裕もなくなる」
 教育を受けていないから、
 転職しようにも他の仕事ができない。

 子供たちに教育を受けさせてあげる仕組みを作らないと、
 なかなかこの図式は直らないらしい

○カカオ農家への啓発活動をするチョコレート屋さん
 次に又吉さんが取材したのは都内のチョコレート屋さん。
 ここは仕入れ、製造、販売を一貫して行っており
 手間がかかるため1枚1000~1500円するそうです
 又吉さん
 「生産者を幸せにするチョコレートがあると聞いてきたんですけど…」

 「中間業者を飛ばして生産者から直接仕入れるんですけど、
  それだけじゃないんです」

 それを知るためにまず又吉さんがチョコレート作りを体験しています
 チョコレート作りの手順としては
  1カカオ豆を焙煎する
  2豆の外皮を取り除く
  3豆と砂糖の割合を決める
  4豆と砂糖をミルにかけて、豆を砕きながら混ぜる
  5型に入れて冷蔵庫で冷やす

 最初に焙煎する前に、
 又吉さんがカカオ豆を試食していました。
 最初はハイチ産のカカオを食べてましたが
 「この状態で食べるの初めてです。
  おつまみにいいかも」
 おつまみとして豆だけ買っていく人もいるそうです。
 カカオ豆ってそのまま食べられるんですね。知らなかった。

 次にベトナム産のカカオを食べてましたが
 「あ、感触が全然違う。
  違う種類のを食べたら分かります」
 「チョコレートも、原料の豆によって全然違う味になります。
  それを体験してもらいます」

 (カカオには本当にいろんな種類があって、
  「クリオロ種」
  (病害虫に弱く、栽培が難しいが、豊かな香り、まろやかな風味。主に中南米で栽培)
  「フェラステオ種」
  (病害虫に強く成長が早く、世界のシェア8割以上。苦味酸味が強い。アフリカや東南アジアで栽培)
  「トリタニオ種」
  (上記2種のハイブリッド、中南米、アフリカ、東南アジアで栽培。)
  などがあるそうです。
 
  なのでおおざっぱにいえば
   アフリカ系のは苦味酸味、渋みが強くて力強い風味、
   中南米のものはフルーティー、まろやか、
  みたいなんですが、産地とか村、栽培する品種などによっても全然違うみたいです。

  チョコと一口でいっても、
  「スパイシーな」とか「フルーティーな」など
  ブレンドによりいろんな表現があるようで、
  ここのような専門店で食べ比べてみると面白いかも)

 さてチョコレートづくりです。
 最初に豆を焙煎、外皮を取り除いて潰す。
 グシャっとなってしまうみたいで、慣れるまで難しそう。

 次に砂糖の割合を決め、佐藤と一緒にミルで砕く。
 又吉さんは7割カカオにしていました。
 (世に売ってるカカオ90%とかはこのことかな?)

 ミルにかけ、数分したらドロッとした状態になり、
 この状態でもおいしいそうです。

 最後に冷蔵庫で冷やし固めてから試食。
 「こんなにしっかりカカオの味がするのは初めてです」
 また、別の豆で作ったものを食べてみると
 「こっちは酸味が強い」
 豆の種類により味が変わるそうです。

 この店のオーナーの山下さんによれば
 「カカオ豆は発酵とか乾燥の仕方によってもだいぶ味が変わるんです」

 山下さんは
 「実はね、カカオ農家の方はチョコレートを食べたことがない人が多いんですよ」
 自分が何を作っているのかよくわからず、
 言われるままに豆の状態で売るだけの人が多いらしい

 そこでこのお店ではカカオ農家の方を対象に
 又吉さんが体験したように、
 現地でチョコレートを豆から作ってもらうワークショップを開いているそうです
 原料に手間をかけたものとそうでないものは、味が全然違う。
 これを体験してもらうのだそう。

 山下さん
 「農家の方も自分で何を作っているのか分かると、
  興味を持ったり、自分で計算するようになる方が出てくる。
  10人に1人くらいですけど。
  そこで、発酵などをちゃんとやってもらえれば、こちらもいい商品は高く買いますよと。
  お客さんも、そういうものは美味しいね、と言って高く買ってくれる」
 又吉さん
 「なるほど、ひたすら作っているよりも、
  作品みたいに扱ってもらうとモチベーションが全然違いますね」

 こうして、
 いいカカオを作る農家を育て、
 いいものを作ってくれたら高く買っている
 という試みを3年続けているそうです
 地道に続けていくことが生産者の生活を変える、とのこと

 辻口さん
「自分で豆を買い付けてブレンドして、チョコレートのバーを作る人をカカオティエって言うんですが、
 カカオティエは、どの村にどんなカカオがあるかの情報を持っている
 カカオティエはその人たちに会いに行って、
 自分の望むようにカカオを仕上げてもらって、
 市場の3倍くらいの価格で豆を買ってるんです」

