2017年07月15日

Eテレ モーガンフリーマン時空を超えて「神が進化を創造したのか?」

Eテレ モーガンフリーマン時空を超えて「神が進化を創造したのか?」
今回は進化の謎について。
大きく分けると
神のような存在が生命を作ったとする説、
自然淘汰による進化を支持する説
の2つの話になっていました。


○インテリジェント・デザイン説
 最初の生物化学者は、神のような超越的な存在が生命体を作った、とする
 「インテリジェント・デザイン説」
 を唱えています。
 これは古代の生物が祖先、という考え方とは矛盾しない、とのこと
 彼によれば
 「ダーウィンの進化論は、
  進化が突然変異により起きたとするのが問題」
 実際の自然を見ると、何かが意図して作ったとしか考えられないものが多く見られる、とのこと

 彼はバクテリアの鞭毛について研究してきたそうですが
 鞭毛は自然界のモーターのようなもので、
 留め具で細胞に繋ぎ止められ、
 必要に応じて回転することで働く
 プロペラ1つ欠けても機能しないそうです。
 
 このような研究を続けた結果、
 彼は生物がいかに精密であるかを知り、
 これは一つ一つの部品がゆっくり変化してできたとは考えにくい、
 と思うに至ったそうです。

 生命体は体全体で機能する必要があり、
 一つが欠けても動けない。
 このような複雑で精緻な仕組みは、
 徐々に進化したのでは作り上げられない、
 超越的な存在が、意図をもって作り上げたと考える方が妥当だ、とのこと

 彼はキリスト教徒なので神を信じるが
 その存在は必ずしも神でなくてもよい、とのことです
 何か意図が感じられるという点が重要なのだ、とのこと

○生物は生存に有利になるように徐々に変化したという説
 一方次の科学者は、
 生物は生存に有利になるよう進化していった、と考えている

 彼はバイオロボティクスの研究者で
 背骨の進化について調べているそうです

 我々には脊椎があり、脊椎は椎骨によりできているが、
 もとは脊索というやわらかい軟骨のコラーゲンが祖先だそうです
 今では一部の魚がこのやわらかいコラーゲンを持つとのこと
 彼は脊索が脊椎へと進化したのは
 DNAのちょっとしたミスによるもの、と考えているそうです。
 ミスにより背骨が強い魚が産まれ
 背骨の強い魚がより獲物を捕らえられるので生き残った、とのこと

 しかし、この過程は化石を辿るだけではわからない
 彼はロボットを作って調べています。
 ロボットと言っても丸い形のものに
 しっぽみたいなものが付いていて、そこに脊索が付いている

 これを深海に見立てた丸い暗いプールで泳がせて、
 5億年前の世界を再現しています
 獲物は光で、光に向かって動くようになっている

 このロボットを4つ用意し
 それぞれの脊索に椎骨をつけ(0個、5個、10個、15個)
 光を追うように競走させる
 
 彼らは
 0個が一番遅く、椎骨が多いほど速い…と予想していましたが、
 実際は
 15個より10個の方が有利でした

 この科学者は
 「椎骨には適正な数があるのだと思われる」
 と話していました。
 そして、これは、
 進化が様々な試行錯誤の末うまれたことを示している、
 と述べています
 この試行錯誤は、食べる、逃げるなど、
 淘汰の圧が起きて行われる

 彼はこの実験で、我々の背骨がどう進化したかもわかる、と述べているそうです

 彼によれば、
 「生命の進化のパートナーは背骨」
 なのだそう

 背骨があってこそ、
 我々は立つこともできたし、
 体をいろんな方向に曲げることもできるようになった
 この背骨は祖先からの贈り物、とも言え、
 進化の過程とはすなわち、体の組織を背骨の発達により強靭にする過程だった、とのことです

 「バイオロボティクスで見た脊椎の進化は、自然淘汰の一端を見せてくれた」
 
 つまり彼は自然淘汰による進化論を支持しており
 インテリジェント・デザイン説については
 「人間の持つ素晴らしい素晴らしい能力が
  行き当たりばったりに起きたと考えるのは抵抗があるのかもしれない」
 と理解を示しつつ
 「しかし進化は創造主によるものではなく、何もない自然から起きたもの」
 と述べています

〇進化の進み方は近道がある、と考える科学者
 進化論者は人類は38億年かけて進化した、とするが
 インテリジェント・デザイン説を支持する科学者は
 「生命体の精密さができるには、
  進化論の言う38億年だけでは時間が足りない」
 と考える

