2017年07月24日

NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」

NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」

 最近AIがなにかと話題です。
 囲碁将棋もAIがプロに勝ち、
 医療診断も投資もAIに頼りつつある…

 ならば日本の未来もAIに聞いてしまえ、
 てなことをNHKが企画しちゃったらしい。
 去年の紅白といい、NHK最近暴走してますねぇ…
 出てきた提言は奇想天外なもの、
 しかもその聞き手があのマツコ・デラックスさん、
 ということで、思わず見てしまいました。

 AIさんは提言だけで理由も解決策も言わない、
 だから専門家が結果についてあーだこーだ言うわけですが
 その話の広がりが興味深い。
 マツコさんの直感的な分析もなかなか的を得ていました。

 私はてっきり大学などの研究を紹介しているのかと思っていたんですが、
 このAIはNHKが独自に開発したものなんだそうです。
 ここに、日本の医療、生活、社会など、
 過去30年分のデータを学習させているのだそう
 また、たくさんの人の追跡データも加えて、
 日本人の行動パターンや価値観なども組み込んでいるのだそう。

 マツコさんは
 「余計なお世話ね、
  そんなの東大か京大に任せときゃいいのに」
 と相変わらずの毒舌ぶり。

 マツコさんはNHK初司会だそうですが、
 もう一人の司会者有働アナとの掛け合いもテンポ良く、
 横道に逸れそうになったら本題に修正していく手腕はさすがでした。

(メモで書いてるので、データなどの細かい間違いあったらすみません)

○AIによる20年後の日本
 さて最初はくらーいデータ。
 AIさんによれば、今のままだと日本の20年後には
 ・高齢化率35%増加
 ・出生率は2.0を下回ったまま
 ・ガンによる死亡が23%増加
 ・医療費が7.6兆円増加
 ・85歳以上の就業が54%増加
 ・自殺、餓死者が44%増加

 …になるんだそうです。
 そんなAIが提言するのは

 ●健康になるには、病院数(病床数)を減らすべし
 ●出生率を上げるには、結婚するより車を買うべし
 ●ラブホテルが増えると、女性が活躍する
 ●女子中学生の肥満度が上がると、中年男性に影響がでる
 ●40代独り暮らしが日本を滅ぼす

 …?ですね。

 最後の
 「40代独り暮らしが日本を滅ぼす」
 はNHKが一番力を入れてたみたいで
 スタジオには40代独身の人たち30人を集め、
 この話だけで後半50分を費やしていました。
 前半1時間であとの4つをさばいていました。

さて最初の提言。
○今回のゲスト解説員
 ゲストには、
 解説員として東大の坂田一郎氏、京大の柴田悠氏がいました。

 坂田氏はAIのデータを分析するデータサイエンスが専門だそうです。
 「今回は雑多なデータを一緒に分析しているのが新しい
  ふつうAIは囲碁に勝つなど、ある目的を持ってデータを選んで分析するが、
  なにもなくデータをごったに分析するのは珍しいらしい

 柴田悠氏は、統計分析を政策に反映する研究をされているそうです
 (この方の「子育て支援が日本を救う」という本を読んだことがあります)
 専門は社会保障、少子化など
 「今回は各都道府県のデータ5000種類を集めているんです。
  ふつう我々のような専門家が扱うデータは多くて50くらい、
  ですからAIはこの100倍のデータを使っている」
 とのこと

 そしてNHKの偉いさんとして?大越健介氏もいました
 マツコさん
 「中年のエロスよね」(笑)
 予想外のコメントに
 「最大の誉め言葉です」と照れつつ
 「NHKの責任者出てこい、と言われたらいけないのでスーツを着てきました」(笑)

 もう一人解説の方がいて
 有働アナ
 「次は、今回のAIの開発者の阿部ひろしさんです」
 「ひろふみです」(笑)
 阿部博史ディレクターでした。
 今回のAI開発者の責任者だそうです。

 「失礼しました」(笑)
 と本題に入ろうとしたとき、マツコさんが
 「ちょっと待って、AIの名前どうすんのよ」

 有働アナ
「生まれたばかりで成長過程なんで、名前はまだ無いですね」
 マツコさん
 「じゃあさ、さっきあなたが間違えたひろしにしましょ」(笑)
 「だって無茶なこといっても、ひろしが言ってんのよ、って言えば角が立たないでしょ」
 有働アナ
 「そんなひろしが言うからですか(笑)」
 マツコさん
 「そんなひろしに騙されてみましょ」(笑)
 というわけでマツコさんの命名により、AIさんの名前は「ひろし」に決定したようです(笑)

