2017年07月06日

Eテレオイコノミア「知って得する!原因と結果の経済学」

Eテレオイコノミア「知って得する!原因と結果の経済学」

今回はいきなり寸劇から始まりました。
又吉さんがオカンの役、
ゲストのハライチ岩井さんがテレビを見ている子供。

テレビを見ながらワハハと笑う子供(岩井さん)に
オカン(又吉さん)が女性週刊誌の
「東大生3人を育てた親がいう
 「テレビを見せるとバカになる」」
という記事を読み
「あんた、テレビなんか見てたら頭悪くなるわよ!」

そこへ講師の先生が
「それ、間違ってますよ」

○今回の講師の中室牧子さん
 今回の先生は慶應義塾大学の中室牧子氏。
 結果と原因の経済学について研究されているそうで、
 教育や健康に関する経済学の本も出されているそうです。

 今回は先生のゼミの学生さんも参加しておられました。

○原因と結果を考える「因果推論」
 先生
 「テレビを見ると学力が下がる、のは正しいと思いますか」
 又吉さん
 「でも勉強する時間が減りそうですよね」
 先生
 「そう言われていますけど、
  スタンフォード大学の研究では
  テレビを見た子の方が成績がいいという結果もあるんです」
 (後半で紹介するそうです)

 先生によれば
 もっともらしい通説ほど疑わねばならない、とのこと。
 キーワードは「原因と結果」
 ものごとの「原因と結果」を明らかにする学問が「因果推論」なのだそうです。

 この因果推論、アメリカでは大学で必修とされているそうですが、
 日本ではなじみがない。

 いまだに企業、官庁、テレビでも
 原因と結果が曖昧な通説がまことしやかに言われることが多く
 これに惑わされない知恵が必要なのだそうです

〇因果関係を疑う3つのポイント
 又吉さん
 「因果関係があるかどうかは、どうすれば分かるんですか」

 先生によれば、因果関係を見抜くポイントは3つあるそうです
 次の疑問を抱くと良い、とのこと
 ●ただの偶然ではないか
 ●第3の要素があるのではないか
 ●因果関係が逆なのではないか

 ●ただの偶然ではないか
  「例えば
   「地球温暖化により海賊が減る」は正しいと思いますか」
  これだけ聞くとそんなことないだろ、と思いますが

  年々地球の平均気温が上昇しているグラフと、
  年々海賊が減っているグラフを重ねて見せられると
  因果関係があるように見える

  岩井さん
  「暑いから、海賊も海の上で大変なんですかね」(笑)

  しかしこれはただの偶然
  「見せかけの因果関係」なのだそうです。

  しかし、マスコミなどで、
  こういう関係ないデータを一緒に見せられ
  もっともらしく説明されてしまうと
  「へぇそうか」
  と思ってしまうことがあるそうです

  ゼミの生徒さんに
  「他に例はありますか」
  と尋ねていて、ある学生の方は
  「僕雨男って言われるんですけど、
   よく考えると、雨が降ることと僕の外出には
   なんの関係もないですよね」

 ●第3の要素があるのではないか
  先生
  「「体力のある子は、学力も高い」
   これについてはどう思いますか」
  又吉さん
  「体力ある方が集中力ありそうですよね」
  岩井さん
  「運動も頑張れる子は勉強も頑張れそう」

  先生
  「でもそういう話だと
   又吉さんの話の場合、学力が高い直接の原因は集中力にあるし、
   岩井さんの話の場合、学力の原因は意欲があるか、ということになりますよね。
   学力と体力に「直接の」関係があるわけではない」
  「体力のある子は勉強ができる」というのが本当であれば
   極端な話、
   体力さえあれば勉強しなくても成績がいいことになるのだそう

  又吉さん
  「なるほど、それは明らかに違いますね」

  また先生は、子供の成績には
  「親の熱心さ」
  という第3の要因もあるのかもしれない、とのこと。
  親が教育熱心なら、子供にはなんでもやらせる
  結果体力もつき勉強もできる、
  まんべんなくなんでも頑張れる、
  という結果になるのかもしれない、とのことです

  岩井さん
  「うちはそうでしたね。
   サッカーもやったけどピアノ、家庭教師、水彩画、プール…
   結果体力があり、学力がある芸人岩井です」(笑)
  又吉さん
  「むちゃくちゃ自慢しとるやないか(笑)」