 しかし次の科学者は
 「行き当たりばったりの進化でも、時間はかからない」
 としています。

 この方はMITのコンピューター科学者で、
 子供の頃はコンピューターゲームを作るのが夢だったそうです
 「ゲームは世界のミニチュアみたいなもので、
  作る人はこの世界をすべて把握しているよう」

 彼はゲームのキャラクターは工場で作られると信じていたが、
 実際は人間がプログラミングで作っており
 その仕組みを知って感激したそうです

 「プログラミングコードとはゲームを説明するものではなく、
  ゲームそのもので、
  コードを変えればゲームの仕組みそのものも変わってしまう。
  これは数学の問題と同じだ、と思った」

 彼は現在は、複雑な生命体の進化を、数学で解明する研究をしているそうです

 彼はインテリジェント・デザイン説には反論する立場のようで
 「彼らは自然淘汰で人間の脳や鳥の羽などができたなんて考えられない、
  それはまるで竜巻がガラクタを巻き上げて、仕様可能な建物を作り出すようなものだ、という」

 彼のいるラボの近くの建物は奇妙なデザインが多いが
 「これは建築家が設計して建てたものです。
  しかし数学の世界では、ユニークな構造を作るために建築家は要らない」

 インテリジェントデザイン説の人たちは
 進化に38億年では足りない、というが
 彼は、それなりの時間があれば進化できることを示したのだそう

 「進化には近道がある」
 話を簡単にするために、チェスボードを作る問題を考える
 これは真っ白の8×8のマス目の盤を
 白黒の市松模様に塗り変える、という問題
 
 インテリジェント・デザイン説の場合
 神のような存在が、すでに作る模様をわかっていて
 一番早いパターンで白マスを黒に塗り替えるため
 隅の方から64歩で市松模様を作り上げることができる

 一方泥臭い進化で、総当たりのやり方をとる場合
 隅から出発して、すべての可能性の配色を1つ1つ試し
 ダメだったらまた最初からやり直す、というやり方をする
 この場合、2の64乗、つまり1800京というとんでもない歩数が必要になる

 しかしバクテリアから人間まで進化していくときに
 いちいちやり直ししていたら時間がかかる

 そこでもう一つのやり方を考える
 これは、初めに当てずっぽうにすべてのマスをランダムに塗るが、
 そのあと隣の色が同じマス目だけを選び、
 そのマス目の色を塗り替える、というやり方を取る 
 この場合、シミュレーションすると、かかる歩数は5000歩なのだそうです。

 つまり、試行錯誤の方法なら、神がデザインするよりは歩数は多いが
 総当たりよりははるかに少ない歩数で、市松模様を完成させられるそうです。
 
 彼は、進化の筋道でも、近道を見つけられるのでは、と話しています。
 進化の過程はランダムに変化しても、
 やり方次第では速く進化できる、とのこと
 「科学的に考える、とは、謎を見つけてもそれに屈しないこと
  常にこれはなぜだろうと説明を求めて、
  いい説明が見つかったら、さらにいい説明がないか探求することです」
 と話していました。

〇DNAの祖先を見つけた、と考える科学者
 すべての生物はDNAやRNAなどの遺伝物質を持っている、
 これは、生命は同じ祖先を持つ、とする進化論者の考えと合致する
 
 しかしこの説には一つ難題があり、それは
 「DNAの起源は何か?」
 ということだそうです。
 インテリジェント・デザイン説的には
 DNAは神が作った、ということになってしまう

 そこで次の科学者は
 DNAの起源や、DNAがどのように長期間生き延びてきたのかを研究をしているそうです
 この科学者はアリゾナ州立大学の化学者。

 生命は生きるためにDNAが必要だが、
 細胞が分裂する過程で、
 このDNAは完璧にコピーされ、受け継がれなければならない
 DNAをコピーする際には
 DNAポリメラーゼ、という酵素が働き
 鋳型となるDNAの配列通りに塩基をつなぎ、同じもう一本のDNAを作る、
 という作業が必要になる

 しかしDNAポリメラーゼというのはもともと存在していたわけではない
 そこで、DNAに先立つ遺伝物質があったはずだ、とのこと
 
 そのためには、DNAの二重らせんに結合するものでなければならない
 候補として挙がったのがRNA

 RNAはDNAより単純な構造をしていて
 リボースという糖からなっている
 しかしリボースの構造はちょっと複雑で、
 酸素原子1つと炭素原子4つが、特定の配列を取らねばならない
 この分子が自然にできる確率は、とてつもなく低いのだそうです。