さて最初の提言
●健康になるには、病院数を減らすべし
 マツコさんは
 「病院じゃなくて、病床数なのよね」と確認してました
 柴田氏
 「そうです、ベッドの数ですね」

 ・AIのデータ分析
  ここで、今回のAIのデータ分析と人間の違いを説明すると
  例えば坂田氏など人間が原因を探ろうとすると、
  病院数のデータがなにと関係するか、
  思い付くものを書き出して線でつないでいく
  (風が吹けば桶屋がもうかる、式の流れで)
 しかしこのやり方だと発想に限界があり、途中で止まってしまう

 一方AIでは、
 「パターン学習」
 「ディープラーニング」という方法で
 たくさんのデータの中で、
 病院数を増やしたり減ったりしたときに、
 連動して減ったり増えたりする(もしくは増えたり減ったりする)データを見つける
 その際は、AIくんは関係がある、というだけで
 意味や因果関係は考えないそうです

 例えば病院数からは100個以上の線が出ており
 中には「バナナの購入数」
などという一見関係なさそうなデータも…

 阿部ディレクターが分析画面を示すと
 AIの脳みその中で、
 「病院数」などの各データの項目が円で囲まれ、
 円同士が線で三次元的につながっている

 「病床数」データが増えれば囲む円が膨らみ、減ると円が小さくなっている
 そして「病院数」の円が伸び縮みすると、
 連動する(線でつながっている)データの円も伸び縮みする。
 複数のデータが連動して変化する様子がビジュアルで分かるようになっていました

 有働アナ
 「ただこれだと見にくいので、パネルで示しました」
 関係が強いデータだけ抜き出して、平面的に図で示しています
 マツコさん
 「企画の段階で言ったのよ、これ絶対分かりにくいって」
 このパネルはマツコさんの発案だったそうです
 「悪いんだけど、民放のようにさせていただきました」だって(笑)

 さて病院数が減ると、
 ・ガンによる死亡減
 ・脳血管疾患減、
 ・女性の平均寿命増
 ・65歳以上男性の死亡者減…

 マツコさんは
 「医師会にけんか売ってんのかしら」(笑)
 とも言いつつ、
 「ふつうは近くに病院がある方がいい、病気になっても安心と考えますよね?」

 柴田氏によれば
 「ここで注釈を加えると、
  30年分のデータを集めているだけではなく
  時系列的にも分析しているんです」
 例えば病院数が減ってから5年後、などの時系列的な変化も反映させているそうです
 「その上で、健康になったから病床数が減ったわけではなくて、
  病床数が減ったから健康になった、
  と見る方が妥当だということになった」
 つまり純粋なデータ分析の結果が
 「病院が減れば健康になる」
 らしいです

 ここは私の印象ですが、
 病院が少ない方が死人が減る、とかいうのは、
 今話題の本などにもある
 「医者や薬が病気を作る」
 的な話につながりかねないせいか
 けっこう皆さん発言が慎重でした。

 ・夕張市の例
  しかし、これが現実化した都市が実在するらしい
  それは夕張市

  ここは2007年、財政破綻して唯一あった病院がつぶれてしまった
  診療所が代わりに医療を担うものの、病床数は1/10に激減
  しかしこの状況下で、
  市民はむしろ健康になっているらしい

  データによれば、男性では
  ・肺炎による死亡者32%減少
  ・ガンによる死亡5%減る
  ・心疾患35%減る
  女性では
  ・心疾患15%減少

  これはなぜかというと
  「健康に気を付けるようになった」からみたいです。

  集まって健康体操をする高齢者に聞くと
  「健康には気を付けている」
  バナナを毎日食べてる人もいました。
  「バナナのカリウムが体の老廃物を排泄してくれる」
  スタッフが「詳しいですね」というと
  「そういう健康もの好きなの」

  さらにAIの話を裏付ける事実が…
  ・店ではバナナが山積み
   「人口に対しては多すぎよね」
   好きではないが健康のため食べる、というお年寄りもいました
  マツコさん「あたしバナナ買うわ」(笑)

  ・ボランティアをする人も増加
   AIは「病院数が減る」と「男性のボランティア時間がふえる」と提示していました。
   夕張市では、草刈りや掃除などを自発的にしている年配の男性もいて、
   「助かる」と感謝されていました

