2017年08月27日

NHKBS世界のドキュメンタリー「最高の組み合わせ~ユダヤ教徒の結婚事情~」

NHKBS世界のドキュメンタリー「最高の組み合わせ~ユダヤ教徒の結婚事情~」

数日前にやってたもの。
イスラエル2014年製作のドキュメンタリー、
2016年5月に放送されたものの再放送らしいです。

ユダヤ教の中には超正統派と呼ばれる方々がいるそうで、
彼らは男性は全身黒ずくめ、口の回りには長い髭。
女性も長いスカートをはいた独特ないでたち。

そう言えば「地球タクシー」のニューヨークの回で、ブルックリン地区に同じいでたちの方々がいました。
彼らはテレビもネットも使わない、ある意味文明から遮断された生活を送っているとか。

そして彼らの結婚のしかたも独特で、
わずか3回ほどのお見合いで決めるのだそうです。
そんなお見合いに初めて密着したドキュメンタリーでした。

何となくぼーっと見てましたけど、
こういう世界の人たちもいるんだ~とけっこうびっくりでした(笑)

この番組は、3つのケースのお見合いが交互に進行する構成になっていました。
分かりにくいので整理して書いてみます

○厳格な男性信者
 最初は超正統派を学んでいる20代の男性イェヘスゲルでした

 ・いとこからの紹介デート
  最初はいとこから「美人よ」と紹介された女性とお見合いしているところでした

  彼の持論によれば、
  「アドリア海と地中海のどちらが好きか」
  という質問で性格が分かるらしい。
  アドリア海がいいと言う人は穏やか、
  地中海がいいという人は奔放な人なんだそうだ

  最初のデートでは、女性に
  「君はどんな人」と聞いていて
  「海が好き、出掛けるのが好き、活発で社交的」
  そこで彼は
  「アドリア海と地中海どっちか好き?」
  「地中海ね、荒い波がわくわくするわ」
  どうやら奔放な女性らしい。

  彼はこの女性からは
  「どんな生活してるの」と聞かれ
  「半分勉強して半分働いてる」と答えていました。
  別にこれは珍しくはなく、
  超正統派では、1日中トーラーというユダヤ教の法を勉強して、働かない男性もいるそうです

  彼女は
  「1日中勉強している人は   ちょっと…
   質素な生活は想像できないわ」
  それなりに働いてほしい、とのことでした

  彼は
  「19歳からお見合いしてるけど、今まで理想の人に出会ったことがないんだ。
   恋愛は感情に惑わされたくない、
   良縁だと判断する前に感情に振り回されるのは良くない」
  と結婚への考え方を話していました

  お見合いのあと、紹介してくれたいとこに
  「どうだった?」と聞かれ
  「彼女は自己主張が強い、僕たちは合わない」
  と気乗りでは無さそう。
  「一回会っただけなのに?彼女はいい印象だった、って言ってるわ」
  といとこは言うが
  「彼女は快楽主義、好きになるかは分からない」

 ・友人に相談
  そのあと友人にも相談していて
  「迷ってるんだ、彼女は美人だけど、どうしたらいいんだろう」
  3回で決めなきゃいけないから、
  安易に次のデートの誘いができない、
  と話していました

  友人には
  「急いで決めることはない」と言われてました。

  彼は
  「自分は焦りとか、義務感とか、親にすすめられたとかで結婚を急ぎたくない」とのこと

  彼の妹が、3回のお見合いで結婚を決めたが
  3回目のお見合いのとき、既に祝宴が用意されていて、
  自分の意思もなにもなく、
  デートが終わったら親戚がすでに集まっていて、おめでとうと言われたそうです。
  「妹は泣いていた、既に結婚が決められていたと分かったんだ、
まるで芝居だ」
  彼はそんな結婚の仕方はしたくない、納得して選びたいと話していました

  友人は
  「君は育った家よりも自由な考え方なんだね」
  「君が納得できないなら、まだ結婚を決める時期じゃないのかも」
  と話していました。
  雨が降ってきたから話は中断になってましたが…

 ・友人の妻のアドバイス
  そのあとイェヘスゲルは、友人宅を訪れていました。

  「理想の相手って何か分かる?
   自分の中の何かがこれ、と示してくれる。
   それはなんの前触れもなく突然感じる」
  「神の思し召しで相応しい相手は必ず現れる、それも相応しい時期がある」
  とかいう話をしていました
  (私からしたらそんなんあるわけ無いわと突っ込みたくなりますが(笑)、、
  白馬の王子さまの逆バージョンですかねー…)

  友人は
  「僕の妻が君に紹介したい人がいるらしいんだ、
   相手の女性も君に興味を持つかも」
  と話していました

  友人の妻は
  「あなたは結婚に何を求めているの?」
  「120年でも話せる相手」
  友人の妻は
  「愛情ってのは相手と親しくならないと生まれないのよ、
   結婚するまでの姿はお芝居、
   結婚して最初の1ヶ月たって見せかけの期間が終わる、
   そこでやっと愛情が生まれるの。
   私たちが結婚したときもそんなものよ」
  と現実的な話。

  イェヘスゲルは
  「君たちは結婚までに何回デートしたの?」
  「8回だ、君は多いと思うだろうけど、
   離婚経験者なら普通だ」

  「結婚経験のない僕にとっては3回でも多すぎる」
  「彼のような正統派ユダヤ教徒なら3回は多すぎるね、30分以内のデートで決める」

  イェヘスゲルは
  「君たちは十分相手を分かったの?」
  「いいえ、ある意味賭けだった」
  イェヘスゲルは
  「なんでそんな風に決められるんだ?」
  と聞いてましたが
  友人妻は
  「結局24時間一緒になってからじゃないと、相手の本当の姿は分からないわよ」
  そこは割りきらないと、という話でした

  そして話題はイェヘスゲルの見合いに移ります。
  「私はよく分からないんだけど、私の友達に興味があるの?」
  「いくつの人?」
  「19か20よ」
  「美人なの?」
  「かわいいわよ」
  うーん。美人で若い子くらいしか判断基準がないんでしょうね。

 ・友人の奥さんの紹介した女性
  さて新しい相手とのデート。
  今度は彼は、相手の女性にはピンと来たんだそうです

  彼は
  「彼女は完全に打ち解けてくれた、なんでもきちんと話してくれたんだ」
  友人
  「彼女は君の結婚相手だと思う?
   もしそうなら、次のデートでもう少し真剣に話し合ってみたらどう」
  「そんなに早く?でもそうすべきかもしれない、3回しかない大事なデートだからね」

  あせる彼に、友人は
  「これは始まりに過ぎないよ」と笑い、
  「婚約したらもっと話し合いを重ねないといけないからね」

  イェヘスゲルはしみじみと
  「こんなに確信を持てるなんて思わなかった
   でも天からの声が聞こえたんだ、彼女は僕の結婚相手だと」

 ・友人妻の紹介女性と3回目のデート
  イェヘスゲルは思いきって
  「君のお父さんと話したい」と思いをぶつける。 
  「3回会っただけだけど、僕は結婚したいと思ってる」
  とストレートに求婚。

  彼女は
  「なんと言えばいいのか…」

  「君も同じ気持ちでいてほしい」
  「私はゆっくりと着実に物事を勧めるのが好きなの」
  「君は確信が持ててないんだね、僕は確信がある、君と絆を感じる」
  「私も少しは感じるけど、自分の選択肢が正しいと信じたい」
  二人には少し温度差があるようです

  「多分君はそういう気持ちになってないんだ、
   もしそうならそういう風にはならない」
  「そうかもしれないわね」
  「あと2回くらいはデートできる、
   もし君の気持ちを変えるための手助けができるなら
   今すぐにでもラビの承認をもらいたいくらいだ」
  「あなたは確信があるのね」
  「そうだ、僕は感じる、君は僕のもの、僕は君のものなんだ、て」

 イェヘスゲルくん、最初
 「感情に振り回されたくない」
 って言ってたけど
 今の状態が感情に振り回されてるんじゃ…
 という突っ込みはさておき(笑)
 彼の恋やいかに?

○離婚歴のある女性
 次に出てきたのは、結婚相談所みたいな所を訪れる女性2人。

 一人は未婚の24歳、もう一人は離婚歴のある25歳のメラヴという女性。

 後で分かったけど、
 この宗派の人たちは、
 仲人と呼ばれるオバサンたちが結婚の斡旋をするらしい。
 仲人さんたちが、色んな未婚男女について、どこの生まれとか仕事、身長、性格、美人かどうかなど、
  情報を集めて経歴を紹介しているそうです
 3回のお見合いで済むのは、仲人さんたちの情報ゆえらしい。
 仲人のおばさんたちは、
 成立したら謝礼をもらい、
 それで生計を立てているらしい。

 ・仲人との面談
  メラヴは大学在学中に結婚し、半年で離婚したそうです
  今は大学院に通い、メディアと起業について勉強しているそうです
  「離婚歴があると、いい条件のお見合いは持ってきてもらえなくなる」
  と話していました

  「なぜ離婚したのか」と仲人に聞かれ、
  「性格の不一致」
  「結婚までにデートは何回?」
  「8回した、最初に出会った人だった」
  でもいい経験になったそうです

  ただ、そのときの仲人については
  「相手の男は何て言ってたかたか、しつこく聞いてくる」
  「年齢や身長のサバを読んでた、相手は28歳って言ってたけど33だった」
  「離謝礼は2000ドル払った、
   次結婚するときの仲人にも払わなきゃいけない」
  と若干不満そう。
  それでも、
  「離婚したのは仲人のせいじゃないからしょうがない」
  のだそうだ。

  彼女は
  「相手に望む条件は」
  と聞かれ、
  賢い人、東欧系のユダヤ人、
  相手に離婚歴があってもいいけど子供はいない方がいい、
  と話していました。