 そこでこの化学者は、もっと単純な構造の物質を探したのだそうです
 そして試験管の中で試行錯誤し
 見つかったのがTNA(トレオース核酸)と呼ばれるもの
 これは炭素原子4つで、RNAよりも単純なのだそうです

 TNAから鎖状の高分子を作ると
 RNAの塩基とは結合できることが分かったので、
 RNAとの遺伝情報の交換は可能だ、とのこと

 TNAはRNAやDNAの祖先だったのかもしれない
 TNAはコピーを作れるかどうかは不明だが
 複雑な生命体にあるRNAに近い物質だと彼は信じているそうです。
 
 「我々は複雑な生命体を見ると、神のような存在を信じてしまう。
  しかし化学者としては、生命はどの分子が存在し、どの分子と結合したか
  それに尽きる」
 とのこと

 (TNAは、人工合成された核酸ポリマーで、天然には存在していないようです。

 ただここで登場したジョン・シャプーさんは、
 TNAが単純な構造で、原料も一種類の元素で済むこと、
 RNAなどと同じく遺伝情報をコピーできること、
 ポリメラーゼで合成できることなどから、
 RNAが生まれる前の初期の遺伝システムとなりうる、と考えているようです。

 http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/origlife/
 によると
 RNAを構成するリボースは、
 自然では出来にくい、とのこと。

 自然界には糖類の異性体がとても多いので、
 炭素原子と酸素原子を普通に反応させても、
 リボースのできる割合は非常に低くなるし、
 しかもリボースは安定性が低くすぐ分解してしまうのだそうです。
 ですので初期の地球では、
 核酸を構成する糖類としてリボースやデオキシリボース(DNAの糖)以外のものも使われていた可能性もある、とのこと。

 つまりシャプーさんがTNAを代替物質として考えるのも不自然ではないようです。

 ただDNAやRNAの起源については他にも説があるようで

 http://indeep.jp/life-on-earth-was-started-by-comet/
 によれば

 彗星の原料となるダスト粒子ができる状態をシミュレートし
 (低温の真空に近い状態で
水とメタノールを混合)
 そのあと原始の地球に近い条件となるよう
 紫外線を照射して、太陽熱に近い温度に上げたところ
 リボースを含む幾つかの糖が生成されたそうです
 (この研究はサイエンスに掲載されたそうです)

 つまりリボースが、宇宙空間の凍ったダスト粒子から生成され、
 それが地球に落ちてきた可能性もある、とのことです。

 ちなみにDNAやRNAの他の材料である核酸やリン酸は
 原始の大気、火山ガスから生成されたり
 あるいは隕石に含まれていた可能性もある
 と考えられているようです)

〇構造から進化を考えた科学者
 次の科学者は、身の回りにある色んな似た構造から、
 生命の流れを考えた科学者です。

 この科学者はもともとルーマニアのバスケットのスター選手だったそうですが
 今は機械工学者
 「私は共産主義の国から来ましたが、
  バスケットのプレーの仕方はどんな政治体制でも関係ない」と話していました

 彼は今は流れについての研究をしているそうです
 彼によると、
 「バスケットボールのボールは、様々な経路を通り、
  コートのあらゆる場所からバスケットに向かって流れている

  攻める側は流れを広くしてボールを通りやすくし、
  一方守る側は、流れをせき止めて妨害しようとする」

 ボールは優秀な選手に集中し、その経路は大きくなる
 ボールが行かないところは経路がなくなっていく
 このボールの経路を線で描いていくと
 枝を広げた木のような形になるそうです。

 この流れのパターンは自然界にもたくさんあり、
 稲妻や葉っぱの葉脈なども同じ

 彼は、この共通構造は
 物質がある点から別の点へ流れていくことに関係がある
 と考えているそうです。

 例えば木の中には水が流れ、土から大気中へと水が動いていく
 そしてほかにも、「力」も木を通じて流れていく
 彼はこうした、ものの流れやそれが作る形には、
 自然の普遍的法則がある、と考え
 「コンストラクタル法則」と呼んでいるそうです