 なので辻口さんがそうしたカカオティエから買うチョコレートも、
 普通のチョコの3倍するのだそうです

 先ほど「製品差別化」の話がありましたが、
 生産者側も商品の差別化をすれば、
 貧困から脱出できるかもしれない、
 とのことです

○情報の重要性
 次に先生が取り出したのは携帯電話。
 「これで農家の貧困を救えるかもしれないんです」

 1997年のアメリカの経済学者ロバート・ジェンセンは、
 インドのケララ州の魚市場で興味深い調査をしたそうです。

 それによると、
  ある市場では魚が足りなく高いのに、
  ほかの市場では格安で魚を売っているのに売れ残っていた
  これは漁師さんが、近さを優先して持ち込む市場を決めていたかららしい。

  そこで携帯電話により、どの市場なら高く売れるかをチェックできるようにしたところ、
  みんな利益が上がる市場に持っていくようになった
  結果、魚の価格も漁師さんの収入も安定したそうです

 先生
 「つまり携帯電話のおかげで情報を得ることで、
  効果的な市場に持っていけるようになった」
 辻口さん
 「知らないと何もできないですからね。
  知っているとそれに対していくらだそうか、とか思うようになる」
 インターネット、携帯電話などにより
 情報の流通も行えたら貧困が解決するかもしれない、
 とのことです

 又吉さん
 「カカオの大会とか開いたらどうですか、スゴいのが出てくるかも」
 辻口さん
 「それはまさに最近行われつつあって、
  実際にカカオの品評会があったんですよ」

 エクアドルで開かれたそうで、
 品評会では、みんなで豆を割って食べてジャッジして、
 その年の一番を決めたりする
 その土地のレベルを上げることができるし、
 いい豆を誰が作っているか、などが共有できるのだそう

 又吉さん
 「開かれている場所のレベルは上がっていきますよね」
 先生
 「お笑いの世界でも一緒ですか」
 又吉さん
 「そうですね。
  お笑いでも、テレビに出るにはどうしたらいいか分からなかったけど、
  先輩方がコントの大会とか開いてくださったんで
  何となくみんな出口があるぞ、ってそこに向かって努力できるようになったり
  その出口とはまた違う方法が出てきたり…」

 また、コンテストや品評会により
 いいものがどこにあるかの情報がすぐ手に入れられる
 又吉さん
 「カカオに一生捧げます、て言う人なら食べて行って探し回るだろうけど
  時間がない人は美味しいものをすぐ食べたいですしね」

○税金でダイエット?
 先生
 「又吉さん、この番組を始めたころと比べて太りましたね」
 又吉さん
 「そうなんですけど…先生割とはっきり言うんですね(笑)」

  そうですね、運動不足もあるし、食事制限もしてないし、
  今の仕事が終わったらやろうとか言ってるうちになかなか…」
 先生
 「今何、オイコノミア終わったらやろう、と?(笑)」
 又吉
 「いやいやそういう意味じゃなくて…」
 又吉さん、色んな番組に出てますしね。

 先生
 「又吉さん、経済学にも肥満を防ぐ方法があるんですけど。
  それは税金なんです」
 又吉さん
 「税金を払うと、痩せる…」
 先生
 「(笑)…あの、すごく今、実感こもっていませんでしたか?(笑)
  たぶん最近、かなりたくさんの税金をお払いになったとは思いますけど…
  ちょっとやつれました?(笑)」
 又吉さん
 「ちょっとやつれました(笑)」
 又吉さん、新作売れて税金たくさん払った?(笑)

 それはさておき、
 肥満のもとになるものに税金をかける話でした

 「砂糖税」
 イギリスでは肥満が問題になっており、
 (なんと15歳以上で6割、子供でも3割強が肥満なんだそうです)
 2018年導入予定だそうです

  これは
  砂糖入り飲料のうち、
   100ml当たり5~8gの砂糖を含む飲料については、1リットル当たり18ペンス(25円)
   100ml当たり8g以上の砂糖を含む飲料はもう少し高く、1リットル当たり24ペンス(33円)
  の課税だそうです
  税収は、子供への肥満防止プログラムに使われるのだそうです。

 ちなみに同様の税制は他国にもあるそうで
  メキシコでは「ソーダ税」
   2014年から導入、砂糖入り飲料に対して1リットルあたり1ペソ(6円)課税
  カリフォルニア州バークレー市では「ソーダ税」があり
   2015年から導入、砂糖入り飲料の1オンスあたり1セント(1円)

 辻口さんは
 「これは利にかなってますよね」
 商品の作り手、メーカーからすれば、
 砂糖を取り除いて健康的なものを作ろうという気になる、とのこと

 又吉さん
 「今のところジュースだけなんですか」
 先生
 「チョコレートとかケーキっていうのは、時々食べるご褒美的なものとして免除
  ジュースは日常的に飲むから課税されるんだそうです」
 辻口さん
 「ほっとしました。ロンドンでお店開くのやめようかと思ってた」(笑)

 先生によれば、
 これは人の行動を変えることを目的とする税で
 「ピグー税」と呼ぶそうです
  例えばロンドンの「渋滞税」
  これは渋滞を防ぐためで、
  7時~18時に課金区域内で運転するドライバーは
  一日11.5ポンド(1600円)支払わねばならないそうです

 これにより、都心に行くときはバスや地下鉄などの公共交通機関を使うようになり、
 渋滞を避けるインセンティブになった、とのことです

 先生
 「普通経済学では、税は人の行動に影響を与えてはよくないとされているんですね。
  例えば所得税は、重すぎたら働く意欲を無くしてしまいますよね。
  でも砂糖税とかピグー税は、
  行動を変えることで社会をよりよくする目的があるという変わったタイプの税です」