 ・既婚者女性の経験談
  別の日に、
  メラヴは別の結婚間近の友人と話していました
  その友人は離婚歴があるそうです
  「子持ちの人は嫌」
  と言う彼女に対して
  「私は離婚歴があるけど、子供は一人いる、
   婚約者も二人子供がいる。
   でも子供にこだわる必要はない、と悟ったの。
   問題は相手との相性よ」
  と話していました

  しかしメラヴは
  「30歳まではこの条件にこだわると思う」とのこと
  「30歳になったら年齢的なプレッシャーがあるし
   家庭を持ちたい思いが強くなれば考えは変わるかも」
  とのことです

  この友人はまた、
  「例えば24歳の人が結婚するなら相手は25、6よね、
   その年頃の男性は世間なれしている。
   彼らは24歳より19歳の子の方がいいと思うはず」
  という話をしていました

  若い女の子の方が受け身で、男性の思うようにしやすいし、
  子供をたくさん作るなら若い方がいい、と考える人が大部分だ、と。

  メラヴも
  「24くらいになると女性も自分の生き方を自分で何とかしようとする、
   それに男性は怖じ気づくのよ」
  友人は
  「同じスタート地点にすら立ててないのよ、
   私達は高校で勉強するから未来を考えられる
   男の人は宗教しか勉強してない」
  と話していました。

  そのあとは結婚間近の女性の式の段取りの話などして、
  それによれば、
  正統派では結婚式をしたら、
  新婚夫婦はイフード・ルームというところで二人きりになるのだそうだ、
  伝統では10分くらい。
  男性はベッドがあるとか思ってるけどそういうところではないらしい(笑)

  聞いてると、男の方が戒律に縛られ過ぎて夢を見ている。
  女性の方が現実的で強い感じですね(笑)

 ・仲人オバサンたちの会合
  さてメラヴはそのあと、
仲人さんに条件を聞かれていました
  いっぱい条件を言っても全部の条件を満たす人はいないわよ、
  とは言われてましたが。
  仲人さんはユダヤ人の宗教の集会で、未婚男性に女性リストを紹介する場があるが、
  そこにいれてもいいかと確認されていました
  「是非お願いします」

  そのあと、仲人のオバサン同士が会合を開いていました
  「私が紹介したいのはこのメラヴという女性、
   話してみたけど美人だし、とても賢くていい人よ、
   ただ離婚歴がある」

  メラヴが賢い人を望んでいるようだ、という話になると
  別のおばさんが
  「いい人がいるんだけど。身長180㎝、実業家よ」
  「ただ、彼が離婚歴のある人をいいと言うかどうかね、確認しないと」
  「彼の母親は離婚してるから、理解はあるかも」
  「まず男性側に聞くわ」
  という段取りの打ち合わせをしていました

 ・お見合いのゆくえ
  そのあと
  仲人が意中の男性に電話し
  「紹介したい人がいるの、
   美しい人で今は法律を勉強していて、事業をしようとしてる」
 
  しかし
  「離婚歴があるの」
  と言った途端、相手の反応が悪そうで
  「そんなに気になる?そんなに?そんなに離婚歴がある人が抵抗あるの?」
  オバサンは
  「一度会ってみて欲しいの」
  と食い下がるが、やがて
  「そう、分かったわ…」
  断られたみたいです

  そのあと、メラヴは仲人さんに
  「あなたはもう少し妥協しなさい」
  みたいなことを言われたが
  メラヴは
  「子供がいたり、正統派でない人、望んでない民族の人を紹介されても
   自分の中では納得できないことは分かってる」
  と譲りませんでした

 さて彼女の将来はいかに?

○意気投合したカップル
 次のケースは二度めのデートですでに意気投合していたカップルです
 男性はアリエル、女性はエスティという方。

  アリエルは現在学生で、戒律に基づく殺の実習を勉強中だそうです
  (正統派の男性は、勉強して働かない人、と殺業など決まった職業に就く人が多いのだそう)

 ・二回目のデート
  彼らは二回目のデートで既に家庭の話をしていました。
  「子供の教育方針は?」
  「正統派の教育を受けさせたいの、教育には最初の数年が重要よ」
   テレビやインターネットのない正統派の生活をさせたい、と話す

  (この宗派は現世的な誘惑から逃れるため?か何かの理由で、
  テレビやネットなどはなしの環境で暮らしているみたいです。
  今の時代に珍しい文化ですね)

  「夫には何を求めてる?」
  「何よりもトーラーの勉強ね」

  アリエルはしみじみと
  「君が紹介されたどおりの人で良かったよ、服装も育ちも」
  二人はうまくいきそうな雰囲気でした

  エスティはそのあと母親と
  「一回目に会ったときよりうまくいった、話していて打ち解けた、心地よかった」
  といい感触と話していました。

  しかし母親は厳しい顔で
  「3回会ったら決めなさい」
  「正しい方向に進んでいるならそれは神の思し召し、
  だらだら続けて半年で別れるケースはみっともない」
  と話していました

 ・アリエルがエスティの父親と会う
  そのあとアリエルはエスティの父親に会いに行く。
  「初めまして」
  「君はと殺の実習中だそうだね。
   と殺業は火星の元に生まれた人がいいんだ、君はいつの生まれだね?」
  「(ユダヤ教の暦で)11月です」
  「水の生まれだな、別の仕事にした方がいいぞ」
  とは言っていましたが
  彼が勤勉な学生であることに好感を持ったようでした

  しかし、この会話短い。彼はあっさり帰りました

 ・アリエル、両親と話し合う
  そのあとアリエルが自分の両親の元を訪れる
  「彼女の父親と話したんだけど、そのあと話し合うって言ってたよね?」
  と結婚の相談を始める
  「あちらのお父さんは、シナゴークの先唱者(祈りを導く人)をしているらしくて
   父さんと似ている人だったよ」
  「そんな人いるとは思わなかった」
  「きれいな人かしら」
  両家ともゴリゴリの正統派なのが良かったようで、二人とも好意的でした

  ただ、彼はまだお見合い3人め。
  父親はそこが気になるようで
  「そんなに急いで決める必要はないんじゃないか」
  「どうして」
  「母さんは決めるまで10回見合いした」
  「僕はラッキーなんだ」
  「相手の民族が同じか、正統派かどうかも気になる。
   別に差別主義者ではないが、お前は長男だ、
   他の兄弟のお手本になるだろう」
  「そこは心配ないよ」
  母親も
  「彼女はどんな人柄なの?」
  と心配そう。
  「それを知るためにデートするんだろ」

 ・エスティの両親
  一方エスティの両親も会話中。
  お父さんは
  「いい青年だ」
  と彼に好印象を抱いたようでした。
  ただ、
  「どのくらい援助をすべきか調べないと
   彼らが結婚したあとどこに住むか聞く必要がある」
  と話していました

 ・3回目のデートでエスティがアリエルの家訪問
  エスティがアリエルの家を訪問していました。

  彼女は緊張した感じで、母親が飲み物を勧めるものの断る
  父親は彼女に、
  「息子は色んな人を連れてきたけど、話した感じや見た印象は君が一番いい。
   今すぐにラビの承認を受けにいってもいいくらい」
  と手放しで喜ぶ。

  それから面接のように、二人で彼女の家族について質問していました。
  「君の家族が正統派かどうかが気になる、
   テレビなどが家にあるのは好ましくない」
  「うちはそういうものはありません」
  「うちの近くに住むことは…」
  「それはすぐにはお答えできません」
  「料理は」
  「します、得意じゃないですけど。教わります」

  そして
  「もう行かなきゃ」とおいとまする。
  「あら、もう帰るの、息子に飲み物もらってね」

  彼女が去ったあと
  「きれいな人ね」「穏やかな人だね」
  と取りあえずは合格点みたいでした

  さっきもそうですが、話し合いがかなり早くて合理的ですね。

 ・母と娘の口論
  それからしばらくして。
  交際は順調みたいですが、
  デートを重ねるのに結婚を決めない娘エスティに、
  母親は苛立ちをぶつける

  この辺感覚がよくわかりませんが
  この宗派?地域?では、結婚をさっさと決めずにだらだら交際するのは良くないというか、神の心に反するみたいです

  「結婚を決めなさい、するなら先に進む、
   しないなら別れる」
  と結婚を迫る。
  「これ以上デートを重ねたら、触れたりこれ以上の関係になる、それはダメよ」
  「彼もあなたも、他の人とお見合いする機会を逃すことになるのよ」
  と諭す。

  娘は
  「彼は結婚するつもりよ。私も彼も他の人とはお見合いはしないわ」
  「だったら先に進みなさい、結婚しなさい」
  「もう一回会って話をさせて」
  「いいわ、でもあと一回で決めなさい」

  そしてなぜか母親は泣き出す
  「私はあなたが気がおかしくなったと思って心配してるのよ」
  「私はまともよ」
  「あなたがデートにいくたびに気がおかしくなりそう、
   もう耐えられないのよ。
   あなたが幸せな結婚をすることを望んでいる」
  「だったら好きな人と結婚させて」
  「ええ、そうしなさい。
   あなたも20年もしたら娘ができる、そしたらこの気持ちはわかるはず」
  「自分に子供ができるまでそんな気持ち分からないわ」

  そして母は神に祈り、泣く
  「神のご加護を、娘が伴侶と共に家庭を築くことができますように」

 ・アリエルも親からプレッシャーを受ける
  一方アリエルも、母親から注意されていました
  「相手のお父さんから連絡があったわ、先方はあなたに誠意がないと思ってる」
  「誠意はあるよ」
  「あなたたちは長いこと付き合いすぎだわ、どんな計画なの?」
  「相手のお母さんと話してみるよ」
  「そうしてちょうだい」