  市長に話を聞くと
  「病院数と健康の関係は考えたことは無かったが、
   そういう事実があるなら新しいアイデアにつながるかも」
  と話していました

 ・スタジオでの話
  マツコさん
  「雪降ろしとか、地域のことをできないから自分たちでやろうということになって、
   それが結果的に健康になってる、てことなのね」

  大越さんは
  「ただ、夕張はドンピシャだけど
   AIはこうしなさいと言ってるわけじゃないんですね。
   地域や自治体により違いがあるので、減らせばいいと言い切ることはできない」

  マツコさんは
  「病院とか、環境が整いすぎると頼っちゃうのかもしれないわね」
  それを受けて坂田氏は
  「油断しちゃうんでしょうね」
  そして、連動する他のデータも合わせると
  病院が減ることで社会全体の活動量が増えていることを指摘。

  例えば・スポーツの時間が増加、
  ・ボランティア活動増加、
  ・パートタイム勤務増加、
  ・買い物平均時間増加
  など、体を動かすことが増えている。

  柴田氏
  「活動的になることが大事だとすれば
   病床数を減らすことにこだわらなくてもいいのかもしれない」

  マツコさん
  「ただ病院無くなるくらいの大事件がないと、人間は動かないのかもしれないわね」
  坂田氏も
  「それくらい影響を与える政策が必要とは言えるのかもしれない」

  柴田氏は
  「それから、減ると影響が出るのは病床数であって、
   町医者が増えるのは問題ないんですね。
   だから大病院から地域医療に移す、などの方向性はあってもいいのかもしれない」

  すると大越さん
  「政府では在宅医療にシフトしましょう、という話はあるけど、
   そうなると関わる家族の負担も考えなきゃいけない。
   だから医療の話は考え出すと深い話になる」
  坂田氏
  「AIの出す提言をどう解釈するかが我々の責任でもありますね」

さて次の提言です
●少子化を食い止めるには結婚するより車を買うべし
 日本では、出生率は1990年から1.5で横ばい、あるいは低下しているのだそうです。
 ここをあげないと少子化に歯止めがかからない。

 そこで出生率と関係あるデータを探すと
 「婚姻数」でも「出来ちゃった婚数」でも「結婚年齢」でもなく
 「製造業付加価値額」と「車の購入数」だそうです。なぜ?

 ・車は基幹産業
  結論から言うと
  「車は」は象徴的なもので、
  みんなこれを買うために頑張るぞ、みたいな産業があると、
  経済が活性化して、子供も増えるだろう、
  という話みたいです。

  マツコさんは最初に
  「多分、車は基幹産業だから、
   ここが増えることで、豊かな人、結婚に前向きな人が増えるのかな」
  と話していて、ここが議論の軸になっていました

  坂田氏は
  「車は高額商品の代表ですよね、
   そして子供を持つのも経済的に余裕がいる」
  つまり、お金に余裕があることが前提にあるのでは、と指摘。

  柴田氏は
  「戦後の時代に三種の神器、そのあと新三種の神器、
   新三種の神器に車は入っていたけど
   それ以降はそれに当たるものがない」
  「みんなが欲しがるような産業がないと経済が回らない、
   雇用も増えないということかもしれない」
  と話していました

  では次に来る産業は?
  マツコさん
  「阿部ちゃん、何かないの?」
  阿部ディレクター
  「AIは過去のデータはみますけど、これから来そうなものは出せないですね」
  「じゃあ阿部ちゃんは、何が欲しいの?」
  「私はパソコンですね」(笑)

 ・婚姻件数などとの関係は?
  ちなみに出生率に関係がありそうな他のデータも、検討はしたそうです

  例えば婚姻件数。
  これが増えると
  ・即席めん購入額減る
  ・スポーツの平均時間増え
  ・パック旅行増える
  ・ガンによる死亡減る
  ・心疾患減る
  ・自殺者減る
  ・新規就業者数増える
  ・製造業従業員数が増える
 ・・財政収入増える

  …といいことだらけだが、
  出生率は減っちゃうらしい。

  また、「でき婚数」「婚姻年齢」は、出生率と関係ないとAIは出しているそうです

 ・次の産業は農業?
  「次の世代に来るものはなにか、を読みとかないといけないかもしれない」という話のなかで
  マツコさんは突然
  「農業だと思う」

  有働アナ
  「…なぜ農業を?」
  マツコさん
  「だって日本はこれだけ先進国なのに、
   自給率が低い国って他にはないわけでしょう、
   (日本の食料自給率は39%、ほかの先進国と比べてかなり低い、というデータが。)
   農地を作ってそれを活用すれば食料問題も解決するし
   雇用も増えるんじゃないかしら」