 でもみんなの行動が変わることで、
 最終的には社会やみんなのためになる。
 又吉さん
 「いいように利用すればいいってことですね」

 (ちなみにピグー税は、イギリスの経済学者アーサー・ピグーが考えた税なのだそうです。
  もともとは、企業が環境汚染や薬害を起こすケースなど、
  企業の生産活動によって、
  消費者に対して、市場への直接的な取引を介さずに悪影響を及ぼすこと
  (これを外部不経済、というそうですが)
  を防ぐために考え出された課税のようです。
  環境税、ガソリン税などがこれに当たる。

  ほかにこの「外部不経済」を防ぐ手段としては、
  ・エコカー購入などへの「補助金」
  ・車の排気ガス規制などの「一律的な直接規制」
  ・排出権取引のような当事者間の「取引」
  などがあるそうですが、

  ピグー税については、
  ・「一律的な規制」などのように、企業の生産活動を制限することはない、
  ・税収を別の補助金や投資に回すことができる(イギリスの砂糖税で言えば、子供への教育に回せる)
  ・行動を変えるインセンティブになる
  などのメリットがあるそうです)

 先生
 「日本で砂糖税が導入されたらどうですか」
 辻口さん
 「嫌でしょうね(笑)パティシエなんでいい気はしない…」
 先生
 「ジュースだけならどうですか?」
 辻口さん
 「んー…。僕がいいよと言っちゃうとねえ、たたかれますよね」(笑)
 と困った様子。
 又吉さん
 「ジュースが甘さ控えめなら、
  逆に甘いスイーツが食べたくなるんですかね?」
 辻口さん
 「…あんまり敵を作りたくないんで…」
 ますます困ってました(笑)

 先生がそこで助け舟?
 「辻口さんなら、砂糖がダメなら、
  それ以外のもので美味しいスイーツを作ろう、となりませんか」
 辻口さん
 「それはたしかにありますね。
  自然甘味料とか、甘味のある素材を持つものを使ったり、
  小麦粉もアーモンドの粉に変えるとか、
  極力糖分を抑えて美味しいものを作ろうと考えますね」

 ただしこの砂糖税には批判もあり、
 「ジュースだけでは意味がない」
 「特定の町だけなら隣町に行って買ってしまう」
 と言う意見もあるそうです

 しかし、メキシコのソーダ税は、
 導入した次の年にジュースの消費量が9%減、
 特に低所得者層で見たら17%減、
 という結果もあるそうで
 一定の効果はあるという見方もあるそうです

○最後のまとめ
 先生
 「又吉さんって、世界から貧困を無くしたいといってますけど、
  カカオ農家の貧困などで何か考えたことはありますか」
 又吉さん
 「いろいろ考えたんですけど、間に入っている業者が稼ごうと思いすぎてるんじゃないかと」
  ビジネスでは当たり前なのかもしれないけど、
  もっと大きな目で見たときにそれでほんまにええんか、と話していました。
 先生
 「ただね、稼ぎたいと思っている人の気持ちを変えるのは難しいですから、
  そこはやっぱり、やってはいけないことを自然にやれないような仕組みを考えるのが、
  経済学だと思うんですよね」
 又吉さん
 「間に国が入ればいいんじゃないかと思いますけど」
 先生
 「国ね…、ちゃんとした国ならいいんですけどね。
  やはり、情報をどうやって流通させるかっていう仕組みを整備していくこと、
  それから情報を使えるように子供たちを教育していく、
  ということが将来的には必要なのかなと思いますね」
 とまとめられていました。
 
 ちなみに番組内でコラム的に
 「あなたの好きなスイーツは?」の街頭インタビューがされていましたけど、
  「和菓子」「チョコケーキ」などの定番のほか、
  「スキー場のアイス」
  「キャラメル、歯にひっつくのが好き」などマニアック的な方、
  スイーツ男子の「はちみつが最近好きで、ミートスパゲティにかけた」
  外国の方の「日本の果物」「小豆アイス」
  なんて意見もありました。
  あと、
  「ストロープワッフル(オランダのワッフルらしい)」、
  「アラレショートブレッド(ハワイにあるらしい)」
  など、なにそれ?と気になるものもありました。
  いろんなスイーツがあるんですね~

  (気になったので調べたが、
   ストロープワッフルは、
    薄ーく焼いた二枚のワッフルに蜜を挟んだものだそうで、
    そういえば輸入食料品店とかに売ってるね。
    ゴーフルが格子状の凹凸になったようなものかと思われます。
  
   あと、あられショートブレッドは
   https://www.wholesaleunlimitedhawaii.com/index.php
   のなかの
   「Betty's Best Cookies」というブランド名の商品にあります。
   日系の方が作ったみたいですね。
   ふつうのショートブレッドやクッキーもあるんですけど
   「ふりかけミックス」とか「ショートブレッドあられクッキー」
   などのユニークな商品がありました。しょっぱあまいのがおいしそう。)