  とにかく恋人期間は短い方がいいみたいです。

 ・アリエルとエスティの話し合い
  エスティは追い詰められているせいか、アリエルに決断を迫る
  「お母さんと話す必要があるわ、私たちの地域では長く付き合うことは許されていないの。
   なんのために先送りするのか分からないわ」
  「僕にプレッシャーがあるのは分かってる、
   でもじっくり進めたいだけなんだ」

  「分かるわ、私も怖い、
   物を衝動買いして後悔するのとは違う」
  エスティは理解を示しつつ、
  「でも神のおかげでお金などは心配ない、特別私たちの結婚が早い訳じゃない。
   一緒に働いて頑張ればいいのよ」
  「僕はいま学生だ、実習中だ」
  「それは分かってるわ、あなたはそれを続ければいい、何かを奪うわけじゃないでしょ?」
  「2、3ヶ月待つくらいそんなに変わりはないだろう?」
  「大有りよ、私は女の子としてのプレッシャーもあるの、
   もうすぐ高校を卒業よ、卒業したら結婚すると思われている」

  エスティはため息をついて
  「これじゃ結婚するときも先が思いやられるわ」
  「できるかどうかだけどね」
  別れ話まで持ち出そうとするアリエルに、エスティが
  「冷静に話し合いましょう、これじゃ混乱したまま母親と会うことになるわ。
   …母親にはせっつかれているの」

  アリエルは彼女をなだめる
  「お母さんにはちゃんと話すよ、
   来週にはラビの承認をもらいにいく、再来週にはもらえるはずだ」

  …相性は良さそうなのに、自分たちのペースで進められないのが何となく気の毒に感じました。

さて彼らの結婚のゆくえは?

○3ケースその後
…さてこれらの3ケース、一体どうなったか?
 最後に字幕でその後が示されていました。

 イェヘスゲルは「こんなに確信を感じたのは初めて」と運命すら感じた女性には断られ
 厳格な宗派の勉強を止める決意をしたらしい。

 メラヴはお見合いは中断し、法律の勉強に励んでいるそうです
 誕生日には
 「相応しい時期に、相応しい伴侶と結婚できますように」
 とお願いしていました

 エスティとアリエルはその後幸せな結婚をし、
 アリエルの実家の近くに住んでいるそうです。

○感想など
・所々に「ラビの承認が…」とあるので、ラビってなんだ?と思い調べましたが
 コトバンクによれば
 「ユダヤ教神学校で教育を受けた教師で、典礼上の事柄を判定し、祭式を司り、説教を行う者をさす」
 とあるので
 神父さんとか牧師さん、神主さんみたいなもんかなと思いました。

 Wikiでも
 ・律法学者
 ・シナゴーグの指導者、コミュニティーの指導者
 「地域で行われる宗教的な行事をとり仕切るなど、どちらかといえば日本の神社の神主や寺の住職に近い。
 また旧約 聖書の研究をするなど、中世キリスト教の神学者にも似ている」

 とあります。
 イスラム教の指導者よりかは権力が緩く、
 地方の偉い人、というイメージなのかなと思います。

・このユダヤ宗派マニア?的な方もいるみたいで
 http://seiwanishida.com/archives/1468
 のページにも詳しく書かれていました。
 この方、イスラエルの彼らのコミュニティをうろついたり
 ニューヨークのブルックリンにも行ったりしているというからかなりの筋金入りファン。
 (たしかに彼らの黒ずくめ長髭のいでたちカッコいい、ってのも何となく分かるが)
 文章も面白かったです。

 今回のドキュメンタリーでも
 この宗派では、トーラーの勉強で仕事を全くしないという男性も少なくない、
 という話がありましたが、

 このページによれば
 2014年の時点で男性の就業率は50%以下、
 一方女性は70%なんだそうです
 (このページでは「ヒモ男子」と称されていました(笑))

 法律の勉強は尊いから、女性は金銭的に稼いでそれを支える、
 ということなのでしょうか。
 正統派で男性側が働かない家は暮らしも質素にしているようで、
 最初の男性なんかはそれをよしとしている感じでしたね。
 (最初のお見合いの女性を「快楽主義」と批判的でした)

 このドキュメンタリーでも、
 女性の方が現実的な考え方の人が多かったけど、
 そういう社会事情が反映されているんでしょうね。

 女性が稼ぐ…。
 女性は家にいろ、的な日本社会にいる私にとってはやや羨ましいが、
 でも働かないだんなのせいで質素な生活、てのは嫌かも…(笑)

・3回の見合いで結婚するシステム、てのは
 昔の日本に似てるなぁと思います。
 親とか世話焼きオバサンが決めて持ってきて
 出会ってから恋愛が始まる…

 しかし考えようによっては、
 素性が分かってから付き合える方が合理的なのかもしれないですね。

 日本でも、「見合い結婚」の時代が終わり、
 「自由恋愛」になったけど、
 最近は結婚サイトという名の「お見合い結婚」に回帰している感もある。

 (実際だんなの職場では、女の子の出会いが少ないとかで
 職場結婚でなければ、紹介所で出会って結婚、てのが多いんだそうです。

 だんなと「それもある意味いいかも」て感じの話をしたことがあります。
 趣味とか趣向がだいたい同じ人を探してくれるんだし、
 紹介してくれたからって結婚しなきゃいけないわけじゃないし、
 出会いを探す手間が省けると思えばいいのかなーと思います)
 
 まぁでも、見合いってよくわからんまま結婚してるのに
 離婚したら傷物扱い、てのは理不尽だなぁと思います。
 メラヴさんとか、綺麗で頭も良さそうなのに勿体ない。
 これも昔の日本と同じですよね。お見合いしても実家帰ったら恥さらしになるとか…

 それでも昔の日本は、
 女性は結婚しないと生活できないから泣き寝入りも多かったんだろうけど、
 ユダヤ教正統派の女性は、
 どっちみち働くために手に仕事を持つから、
 その点強そうだなと思いました。
 再婚同士なら連れ子がいても寛容な雰囲気も感じました。

 さてここからは個々のケースへの感想。
・最初の男性イェヘスゲルくんは
 戒律を守っても自由恋愛みたいなものはできる、と夢見ていた感じだなーと思いました。

 妹のケースを見て、自分は親や周りの言いなりにはならないぞと思っていて、
 でも自分が守ってきた神の教えは守りたい…
 その葛藤に迷っていくうちに、
 ちゃんと神の教えを守っていたら運命の相手と出会えてラブラブになれるはず、
 というある意味都合のいい?解釈になったのかもしれない。

 しかし現実を見て、
 それはよっぽど運に恵まれた人たちのケースだ
 (最後のカップルのように)と悟ったのだろう。
 3回ごときで、運命の相手を見抜くのは無理がありますよね。
 ほぼ運任せのギャンブルみたいなものに近い…
 その結果が「厳格な宗教の勉強を止める」という決断だったのかなと思いました。

 この宗派の中でも、もっと自由に生きたいと、
 親と断絶状態になりフツーの生き方(ネット見たり自由恋愛したり)をする人もまれにいるそうです。
 イェヘスゲルくんはどうなるか分からんが
 現代の世の中、煩悩も自由も有りすぎなので、
 宗教を貫くのも大変なのかもなーと思いました。
 宗教など、ある程度の制限を受け入れてその範囲内で生きるか、
 自由を選択するか。

 まぁでも、自由を選択すれば幸福になれるかと言えばそれは別の話なのよね。
 お見合いを受け入れた方が幸せなこともあるし。
 ゆえに人生は難しい。

・2番目のメラヴさんのケースは、
 宗教を守りつつも、自分をきちんと持って生きる女性の強さ、みたいなのを感じました。
 女性は離婚歴があると大変みたいだけど、
 宗教しか勉強できない男性の方がある意味不自由なのかも?

・3番目のカップルは、自由に結婚のしかたとか決めさせてもらえないのが、
 自分ならイラッとするだろうな~と思いました
 自由に決められる時代に生まれて良かった~

 まぁでも
 「だらだら付き合ってるのはダメ」
 という感覚は、この宗派でない自分には理解できないんですが、
 子供を心配する母親の気持ちは同じなんだろうなーと思いました。

 自分のいるコミュニティの習慣にそこそこ従って結婚して欲しい、
 あんまり変わったことすると目立つし、フツーが一番。
 ていう感覚なのかな。

 でもこれ日本人にも通じると思う。
 家族制度が思想を作るという考え方で言えば、
 この宗派、日本人と考え方が似てるかも。

 世界にはいろんな宗教、習慣がありますねー。
 多分日本のお見合いとかも、欧米から見たら窮屈だと思われていたんだろうなぁ。
 そういう違いを知るだけでも
 世界ってひろーい、人間って面白ーい、と思えますね。

 BSってこの辺自由なのでわりと好きです。
 というわけでだらだら書いてしまいましたが、今回はこの辺で。

2017年08月24日

BS世界のドキュメンタリー「目指せ!記憶力世界一~スウェーデンの挑戦~」

BS世界のドキュメンタリー「目指せ!記憶力世界一~スウェーデンの挑戦~」

 2015年12月に放送されたドキュメンタリーだそうです。
 2014年スウェーデン製作です。

 私はあんまり単語丸暗記とかは好きではなく、
 記憶って鍛えて上達するもんなん?
 どんなトレーニングをするんだろう?
 と思って見てみました。

 そしたら、鍛え方とかはあまり出ていなくて
 どっちかいうと人間ドラマに重きが置かれていたような…
 まぁでもけっこう役者揃いで見いってしまいました(笑)