  マツコさんは気づいてなかったみたいですが、
  実際AIも、出生率と農林漁業従業者数が連動している、と言っているんだそうです

  柴田氏は、例として秋田県の大潟村の話をしていました。
  ここは1950年代、国策で干拓され、大規模農業が始まり、
  若い世代が近代的な農業をしているそうです
  マツコさん
  「じゃあ後を継ぐ人がいるってことですか?」
  「若い人は一旦都会に出るんですけど、ちゃんと帰ってきて跡を継ぐ。
   しかもお嫁さんを連れて帰ってくる、
   だから新しい女性が増えているんです」

  マツコさんは干拓地など見に行ったことがあるそうですが
  「小規模でも、なり手がいないから使ってないいい農地がたくさんあるんですよね、
   それを活用すれば、雇用も増えて自給率が上がるんじゃないかな…
  とかお風呂に入りな がら考えてます」(笑)

 ここまでの話で、マツコさんは
 「なんか面白くなってきたわ」

 「人間だけだと、今までの知識や考えを話しているだけになるじゃない、それが行き着くとこまで行ってるのが現代の世の中だと思うのね。
  だけど新しい何者かが、中立的な立場で何かを出してくれることで
  建設的な議論ができるわよね」
 なるほど。

さて次の提言です
●ラブホテルが増えれば女性の活躍が増える
 AIによれば、ラブホが増えたら、
 女性の給料、パートタイム勤務増加、65歳以上の寿命が上がる…というデータがあるらしい

 マツコさんはズバリ
 「やっぱりセックスができるってことは女性にとって活力の源なんじゃないですか」
 と言ってましたが

 ここで、ラブホの研究者がいる、ということで電話していました。
 ご本人によればラブホ研究ではなく
 「江戸時代の貸間産業の研究」だそうです。
 マツコさんは
 「貸間産業って、粋な言い方ねぇ」
 と感心していました。

 この研究者にによれば、
 最近はラブホも女子会に使われたり
 女性が終電を逃したときの宿泊場所などとして使われたり、多様化しているのだそうです。
 マツコさんの意見にも
 「女性がそういうことも自由に選べるようになったのは、婚前交渉が禁じられてた時代に比べれば大きいと思う」
 と賛同していました

 しかしマツコさんは
 「でもバナナの購入数減ってるわよ、なんで?」(笑)

 バナナはよくわかりませんが(笑)
 ラブホが多いのはいいことばかりではなく
 ・40代の未婚比率が増加、
 ・デキ婚が増加、
 ・婚姻数が減少…なども。

 坂田氏の指摘によれば
 「ラブホテルが多いのは、自由な雰囲気を表しているのかもしれない」
  リチャード・フロリダさんという経済学者が、
  アメリカではフロリダ州など温暖な地域はクリエイティブな町で、ゲイも多い
  これはゲイが多いからクリエイティブなのではなく
  自由な雰囲気だからではないか、
  という論文を書いているそうです
  なので、ラブホが多いのは女性にとって自由な所、ということで活躍できるのでは、とのこと
 「ゲイが多くてラブホが多い、と言えば新宿?」
 「新宿ってクリエイティブ?」
 …とか言う会話をしていました(笑)

 坂田氏の分析では
 スポーツ時間が減少したり、住民税も減少などいい影響でもない、
 全体として考えるべき、とのこと

 マツコさんは最後まで
 「ちょっと、バナナは誰も説明してくれないの?」(笑)
 「阿部ちゃん!」
 阿部ディレクター
 「因果関係が分からないってことは、データが少ないってことですね」
 冷静に流してました(笑)

 さて次の提言
●女子中学生の肥満度が中年男性に影響を及ぼす
 これは分かりにくかったんですが、
 女子中学生の肥満度が上がると

 男性の
 ・30代の未婚率増加、
 ・40代の離婚率増加、
 ・65歳平均余命が減少
 ・大卒の初任給減少
 …など、関係無さそうなおじさんの人生を悪くするらしい