感想など。
・機能とか、何か特徴を持たせることで売る、
 というのはコンビニ商品などでもよく見ますね。

 私はこのブログでもいろんな商品を紹介していますが、
 低糖質以外にも、乳酸菌入りだとか、コレステロールゼロなどの健康機能を持たせたもの、
 それから原料の産地に〇〇産のを使っていますよというアピールとか、
 高校生がプロジェクトで開発した商品だとか…

 消費者としても、何か物語性があると、よし買ってみようかなという気になる。
 やはり情報って大事ですね~

・日本ではすでに低糖質ブームなので
 あんまり砂糖税って必要ない気はしますが
 (逆にやりすぎて、レストランでご飯だけ残す人が出ているとか言っていました)
 イギリスの砂糖税が子供へのプログラムに使われる、
 というのはよくできているなと思いました。

 個人的には、喫煙税を作ってほしいのよね…
 うちはだんなが煙草を吸う人で
 結婚した時、唯一その条件が私にとってはだんなへのマイナスポイントでした。
 (ほかはパーフェクトなんですけどねえ…)
 自分の体にも悪いし、周りにもいいことないのに。

 しかし海外に旅行に行ったとき、その国がとてもタバコが高くてしかも灰皿もほとんどなく 
 吸わずに過ごしていました。
 「日本でもタバコがこれくらいになったら買う?」
 と聞いたら
 「禁煙するかも」
 って言ってた。
 今レストランとかで規制の法案を作るのどうのと言っていますが
 税金で値上げしてくれんかなあ。税収でニコチンのない代替商品を開発するとか…
 (喫煙家の方には申し訳ないんですけどね…)

・カカオ、コーヒー、バナナなど、
 貧しい国の農家を貧困から救う手段って、フェアトレードは聞いたことがあったけど
 山下さんのお店の取り組みは、フェアトレードよりよくできているな~と思いました。

 フェアトレードは歴史があるのでいろんなページで紹介されていますが
 「途上国の生産者の生活を守るため、
  不当に安い値段でなく、適正価格で彼らの商品を買う運動」
  具体的には一本何百円のバナナとか、ですね。

 フェアトレード・ラベル・ジャパンなどのページによれば、
 最低価格保証をするとか、児童労働をさせないなどの認証基準を決めて
 「フェアトレード」の認証をし、そのラベルを付けた商品を取引する、
 とのことなんですけど、
 私は大学の時にその活動を見て正直思ったのは
 寄付と同じだな~、ということでした。

 彼らのためというのは分かるが、
 消費者としては高いし、何が普通のバナナと違うのかよくわからん。
 結局、お金持ちが寄付感覚で買うものかしらと思っていました。

 また、フェアトレードには問題もあるそうで
 コナー・ウッドマンの「フェアトレードのおかしな真実」が有名みたいですが
 (私はこの本は読んでないので詳しく語れませんが)
 フェアトレードをするためには農家が組合に入らなければならないが
 そこで組合から農家がピンハネを受けている例もある…とか。
 
 でも山下さんのようなやり方なら、
 農家自身もいいものを作ろうという意欲がわくし、
 実際いいものだから、食べた消費者も、これなら高く買おうかなと思えるようになる。

 そうなると、農家が単に労働をやらされ搾取されるんではなく、
 自分で考えれば自分の生活を変えていける、
 ということが実感できるんじゃないかと思います。
 フェアトレードだと、結局組合の言いなりなわけで、
 買い取り業者の言いなりなのとあんまり変わらない気がする。

 ほかにも商品に付加価値をつけよう、と思う人も出てくるかもしれないですね。
 バナナで言えば、フェアトレードのようなブランドだけでは分かりにくいけど、
 何かわかりやすい価値(栄養が多いとか加工品にするとか)を付けて売る
 という戦略も出てくるかもしれない。

 以前「アニメ貧困の世界史」という番組をBSで見た時に
 「アフリカはヨーロッパに占領されるまでは、
  文化も経済も発展しており、高度なシステムを持っていた。
  (貝殻による貨幣などのシステムも独自に考えていたそうです)
  奴隷貿易により彼らの文化は壊滅的に破壊された」
 というような説明がされていた(うろ覚えですが)ので、
 もともとアフリカの人ってとても賢いんじゃないかと思います。

 ポテンシャル高そうだし、教育を受けたらもっとすごいアイデアができるかも…
 そうなるとほかの国にとってもメリットになるかも。

・貧困や格差の話になると、やはり「教育」の力って大きいなと思います。
 また、「情報を持つ」ことのパワーも感じます。

 教育や情報って、特別な土地や気候が必要なわけではないから、
 教える人や場所さえあれば、すぐに対処できるはずなんだけど、
 それを阻んでいるのが、こういう地域の治安の悪さとか戦争ですよね…
 (大竹先生が言うように「国の役人や政治家が信頼できない」というのもあるが)

 発展途上の国がはやく安定して、
 子供たちが教育を受けられるようになればいいですね。。

辻口さんのスイーツもめちゃおいしそうでしたけど、
いろいろ勉強になりました。
というわけで、今回はこの辺で。



 
 
 
posted by Amago at 12:45| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする

2017年05月24日

NHKBS「世界プリンセス物語~愛される理由とは~」

NHKBS「世界プリンセス物語~愛される理由とは~」

 ヨーロッパ王室で、庶民階級から王妃になった方々のシンデレラストーリー。
 なんですけど、ただの皇室ネタではなく、けっこう波瀾万丈で見いってしまった。
 女性の生き方、好かれ方を考える上でも参考になりました。