○世界記憶力選手権
 私は知らなかったのですが、世界記憶力選手権
 (World Memory Championship)
 なる大会があるそうです

 これは1990年代始め、イギリス心理学者のトニー・ブザンという方が、
 もう一人の方(聞き取れなかったので後で調べたら、チェスのグランドマスターの方だそうです)に
 「記憶力は素晴らしい能力だから、これを競う大会を作ろうじゃないか」
 と持ちかけたらしい
 そして、記憶する問題10種
 (人の顔とか単語、絵、トランプカード、数字など)
 を考えたのだそう

 そして大会を開くと、ドイツやオーストラリアなどにも広まり
 それぞれ国内大会も開かれるようになった

 このドキュメンタリーでは2012年のイギリスで行われた大会が舞台でしたが
 これで21回目だそうで、
 インド、中国、フィリピンなどアジアの国も参加してました。
 日本人は見かけませんでした。いたのかもしれんけどわからなかったです

○スウェーデンチーム
 今回主役となったスウェーデンチームを率いるのはイドリス・ズガイ。

 彼は選手兼コーチですが
 「外国語の勉強をしようとしていたとき、
  記憶についての本を読んで世界選手権を知った」そうです。

 「みんなにも記憶を楽しんでやってもらいたい」
 という思いでこの大会を広めようとしているそうです
 「パズルと同じ、いい脳トレになりますよ」とのこと

 彼と共に世界に挑むのはマティアス・リビング
 彼は
 「記憶のプロセスに興味があり、記憶の本を読んでいたときにこの競技大会を知った」
 そして
 「変わった大会だと思ったけど、
  参加してみたらいい線いっちゃって、イドリスに誘われたんだ。
  そこからどんどんのめり込んだ」とのことでした

 ただしこの二人は考え方に違いがあるようでした

 マティアスは国内選手権で3回優勝しており
 その知名度を生かして講演活動をしたり、テレビに出たり本を書いたりしている

 元々起業したかったそうで、
 現在執筆や講演で人に役立つものを提供していることに、
 やりがいを感じているそうです
 「自分が価値あるものを提供し
  それが必要な人はお金を払う、
  これは双方にメリットがある」
 みたいな話をしていました
 けっこうゴリゴリのビジネスマン。

 一方イドリスはボランティア活動の経験もあり、
 無報酬で働くのも苦にならないそうです
 純粋に、記憶の楽しさをみんなに伝えたい、と考えているようでした
 「マティアスはビジネスマン出身、自分とは考え方が違う」
 と話していました。穏やかな雰囲気の方です

 この二人は7月にドイツで開かれた記憶力選手権に出場していますが
 マティアス9位、イドリス12位
 イドリスは「練習どおりにはいかない」と自分の能力に限界を感じている様子、
 一方マティアスは「9月のスウェーデン記憶力選手権の肩慣らし」
 と強気でした

○大型新人の登場
 ところがそんな二人の前に大型新人が現れます。しかも二人。
 どちらもスウェーデンの国内選手権にエントリーしていました。

 一人は高校生のマーヴィン・ヴァロニウス
 彼は勉強の成績を上げたくて、
 効率的な勉強法の本を読んでいたら
 記憶力の大会を知ったそうです
 記憶力はメキメキ上達し、
 今では成績もトップクラスだとか

 もう一人はヨーナス・フォン・エッセン
 彼も本を読んでいて記憶力選手権を知ったそうです

 マーヴィンくんはまだあどけない感じでしたが
 ヨーナスくんはちょっと勝ち気なタイプ。
 「国内記録はマティアスが全て持っているけど、僕は怖くない
  彼は今までライバルがいなかっただけだ」
 「練習では世界記録を破っている、この大会で世界記録が作れるかも」
 と話していました
 彼は器用な子みたいで
 「今までスポーツ、絵、プログラミング、映画製作などは一通りやった、
  でもすぐ飽きちゃってたけど、記憶は長いこと続けられた」
 とも話していました

 さてこの国内大会、二人とも初参加なので緊張ぎみ。
 ヨーナスくんは
 「思ったよりうまくいかなかった」
 マーヴィンくんも
 「あんまりうまくいかなかったけど、何となくコツをつかんだ」
 そしてそんな二人を見てマティアスは
 「まだまだだな」
 と余裕の表情。

 しかし二日間の大会を終えて成績発表すると
 3位マティアス、2位マーヴィンくん、そして優勝はヨーナスくんでした

 マティアスは妹に
 「お兄ちゃん惨敗よ」と言われ
 母親には
「子供もいるんだし、昔のようにはいかないわよ」
 とか言われてました…

 マーヴィンくんは
 「マティアスに勝つ目標は達成できた」と満足そう、しかし
 「ヨーナスとは連絡を取っていたけど、彼の実力は知らなかった。知ってたらもっと訓練したのに」

 ヨーナスくんは
 「マーヴィンは成績を話していたけど、僕は自分のことは言ってなかったんだ。
  言ってたら彼はもっと頑張ったかも、でも僕の方が実力はある」
 なかなか策士ですね(笑)

 一方マティアスはこの選手権のあと、
 ヨーナスとイドリスが出ている番組を見ていて
 (ちなみに、彼は番組の最初の方で、同じ番組に自分がチャンピオンとして出ていたものも見ていました。
 その対比が何とも言えない…)

 ヨーナスが
 「最高でした、ずっとトレーニングをしたいたし…」
 とコメントしているのを見て
 「彼は見事だけど、これでは視聴者が記憶力選手権に興味を持つところまではいかないんじゃないか」
 「イドリスは記憶について話していたけど、
  どれだけスゴいかが分からない、
  悪く言えばオタク集団と思われるだけ」
 と批判的。

 まぁでも
 「負け惜しみに聞こえるかもしれないけどね」
 「とにかくヨーナスは素晴らしかったよ、それは認める」
 とは言っていました

○記憶力のいい人のテクニック
 ちなみに記憶力選手権の出場者たちによりますと、
 記憶にはテクニックがあるそうで
 「データや数字も、人や物の絵に変換してストーリーを作る」
 のが基本らしい
 しかも感情に訴える形にするのが効果的なようで
 「スペードのAは、アーノルド・シュワルツェネッガーのAにすると残りやすい」
 「大きな魚や宇宙人、車のイメージ」
 「暴力やセックスに関わるイメージ」
 「血を流しているとか、死ぬイメージ」
 「人には言えないようなもの」
 なんて人もいました。

 ちなみに私もこのテクニックは聞いたことがあるんですけど
 ストーリー考えてるうちに気が散ってしまって疲れる…
 普通に覚える方が楽だなと思ってしまいます(笑)
 そう言えば知り合いに車のナンバー覚えるの得意な人がいて
 「語呂合わせ考えるの面白い」
 と言ってたけど、こういう楽しめる人が向いてるんだろうな。

○イギリスの競技大会
 さて話はスウェーデンチームに戻ります

 国内大会のあと、マティアスは対談の仕事とかで別行動
 (そっちの方が楽しいのだそう)

 他の3人はイギリスの競技大会に出場しています
 イドリスによれば「2か月後の世界大会のいい練習になる」とのことです

 若い二人は、国内大会のあとマスコミなどの取材で忙しかったそうです

 このイギリスの大会は
 世界選手権に3回優勝しているベン・プリッドモア氏が主催しているそうです

 ヨーナスくんは
 「ベンは一流選手の今使っている記憶法を考え出した人なんだ
  (ベン本人いわく、クリエイティブなテクニックが無いと記憶なぞできないそうです)」
 と尊敬している様子。

 一方マティアスは
 「彼は正に変わり者の見本市みたいな人、
  彼みたいな変わり者が記憶力のいい人、と思われるのは心外」
 とまた批判的でした(笑)

 この大会では、2位がマーヴィン、1位がヨーナス
 イドリスは
 「自分は記録は良かったけど、天才だとは思ってなかった。
  今回本当の天才が二人も現れた」
 と今回の世界選手権に期待を持っているようでした
 ヨーナスくんも
 「イドリスがいると心強い、彼は色々教えてくれてリードしてくれる」
 兄貴分としてイドリスを信頼している感じでした

 一方イドリスはマティアスについては
 「彼はあんまり記憶力競技大会には熱心ではないようだ」
 と、何となく残念そうですが
 「彼はあくまでも自分のやり方を通す、
  でもそれは人それぞれの考え方だ」
 とも話していました

 マティアスもイドリスの思いは感じているようで
 「イドリスは、僕が金稼ぎに夢中で競技に関心がない、と思ってるんだろう。
  まぁ当たってるけどね」
 と話していました
 彼は人に広めるというよりも、
 記憶力という能力をビジネスとして確立させたいみたいでした。

 一見金の亡者にも見えますが(笑)
 彼はどうせ広めるならもっと責任を持たねば、と思ったのかもしれない。
 サッカーをプロ化するのと同じで、
 これで食べていける、と思えば真剣にする人も出てくるかもしれない。
 イドリスとはやり方が違うけど、市場原理的なやり方でみんなに記憶法に関心をもってもらいたいのかなー、とも思いました。
 
○いよいよ世界記憶力選手権
 さていよいよ本番の世界選手権です。
 2012年、12月にロンドンで開催されたそうです

 イドリスは今回はコーチに徹し、選手としては出場しないと宣言。
 でも彼には目標があり
 「レベル2の国際審判員になる」ことだそうです
 (て言うか、審判員てのもいるのね)

 この大会にはグランドマスター認定というのもあるそうで
 3つの競技で規定をクリアしたらなれるとか言う話でした

 マティアスはいまだグランドマスターはとれていないとかで
 今回は取りたい、とのこと

 ちなみに彼は、他国の参加者で、
 ヘッドホンをして集中力を高めようとしている人がいるのを見て
 「あんなの邪道、本来はヘッドホン無しでも集中しないと」
 「ああいうことをしているから変わり者に思われる」
 とまたまた批判的。
 どうもスマートにやりたい人みたいですね(笑)

 さてこの大会には、創始者のトニー・ブザンもいて
 ヨーナスくんは
 「彼は記憶の世界の教祖みたいなもの、
  彼は脳の活性化法で特許も取ってるんだ」
 と話していました
 大会も主催するあたり、カリスマ性もあるのかな。

 トニーさんの話し方は独特で
 「単なるテクニックではない、
  知性の花を咲かせるんです」
 とか話していました
 ヨーナスくんによれば
 「彼の話し方は聞いていると気持ちいいけど、ヨーダと話しているみたい」
 とよくわからない例え(笑)

 この大会は3日間(他の記憶力大会はたいがい2日)で
 集中力が試されるそうです

 1日目を終えてヨーナスくんは4位、
 「思ったよりいいところ」と言ってました

 ところが、2日目を終えて順位は3位に上がる
 「3位の人があり得ないミスをしたので上がった、
  2位以上は差がありすぎて追い付けない」
 「緊張した、さてこの順位を守れるか自信がない」
 と珍しく弱気でした

 この大会で8回優勝しているドミニク・オブライエンさんもいましたが
 (過去最多だそうです)
 彼は優勝してから、テレビでエンターテイナーにされそうになったが
 「記憶術はエンターテイメントにするより、
  人に教える方が世のため人のためになる」
 と、今は教育活動をされているそうです
 彼は
 「記憶術が広まり、世の中の人全てが読み書き出来るようになれば世界は平和になる、
  そう願っている」
 と話していました。
 記憶術が平和につながるとは、記憶術も奥が深いですね…

 ちなみにこの方、記憶力が良すぎて
 カジノのブラックジャックでは世界中で出禁になっているんだそうです(笑)

 さて大会に戻ります
 3日目の朝、イドリスはみんなを励ましていました
 「今回は裏方としてスウェーデンチームを応援する」 と言い、
 選手層を厚くするために、
 今まで自分が国内に記憶力選手権を作ったことを話しました
 そして、
 「持てる力を全て出そう、打倒世界一だ!」

 ヨーナスくんは彼の言葉が響いたそうで
 「それほどまでに僕らを支えてきてくれたのか」
 と胸が熱くなったそうです
 皮肉屋?のマティアスも
 「今回はみんなのために安全運転でいくよ」
 チームが一致団結していました

 さて競技が終わり、まずは個人のメダリスト発表。
 銅メダルは誰か?
 実質、ヨーナスくんとドイツの候補者の3位争いです。
 主催者によれば
 「最後の数秒で決まった、歴史に残る名勝負」だったそうです

 ヨーナスくんによれば
 「最後のスピードカードは、ドイツの選手が得意な競技」なので緊張したとか。

 彼によれば「最後の1分で決まった」
 彼はスペードの6とクラブの10を読み違えていたらしいのです。
 「僕はいつも、クラブの10はダチョウ、スペードの6は魚だった。
  でもイメージの中で反芻すると、最後に魚が2ヶ所出てきてしまった。
  魚に腹が立った。
  正しいのと違うのとどっちかだというのは分かっていて
  当てずっぽうで選ばねばならなかった」

 まさに運を天に任せる状態だったらしい
 魚に腹立った、てのがリアルですね。

 さて結果は?
 「4位、ボリス」
 ドイツの方でした

 「3位は史上最強の新人、ヨーナス」
 彼は「メダルが取れるなんて夢にも思ってなかった」と飛び上がって大喜び。

 ちなみに金メダルは車イスの方で
 ヨーナスくんは「車イスが玉座に見えた」そうです

 そして喜びの余韻に浸るまもなく、次は団体の結果発表でした。
 主催者は
 「番狂わせもありました」

 ちなみに強豪はイングランド、アメリカ、ドイツなどだそうです

 「7位、イングランド…」
 「6位、中国、5位アメリカ、4位インド、3位フィリピン…」
 フィリピンとかインドもスゴいんですね。

 さてスウェーデンは…
 「2位、スウェーデン」
 スゴさがいまいち分からんが、
 スウェーデンはそれまでほとんど無名だったそうで
 これは奇跡に近いのだそうです
 ちなみに1位はドイツでした。

 それから、グランドマスターも今大会で6人認定され
 そのうち3人はスウェーデン勢だったそうです。
 マティアスも悲願のグランドマスターを取得して
 いつもクールなのにおどけた表情でした。

 さて大会のあと。
 マティアスはみんなに
 「今回で僕は最後だ」
 と突然の引退宣言。
 イドリスは驚いて
 「いつ決めたんだ?」
 「ずっと考えていたんだ、グランドマスターが夢だったけど、それも達成できたし」
 彼は
 「これからは教育分野に記憶を生かしたい。
  頂点の時が引き際って言うだろう?
  イドリスのように情熱を傾けてくれる人を大事にしないとね」
 と話していました

 「これからイドリスの活動を見守っていくよ、
  ヨーナスやマーヴィンのような人が発掘できたら優勝できるだろう」

 個人プレーが多そうに見えたけど
 一番イドリスを見ていたのは彼かもしれない、と思いました。

 そして、スウェーデンでは記憶力選手権が活発になりつつある、
 みたいな話で終わっていました
 
 ちなみにその後の彼らについても少し触れられています
 マティアスは記憶法を生かした勉強法の本を出版した
 イドリスはチームのコーチを続けている
 マーヴィンは医学部に合格し、新たな記憶法を開発中
 ヨーナスは世界選手権で優勝し、
 中国語も猛勉強し、次の年に中国で開催された大会でも優勝しだそうです

○感想など
ドラマとして見ていて面白かったです。
マティアスさんは変わり者と思われたくなかったみたいだけど、
一番変わってるように見えたのは気のせい?
まぁでも考え方は独特だけど憎めない人だなと思いました(笑)

ちなみに日本人は?と思ったのでググったら
Wiki情報ですが、記憶力選手権には個人で日本人の方も出ていたようです。

ただし100位前後ですので世界レベルとは言いがたいようで…
ただ日本でも東京で2014年頃から記憶力の大会は開かれているみたいです。

ちなみに同じWiki情報によれば
2016年頃に世界記憶力選手権の主催団体が内部分裂してしまったらしく
中国、アラブ圏以外は脱退。
別の団体ができて、
2つの団体が主催する大会が共存するややこしい状態のようです。

そのせいか、近年は中国などアジア開催が多いようだ。
ここにも中国パワーが台頭してるのかな?

ところでスウェーデンチームを率いているイドリスさんは、
記憶についてのプレゼンもしているようで
http://logmi.jp/14618
にありました。
やはり絵に変換するというのが基本テクニックみたいです。
ヨーナスくんの魚の話もリアルでしたね。

ちなみに私は機械的な記憶が苦手、ていうか嫌いで
どっちかいうとストーリー性、因果関係がある方が好きです。

歴史なども「イイクニ作ろう」とかより
この人があーなってこーなってあーだから、この年にこれができた、
みたいなストーリーがあった方がいいかな。
なので1年くらいずれても、
大体の話がわかればいいじゃんとか思っちゃう。

英語の単語でも、だいたいの感じで覚えてるので
(楽しい感じとか、ふわっとした感じとか)
ニュアンスはあってても、言語的に厳密な意味は間違えることもありますね…

たぶん入試向けではないんでしょうね(笑)
大学受験でも記述式が多かったので助かったようなものでした…。

なので、絵に変換しろとか言われても
その単語の成り立ちに関係ないストーリーを勝手に考えるのはやっぱり抵抗あるかなーとか思います。

でもまぁ、人間の能力って無限だな、と思いました。
日本だと、昔の受験戦争への批判からか、
あるいは討論型授業の流行りのせいか、
記憶学習って軽視されがちだけど
知識の蓄積がないと議論や思考は生まれないわけで、
やはりある程度の暗記も大事なのかなと思います。
楽しんで行われるのはアリなのかなと思ったりしました。

ドラマとして面白かったです。

というわけで今回はこの辺で。

「坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本」

「坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本」

 そういや人工知能、て基本的に分かってないなー、と思い、図書館で借りてみた本です。
 「坂本先生が…」て言うくらいなので有名な方なんかな?
 (申し訳ないが私は知りませんでした)
 と思い一応調べてみましたが、
 「ホンマでっか?TV」に出演されている研究者みたいです。

 綺麗な方だからかな?オスカープロモーションにも所属、てことです。

 ちなみにウィキによれば
 「男性タレントのジャニーズ、
  お笑い芸人の吉本興業と並び、
  美女タレントのオスカー」
 だそうで、所属されているのは美人女優、タレントさんたちが多いらしいです。へぇ。

 まぁそれはさておき、彼女は人間の感性を人工知能で表現する、
 みたいな感じの研究をされているようですが
 (オノマトペなど、感性言語が専門みたいです)

 人工知能学会の学会誌の編集委員でもあり、
 過去にも本を書かれていた縁で、
 出版社から一般向けの人工知能解説本を書いてほしいと依頼された、とのこと。

 人工知能ってなんか男性的な本が多いので、これはユルくて良かったです。
 漫画的なイラストもあるんで、入門編としてはいいかなと。
 ただ詳しい内容は省いてあるので
 既に歴史とか仕組みを知っている人には物足りない内容かもしれない。

 まぁでも素人の私としては良かったです。
 人工知能=ディープラーニング
 かと思っていたらそうじゃなかった
 (あくまでも、ニューラルネットワーク、という1つのやり方の進化形らしい)、とか
 AIが小説書いた、とか言ってたけど構成などは人間が考えた、とか
 ニュースになってるわりに知らなかった内容があったので
わりと収穫な本でした。

 印象に残ったところを挙げたいと思います。

○そもそも人工知能とは
 最初の方に、そもそも人と人工知能との違いは?
 という話がされていました。
 たぶん専門家により定義は色々なのでしょうが
 筆者によれば
 「人は体があり、人工知能にはない」のだそうです。

 人間は、体の五感を通し、外部から情報を得ているが
 AIにはそれがないので
 人間が何らかの情報を入れてあげないと知識を獲得できない。

 また、人には心がある、というのも大きな違いだそう。
 人は、五感からの情報を元に
感じたり、想像したり、共感したり、新しい課題を設定する。
 こういう心の動きがAIにはないのだそうです。

 ただ、しぐさや表情をなどを状況に応じて変えるようプログラムすることで、
 AIに心があるように「見せかける」ことはできるそうです。
 それでも、行動の意味を理解して自発的に動いているわけではない。

○今は第三次AIブーム
 そんなAIですが、今は歴史的に見れば3回目のブームなんだそうです

 ・第一次ブームは1950~1960年代、
 AIという名称がダートマス会議で初めて考え出された
 このときは、検索という方法が使われたそうです

 例えばゲームの解決法、迷路を出る方法などを考えるとき
 人間なら間違えたところに戻ってそこからやり直すが
 機械はいちいち最初から全てのパターンを場合分けし
 最適なものを探す、という泥臭いやり方

 時間はかかるが、
 コンピューターの性能の向上により飛躍的に成績をあげるようになったそうです

 しかしこの方法では、
 病気の治療法など、
 正解がはっきりわからない社会の現実問題には対応できない、実用的でないとして廃れたそうです

 ・第二次ブームは1980年代
  エキスパートシステム、というのができたそうです
これは専門的な問題に特化した人工知能だそう

  この時代の人工知能の特徴は
  知識をたくさん入れて最適な方法を探させるというやり方
  病気の治療法などは、治療例や論文、症状などのデータを学習させることで見つけられる

  このため、データをコンピューターで扱いやすくするにはどのように変換したらいいか、
  などが研究されるようになったそうです

  しかしこのときは
  人間の知識が多すぎ、データを入れるのに時間がかかった。

  また、意味を文脈や状況に応じて理解する
  という人間の脳(心?)の仕組みは複雑で、
  人工知能で再現するのが難しい、
  などの問題があり廃れていった

 ・そして今は第三次ブーム
  1990年代くらいから
  ウェブを使って大量データが一気に入手できるようになったこと、
  機械学習、ニューラルネットワークなどの自律学習の研究も進んだことが大きいみたいです

  また廃れるんじゃ…てな話もありますが
  今度のブームは人類に大きな変化をもたらすことになりそうです

○人工知能とロボットは違う
 人工知能とロボットの違いも書かれていました

 文科省だったか経産省だったかの定義によればロボットは
 「センサーと制御系と駆動系を備えた機械」
 だそうです。

 つまり外の環境を感知し、それに対応した動きをする体があるのがロボット
 産業(製造や運搬など)、医療、介護、農業などで既に応用されている

 しかしAIはコンピューターだけで、動きをもつ体は必要ないそうです

 アンドロイド研究でも、
 体の動きなどを主にするならロボットに近く、
 制御系や人間の思考法などを研究対象にするならAIに近くなる、とのこと

 ただしAIにも体は必要、と考える研究者もいて
その辺は意見が別れるらしい。

 例えば体の感覚や情動から知性が生まれるなら、AIにも体が必要、とする人もいる

 筆者の場合は、人に寄り添う人工知能を目指すならば、
 五感を取り込む人工知能は必要なのでは、
 と述べています

○AIの進化の段階
 AIの進化は五段階に分けられているそうです
 1 人工知能家電
  部屋の温度をキャッチして温度や湿度を制御するエアコンなど、
  入力、出力の関係がわりと単純に制御されるものを指すようです

 2家電のもう少し複雑なもの
  掃除機のルンバなどがこれに当たる
  数十の行動パターンを持ち、
  状況に応じて最適な動きを選択するそうです
  つまり入力から出力までの経路が1より高度

 3機械学習をするもの
  何かの教師データをたくさん学習することで、
  行動パターンを自分で学習する
  ただし学ぶためのプログラムや、正解などは人間が入れる

 4何かの目的に特化して、自ら学ぶプログラムを持つもの
  3と違うのは、人がするのは教師データを入れるだけで、
  学びかた(特徴やルールの抽出)は人工知能自身が考える、ということ
  最近流行りのディープラーニングはこの段階に相当するらしい

 5汎用的な人工知能
  4の場合、囲碁のための人工知能、医療診断のための人工知能、など、何らかの目的に特化しているが
  5の段階では、
  人間と同じく全てのことが1つの機械でこなせる
  感情や判断などもできるようになる

 4までの進化の仕方では5の段階はたどり着けないだろう、
 もっと飛躍的な技術が必要なのでは
 と考えられているそうです

 5まで来ると、人間並み、あるいは人間よりも高度な知能を持つ可能性も高くなる
 いわゆるシンギュラリティが起きる

○シンギュラリティの定義
 私も漠然としか分かっていなかったシンギュラリティですが、
 筆者の言葉で言えば
 「人工知能が、自分よりも賢い人工知能を作り始める時」
 だそうです。

 今は、関数曲線で言えば
 1以下の数を掛け算している状態で
 この場合元の数よりは小さくなる
 つまり自分よりは幼いAIを作っている状態

 しかし1より大きい数を掛け算したらどんどん大きくなる。
 この1以下か1以上かの境目がシンギュラリティなのだそうだ。

 シンギュラリティ=「特異点」と聞いていたけどよくわからんと思っていたので、
 これは何となく腑に落ちる説明でした。

 「ムーアの法則」(コンピューターチップが1.5年ごとに2倍になるという法則)というのがあり
 これに当てはめれば2045年にシンギュラリティになる、と言われているそうです

○人工知能が人間を滅ぼす可能性
 シンギュラリティが起きたら人工知能が暴走して人類を及ぼすのか…
 という懸念についても書いてありました。

 松尾豊氏によれば
 人工知能増殖には3つのシナリオが考えられるが
 どれも人類を滅ぼすとは考えにくいそうです

 ・1つはAIが「自分を増やしたい」という欲望を自分に組み込み、ロボット(物理的なもの、ハード)のコピーを作る

  しかしこの場合、ロボットを作る材料を調達するのが大変
  ロボットを作る機械をロボットが作れば可能では?という気もしますが
  それは遠い未来ですね…

 ・2つ目はAIが「自分を増やしたい」という欲望を組み込み、
  プログラム(ソフト)をコンピューターウイルスのごとくどんどんコピーしていく

  しかしこの場合、色んなコピーが出来れば不具合も起こりうるが
  全ての不具合に対応するのはAIのみでは難しい

 ・3つ目はAIが人工生命を作り、そこにAIのプログラムを入れる

  しかし人工生命が外的な環境変化に全て対応するのは不可能

 結局、AIは未知のトラブルには弱い。
 進化なんて危機への適応だらけだが、AIは危機には弱いということですね。

 (ただしAIの予想外の進歩による危険性を指摘する人も少なくなく、
 http://tocana.jp/i/2017/03/post_12479_entry.html
 などのサイトによれば
 「ケンブリッジ絶滅リスク研究センター」というところが発表した
 「地球壊滅の脅威10」のうち3つに人工知能によるものを挙げています。
 ・人工知能が人間の目的と違う発達をすること、
 ・バイオハッキング(人工生命を勝手に作ること)
 ・キラーロボット、だそうです

 スティーブン・ホーキング博士、ビル・ゲイツ氏、イーロン・マスク氏なども
 AIに危惧を抱く発言をしているとか…
 
 そういえば中村文則さんの小説「R帝国」なんかは、
 AIや記憶を操作する薬など、高度文明を支配層が利用して大衆を巧妙に操り、
 しかも操られている大衆はそれなりの娯楽を与えられ気づかない。
 支配層に抵抗する人もいるが、そういう人は排除される方向に大衆の思考が操作されていく…
 という近未来社会が描かれて、なかなかコワかったです)

○AIにとって変わられる仕事、人間に残る仕事
 これも結構、シビアな話です。
 AIが人間並み、あるいは人間より優秀になってきたのは
 ・画像認識、音声認識
 ・ビッグデータを使った予測
 ・ある程度のマニュアルに沿った応答
 ・決められた動き
 …などだそうで
 具体的には
 ・医療診断、審判
 ・受付業務、電話オペレーター
 ・データ解析、
 ・金融、証券、保険
 ・運輸、物流
 …など。
 ほかには、検索と連動した広告業、
 文書作成、デザイン、作曲なんかも行っているそうです
 ですので広告業界とかウェブデザイン、産業デザイン、とかも危ういですね…
 そう言えば新聞記事も、気象予測など事実を伝えるだけのものならAIが書いていました

 一方AIが苦手なのは
 ・手先を使う繊細な動き
 ・経験が必要とされるもの
 ・高度な判断が必要なもの
 ・複雑な人とのやり取り
 …などで
 具体的には、
 ・歯科技師
 ・理学療法士
 ・カウンセラー
 ・責任者
 ・教師
 などだそうです

 仕事って廃れることもあれば新しく生まれるものもあるので、時代に合わせた能力を付けていくことが重要なのかも。

○AIに入れられるデータ
 AIに入れられるのは
 テキスト、画像、音声など、デジタル化できるデータだそうです

 最近は音声認識の分野も進歩がめざましく、
 マイクの性能も上がっている。
 また、従来は音声認識と、言語への変換は別個に処理していたが、
 聞き取ったものを同時に言語に変換する技術も進んでいるそうです

○AIに入れられないもの
 ・言葉の意味
  会話や文章の中で、ある単語の意味を理解する仕組み
  てのは意外と複雑なんだそうです

  意味を記憶、学習する研究に
 「意味ネットワーク」
 が考えられていて
 心理学の話にもよく出てきます

 これは、人は、それぞれの言葉をバラバラに機械的に覚えるのではなく、
 他の言葉とのネットワークを作りながら覚えていく、というもの

 例えば「ウサギ」という単語は
 「白い」「ふわふわ」などという連想される単語と強いネットワークを作り
 「かばん」とか「青」など関係無さそうな単語とは結び付きが弱いもの、として記憶される

 梅干しを見て唾液が出るのも
 赤くて丸くてしわしわのもの、
という概念と
 酸っぱさとが結び付いて記憶されるからだそうだ

 これをAIに実現させようとすると、
 全ての単語、知識を入れる必要がある
 第二次ブームではこれをしようとしたが、あまりに膨大なため挫折した

 第三次AIブームではビッグデータを扱う技術が進み、
 言語データをたくさん入れられるようになった
 このため現在は、それぞれの言語の意味ネットワークを、
 人工知能自身に見つけさせようという方法がとられているようです

 例えばIBMのワトソン
 (質問に答える人工知能らしい)
 はWikiなどのデータをたくさん入れてあり
 ある単語を入れると、それと関連性の高そうな答えをさがしだす仕組みなのだそう

 ただし、ワトソンくんは質問の意味は理解してなくて
 ひたすら関連性の高いものを捜しだすだけなのだそう
 (NHKのAIひろしもこのやり方?
 でも、「理解できた」てどうやって判定するんだろう?答えが探せたら理解できたってことにはならないのかな?
 と思いました)

 もう1つ、人工知能に入れるのが難しいのは五感の感覚みたいです
 視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚のうち、
 視覚、聴覚以外の3つはまだまだ再現しにくいらしい

 ・味覚はセンサーが複雑
  そもそもAIは食べないから必要かもしれないが、
  レシピを考える知能はある そうです
  この場合、言語化された味(つまりテキスト化されている)と食材のデータを元に
  調合のしかたを考え、レシピを作るらしい

 ・臭覚は、今のところ受容体が400近くあり、組み合わせが大変らしい

 ・触覚は一番大変らしい
  皮膚は体全体に広がるし、個人差も大きいのだそう

 次に、人工知能がどう学習しているかの話もありました
○機械学習とは
 機械学習は、人が学びかたをプログラムしなくても、
 コンピューター自身に特徴やルールを見つけてもらう学習方法

 大きく3つに分けられるそうです
 ・教師あり学習
  これは親データと正解を入れ、学習させる
  例えば猫の画像を見せて「これは猫」と言語として教える
  ここから、「こういうものは猫」と学習していく

  やり方としては要素を数値化するのだそうで
  例えば何かの特徴があれば「0.75点」「-0.2点」など、加点を加える
  (この点数の大小を「重み」というらしい)

  そして、最終的な点の大小で正解を決める

 「スパムメールかどうかを見分ける」などの分類問題
  (メール中の単語を要素として、加点あるいは減点していく)
 「温度や湿度から明日の降水確率を出す」などの回帰問題
 があるそうです

 ちなみに降水確率では、
 パラメータ(温度、湿度、風など)と
 求めたい値(降水確率)との回帰式(関係式)を作り、
 そこに現在のデータ(今の温度、湿度)を代入して予測値を求める、
 というやり方をとるそうですが

 これらのパラメータ要素が多すぎたり
 極端にズレた値が混じっていると結果が大きく変わる欠点があるそうです

 また、学習しすぎると未知の問題に対応できない(過学習、というそうです)

 …つまり、あんまり柔軟性は無さそうですね。

 ・教師なし学習
  これは、正解の分からないデータを分析するのに使われる

  例えば顧客データを入れ、
  その顧客の好みに合うと思われる商品をアドバイスするサービスなど

  この場合、人工知能はデータを元に、自分で顧客をタイプ別に分ける
  ただし分類の仕方も色々できるので
  「同じ人数ずつにする」などの縛りはかけておくそうです

  ネットの購入履歴から傾向を把握する、などにも使われるらしい

 ・強化学習
  これは動物の学習と似ているそうです
  正解にたどり着けば加点し、
  不正解ならマイナス点を与える

  つまりマウスの実験などで、成功したら報酬(えさ)を与え
  失敗したら罰(電気ショック)を与えるのと同じ

  これにより、より正解に近い道を早く学ぶことができるそうです

次は、AIの中でどうやって知能を実現させているか?の方法の話。
○ニューラルネットワーク
 ニューラルネットワークとは、
 人間の脳にある神経ネットワークをコンピューター上に再現させたものだそうです。

 今流行りのディープラーニングはこの進化形なのだそう

 生物の脳のニューロンの仕組みを書くと、
 ニューロンはトゲトゲのある神経細胞で、
 それぞれのトゲから軸索と呼ばれる糸みたいなものが伸び、
 別の神経細胞の軸索の端っこと接している
 接する部分はシナプスと呼ばれる

 1つの神経細胞が活性化すると、
 電気刺激が軸策、シナプスを通して別の細胞に伝わる

 色んな別の細胞から電気刺激を受け取った次の細胞は、
 電気刺激の総量が、ある程度の値以上になると活性化するが
 それ以下なら何も起きない

 この仕組みをコンピューターで再現したそうです

 最初は1940年代に
 ウォーレン・マカロックさん、ウォルター・ピッツさんという方たちが「人工ニューロン」を考えたそうです

 やり方としてはシンプルで
 複数の入力ニューロンから、出力ニューロンに信号が送られる仕組み

 各入力ニューロンから出る信号には、それぞれ色んな値の「重み」があって、
 出力ニューロンの受けとる信号の総和が、
 ある値以上なら出力ニューロンは出力を1、
 それ以下なら0の信号、とする
 …というもの

 数字だと分かりにくいですが、
 ある人が色んな人から何かの商品の評判を聞いて、
 聞いた人が他の人に話したくなるときが出力1、話すほどの気は起きないのが0、
 と例えていました。
 この場合、噂の出所が信用できるほど「重み」の値が大きくなるらしい。なるほど。

 この人工ニューロンをもう少し進化させたのが
 「パーセプトロン」だそうで
 これは、入力ニューロンと出力ニューロンを2層に並べてつなげているそうです
 この際、出力は0と1のみではなく「0.7」とかの値で出す
 また、入力層から出力層の「重み」の調整をできるようにする
 これにより、
 望み通りの出力値になるよう、
 重みを微調整させるよう学習ができる

 ただこのやり方だと、
 はっきり関連性のあるデータの学習はできるが、それ以外はできないらしい

 そこでこれをさらに進化させたのが
 「バックプロパゲーション」
 これは1986年にデビット・ラメルハートさん、ジェフリー・ヒントンさんらが考えた方法で
 入力層と出力層の間にもう1つの層を作り、3層構造にしたもの

 これは、出力の答えが正しくないときとか、誤差があるときに、
 その間違った答えを真ん中の層あるいは入力層に返して、
 誤差をなるべく小さくするよう信号の重みを自動的に調整させる
 (重みには、
 入力層と中間層をつなぐ重みと、
 中間層と出力層をつなぐ重みがある)

 例としては手書き数字を「7」として認識させるやり方で
 この場合は入力する手書き文字データを細かい点に分けて
 それぞれの点の光の色データを入力層に入れる
 入力層のピクセルはたくさんなので、その入力層から来る重みもたくさんある

 そして出力が間違って「1」などになってしまっていたら
 出力文字が「7」になるまで全ての重みを調整する、
 という気の遠くなる作業をするそうです

 学習には時間がかかるが
 これだと2層ではできない問題ができるようになったそうです

 そして、2層より3層がいいなら層をもっと増やせばいいのでは…
 とも思われたが

 しかし、そうはうまくいかなかったらしい
 というのは、間違った答えを中間層に返しても
 調整されるのは出力に近い層にとどまり、
 入力に近い層まで調整するのが難しいのだそうです

 …ここでニューラルネットワークの進歩はしばらく頓挫したそうです

○ディープラーニングのスゴいところ
 ここを乗り越えたのがディープラーニングなのだそうです

 これが世に出たのは2012年、
 頓挫してからしばらくたっていますね。
 考えたのはバックプロパゲーシヨンを考えたジェフリー・ヒントンさんだそうです

 ディープラーニングでは、
 4層以上のニューラルネットワークを使うのだそうです
 多層だとうまくいかなかったんじゃ?…て思いますが
 そこには工夫があったらしい

 いまいち理解してないですが私の理解で書きます
 1つは、学習を階層ごとにしたこと
 もう1つは、オートエンコーダー、といって
 入力と出力のデータを同じにしたことがミソだそうです

 同じとはどういうことか?
 手書き文字認識の例で言えば
 バックプロパゲーションの頃は
 入力は手書き文字、出力はパソコン文字を正解として与えていたそうですが、

 ディープラーニングの場合は入力も出力も手書き文字にして
 特徴はAI自身に抽出させたそうです

 これにより、層が入力側から出力側に進むたびに情報が圧縮され、
 必要な特徴の要点だけが取り出される
 最後の出力層でまたもとのデータに戻って答えあわせができる
 という仕組みだそうです

 統計処理の「主成分分析」と同じ、と書いてありましたが
 主成分分析はよくわからん…

 イラストでは、
 途中でギュッとデータが凝縮され、最後でまたデータがポン、と広がる、て感じなので
 私のイメージでは
 画像の圧縮、解凍みたいな感じかなぁと思いました
 (違ってたらごめんなさい)

 多分層ごとで学習するので
 層が進むたびに洗練された要点だけが抽出されていくのでしょう。
 しかも始めと終わりのデータは全く一緒なので
 出力層から近い層と入力層に近い層とで重みの調整に差が出ない、という利点がありそうです

 筆者としては、人間の脳でも似たようなことが起きてそうで理解しやすい、とのことです

 ちなみにディープラーニングでは
 音と画像、文と画像など
 違う種類の情報も一緒に扱えるのだそうです

 また、ディープラーニングは
 「4層以上のニューラルネットワーク」の総称に過ぎず、
 層の作り方とかネットワークのつなぎ方の違いなどにより、
 細かくいうと手法はたくさんあるんだそうです。
 現状でベストというわけでもなく、日々改善もされているそうです。

 ディープラーニングと言っても色々なんだなぁと思いました

○遺伝的アルゴリズム
 ディープラーニングはニューラルネットワークの1つですが
 他にも「遺伝的アルゴリズム」という手法もあるそうです

 遺伝的アルゴリズム、とは
 ダーウィンの進化論を再現したようなものだそうです。
 (ニューラルネットワークは脳を再現したようなもの、ですし、こちらは進化論。
 人類の仕組みってやっぱりすごいなあと思います)

 遺伝的アルゴリズムは、
 無限にある答えから、
 最も良さそうなものを探すのが得意なのだそうだ

 ダーウィンの進化論とは
 ・突然変異はランダムに起きる
 ・進化とはある目的に向かっているわけではなく、機械的に起きる
 と捉えているそうです

 つまり、変異は何の意図もなくランダムに起き、
 その変異の中で、そのときの環境に一番適応している個体が機械的に選ばれる、
 ということらしい。

 そしてこの進化論をアルゴリズムとして再現したのが遺伝的アルゴリズム

 具体的には
 1 n個の個体を作る
 2 次の世代を作るとき
  ・そのままコピー
  ・別の個体とかけあわせる
  ・突然変異
 のどれかを選ぶ
 3 n個になったら次の世代ができる
 ある程度これを繰り返して
 そのときの環境に最適な個体を答えとして選ぶ

 …というやり方だそうです
 実際これは、株取引、飛行経路の最適化などに使われているそうです

 このあと、人工知能の実用例が書かれていました
 手法としてはやっぱりディープラーニングが多いのかな?
○ゲームAI
 NHKの羽生善治さんの番組でもやってましたが
 囲碁の「アルファゴ」「ディープゼンゴ」、
 将棋の「ボナンザ」などが有名ですね。

 将棋の場合は、たくさんの対局譜面を機械学習させることで、
 盤や駒の位置関係など、どこに注目すればいいかがわかるようになったそうです

 囲碁の場合は、最初の2手のありうる方法が他の将棋やチェスなどのゲームに比べ、膨大なのだそうですが
 この場合、過去の譜面からの学習だけではなく
 人工知能同士の対局も3千万局(人が毎日10局しても8200年かかる!)させて学習させたのだそう

○画像診断のAI
 画像診断の技術は向上し
 今では顔認識、指紋認識が実用化されている。
 膨大な量の顔写真を学習させるのだそう

 また医療診断(ガンの検出、ほくろかメラノーマかの判断など)
 も研究されているそうです

○自動運転
 自動運転は研究途上で
 手順としてはシミュレーターを作り、
 バーチャル運転をたくさんさせて学習させる
 さらに、なにか飛んでくるとか、普段ならあり得ない状況も学習させる、
 という方法が考えられるそうです

 しかしまだまだ課題はある。

 1つは運転の場合、画像ではなく動画
 変化する状況にリアルタイムで反応せねばならない

 もう1つは視覚などの情報を捉えるセンサーをどこにつけるか
 どんなセンサーを付けるかの問題もある
 今のところレーダーの活用、3D地図やGPSによる位置情報の把握、などが考えられるそうです

 そして一番問題なのは、事故が出たらどうするか
 誰が責任を取るのか
 予防策をどうすべきか
 (プログラムは人間が作ったわけではないので、プログラムを変えられない
  事故が起きないような学習を機械にさせないといけない)

 というわけで課題は多そうです。電車など、決まった道を走るものなら既に自動運転はされていますけどね…

○会話AI
 言葉を理解するAIはいまだないが、会話のやりとりは進歩はしているようです
 大きくは2つに分けられるそうです
 ・知識ありの会話
  IBMのワトソンなどがこの例で
  マニュアルをもとにコールセンターのオペレーター支援なとはしているそうです

  ワトソンくんは先程も出ていましたが、質問を音声認識し、テキストに変換
  それを単語に分解し、データベースからその単語と関連性の強い文章を探す…
  というやり方で
  学習させることで精度をあげていくのだそうです

  シェフワトソン、てのもあって
  キーワードのイメージにあうレシビ提案をするらしい。

 ・知識なしの会話
  これは簡単なおしゃべりロボットだそう
  おうむ返しなど、ルールを仕込んで返答させる
  仕込み方はいくつかあり
  ・辞書型…単語とテンプレートの組み合わせを記憶させ
   ある単語が来たら返す言葉を決めておくやり方
  ・ログ型…過去の履歴から回答を探す
  ・マルコフ型…会話をバラバラにして分析し
   ある言葉のあとに来る確率が高い言葉を持ってくる

  これらの組み合わせで簡単な会話はできるが
  前提知識が必要な話とか
  意味がたくさんある言葉とか(「凧を上げる」「蛸を揚げる」)の理解は難しいみたいです

気晴らしのおしゃべり程度はOK、てことですね。

○小説
 クリエイティブな分野は評価が難しいので学習しにくい、
 というのはあるみたいですが
 小説をAIに書かせる試みはいくつかあるようです

 星新一賞は人間以外に書かせてもOKというユニークな小説の賞で
 2016年には11本のAI作品が出されたそうです。これは新聞でも話題になってました。

 そのうちここで紹介されていたのは2つで
 1つは「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」
 このプロジェクトでの作り方は
 小説の構成、条件設定は人間が行い
 文章部分をAIにさせているらしい

 もう1つは「人狼知能プロジェクト」
 これは村人に紛れ込んだ人狼を探すゲームを人工知能に作らせる、というもの
 大まかなシナリオをゲームとして人工知能が作り、
 人間が面白いと思うものを選んで、それをもとに小説として書く、
 というやり方みたいです。

 つまりどちらも完全にAIではなく
 骨組み作りとか大事な所は人間が担うみたいです

 小説を書くには
 テーマを決め、筋書、構成、登場人物、時代背景などを決め、
 そのあとに意味の通る文章を書く、
 というたくさんの手順があり
 なかなか大変そうです。
 ていうか人間でも書ける人はごくわずかですよね。私も書けません…

○絵、音楽
 イメージを指定して、写真を元にデザインや画像を作る
 というサービスは既になされているようです

 また、音楽スタイルや技術を学習させて独自の曲を作る
 ということもされているようです。

 意外と文章よりは実現早そうだなーと私は思う。
 そもそもアートって競うものでもないし
 組み合わせのパターンをたくさん作るだけでも斬新なものができそう。

 アーティストも、AIから仕事を奪われるというより、新たに刺激を受けられるなら
 それはそれでいいのかなと思ったりします。

○筆者のあとがき
 筆者としては
 これからの人工知能は「感性」ではないか、とのこと

 人間の気持ちよさとか美しさとかの価値観などは、
 五感や感情から来ている
 ここを理解できる人工知能が必要なのでは、とのことです

 また、どうしても人工知能って、理性とか正解、予測など
キチキチしたものを出すものになりがちですが

 人間ってのは感情もあるから判断の誤りもあるし
 そもそも正解を求めてないときもある
 好みなどは個人差があるから優劣はつけられない

 そういった人間に寄り添う人工知能に今後は可能性があるのでは、
 という感じでしめくくられていました。

○感想など
ざっくりですが、AIの仕組みなどが何となく分かって面白かったです。

AIが人間とか生命体を模しているとすれば、
我々は生命体の進化を短期間で見せられているようなものなのかもしれない、とも思う。
AI開発により、人間の思考法とか脳の仕組み、意識とは何か、という問いへの理解が更に深まるのかなと思いました。

色んな所でAIが人間を越えたら…の危惧が言われていますが、
私は結構楽観的です。
というのは本当に賢いAIならば、
生き残るには「多様性を保つ」のがいちばんの得策だと気付くのではと思うからです。

これは社会的に色んな考え方の人がいた方がいい、てのもあるし
宇宙の中で生命体が生き残るために色んな生物がいた方がいい、
という物理的な意味合いもあります。

AIは最強頭脳、みたいに言われるけど
天変地異が起きたら真っ先に壊れるでしょう。
つまり物理的変化にはめっぽう弱い。
百歩譲って、それを防ぐために耐熱性、耐寒性素材を見つけるにしても、自然の中からヒントを探さないといけない。

結局我々生命体は「土が無きゃ生きていけないのよ」だと思う
(「天空の城ラピュタ」でシータが言ったセリフですね)

それに人類も、何だかんだ言って「善なる方向」に進んでいるんじゃないかしら。
もちろんテロとかは無くなってないけど
奴隷制度とか差別は昔よりは無くなっている。
過去から学んで良くなろうとはしていて、
それはAIも同じではないかと。

筆者が「これからは感性を持つAI」と話しているように
AIを怖いものとして捉えるのではなく
共感しあい、協調しあい、仲良くしていける社会が実現するといいなと思います。

日本人って、感性とか思いやりとか可愛い文化とかその辺は強いので
そういうものを融合したAIを作ることに貢献できたらな~と思いました。

まぁでも悪用の可能性はゼロではない。
時代に乗り遅れないように、あるいは利用されないように、
新しい技術は勉強していこう。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 08:36| Comment(0) | 本(科学) | 更新情報をチェックする