2017年07月01日

NHKBS世界のドキュメンタリー「100歳から始まる人生」

NHKBS世界のドキュメンタリー「100歳から始まる人生」

2015年スウェーデン製作のドキュメンタリー。
101歳のブロガーお婆ちゃん、
ダウニーさんのお話でした。

ありていに言えば、
歳を取ってからでも人生やり直せるよ、
という類いのよくある話なんですけど
元気な気分にさせてくれました。

○テレビ出演
 彼女は冒頭で
 「私は引っ込み思案で内気な性格だった
  でも歳を取ってそんなことを忘れてしまったわ」

 と話していました
 彼女は90歳を超えてからパソコンを買い、
 100歳を超えてからブログを始めて世界が変わったそうです。

 ブログの読者は二万人近くになり
 彼女はテレビ番組に呼ばれていました。

 しかしとても内気とは思えない面白いおばーちゃん…

 打ち合わせの時には、
 「これは「今週のスウェーデン人」を選ぶ番組で、
  スゴいことをした人を称える番組です」
 というスタッフに
 「私何もしてないけど。
  人に称えられたことなんてないわよ」

 共演する有名歌手に出会うと
 「あなたの名前は知ってるわ。
  私もスコーネ出身よ」
 「町はどこですか」
 「クリスチャンスタ。
  あなたはルンド出身よね」
 と気後れせず話しかける。

 メイクさんには
 「化粧品がたくさん要るでしょう。
  古い家を塗り替えるみたいで大変でしょ?」

 この番組は「今週のスウェーデン人」の四人の候補者が出演し、
 トークをしてから一人を選ぶみたいなんですが

 本番が始まっても緊張する様子もなく
 「ブログはどのくらい書いてるんですか」
 「医療関連のサイトに週2回、
  あとは自分のブログは毎晩」
 「続ける秘訣は」
 「楽しむことね」
 「内容に困ることはないですか」
 「そうね、でもすぐに思い付くわ」

 「今週は強力なライバルがいるわ、優勝はダウニーよ」
  と冗談めいていう共演者に
 「目標は彼ね」
 と有名歌手を見て言う。
 「あなたには負けませんよ」
 と彼がおどけると
 「そうね、あなたのいいところはスコーネ出身ってことね」
 これには会場が沸いていました

 結局彼女が選ばれ
 「私の勝ちね」
 「負けました」
 「でも、あなたにはまた勝つチャンスがあるわ」

 受け答えの回転が早いお婆ちゃんです(笑)

 彼女の生き方は映画にもなったようで
 映画スターを交えたパーティーに招かれている華やかな場面もありました

 ここでも、監督らしき人が
 「子供は6人います、でも母親が違うんですよ、一回離婚して」
 と話していると
 「そう、一回ならいいじゃない」
 …と軽く切り返していました(笑)

○生い立ち
 しかしこのお婆ちゃん、生い立ちを聞いていると
 前半生はけっこう不幸な方でした。

 彼女はスコーネ州のクリスチャンスタという町に、
 4人きょうだいの長女として生まれたそうです
 「母親とは仲がよくなかった、
  父親は子供には興味が無かった」
 「だからきょうだいができたら、妹達のお世話をさせられた。
  お世話しただけで、一緒に遊んだ記憶はない」

 今は10歳下の一番下の妹さんだけがご存命だそうで
 妹さんも
 「母は退屈そうで、いつも不機嫌だった」と話していました

 ダウニーさんのすぐ下に弟がいたのだそうですが
 幼い時にジフテリアにかかって亡くなっているそうです

 父母と弟のお墓参りをしながら
 「弟が生まれたとき、
  乳母車に乗っている弟を棒で叩こうとした
  赤ちゃんに焼きもちを焼いていたのね、意地悪ばかりした」
 「母はそんな私をクローゼットに押し込めた。
  私は大きな声で泣き叫んだ、
  そのあと吃音になった。
  そのあとも度々クローゼットに閉じ込められたわ」
 辛い思い出だったのか、目にハンカチを当てていました。

 しかしそれを見つけて救ってくれたのが祖母だそうで
 「二歳の子供にそんなことをしてはいけない」
 と母親を叱ってくれたそうです

 しかし
 「弟が病気になったとき
  私は自分のせいだと思った、
  赤ちゃんに意地悪したからだと思ったの、
  子供ってそんなもんよ」

 「子供時代はどんな子でしたか?」
 と聞かれ、
 「「お前はなんの価値もない」
  と言われていた、
  劣等感の塊だった」
 勉強は得意だったが裁縫が苦手だったそうで
 「先生には、頭の調子はいいけど指先の調子は悪いわね」
 と言われたそうです