 司会は有働由美子アナとパトリック・ハーランさん、解説は池上彰さん。
 独身キャリアウーマンの有働アナはいじり倒されていました(笑)
 池上さんのヨーロッパ事情についての豆知識もなかなか面白かったです。

 ゲストはミッツ・マングローブさん、小芝風花さん、
 それからスペイン、ノルウェー、モナコ、オランダ、イギリスからの参加者もいました

 (この番組自体は2016年9月の再放送ですが、続編が土曜に放送予定なのでその番宣なんだろね)

○スペイン王妃レティシア
 最初はスペイン王妃レティシアの話でした。

 彼女は妃になる前は有名なテレビキャスターでした。
 父親がジャーナリストで、
 その影響でジャーナリストを目指したそうです。
 その後アメリカ同時多発テロ、イラク戦争の取材などにもバリバリ行く。
 容姿も美しく、若い女性の憧れだったそうです。

 皇太子もテレビで彼女を見て一目惚れしていたらしい。
 皇太子自身もイケメンですので当時女性に大人気だったらしい。

 2002年、共通の知人を介した夕食会で出会い、意気投合。
 そのときは話をしただけだったが、
 2か月後、石油タンカーの難破事故現場で偶然に再会したそうです。
 (彼女はレポート、皇太子は慰問のために来ていた)

 その後皇太子の熱烈なアプローチで交際を開始、結婚を決める

 しかし彼女には離婚歴があり、
 それが問題視された
 スペインはカトリック、
 カトリックでは結婚とは神の前の誓約で、離婚は許されていなかった

 国王も、皇太子が貴族出身のカトリックの女性と結婚することを望んでおり
 そのため皇太子はそれまでにも何回か結婚を断念させられてきたらしい

 しかしこのときは皇太子は
 「彼女と結婚できないならもう誰とも結婚しない」
 と宣言、本気を見せた
 一人息子で跡継ぎは彼しかいない国王も結婚を許した

 また、カトリック教会も、
 レティシアの最初の結婚は教会ではなく市役所に紙を提出しただけだったので、それでよしとしたそうです

 彼女は結婚前の記者会見で
 「みなさんの支えのお陰で…」
 「僕は支えてないけどね」
 「最後まで言わせてよ」
 と、皇太子に対等に渡り合う姿を見せ
 今までにない新しい皇太子妃という印象を与えた

 その後2014年に国王が引退、皇太子が王となり
 王妃となってからも彼女は社会的活動を続けているらしい
 キャスターだったから演説も上手なのだそう

 スタジオでスペインの方は
 「彼女はかなり有名なキャスターで、
  結婚を聞いたときはびっくりしたけど
  キャリアを持っているからいいんじゃないか、という意見が多かった」

 有働アナ
 「カトリックって絶対離婚しちゃいけないんですか?」
 池上さんによると
 「スペインでの結婚は二種類あって、
  教会で神に誓う教会婚と、
  市役所に書類を出すだけの市民婚があるんです。
  教会婚なら神の前の誓いなので離婚できない。
  市民婚なら許されるので、最初は市民婚だけにする人もけっこういます」
 フランスも同じなので、事実婚とか同棲が多いのだそう。
 「王室もたぶんどうしようか悩んで、彼女が結婚できるいい抜け道を見つけたんでしょうね」
 それから
 「イギリス国教会ができたのも、
  そもそもイギリスの国王が離婚したかったけど、
  カトリックなのでするわけにはいかなかった、
  そこで新しい教会を作ったという経緯があります」なるほど。

 また有働アナが
 「なぜ彼女は愛されたのでしょうね」
 ミッツさんは
 「たぶんいろんな女性が寄ってきてたんでしょうけど、
  このキャリアウーマン簡単に落とせないぞと思ったんじゃないですかね」
 と言ってました(笑)
 そう言えばVTRでもジャーナリストの方が
 「それまでにも女性の存在はあったが、
  彼にとっては退屈な女性ばかりだった」
 と言っていました
 知的な女性なのが良かったのかな?

○ノルウェー王妃メッテ・マーリット
 次はノルウェーの王妃の話です。

 彼女はなんと麻薬使用歴があり
 しかも麻薬所持の男性との間の子供が既にいたそうです

 彼女は年の離れた兄弟の末っ子として生まれたが
 11歳の時両親が離婚、父親と既に成人していた兄弟は家を出てしまった
 家族に捨てられたと思い込んだ彼女は麻薬に走ってしまったらしい

 しかし麻薬の売人との間に子供ができてから心を入れ換えようと決意、
 高収入の仕事を得るためにノルウェーの名門大学に通うことを決める

 その頃あるロックコンサートで王子と出会ったそうです
 彼女は人と接するのが上手だそうで、王子も声をあげて笑っていたとか

 彼女は大学に入学、通い始めたが
 王子もそのときちょうど留学先から帰り、同じ大学に通っていた

 彼女は経済的に大変だったので
 王子はシェアハウスによる支援を申し出たそうです
 彼女は悩んだ末彼の援助を受ける
 そのうち彼の人柄にひかれ、交際するようになったそうです