 ただし失業率が下がったり
 60代前半の離婚率が下がったり
 ボーナスが上がったり
 の正の影響もあるそうです

 …意味不明ですね。

 大越さんは
 「我々も議論したんですけど、
  直接の因果関係が分からないから
  間に補助線を引けばいいのでは。
  例えば女子中学生がスリムになれば日経平均が上がる、ていうデータもあるんです」

 坂田氏は
 「難しいときはデータ全体を見て、共通する要素を拾ってみるといい」
 例えば肥満になる原因は活動が減ること、
 ここからなにかが見えないか…

 ここで柴田氏は
 「例えば肥満は貧困を反映しているのかもしれない」
 最近では、貧困世帯の方が肥満が多い
 ということは、女子中学生の肥満は社会の貧困化を先取りしているのかも、とのこと
 「炭鉱のカナリア」と表現していました
 (炭鉱で酸素不足になると、真っ先に死ぬのがカナリアらしい)

 つまり、女子中学生の肥満が少ない、てことは、
 社会の活動が活発で、
 経済がいいことを示すのかもしれない、とのことです
 だから日経平均も上がる

 ちなみに、男子中学生の肥満はあんまり経済に関係ないらしい
 マツコさん
 「男は単に太ってるだけ?」(笑)

 これについては「日本は女性がリーダーシップをとっているのが大きいかも」
 とのことでした
 たしかに物が流行るのも女性から、
 視聴率も主婦や若いおねーちゃんが見ないと上がらない

 ただしここまで議論しながら、
 この項目についてはマツコさんは
 「これだけでは何とも…キャッチーではないわね」
 と切り捨てていました(笑)

さて最後の提言です。
●40代独り暮らしが日本を滅ぼす
 ここは長く時間をとって議論していたんですが、
 なぜNHKが40代シングルに力を入れているか?

 実は今回AIの分析で、今後の日本に大きな影響を与える要素を10個挙げているそうですが
 その第2位が40代独り暮らし、らしいです

 (第1位は核家族世帯数、だそうで
 今回は全く触れられていなかったですが、
 そのうち特集を組むのかな?私の勝手な推測ですが。

 ちなみに3位以下は
 病院数、女子中学生の肥満、平均婚姻年齢、車の保有数、でき婚率、平均寿命、老衰死亡数、婚姻件数、だそうです)

 AIによれば、
 40代独り暮らしは、
 社会の貧困化、少子化、地域の空洞化をもたらす…
 空き家数増加、出生率低下、生活保護、自殺者が増える…など
 社会への負のインパクトが大きいようです

 ○役所などの反応
  この結果を荒川区役所に持っていったそうです
  荒川区は再開発が進み、40代独り暮らしがこの10年で増加しているらしい

  しかし役所の人たちは
  「??」という反応。
  そもそも40代の独り暮らしの人たちがピンと来ないらしい
  「行政としては関わりが一番薄い」
  「子育てしていれば接点もあるけど…」
  「豊かなイメージ、必要がないから役所にも来ない」

  しかし40代独り暮らしが増えると、
  老人クラブの会員数が減る
  という結果を見て驚いていました。

  というのは、荒川区は認知症予防などのため、
  老人クラブ会員数増に力を入れてきたそうです

  老人クラブの人に
  「この中で40代のとき独り暮らしだった人います?」
  と聞くと
  「そんなモテない人いないよ」
  と笑っていました
  (マツコさんは
  「あたしたち、この人たちに笑われてるわよ」と自虐的なコメント(笑))

 ○なぜ40代シングルが日本を滅ぼすのかの議論
  さらに、救急車の出動も増えるんだそう 。
  「40代は働き盛りだから呼ばないわよね…」
  とマツコさんは首をひねってましたが

  スタジオに集まってもらった、
  40代の独り暮らしたちに意見を聞くと
  40代の男性は
  「離婚したあとは、ファミリーの住みそうな所は避けて住むようになった」
  シングルの人が住みそうな所に住みたくなるそうです

  坂田氏
  「シングルの人が集まる、大都市化が進むということですね」
  他の指数を見ると、
  救急車の出動回数など、社会的サポートが必要になる傾向。

  「他に意見は…」
  40代女性は
  「社会に迷惑をかけている気はないんですけど…」
  と発言し
  「あなたたちが悪い訳じゃないですから」
  と大越さんにフォローされてました(笑)

  しばらく議論するうち
  柴田氏は
  「子供世代が孤立しているときは、
   親の世代も孤立している」
  と指摘。
  そしてそこには共通の背景があると考える必要がある、とのこと。