 「この法則を簡単に説明すると
  大きさと限りがあるものが生き残っていくには
  より大きな場所に、より効率的に流れていくしかない、ということ」

 これは人間の体の中でも同じで、
 酸素、血液、電気信号などもこの法則に従って流れるのだそうです。

 宇宙はこうした複雑な形を作り出すように設計された、
 とすれば、インテリジェントデザイン説になりそうですが、
 彼は創造主の存在は否定しています。
 「すべての形は自然現象で、
  私たちができるのはそれらを観察し、法則にまとめあげるだけ」

 彼によれば、
 木のような形、それを作る流れが生命を生み出すのだそうです。
 「プレー中のバスケットの動きは、
  社会の中の個人の動きの象徴そのものです、
  誰かが道を切り開こうとする一方で、誰かが阻止している」

 宇宙が進化し、流れを作り、生命を作っているのかもしれない

 (いまいち「コンストラクタル法則」がわからないので調べましたが

 http://president.jp/articles/-/11355?display=b

 https://www.jsme.or.jp/column/201312.htm

 http://hpo.hatenablog.com/entry/20131231/1388494029

 などを見ると、この研究者(エイドリアン・ベジャン)は
 「コンストラクタル法則」
 についての本も書かれているようです
 (邦訳「流れとかたち」、比較的読みやすいそうです)

 私は読んでないですが
 書評などをみると
 この本のなかでのコンストラクタル法則の定義は
 「有限大の流動系が時の流れの中で存続するためには、
  その系の配置は、中を通過する流れを良くするよう進化しなくてはならない」

 とあるようです。
 私なりに書きますと

 世の中で生き残るためには
 その中にスムーズな流れを持つことが必要、

 ということで
 これは自然現象だけではなく
 人間社会や歴史でも言える、
ということを
 ベジャンさんはこの本で述べているそうです

 逆に言えば、
 流れを読んで、それに乗る能力がないと生き残れない
 何かが止まったり詰まったりしていたら死んでしまう
 ということなのかな?

 古い体制の組織とか
 干からびかけた川とか
 壊死しそうな組織とかに
 当てはまるのかなぁと思いました…
 (もちろん逆の例もありますが)

 まぁただこの本には批判的な意見もあり
 突然の災害とか、予測不能な突発事態についてはどう説明するんだ、
 という意見もありました。

 しかしながら、自然現象から人間の社会まで大局的に見て
 共通する大きな法則を見つける視点はおもしろいなと思います。
 時間があれば読んでみたいです)

〇宇宙の成り立ちや人の倫理観は、幾何学や数学の法則が決めたと考える科学者
最初にモーガンさんは
 「我々の体は原子からできているが、
  原子の立場からは、自分が体の一部とは知らない
  原子が飛び散らないのはなぜか」
 …という問いを投げ掛けていました

 ここで登場した宇宙物理学者(ジョージ・エリス)は宇宙論と物理学の第一人者だそうです
 彼の最近の関心は、宇宙の成り立ちではなく世界の成り立ちについてなのだそうです

 彼はその複雑さを、ユース合唱団の歌声に例えています。

 「物理学者は電子と陽子が相互作用し、
  それぞれの人の脳内で、歌を歌うように振動を起こす
  物理は法則がすべての物事を起こす、と考える」

 しかし彼は今、
 この歌は単に粒子による物理的プロセスの寄せ集めではない、と考えているそうです
 
 ユース合唱団の例で言えば
 指揮者によるコントロールが必要になる
 指揮者の考えが、歌う人の脳内へとトップダウンでつながっていると考えられる、
 とのこと
 これを「トップダウン因果律」と呼ぶそうです
 聖歌隊員を構成する素粒子は、
 指揮者にコントロールされている、と考えるのだそうです

 (この説には少し違和感を感じました。
 これが本当なら、全く訓練を受けていない人たちでも
 名指揮者がいれば、指揮者のコントロールにより
 美しいハーモニーを産み出すことになるが
 実際は聖歌隊はたくさん練習しているはず。

 実際は、聖歌隊は、
 指揮者の振る舞いを見て
 そこからサインを読み取る練習をし、
 この振りの時にはこう歌うと記憶する

 その上で、本番歌うときに
 指揮者のしぐさを視覚情報として脳内に取り入れ、
 その情報が刺激となり記憶が想起されて、歌が出てくる、
 というメカニズムなんじゃないかと思うのですが…)
 
 では、美しい自然には指揮者がいるのか?