 しかし共同生活はすぐに公になった
 しかも彼女の麻薬使用の過去も暴かれた

 このため国民から反対されていたそうです
 それまでは開かれた皇室、7割の支持率だったそうですが
 このときはさすがに「皇室は終わった」と言われたらしい

 しかし結婚前の記者会見で
 彼女は過去を率直に語り
 「あのときは私は社会に反抗することを考えていた」
 しかし、
 「残念ながら過去は変えられません
  でも未来は変えられます。
みなさんの前で、麻薬とは縁を切ると誓います」

 この言葉は女性に勇気を与えたそうです
 池上さんの解説によれば
 ノルウェーではシングルマザーから生まれた子が半数を占める
 なので連れ子については寛容なのだそう

 もちろん麻薬所持は問題だが、
 ノルウェーは元々犯罪者に対して、罰するより更正を重視しているらしいです
 例えば刑務所はホテルの一室みたいに快適な場所になっている
 その結果再犯率は日本の4割超に比べ
 ノルウェーは2割なんだそう。
 人の更正を信じる国民性があるようです。

 (ちなみにパックンの話では
 アメリカも日本と同じで刑務所は罰するところという認識だが
 刑務所に行く度に重罪を犯すようになる人もいて
 「犯罪者の学校」と言われているらしい)

 彼女もいろんな過去から立ち直っている、
 ならば私もできるかも、
 と世の女性に勇気を与えたのだそう

 また、国王は
 「彼女はこちらから聞く前に、息子と出会う前の話をしてくれた
  何だ、もうすんだことじゃないか、と思った」
 王妃は
 「彼女は全てを正直に話してくれた、とてつもなく勇敢なこと」
 そして二人とも彼女の人柄に夢中になったそうです

 王子も結婚式の時
 「君ほど複雑でファンタスティックな人はいない、
  こんなに怒りを感じた人はいない、
  君の夫であることを誇りに思う」
 と語りかけていました

 彼女は王室に入ってからもいろんな人に気さくに声をかける
 義父である国王は
 「彼女は人の懐に飛び込むのがとても上手で、それは嫉妬するほど」
 と話していました

 ちなみに池上さんの解説によれば
 ノルウェーの皇室は国民とすごく近いらしい
 歴史的にも、ノルウェーはフィンランド王国などに支配されたこともあったが、
 そのあと独立したときに国民がわざわざ皇室を作ったのだそうです
 また、国王は第二次世界大戦でヒトラーに終われてイギリスに亡命したが
 亡命先から国民に団結を呼び掛けたのだそうです

○モナコ公国のシャルレーヌ王妃 
 次はモナコ公国の話。
 前の王(モナコでは大公というみたいですが)が女優のグレース・ケリーと結婚したのは有名な話ですね。

 モナコ公国はフランスとスペインの間にあり、
 紺碧海岸に面した小さい国
 大国に挟まれているので、外交力で生き残ってきたそうです

 王室も、観光を経済の柱とするため、
 カジノの建設、F-1グランプリの会場誘致などを積極的に行ってきたそうです

 治安のよさ、温暖な気候が世界中の富豪を惹き付けているようで
 国民の半分は外国からの方なのだそう

 さて、王妃の話です
 グレース・ケリー王妃の息子アルベール2世も庶民階級から奥さんを選んでます。
 それも水泳のオリンピアンなんだそう。

 NHKでは彼女とのインタビューが許可されたとかで、
 ご本人に生い立ちなどを聞いていました。

 彼女はジンバブエで生まれ、隣国の南アフリカ共和国に移り住んだ
 そこで水泳の才能を発揮
 お母さんも水泳のインストラクターで、遺伝的な才能はあったのかもしれませんが
 「水に入るのがとにかく好きだった」

 しかし当時南アフリカ共和国はアパルトヘイト政策が問題視され、
 世界からいろんな制裁を受けていた

 「私の水泳のキャリアは、
  ネルソン・マンデラが釈放されるかにかかっていた」
 マンデラ氏はアパルトヘイト政策の撤廃を訴え投獄された
 南アフリカ政府への批判から、
 南アフリカの選手は国際大会に参加できなかったそうです

 しかしマンデラ氏は釈放され
 シャルレーヌもシドニーオリンピックに出場、
 見事5位入賞を果たした

 その年、モナコ公国でも水泳の国際大会が開かれ、
 そこで金メダルを取り、表彰式で王と出会ったそうです
 王もボブスレー選手だったそうで
 そこから結婚に至ったらしい
 (王妃は20歳年下なんだそうです)

 スタジオでモナコ公国の方が
 「最初は外国の方で、英語しか話せないからどうかなと思っていたけど
  いろんな活動をされているからいいなと思うようになった」
 というような話をしてましたが、

 シャルレーヌ王妃は王室に入ってから財団を設立、
 子供たちに水泳指導を行ったり
 プールのない国にプールを作ったりしているそうです
 水の事故から自分の身を守れるようになってほしいと願っているのだそう。