 父親が早くに亡くなると
 彼女は妹たちを養うため働きに出る
 「母親のお荷物にならないようにね」

 「裁縫は苦手なのに、母に製縫工場に勤めるように言われたの。
  そこで20年勤めたの、皮肉なものね」

 さらに、彼女は一回離婚している
 最初の夫はアルコール依存の人だったそうです
 「子供はいなかった、
  それは子供が生めるときに出会った人がひどかったからで
  それを言っても仕方がないわね。
  この人の子供は生みたくないと思ったわ」

 結婚するとき、既に問題のある人とは分かっていたが
 自分ならこの人を変えられると思っていたそうです
 「誰にもそんなことはできないのにね」

 最初の夫は嫉妬深く
 友達や彼女が興味を持つこと全てを禁止し
 彼女は緊張の毎日だったそうです
 「あるときパーティーに出掛けようとしたら
  夫は怒りだして私をクローゼットに閉じ込めた」

 そんな毎日が続き、彼女はある決意をした
 シャンデリアを持ち出して逃亡したそうです
 「夫は離婚してくれなかった、
  だから自分の身は自分で守らないといけなかった」

 そのとき彼女の心にあったのは彼女の祖母。
 彼女の祖母も、自分の身を自分で守ったそうです
 祖母はメイドとして働いていたが
 仕えていた主人は
 「メイドには手を出していい」
 という考え方の持ち主で
 結果妊娠したメイドは首にさせられていたそうです
 しかし祖母は泣き寝入りせず、
 自分の子供を認知させたそうです

 さて、夫のもとから逃げたダウニーさんは、37歳で学校に入り直す
 「こんな年でやり遂げるのは無理だと思っていた」
 しかしトップの成績で卒業したそうです

 その頃世間ではダンスが流行っていて
 女性はダンスフロアで自分を売り込み、パートナーを探す
 彼女もダンスは好きだったが
 内気なため売り込むことはできなかったそうです

 しかしある日あるダンスフロアで踊ってくれたのは2度目のだんなさん。
 「彼のダンスは神々しかった」
 彼は「僕たちは結婚すべきだ」
と言い
 二人はめでたくゴールインしたそうです

 その後は週末に家でダンスパーティーを開くなど
 幸せに過ごしたそうです

○彼女を変えたパソコン
 しかし彼は10年前に亡くなり
 そのあとは起きるときも寝るときも一人、
 家にいても話す人はいない
 そのうち自分も死ぬだろうと思っていたそうです

 しかしそれを変えたのがパソコンだそうです
 インターネットのやり方、
 メールのやり方など全て独学で覚えたのだとか
 「今のパソコンは4台目よ」

 そして、今では自分より年下のお年寄りたちにパソコン教室を開き
 インターネットの楽しみかたを教えている

 彼女は10歳下の妹にも、
 誕生日にパソコンをプレゼントしていました
 「私は忙しいのよ」
 と渋る妹に
 「色んな人と連絡が取れるわ、
  それがお年寄りがパソコンを持つ理由よ」
 と説得

 妹も
 「孫たちにメールを送ったら喜ばれるわよ」
 と言われて
 「それはいいかもね」
 だんだんその気になってくる。

 そのあと、妹に
 「マウスはちょっと大変ね」
 「ここが削除キーよ」
 マウスの使い方、
 キーボードの使い方などを教えていました

○新しい出会い
 ところで、彼女は冒頭から  ずーっとダンスの相手をネットの登録サイト?で探していました。
 ダンスをする相手がいなくなったのが寂しいのだそうです

 「この人は若すぎるわねぇ」
 「25歳まで?この人はロリコンね」
 「独り身で子供なし、お気楽みたいだけどこの人は怪しいわね」
 といちいち入れる突っ込みが面白い(笑)

 彼女は2番目の夫と田舎に別荘を作っていたそうで、
 野外に広場があり
 「毎年夏至に、ここでダンスを踊っていたわ」

 そして彼女のblogによれば
 その別荘の近くに変わったお医者さんがいて
 昔の家畜小屋を改装して診療所を作っている。
 耳あかとりが好きなんだそう
 (よくわからん人だけど…)
 彼女も時々別荘に行くときそこに寄るそうです

 そのお医者さんはお爺さんと呼んでも良さそうな年齢なんですが
 カメラの前でも彼女を診察していました
 「101歳でも聴力は70歳だ、素晴らしい鼓膜だね」
 「若い頃より健康よ」

 そのうち亡くなっただんなさんとのなれ初めの話になり
 「ダンスフロアで?それはいい。
  彼は上手だった?」
 「神々しかったわ」
 という雑談をしていると
 「農場に年配の男性がいるよ」
 ダンスをする男性を紹介してくれました。