 ●因果関係が逆なのではないか
  先生
  「「警察官が多い地域は、犯罪が多い」
   これについてはどう思いますか」
  又吉さん
  「これは、最初から警察官が多いってことですか」
  先生
  「そうですね」
  又吉さん
  「それは無いんじゃないですか、
   どっちかいうと、警察官が多いと犯罪は少なくなりそうですよね、
   …ん?でも街やから、物を盗む人も多い…」
  岩井さん
  「というか、逆っぽいですよね、犯罪が多いから警察官が多い」

  先生
  「まさに岩井さんのおっしゃるとおりで、
   これは逆の因果関係なんです」
 
  又吉さん
  「警察官だけ多くてもしょうがないですもんね。
   実際は警察官が多いと犯罪は多いんですか?」
  先生
  「これは逆なんです。
   警察官を増やすと犯罪は減少する、
   という結果は証明されています」
  (これは、割れ窓理論、という話で聞いたことがあります。
   割れた窓が多いと治安が悪いしるしになり、犯罪が増えるそうです。
   なので、パトロールを増やして軽微な犯罪を減らすと、
   凶悪犯罪も減るのだそうです
   ネットによるとアメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングの理論だそうだ)

 さてこれまでの話をもう一度まとめると「〇〇なら△△」という関係が成り立つかどうかは、
 ●ただの偶然ではないか
 ●第3の要素があるのではないか
 ●因果関係が逆なのではないか
 を疑うと良い。
 
 又吉さん
 「でも親とか先生が言うと、信じてしまうところがありますよね、
  お化け出るから早く寝ろとか
  もったいないお化け出るから食べ残すなとか…」
 先生
 「実はこれも
  「スケアード・ストレート」(scared straight)
  (教育するとき、脅しや恐怖を与えて何かをさせようとする方法)
  をしても逆効果になる、
  という結果もあるんです」
  (これも聞いたことがあります。
   子供にとっては怖いという思いだけが印象に残って、何が悪いのかは理解できないらしい。
   一番いいのは、悪い行いは論理的に簡潔に注意し
   いい行いをしたらほめて促す、ということらしい)
   
  しつけや教育でも
  善かれと思ってやったことでも
  因果関係を考えないと、逆効果になることがあるのだそうです。

○なぜ間違った因果関係を信じてしまうのか
 又吉さん
 「なぜ我々は因果関係を信じてしまうんでしょうか」
 先生
 「これは2つの原因があると言われています」

 1つは
 「ヒューリスティックバイアス」
  人が意思決定をするときに、経験則で物事を判断してしまうこと
  人は、自分や友達など、身近な経験から判断してしまいやすい

 「例えば今国会で、受動喫煙防止法案の検討が話に上がっています」
 この法案は飲食店内の喫煙を規制しよう、という法案ですが
 自民党のタバコ議員連盟、なる団体が猛反対しているそうです

 受動喫煙は肺癌のリスクを高めることは医学的にも明らかになっている
 また、喫煙者は日本人の2割弱
 しかし議員の喫煙率は高く、7割弱もいる
 このため、たばこは大丈夫と考えてしまう人が多い
 自分やすぐ近い人たちの出来事で物事を判断してしまういい例だ、とのこと

 「僕らでも友達二人がそう言ってるだけでも
  「みんないってる」
  て言ってしまいますよね」

 さてもうひとつの効果は
 「チェリーピッキング効果」
  多くのデータから、自分にとって都合のいい結果だけ集めてしまう
  チェリーの実から、熟れた実だけを選びとることから付けられた名前だそうです

 先程の受動喫煙法案の例で言えば
 2つの異なるデータがあるそうです
 1つは、2016年の国立がん研究センターのデータで
 「受動喫煙を受けた人は肺癌のリスクが1.3倍になる」
  つまり受動喫煙防止を後押しするデータ