 彼は、幾何学模様にその存在を見出したそうです。
 彼は三角形を見て、
 「この図形にはピタゴラスの定理がある、
  これは宇宙全体に通じる普遍的な原理です」

 彼は幾何学の法則は、宇宙が始まる前から存在し
 物質世界はそれに支配されている、
 人間は後追いでそれを発見したに過ぎない、と考えているそうです

 古代ギリシャの哲学者プラトンも同じ説を唱えた

 しかも彼によれば、その数学的な法則はただ存在しているだけではなく、
 意味を持っていて
 人間の倫理観も規定している、と考えているそうです

 彼によれば
 善悪の判断、他人との接し方などは
 人類の誕生前からパターンが存在している、
 事象とはただ物理的に存在しているのではなく、意味を持っている、とのこと

 モーガンさんのナレーションによれば
 「人間が善悪を持つのは、人間が倫理的な存在に創造された、ということのあかしなのか
  それとも進化により、人間の道徳観が作られていったのか…」

〇道徳を決める脳内物質
 この科学者は、神経経済学という新しい学問を研究しているそうです。
 脳内物質の変化が行動にどう影響するかを調べる学問なのだそうだ。

 彼のお母さんは修道女だそうです。
 修道女は、善悪のスペシャリストですが、
 彼は「道徳観は一つではない、善と悪はどこから来たんだろう」と考えているそうです

 道徳観を特定する物質の候補としてオキシトシンが考えられたそうです

 オキシトシンは
 出産時の陣痛促進くらいしか役割が知られていなかった
 しかし男性にも存在することが分かった
 それはなぜか?
 
 彼は、オキシトシンは愛、信頼、共感に関係があると考えた
 そこで、脳内オキシトシンは他人を信用するときどう働くのか?を調べたそうです

 「オキシトシンは信頼感を促進する
  というのは実験室レベルでは分かっている、
  しかし現実世界ではどうか?」

 彼は体を張って、自らスカイダイビングをして調べていました。
 まずスカイダイビングする前に、地上で採血する
 ダイビング後もまた採血し
 脳内物質がどう変化したかを調べる
 
 彼はタンデムスカイダイビング、というのに挑戦
 これは二人で一組になり、一つのパラシュートを使う
 パートナーとなったのはほぼ初対面の方
 また、パラシュートなど器具の準備はすべて他人に任せている

 スカイダイビングの事故は、
 多くは人為的なもので
 パラシュートのたたみ方とか、器具の不具合などがほとんどなのだそうです
 しかし彼は他人を信頼して準備を任せた

 彼らは飛行機で3000メートルの空へ飛び
 そこでは「もう君を信用するしかないよ」
 「深呼吸して」「マジで?」といいながら飛び降りる。
 (見ててもこわいです…ようやるなーこんなん、と思いました…)
 
 長く感じる時間を経て無事にパラシュートが開き、着陸。
 「残りの人生、ようこそ」

 彼は
 「3000メートル以上の高さからでは、石のように落ちている
  遠ざかる飛行機を眺めていたらパニックになりそうだった」
 といいつつも、採血をそのまま行う

 分析してみると
 ストレスを感じると分泌されるコルチゾールは500%増加、
 勇気と関係するテストステロンは40%増加
 この辺は想定内だそうですが
 オキシトシンは17%増加、だそうです
 「全くの他人への信頼としては上出来」
 彼によれば、結婚式の後、新婦が新しい新郎への信頼感を示す時は28%増加する
 その半分以上なら十分だろう、とのこと

 さて、道徳分子があるとすれば、それはどのようにして作られたのか?についてですが
 彼は
 「進化が始まる前に何があったのかは分からない、
 創造主が作ったのかどうか、
 それは自分は答えられない、それは信仰の問題だ」
 と述べています。

 道徳分子は、神が作ったのか、
 それとも単に進化の過程で作られたのかは分からない

モーガンさんは最後に、
インテリジェンス・デザイン説は
善なる意図を持つ大きな存在が
この精緻な世界を作り出した、と考え

進化論は、自然淘汰という法則にのっとり、どん欲に自分の生存を求めることが
進化を推し進めてきた、と考える

どちらが正しいかは分からないが、
ただ一つ正しいのは、生命は素晴らしいことだ、と締めくくっていました。

○感想など
・インテリジェント・デザイン説は、
 「神が7日間かけてこの世を作った」
 とする聖書の世界観の人たちには受け入れられやすいのかなと思いました。

 私自身は、超越した存在というのはあるかもしれないと思うが
 「超越した存在が、精緻な生命体を意図して作った」
 てのは出来すぎな話かなぁと感じます。

 まぁたしかに自然界の美しさ、
 生命現象の精密さを見ていたら
 何かの創造主の存在を見いだしたくなるのも分かります。

 でも神とか超越した存在が、
意図して世界を作ったというのは
 神が上、我々は神の作った世界のキャラクター?て感じで
 上下関係がある気がして
 個人的には気に入らない(笑)