  40代独り暮らしが増えると50代の独り暮らしも増える、
  公的支援が必要な人が増える…
  「40代の独り暮らしの人たちは、
   社会のネットワークが切れていると示す、社会のカナリアなのかも」
  と話していました

  つまり最初のデータだけ聞くと
  極端な話、40代が独り暮らしでいるのが悪い、みたいな話に聞こえるけど、
  実は40代独り暮らしは、社会の危険の被害を最初に浴びている人たちなのかもしれない
  キーワードは「孤立社会」

  大越さんは
  「この人たちは社会のツボみたいなもので、
   ここを押せば社会全体に効く、みたいな役割かも」と表現していました

 ではどんな対策をすべきか?

 ○40代の独り暮らしの分類
  40代の独り暮らし、と言っても独身貴族の人もいれば
  収入が無いから結婚に踏み切れない人もいる
  タイプがバラバラだと対策しようがない

  というわけで、AIに分類してもらったそうです
  東大、阪大など4つの研究機関の持つ、
  職業や年齢のデータや、アンケートによる行動パターンなどのデータを
  個人情報を消した状態で分析したそうです

  男性、女性ともに3タイプありました
  男性は
  ・仕事バリバリタイプ
   割合としては38%
  ・残業もいとわない
   食べるときあんまり噛まないという傾向もあるとか。

  ・結婚したくてもできないタイプ
   割合としては33%
   非正規で収入が少ない
   タバコをたくさんすう、列に割り込むなどの傾向もあるとか

  ・現実逃避タイプ
   割合としては18%
   非正規雇用、健康に不安があるなどの傾向があるらしい

  女性は
  ・充実キャリア、一人で楽しいタイプ
   割合は55%
   貯蓄もあり仕事が好き、スポーツなど楽しむが孤独感はある

  ・結婚はコリゴリタイプ
   割合は22%
   夫と死別や離婚歴あり、
   人は信用できないと考えている

  ・日々に不満タイプ
   割合は15%
   非正規で貯蓄なし、周りは豊かと思う
   ビール毎日3缶飲む、という傾向もあるとか

  ちなみにマツコさんは
  「あたしはこっち(男側)なのかしら…なら仕事バリバリタイプ」
  「もっと仕事バリバリタイプが多いのかと思ってた」
  坂田氏
  「女性の方が前向きですね」
  男性の方がシングルでない方がいいのになぁ、と思う人が多いのかもしれない

 ○幸せとは何か?
  有働アナは
  「あなたは充実キャリアタイプでしょ」と言われ
  「ええ、1年前より幸せと思ってるし、仕事は生き甲斐だし…」
  しかしマツコさんは
  「そう思い込んでるだけじゃないの?」

  「…そうですかねぇ」
  「そもそも幸せって何?
   幸せって無くせばいいと思う。
   幸せがこうだ、こうであるべき、てのがあると満たせないと思っちゃうでしょ」

  さらに有働アナ
  「ちなみにあなたどれくらい幸せなの?10段階なら?」と聞かれ
  「…6くらいですかねぇ」

  これには専門家の方々も
 「ええ?」
 「もっとあるのかと思ってた」
  有働アナ
  「だって朝4時起きですよ。なのに家に帰っても誰も慰めてのくれない…」
  マツコさん
  「だからそこよ。
   あなたはそれが不幸と思うけど、
   有働さんみたいにバリバリ働くのに憧れてる人もいるわけでしょう。
   そういう人から見たら、何4時起きくらいでビービー言ってんのよ?て感じでしょ」(笑)

  …幸せの形はさておき、
  NHKさんは、40代でシングルになる可能性を示す人生アミダくじも作ったそうです
  (ちなみにマツコさんは40%、有働アナは90%でした)
  ホームページで確認できるとか。

 ○肝心の解決策
  さて、次はAIの示す解決策ですが
  40代独り暮らしを減らすには
  「家賃を下げる」ことだそうです。
  特に男性、民間賃貸住宅の家賃を下げるといいらしい

  これに頷く方がいて
  都内に住む非正規雇用の男性は
  「家賃の負担がきつい」
  月収は12万、
  風呂トイレなど共同の所に住んでも、家賃で1/3以上は取られる
  貯蓄ができないから結婚なんて考えられない、とのこと