 もう1つは新聞の記事で
 「受動喫煙防止法案により、外食産業が8400億円の減収になる」
  つまり受動喫煙防止に反対するデータ

 先生
 「自分が置かれた立場により、
  どちらを信じるかが変わってしまう」

 しかし、この2つのデータの根拠を調べると
 前者は色んな研究を組み合わせて出したもので、
 受動喫煙は肺癌の確率を高めることを明らかにしたデータ

 一方、後者はこの法案が施行されたら売り上げが減ると思うか、
 飲食店に「予測」してもらったデータ
 予測なので、実際売り上げが下がるかどうかは分からない

 又吉さん
 「でも本当に減るかもしれないですよね」
 先生
 「しかし、喫煙を規制すると、
  売り上げは減らない、もしくは増えるという結果もあるんです」
 これは、タバコを吸わない人の方が世の中には多いので、
 お店に来る人が増えるためと考えられているそうです
 (これは日本のニュースでもありました
  https://www.j-cast.com/kaisha/2017/06/06299783.html
  産業医科大学の研究によれば
  ファミレスの「ロイヤルホスト」207店舗を対処にした調査では
  全席禁煙にした場合、14~25か月後に3.4%増加
  分煙の場合は0.8%増加

 この研究での分析では、単価の違いが原因ではないか、とのことです。
  喫煙者はサラリーマンがコーヒー1杯で長期間居座るので単価が少ない
  一方、禁煙席は家族連れが多く、単価が高い
  このため全席禁煙にした方が家族連れが増える、ということらしい)

 結局、この規制法案は今国会での審議は見送られそうです
 ヒューリスティックやチェリーピッキングにより
 冷静に判断できずに法規制が遅れてしまう場合があるのではないか、 
 と先生は述べていました。

 又吉さんがゼミの学生に
 「他にはヒューリスティックやチェリーピッキングの例はありますか」
 と聞いていましたが
 ある学生さんは
 「僕関西出身なんですけど
  関西のスポーツ紙は、阪神がいくら負けても
  「金本40号ホームラン」
  とか、阪神に都合のいい記事しか載せない」
 (関西あるあるですね…)
 
 ほかの学生さんは
 「占い見るんですけど、
  今日は運勢1位、と言われたらそうか、と思うけど
  最下位、と言われたら信じない」
 又吉さん
 「まぁでもこれはいいチェリーピッキングですよね」
 前向きに使うのはいいのかな?

 ほかの学生さんは
 「衝動買いしたとき、ちょっと後悔しているときは
  ネットで評価を見てしまう
  いい評価ならみんなそうなんだ、と思うけど
  悪い評価を書く人は、そういう人もいるんだ(例外だ)と思っちゃう」 
 先生
 「又吉さんもご自分の作品の書評は読まれますか」
 又吉さん
 「一作目は読みましたね」
 先生
 「チェリーピッキングしましたか(笑)」
 又吉さん
 「かなりチェリーピッキングしました」(笑)

〇因果関係を調べるには、たくさんの人のデータを集める
 このあと先生は
 「成功者の個人的な経験談は役に立たない」
 という話をしていました

 先生と親交のある、元陸上競技選手の為末大さんが
 「ウサイン・ボルトの真似をしても
  ウサイン・ボルトにはなれない」
 と言っていたそうですが
 「これは含蓄のあることばで
  成功者を真似してもその人になるのは難しいんですね」
 個人の経験は再現性が低い。

 そこで経済学では
 色んな人のデータを大量に集めて、
 そこに因果関係があるかを科学的に調べる、
 という手法をとるそうです

 又吉さん
 「これをしたら作家になれる、
  てのを見て実行して作家になれた、
  という人には出会ったことないですね。
  …でもおるんかな?
  おるんかもしれないけど、因果関係はないってことですね」

〇原因と結果を調べることは、経済効果もある
 更に先生によれば
 原因と結果が分かっていないとお金の無駄にもなる、とのこと
 「これを食べれば健康になる、
  というのを信じて、
  効果のない食べ物にお金をつぎ込んでしまうことにもなりかねない。
  時間もお金も無駄になりますよね」
 岩井さん
 「僕ギャンブル好きなんですど、
  因果関係調べたらやらない方がいい、てなるかも…」
 先生
 「他にいい使い方がある、とはなるかもしれませんね」

 又吉さん、ため息をついて
 「こういう話、若い頃に聞きたかったなぁ。
  もう37ですよ、37年間間違ってたって分かったらショックで生きてけなさそう」(笑)

 岩井さん
 「僕のギャンブルも、楽しいと思ってお金を使ってたけど
  ほんまに楽しかったんか、ってなるんですかねえ」
 先生
 「楽しかったんならそれはそれでいいんです。
  ただ、儲かるかどうか?という視点になれば
  他のいいことにお金を使える、という話にはなるかも」
 岩井さん
 「いや、負けると楽しくないです(笑)」
 先生
 「それも心理学的には、
  損失回避、儲かった時より損失したときに「あぁ」ってなっちゃう心理があるんですね」