 それに、最初から意図しているなら
 完璧でない機能が残っているのはなぜか。
 例えば人間の尾てい骨とか、進化の名残のような不要なものをなぜ残すのか。

 あるいはなぜこの世に悪や犯罪があるのか…
 もとから善なる人たち、完璧な世界を作ればいいわけで。
 「悪を学ぶためだ」
 という人もいるかもしれないが
 もとから無いなら学ぶ必要は無いわけで…

 私の考えでは
 どっちかというと
 神様はいろんな実験をしているのかもしれないと思う。
 いろんな生き物、いろんな存在、いろんな考え方の人たちをこの世に作り
 どんな世の中になるかの実験…

 でもそれは「より良いものを作る」とか目的がある実験ではなく
 いろんな多様性を見たいのかな、と。

 そういう神(超越的存在)の世界観では
 悪は存在してはいけないものではないのかな、と思う。
 キリスト教的世界観で言えば
 悪はダメ、善なる人になれと言うが
 悪が無いと善も存在しないんだと思う。
 陰陽の世界観、太極図に近いのかなと思います。
 悪が無ければ善もない、
 辛さががあるから喜びがある、
 反粒子が無ければ粒子は無い…

 もちろんこの世に悪は無い方がいいんだろうけど、
 誰しも心の中には悪もあって
 それがあるから他人のミスに理解を示し、優しくなれる一面もある。
 そういう全てが混じりあった、
 全ての存在を認める世界、
 というのを実現しているのかなと思います。

 「悪を根絶せよ」という神様より
 「悪はありうる、みんな存在していいんだよ」
 という神様の方が
 私は優しさを感じます。

・進化の近道がある、という話も興味深かったです。
 進化を効率的にするアルゴリズム、というのが存在するのかもしれないですね。

 「群れはなぜ同じ方向を目指すか?」
 という群知能を扱った本では
 道が作られていない公園の中で
 出口にたどり着く最短ルートを作る問題で
 みんなが通るルートをより太く
 通らないルートを消していくと
 早く正解にたどり着ける
 というアルゴリズムが紹介されていました。

 人類の進化、遺伝子の突然変異にも
 似たようなアルゴリズムが使われているのかもしれない。

・DNAの起源、の話も不思議でした。
 考えてみたら、何で地球上の生き物はみんなDNAを持つのだろう。
 宇宙人がDNAにメッセージを残していったのでは、とかいう説が
 過去のこの番組で紹介されていたけど
 高度な知性をもつ宇宙人がDNAを残した説もあったりして、と思いました
 (想像するだけなら勝手なので(笑))

・最後の宇宙物理学者の
「幾何学の法則は宇宙以前から存在する」
 という考え方は「?」と思いました。

 それが本当とすれば
 なぜ幾何学の法則はできたのだろう?
 誰かが意図して作ったのか?
 たまたま出来てしまったのか?
 なぜそれが我々の倫理観を決めるのか?
 …よりいっそう疑問がわいてしまいました…

 しかし、そもそも幾何学の法則は絶対なのか?とも思います。

 幾何学法則は、
 我々のこの宇宙の、三次元世界だけに通用する法則なのかもしれない。

 そもそも、宇宙のこと自体が謎だらけで、
 10次元あるという人もいるし
 別の宇宙があるという人もいる。
 もし別の次元や別の宇宙があるとすれば
 そこでは別の数学の法則が通用しているのかもしれない、
 とも思います。

 個人的には、幾何学の法則は宇宙の誕生と共にできて
 私たちが住んでいる世界
 (というか、私たちの肉体で見ることができる世界)
 をある程度限定しているかもしれない、とは思うが
 宇宙全体もそうだ、とまでは言い切れないのではないかと思います。

インテリジェント・デザイン説にしろ
進化論にしろ
結果的にできたこの世界、生き物たち、生態系システムはみんな精密で美しいですね…
物でもそうだけど、作るのは難しいが壊すのは簡単。
壊さないように守らねばならないと思いました。

というわけで今回はこの辺で。