  また、荒川区では、南千住など再開発が盛んだが、
  建てられるのはシングル向けのマンションがほとんどなのだそう

  不動産屋さんの話によれば
  「大屋さんがシングル向けを建てたがる」
  そうなんですが
  それは儲けがより取れるからだそうです

  ファミリー向け2部屋より、
  同じ値段でシングル向け4部屋作る方が儲かるらしい。
  つまりシングル暮らしは割高になっているんですね。

  荒川区の防災町作り推進課に、
  40代独り暮らしの影響と、
  再開発でシングル向けマンションが多い話をすると
 「今まで気づきもしなかった。
  区でどれくらい種類を指導できるか…
  ただ現実的には難しい」
  と話していました

  スタジオの40代の方も
  「今非正規で収入も低い。
   お金が貯められると思えれば、将来に前向きになれるのに」
  と話していました

  マツコさんは
  「非正規、正規って幸福の別れ道よね」
  40代は、派遣が当たり前になるなど、
  非正規雇用の先頭の世代、とも指摘していました

  「でも、家賃下げればいいって言ってもいくら下げればいいの?」
  阿部ディレクター
  「実はそこも聞いてまして、
   1坪当たり1000円すれば38万人の独り暮らしが減る、
  と出ています」

  つまり10坪で1万円値下げする計算。

  坂田氏によれば
  「これはけっこうインパクトのある政策です」
  40代の独り暮らしは249万人、このうち38万人となると15%
  それだけ減るのは大きいのだそう

 マツコさん
  「簡単なんだけど、人間だとなかなかそういう発想が出てこないのかもしれないわね」
  しかし、世界を見れば、例えばフランスは少子化対策として補助金を出し、
  実際効果を挙げている、とも指摘。
  額よりも政府が補助を出す姿勢をとるか、という効果もあるのでは、とのこと

  一方柴田氏は
  「日本でも、1970年代、補助金は無かったけど、
   ニュータウンを建てるなど
   安い住宅を提供することはしていた、
   だから住宅を補助するのは実はそんなに新しいことでもない」

  大越さんは
  「さきほどフランスの話が出てましたけど、
   フランスは全世帯の21%が住宅補助を受けている」

  「日本の住宅支援は、今までは持ち家中心だった
   賃貸への補助が考えられていなかった、
   ここを押せば効果があるかも」
 と話していました

  また、
  「独り暮らしは結婚しなきゃいけないんですかね?
   シェアハウスとかでもいいのかしら」
  という質問に、柴田氏は
  「シェアハウスもですが、最近はコレクティブハウス、という形態も出ています」
   コレクティブハウスとは、ファミリー、老人なども含め色んな世代が集まり、
   小さなコミュニティみたいなものを1つの屋根の下で実現させているものだそうです
  日本では馴染みがないが、外国にはある
  「だからこういう場所なら、自分は結婚してなくても他の子の面倒をみたり、違う世代との交流もできる。
   実はそのコレクティブハウスが荒川区にできているんです」

  マツコさんも
  「このアイデアはすごく現実的ね」
  と話していました
  結婚しろと言われたら困るけど、
  他にも選択肢があるならそれはいい、と。
  「例えば今、団地って人が減っちゃって、空き部屋が増えて困ってる所が多いでしょう?
  そういうところをシェアハウスとかコレクティブハウスとかにすれば補助を出しますよ、て政策にすれば
  団地にとっては人口の流出も防げるし、
  40代の独り暮らしも解消できる
  でもこれってすぐできる政策よね」

  たしかになかなかいいアイデアですね。

 ○再び、幸せとは
  AIは、独り暮らし40代が幸せになれる方法を提示しているそうです
  それは「仕事を面白がるな」

  マツコさんは
  「あたしにとっちゃ余計なお世話よ」とは言っていましたが(笑)
  「仕事に依存しちゃいけない、てのは分かる」

  しかし「仕事がいきがい」と言っていた有働さんは戸惑っている顔。

  マツコさんは
  「分かる?さっき幸せって何?て話をしたけどそれと同じよ。
   あたしたちは、仕事がいきがいだと思い込んでる、
   仕事にすがっちゃってるのよ」
  「でも他になにかあるのかな…」
  「なにかがあるんだよ。
  「分からない」のは、それだけあたしたちは毒まみれになってるってことよ」(笑)

  大越さんは
  「AIはヒントを与えているだけで、先を考えるのは人間。
   AIが言ってるのは、たぶん仕事を面白がらなくてもいいよ、てことで、
   成長一点張りのモデルを疑ってみましょう、ということなんだと思います」