〇「事実」と「反事実」との比較
 先生は、次に
 「反事実」の話をしていました。
 「反事実」とは
 「仮に○○しなかったらどうなるか」を考えること、だそうです
  もし芸人にならなかったら
  もしあの子を彼女にしなければ
  もし転職しなかったら
 …など

 これは、因果関係を調べるときには大事なのだそうです。
 例えば、冒頭のテレビと学力の関係を見る場合、
 一番正確なのは
  ・テレビを見たとき
  ・見ないとき
 の学力を比較すること

 しかしこれは、別の子供を比較しても意味がない
 なぜなら、他の要因の影響を排除できない
 なので、理想を言えば、
 タイムマシンで両方の時間を過ごすか、
 コピー人間を作って両方を同じ人間にさせるしかない
 しかし現実的には無理な話

 ハーバード大学のドナルド・ルービン氏はこのことを指して
 「反事実は検証できない」ことが因果推論の根本問題だ、
 と述べているそうです

 しかし科学はそれを解決するため
 よく似た人たちをなるべくたくさん集め、
 それを2つのグループに分けて傾向を見る
 つまり、データをたくさん集めて平均を取る、
 という手法を取るのだそうです

○「単位パン」は効果があるか?
 そこで、先生はこの手法で、学生を対象とした実験を行っていました。

 慶應義塾大学には生協オリジナル商品として
 「単位パン」なるものがあるそうです

 これは生協のご意見カードに
 「単位売って~」
 と書く学生のために(多分遊び心で?)作ったものだそうです
 (たしかに大学の時(私は慶応ではないが)、試験前に「単位売って~」って冗談で書く人いたな…)

 しかし試験前の神頼み、なのか
 試験前には飛ぶように売れるのだそうだ

 さてこの単位パンは効果があるのか?
 (あるわけないでしょ~、と私は思うが…(笑))
 を実験していました

 やり方としてはある授業を受講する学生をランダムに2つに分ける
 「学籍番号の下一桁が奇数の人、
  偶数の人」
 で分けたそうです
 (学籍番号自体も、アイウエオ順なのでランダムではありますが、よりランダムにする)
 ちなみに先生によれば
 「ランダム」とは適当という意味ではなく
 「無作為に選ぶ」
 ことらしい。
 ランダムに分けたグループは
 「比較可能」
 なのだそうです

 さてこのグループの代表者がじゃんけんをする
 勝った方がパンを食べられる
 (クリームパンに「単位」というハンコを押してあるだけのパンです)

 食べた人は「単位とれそう」と言っているが
 さてテストの結果はどうか…

 結果は
  食べたグループの平均は17.5
  食べてないグループの平均は16.7
 しかしこれは統計的に優位な差ではないらしい

 つまり単位パンは効果がないそうです

 岩井さん
 「そりゃそうですよね」
 又吉さん
 「この結果、生協さん大丈夫ですかね?」
 生協さん、許してね~、だそうです(笑)

〇比較可能なデータを調べる手法
 しかし先生によれば
 「この反事実との比較、
  というのは全てできるわけではない」
  例えばタバコと肺癌のリスクの関係を調べたいとき
  ある人たちを集めてグループに分け、
  一方には明日からタバコ吸いなさい、
  もう一方には絶対吸わないでください
  とは倫理的にはできない

 その場合は、実験をわざわざやるのではなく
 状況的に比較できると捉えられるケースを調べるのだそうです
 自然実験的な環境、と言える
 いくつかそのような例を挙げていました

 ・テレビと学力の関係を調べたアメリカの例
  アメリカでは地域に放送免許がないとテレビが見られない
  というシステムになっていたそうなのですが、
  1948~52年の間、
  ある地域では何かの理由で放送免許がもらえず、テレビを見られない子達がいたそうです
 
  スタンフォード大学で、
  その地域と平均3時間半テレビが見られた子供との学力差を調べると
  テレビを見ていた子の方が、偏差値がわずかながら(0.02)上だったそうです
  つまり、テレビは学力を上げた、ということになる