 そして彼女が医師に連れていかれたのは家畜がいる小屋
 「僕はオーケ、スウェーデン最高齢のDJだよ、あなたは?」
 「私は101歳のブロガーよ」
 「本当に?」
 それを聞いていたお医者さんはDJに
 「君はいくつだい」
 「89だよ」
 「最高齢のDJに最高齢のブロガー、
  どちらも僕より年上だ(笑)」

 牛とかがたくさんいる横で、昔の蓄音機(ドーナツ盤を回すやつ)を置いて
 二人はレコードを物色
 さすがDJ、レコードは豊富。ダウニーさんの好みのレコードもあったようです

 二人でダンスを踊ったあと
 「あなたはギャル、いかした娘だ、101歳とは思えない」
 そして二人はメアド交換してました(笑)

 そのあと彼女はオーケさんを家に招く
 パイとケーキを焼き、きれいな花を飾って待っていました

 「彼はいたずら好きな目をしていたわ
  私は内気だけど、時々向こう見ずなことをするの」
 言ってるセリフが乙女ですね~(笑)

 そのあと彼がチャイムを鳴らすと
 「この前は楽しかった」
 と抱き合う
 彼も部屋にあるお花とケーキにも気づいてそれを言うと
 彼女は「お祝いよ」

 そのあとも二人で
 一緒に劇を見に行ったり
 車でデートしたり、
 レストランでお話をしたり…
 彼女の恋は順調なようでした。

 そして102歳の誕生日。
彼女はパソコン教室のお年寄りたちに
 「上級コースを開くわよ」
と言っていました。

 このパソコン教室にはオーケさんも参加するようになったそうです
 また、パソコンを勧められた妹も
 今ではメールの使い方を覚えたのだとか

 彼女のblogは読者が50万人に達し
 ますます彼女は元気だそうです。

○感想など
 彼女は「内気」と言っていたけど
 前の夫から逃亡して大学に行き直すなど
 本当はけっこう行動力がある女性なんだろうな、と思いました。

 そしてその行動の支えになっていたのがおばあちゃんなのかな。
 ご両親は親として見てもひどい人たちだなぁと思う
 (正直、こういう親にはなりたくないとも思うし)
 とはいえ彼らなりに何か事情があったのかもしれず
 それは今となっては分からないわけで…
 まぁでも支えになってくれる人が一人でもいた、ってのは大事なんだなと思う。

 それにしても、こういうの見てると
 今の義父母さんたちとのギャップを感じる…
 彼らは
 「90まで生きたくない」
 「長生きなんかしたくない」
 とか口癖のように言っている。

 テレビかなんかで見た話では
 80歳くらいまで行くと幸福感を感じるようになるそうで
 てことはそこまでの6070代は、年を取ることにネガティブなのかなぁ。
 出来なくなったことが増えた、てのが目につくのかなぁ。
 
 それとも社会的な問題?
 今の日本だと、年を取るイコール認知症、病気、とか
マイナスの話が多いせいなのかもしれない。

 ダウニーさんはだんなさんが御存命のとき、二人でラブラブ、ダンスも楽しんでいたそうなので
 それが90まで元気に生き生きできた秘訣なのかなぁ、とも思います。

 日本って年を取ると、
 子供に代を譲って自分は陰の身になるというか、
 格好はどうでもよくなるし
 今さら夫婦で…と照れを感じてしまう雰囲気があるけど

 外国の夫婦って年取ってもお洒落だし、
 二人でどこかに仲良く出掛ける、てのも自然にサラッとしていて
 いつまでも自分が人生の主役、という感じ。
 
 そういうの素敵だなと思うので、私も見習いたいなと思います。

 それにしても、2度目のだんなさんが素晴らしい人で良かったですね。
 人生いつ好転するか分からんなと思う。
 今が辛いと思っていても、生きていればいいことがある、
 と思わせてくれました。

 ちなみに私は占いでは55歳から人生上向くそうです…(笑)

 私も独身の頃は
 ネットなどで情報を探して、色んな所に行って…
 てなことをしていました

 家族ができてからはだんなや子供に迷惑かけたらいかんなぁ、
 と未知の場所には行けなくなっちゃたのですが

 ダウニーさんみたいにしがらみがないと
 そういうのが自由にできるのかなぁ、と思うとある意味羨ましい…

 私もおばあちゃんになって
 しがらみがなくなったらもっと自由にしたいなぁ。
 そのためには体も心も健康であないといけないけど。

 目指すぞ、好奇心旺盛なおばあちゃん!

というわけで今回はこの辺で。