 ちなみに最近では王妃が社会的活動をしている例は多く、
 前述のスペインのレティシア王妃は子供への教育、
 ミッテ・マーリット妃はHIV撲滅
 などの活動をされているそうで
 池上さんは
 「彼女たちは自分の生き方に誇りや責任を持っている
  地位がある立場だからこそ果たすべき責任、を自覚している」
 というような話をしていました

 さて、シャルレーヌさんは最後に自分の信条を披露してくださったそうです
 それは「許すこと」

 世界ではいろんな争いがあるが、
 自分を許し、他人を許せれば平和に暮らせる。
 これはマンデラ氏の姿から学んだそうです。
 祖国から学んだことは、今の彼女の人生にも生きているのですね。

 彼女は国民からも慕われているようで
 「彼女はパンを買いに来たわ」
 「気さくな人で、いい人を選んだね」
 など好感度はとてもあるようでした。

○オランダのマキシマ王妃
 次はオランダのマキシマ王妃です
 彼女は今でこそ大人気ですが
 2001年頃に当時王子だった王との結婚の話が出たときは大反対されていたそうです

 彼女はアルゼンチン生まれ、
 アルゼンチンの大学で経済を学び、
 ドイツ銀行ニューヨーク支店でバリバリ働いていた

 王とのなれそめの話は無かったんですけど
 彼女と結婚しようとしたとき  彼女の父親がビデラ大統領のときにアルゼンチンの高官だったことが発覚したそうです

 過去にアルゼンチンのビデラ大統領が圧政を行っており
 反対派の人たちを虐殺していたそうです
 池上さんの解説では
 日本ではあんまり知られていないが、
 オランダはアルゼンチンからの亡命者も多く、
 ビデラ政権を嫌う人は多かった
 と話していました。

 さらに、オランダでは王室の結婚に議会の承認がいるのだそう。
 しかし当時の議会では、当時の首相が助け船を出してくれたんだそうです。

 首相はマキシマと直接会い、
 彼女に好感を持ったそうです
 「彼女には人を引き付けるなにかがあった、
  しかも人の話をちゃんと聞く。
  自分にとって耳の痛い話でも素直に聞いていた
  彼女の知性を感じた」

 彼は結婚の力になりたいと彼女の父親について調査、
 その結果父親は虐殺に関与していないことが分かった

 しかし高官であったことは否定できないので
 首相は
 「父親に結婚式に欠席してもらう」
 という妥協案を提示したそうです

 マキシマは涙ながらに受け入れ、結婚は承認された

 しかしそのあと、王子は
 「ビデラの行為は大したことはない」
 という発言をしてしまい、また大反発を受けた

 このアウェイの空気を変えたのが婚約の記者会見だそうです

 これは全国で生中継されていたそうです
 最初はピリピリしたつめたーい空気で
 慣例を破ってお辞儀も拍手も無かった

 しかし彼女は誠実に質問に答えていく。
 記者さんの後の話によれば
 「驚いたのは、彼女が全てオランダ語で答えていたことです。
  しかもそれがうまいときてる。
  オランダ語は発音がとても難しい。
  アクセントは少し違っていましたが、それがかえってチャーミングでした」

 そして王子の問題発言に質問が及ぶと
 王子は
 「あれは言うべきではありませんでした…」
 するとマキシマはすかさず
 「ちょっと、おバカちゃんでしたよね」
 記者たちは思わずふっと笑ってしまい、
 一気にその場の空気が和んだそうです

 そのあとは
 指輪についての話とか
 「おめでとうございます、私はあなたの父親にも同じ祝辞をここで言ったんですよ」
 など、おめでたムードになっていました

 国民もこの記者会見を見て彼女の人柄にとりこになり
 「ちょっとおバカちゃん」
 は流行語にもなったのだとか

 実は彼女は、上流階級向けの語学学校でオランダ語を特訓していたそうです
 当時の講師の方によれば
 「彼女の語学能力はとても高かった」
 ちょっとおバカちゃん、も彼が教えたんだそうです。

 ちなみにスタジオにいたオランダの方は
 「もうみんな、王子はバカだなぁと思ってたんですよ」
 国民の気持ちをタイミングよく、ユーモアを交えていうところに彼女の頭の良さが見えるようです。
 有働アナ
 「使うタイミングが大事ですよね」

 結婚式ではマキシマは父親はいなかったが
 アルゼンチンの曲
 「さよならお父さん」
 という曲をマキシマが選び、演奏してもらったそうです
 「気の毒に感じた」
 という方も多かったですが
 ジャーナリストの方によれば、
 「彼女は父親だけでなく、祖国に別れを告げたのです」
 こうして彼女は完全にオランダ王室の一員となった

 その後国王は引退し、皇太子は王、マキシマも王妃になった
 彼女はいまだに王妃、ではなくマキシマ、と呼ばれ、国民に慕われているそうです

○イギリスのキャサリン皇太子妃
 最後はイギリスウィリアム王子の妻、キャサリン妃のお話でした。

 彼女と皇太子は大学の同級生、8年の交際を経て結婚
 美人でファッションセンスも良く、国民には大人気です。

 その魅力について
 「キャサリン研究家」
 なる方が解説してました(笑)
 魅力のひとつとして、
 彼女はファッションがお洒落なのにお手頃価格なんだそう。

 彼女の着ていたワンピースの実物もありましたけど
 どれも8000円、13000円…などだいぶ庶民的。

 しかもそれにアレンジを加えて着こなしている
 また、自分でお直しして違うスタイルにして着こなしているそうです。

 池上さん
 「イギリスは元々質素な国民で、その感覚に合うんですね」
 また有働アナが
 「これは税金で賄われるんですか」
 と聞いていましたが
 池上さんによれば
 「イギリス王室は自分の予算で賄っています」
 もとは税金の補助もあったが、
 リーマンショックなどで財政が厳しくなると
 女王が自分達で賄うと決めたのだそうです
 「収入源はあるんですか」
 「実はイギリス王室は大地主なんです。
  都市部などにも多く土地を持っていて、その賃貸で収入を得ています」
 なるほどー、知らなかった。

 また、ミッツさんの分析によれば
 キャサリン妃が好かれているのは
 義母でもあるダイアナ妃を上手にリスペクトしているからではないか、とのこと

 例えば婚約会見はダイアナ妃と同じ青いドレス、
 指輪は義母さんの片見の指輪
 ミッツさんは
 「旦那さんのお母さんの指環もらうってなかなかできないよね」
 と言ってました

 それからキャサリン妃が長男ジョージ王子を出産されたのは、
 ダイアナ妃がウィリアム王子を出産されたのと同じ病院

 また、王子や王女は生まれて3か月目に洗礼式があるそうですが
 (これはイギリス皇室に入るための大事な儀式なのだそう)
 普通は大きなバッキンガム宮殿でするらしいのですが
 ジョージ王子の洗礼は
 ダイアナ妃が事故で亡くなったとき安置された宮殿で行われた

 また、長女を出産されたときには名前にダイアナを入れ、
 洗礼式はダイアナ妃が受けた所と同じにしたそうです

 ミッツさんは
 「こういうのを軽やかにやるのがキャサリン妃のスゴいところ」
 と言ってました。

 有働アナは
 「謙虚に計算高い人なんですね」
 と身も蓋もない言い方をしてましたが(笑)

 池上さんは
 「うーん、まぁ、ざっくり言えばそうなんですけど、
  もう少しオブラートに包んだ表現にすればいいのに」
 とバッサリ切り捨ててました(笑)

○その他の豆知識
 その他、池上さんの解説では
 王室がなぜヨーロッパに多いかというと
 国民との関係を良くしていたからみたいです

 フランスのように国民と対立していた国は
 国民により王室はつぶされてしまった
 しかしイギリスは市民革命で上手に国民に権力を受け渡してきた、とのことです

 他に、イギリスエリザベス女王の日課なんかも紹介されていました(笑)
 ファンレターが日に200~300通来るそうで
 毎日全てに目を通しているのだそう。

 また、たくさんの人と謁見もされている
 イギリスの方によると
 「女王に謁見するときは事前に説明があります」
 女王の手を握ってはいけない、
 女王が握るまで待たないといけないと言われるらしい

 また、女王は誰にでも
 「Have you come far?」
  (遠くからいらしたんですか)
 とお尋ねになるそうです

 当たり障りないし、話も膨らむので普通の人にも使えそうですね。

 番組の終わりではアメリカ人のパックンは
 「アメリカは自分の実力で地位を勝ち取ると考える、
  王室は与えられた地位のようだけど
  実は彼女たちも実力で地位を勝ち取っている力強さを感じた」
 というような感想を話していました


彼女たちは
・過去よりも未来、
・自分よりも社会のため、
という姿勢が支持される理由なのかなと思いました。

人間は誰しも失敗とかあって、
普通は過去にこれやっちゃった、
相手や周りはどう思ってるんだろう、とか、
こんな生まれだし…
とうだうだ悩んでしまうけど、

でも本当は、
してしまったことは潔く認めてゴメンナサイ、とする方がカッコいいんだなぁ、と。

なにも弁解せず、みんなのために地道に働けば、
評価は後からついてくる。
くらいの気持ちが必要なのかな。

個人的にはノルウェーのミッテ・マーリットさんとかオランダのマキシマさんとか、
美人なのに大阪のおばちゃんみたいな親しみやすさが同居してるのが良いなぁと思いました。
それでいて頭の回転は速いのが羨ましい。そんな女性になりたいわ。

それから、素晴らしい女性を選ぶ王や王子の選球眼もスゴいなぁと思います。
女性を見る目が肥えているのかな?

それから、国民も寛容、柔軟だなぁと思います。
外国の人を奥さんに迎えたり
経歴が大変な人でも人柄が良ければOKとか、かなり自由な感じ。

それに比べると日本の皇室って決まりが多そうで、正直大変そう…
(あんま詳しくないので、あくまでもイメージですけど)

まぁ、外国の王室とはまたシステムが違うので、
比べるものでもないんでしょうけど。

外国と同じく、今の皇后さまから民間出身の流れができているのはいいかなと思うのですが、
現代的にバリバリ働く女性が入るにはまだ敷居が高いような…
時代に合わせて柔軟になっていった方が、
皇室自身にとっても、国民にとってもいいんじゃないかなぁと思ったりしました。

何気なく見てたけど面白かったです。
というわけで今回はこの辺で。


posted by Amago at 21:00| Comment(0) | テレビ | 更新情報をチェックする