 (この研究については
  http://diamond.jp/articles/-/117466
  にも詳しく書いてありました。

  スタンフォード大学のマシュー・ゲンコウ氏の研究で
  この4年間テレビ放送免許が凍結されたのは、電波障害への対応という理由があったそうです。

  アメリカではこの時期、テレビは普及時期で、
  この1948年時点で免許がない地域の家庭は、
  1952年に免許凍結が解除されるまで一度もテレビを目にしていない。
  一方免許が凍結されなかった地域の過程は、1948年からテレビを見られていた
  という事情があるそうです。

 ?なので、幼少期にテレビを全く見ていない人と、
  見ている人、でくっきり分けることができたのだそうです。
? しかもそれは子供自身の意思によるものではない。
  ランダムに振り分けられたと見ることができるので、比較可能なのだそうです。

  この時期テレビは新鮮なので、
  見られた子供たちは夢中になり、1日3時間半はテレビを見ていたそうです。
  そしてこの状態で、子どもが小学校に入学したときの学力テストの差を見たのだそうです。
  
  結果は上にある通り、テレビを見ている子供は偏差値が0.02高くなった

  さらに詳しく見ると、宿題に費やす時間などには悪影響はなく、
  母親の学歴が低い、母国語が英語でない、マイノリティなどの子供などは
  テレビによりむしろ成績向上の効果があったのだそうです。
?
  この研究者は、多くの親が心配するように、
  テレビを見ていると、
  受動的になり、ほかの創造的な活動やスポーツをする機会が減る、
  などのマイナス効果はたしかにあるが
  それはほかの活動の選択肢もある豊かな家庭の話で、
  貧困家庭の子供などにとっては教育効果もある、としているそうです)

 ・育児休暇の延長と女性の復職との関係
  もう一つは、育児休暇の取得年数を増やす政策、について。
  
  現在日本では、待機児童問題が深刻になっているが、
  この問題への対策のため
  「女性の育児休暇が切れても、
   子供の預け先が確保できない場合、
   育児休暇を延長できる」
  という法案がこの秋に施行される予定なんだそうです

  しかし育児休暇延長は女性の復職につながるのか?
  実はこれを調べた例がオーストリアにあるらしい

  オーストリアでは、1990年の7月から
  育児休暇が最大1年から2年に延長されたそうです
  そこで、ローザンヌ大学での研究で、
  1990年の6月に出産して育休を1年とった人と
  同じ年の7月に出産して育休を2年とった人の
  女性の復職率を比較したそうです
  (ほぼ同時期なので、ほかの教育制度の変化などの要因は排除される)

  すると育休2年の人の方が復職率は10%低下
  つまり、育休が延びると復職率は下がる、という結果が出た
  理由としては
  休暇が延びる分、スキルや人間関係に影響が出て戻りにくくなる
  などが考えられている

 ここで先生が強調していたのは
 政策を実行するとき、因果関係を検証しないと
 善かれと思ってやった政策も
 期待しない結果や損失をもたらすかもしれない、ということです。

 又吉さん
 「それで、オーストリアの研究は反映されたんですか?」
 先生
 「オーストリアではそうですね、
  でも日本では、なぜかいまだに延長させる方向に話が進んでいますね」

 日本も、経済学者は最近
 「科学的根拠に基づく政策」
 というそうですが
 因果関係があるという科学的なデータを政策に利用すべきだ、
 と話していました

〇まとめ
 又吉さん
 「雑誌やテレビで見るものは、
  自分のもとに届くときには、
  もう因果関係は検証されているもの、として受け取っているけど
  もっと疑ってもいい、ということですね」
 先生
 「反事実を予測するトレーニングをしておくことが大事ですね。
  例えばテレビの例で言えば、
  学力の低い子供がテレビを見なくなったとして、
  ただちに勉強するかというと、それはなんとなく想像しにくい
  そう思えば簡単に因果関係があると思わないですよね」

 「因果関係」と「反事実」を、常に心にとめてください、
 と締めくくっていました。

〇感想など
 ・以前BSの放送大学の「錯覚の科学」という授業を見ていたのですが
  ここでも同じような話をされていました

  例えば「雨ごいは絶対効果がある」
  なぜなら、雨ごいは降るまでするからだそうです(笑)