○まとめ
 最後に皆さんの感想を聞いていましたが
 坂田氏
 「AIひろしくん?が、色んな気付きを与えてくれたと思います、
  ただひろしくんのいうことをそのまま実現することにはならない、とは思います。
  ひろしと友達になって、語り合わないといけないと思う」

 柴田氏は
  「こうやって色んな話がみんなで議論できる、ということに希望を感じました」

 マツコさん
 「たぶん最初、みんなAIに恐怖を感じてたと思うの、
  でもいろいろ分かってくると
  誰も予測できないものに対して、
  ひろしがヒントを与えてくれた」

 「ひろしって名前がつくと可愛くなってくるわよね」
 とも話していました

 ひろしも生まれたばかりで、次回もあるそうです
 (ホームページによれば、2020年までに7回シリーズの予定だそうです)
また見てくださーい、と締め括っていました

○感想など
・マツコさん、専門家、AIひろしの化学反応がすごいなーと思いました。
 特に最後の、コレクティブハウス、シェアハウス促進、は政策として進めても面白いなと思いました。
 他の子供や老人も普段から見る生活をする人が増えたら、
子供や老人に優しい社会になりそうな気がする。

 けっこうシェアハウスって良いと思う。
 私も一人が好きな人なんですが、
 大学の時は寮の経験があり、意外と楽しんでました。
 自分スペースと共同スペースが共存していると、
 一人になりたいときはなれるし
 でも不安定なときは誰かと話せるし
 もっと広まってもいいと思う。

 あと、日本ってたしかに家賃確かに高すぎ。
 家建てるのもお金掛かりすぎ。
 スペインのマリナレダ村みたいに、住む場所だけでも政府が保証してくれないかなぁ。

・病院が減ると健康になる、てのもわりとインパクトありました。
 私はなるべく医者に行きたくない人間ですが、
 私に輪をかけて病院嫌いなのが義母さん。

 彼女は絶対無理をしない生活、を心がけていて、
 暑さがしんどそうと思えば冷房はどんどん使うし
 体がちょっとだるければ動かない
 生まれた頃から虚弱体質で、1週間生きられないと言われていたから無理はしない、と断言していました
 (といってもよく気がつく方なので、だらけているわけではない)

 日本人って無理するのが美徳、みたいな所があるけど
 それくらい自分の体を大事にしてもいいのかなと思います。

・次に来る産業が農業、てのも面白い視点だなと思いました。
 私も農業って生産法にデータを活用したり、
 売り方とか加工の仕方に工夫したり
 工夫の余地があるクリエイティブな産業だなという印象がありました。

 ただ新規参入が難しいという壁があるのかな。
 私の学生時代、新規就農したい人が
 「農家の女の子と結婚しないと就農できない」とか言ってました。
 田舎だと特に、新参者は嫌がられるんだそうです。

 まぁ今はそれから何年もたっているので
 少しは入りやすくなっているのかな…
 若い人がどんどん入れるようになったらいいなと思います

・40代独り暮らし、の話で、
 幸せについての議論は深いなと思いました。
 仕事が生き甲斐、というのは
裏返すと仕事しかない、ということ…
 その結果がどうなるかは、
 段階世代の元モーレツ社員が定年後に抱える問題、と同じなのかなと思います。

 だんなも最近
 「仕事は生活の手段で、あとは家族と子供と過ごす時間を充実させた方がいいのかな、と思う」
 と言っていて、私もそうだなと思います。

 もちろん生活のために長時間働かざるを得ない人もいるのかもしれないけど、
 それでも別の顔は「自分のために」持っている方がいいのかもしれない。

 でないと仕事でつまづいたときにポキンと折れてしまうと思う。
 (有働さんも仕事生き甲斐、といいながら早起きとか辛そうですし…)

 前読んだ本の中に、
 これからの時代は仕事だけでなく社会活動、地域活動など色んな顔を個人で持つことが大事、という話があったけど
 身近に気の合う人がいなければ
 別にネット上で活動するとかでもいい、
 ネットワークを複数持つといいのかもしれない。

たしかにAIひろし、名前がついて面白くなってきた。
次回もまた見たいと思います。
(ただ2時間半は長いので、
 次回からは1時間番組にしてほしい…)
というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 11:30| Comment(3) | テレビ | 更新情報をチェックする