  また、「動物が動き回ると地震が起きる」
  などという災害の予兆も、論理的思考で考えるべき、ということです
  この場合、おそらく今回「反事実」と述べていたことだと思いますが
  「動物が動き回る」時に「地震が起きる」ことだけに注目が行きがちだが
  実際は「動物が動き回っていない」のに「地震が起きている」
  あるいは「動物が動き回っている」のに「自身が起きていない」
  という例は結構あるはずで、
  それらの確率をすべて出して比較すれば、正しいかどうかがわかる
  「雨男」もそういう理論で考えれば、
  たぶんその人が外出していようが雨は関係ない、という結果になる

  ほかには、「ダイエットプログラムの効果」という例もありました。
  「ラッキーペンダントの体験談」もそうなんですけど、
  「〇〇をしたからラッキーになった」「〇〇したからやせられた」
  という体験談はあるが、
  実際は成功しなかった人は途中で脱落してしまう

  このため本当の成功確率は何か、を考えると
  「最初にいたけどいなくなった人」をカウントしたら
  成功確率は低くなるのではないか、とのこと

 このように、少し視点を変えれば、
 原因と結果は本当かどうかを考えられる、ということです。

 これは詐欺にだまされないことにもつながる
 何かもっともらしいことを言っていても
 「ほんとにそうなのか?」
 「関係があるのか?」
 を考えることが大事だそうです。

 それからもう一つは
 「人間は騙されやすいものだ」と自覚しておくこと
 そのうえで、騙されてるかもしれないと常に思っておくことが大事だ
 というような話をしていました。

・テレビと学力との因果関係については、
 今回の番組の取り上げかただと
 「テレビを見せる方が学力が上がる」
 という誤解を受けてしまいそうだな…と思います。

 (まぁ、オイコノミアもテレビ番組だから
  テレビ見てもらわないと困るんかもしれないが(笑))

 でもスタンフォード大学の実験を踏まえると
 他の活動との釣り合いが大事になるのかな、と思う。
 あと中身も大事で、暴力的なものは負の教育になるし
 あんまり学びにならないものとかは効果がないだろう。
 そこは親が気を付ける必要はあるのかなと思います

 私も恐怖の瞬間、とか犯罪の再現ドラマとかやってたらすぐ消す。

 逆に、科学番組とか世界の紹介とか
 大人が見ていてもへー、と思うものは子供も楽しそうに見ていて
 それは知識を増やす上で役に立っているように思います。

・日本の政策では、たしかにデータが弱いなと思いますね…
 例えば今の社会保障の予算配分では
 高齢者対策が手厚く、子供対策は弱いけど
 コスト対効果と持続的な効果を考えれば、子供に手厚くした方がいい、というのは明らか。
 もうちょっとデータ屋さん、学者の意見も取り入れる政治家がいるといいなと思います。
 (あるいは、官僚に学者が入る、とか…)

・育児休暇については、たしかに延長してもあんまり意味がないかも…
 私は働いてないから、育休とか産休のことは偉そうに言えないのだが、
 今休暇を取りつつ働いている人の様子を見ていると
 休暇が伸びたところで、再開したときが大変になる。
 特に子供が病気になった時などに、休みを取りにくいことの方が大変そうに見えます。

 だんなの後輩の子などは、共働き夫婦だが、
 子供が小さいので熱をよく出し、もう休暇を使い切ってしまい、
 遠方の両親を呼び寄せた、という例もあります。
 また、小学生になればなったで学童保育になるが
 遅くまでは預かってもらえない問題があるそうです…

 なので、子供が小さいうちはもっと休暇が取りやすくするとか
 職場内で休暇を融通しやすくするとか
 (スペインの時間銀行とか地域内通貨みたいに、職場内通貨でやり取りするとか…)
 退職された方のシルバーパワーを活用するとか
 小さいうちだけでも融通が利くようになるといいなと思います。

 あるいは辞めざるを得ない人もいるだろうから
 そういう人が再チャレンジしやすい雇用体制にするとか…

 多分政府は既存の休暇を延ばすだけの方が政策としては楽だからそうするのだろうが
 もう少し現場にも工夫させるなり
 若者当事者に意見を聞いて反映させるなり
 なんか工夫が欲しいなと思います。


原因と結果の関係、は
投資にも使える考え方だと思います。
それも、
「人間とは騙されやすいよね」
と自覚して
「これはホントなの?」
と疑い、
いつもとちょっと見方を変えるだけでできることだと思う。

世の中情報が多すぎて混乱しますが
論理的思考で賢い消費者、有権者になりたいなと思いました。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 16:09| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする