2017年09月29日

NHKBSプレミアム「フランケンシュタインの誘惑 人を操る恐怖の脳チップ」

NHKBSプレミアム「フランケンシュタインの誘惑 人を操る恐怖の脳チップ」

今回は、脳チップで感情をコントロールしようとした
という科学者ホセ・デルガードのお話でした。

この方の脳研究は「他人をコントロールする技術」など、
色々と批判されたそうですが、
今なされている脳研究も一歩間違えれば、
というものがあるんじゃないさかな…

しかしそれでも、実際問題は人を操るのは難しいようで、
知れば知るほど脳は奥深いものだと思いました。

○ホセ・デルガードの人生に影響を与えたスペイン内戦
 まずはデルガードの生い立ちから。
 彼は1915年、スペインのロンダで生まれる
 お父さんは眼科医だったそうで、
 彼もマドリード大学医学部に入り、眼科医を目指す

 しかし1936年、彼が21歳の時にスペイン内戦が起きる
 これはフランコ将軍率いる軍によるクーデターで、
 デルガードは反フランコの共和国側で、軍医として参加した

 しかし1939年、フランコ側が勝利し、フランコによる独裁政権が始まる
 共和国側にいた人たちは強制収容所に入れられ、
 彼も炭鉱などで厳しい肉体労働を強いられた
 これはかなり辛かったようで、2回脱走を試みているそうです

 この強制労働の経験は、彼に大きな影響を与えたようです
 彼に2年間取材したジャーナリストによると
 「彼はインタビューの時、
  強制収容所の経験が自分に影響を与えた、と突然話し出した」そうです
 しかしどんな影響か、と具体的に聞こうとすると
 「科学のことではないので話したくない」
 と言ったそうです
 この経験は彼の心の傷になっていたのではないか、と話していました

 さて、彼は強制収容所から5年で解放され、
 1939年から脳の研究を始めたそうです
 人の残虐性はどこから生まれるのかを調べたかったのではないか、とのこと

 そのとき、彼は1920年代にスイスで行われた実験を知ったそうです
 ヴァルター・ヘスという科学者が行ったもので
 猫に電極を埋め込み、電気刺激を与えたところ、興奮や威嚇などのしぐさをした
 「感情は脳の働きで起こる」
 ことをはじめて示した実験だったそうです

 彼についての本を書いたライターによれば
 「当時は話をしたり、手足を動かす機能が脳にある、というのは分かっていたが
  感情を動かすのも脳だ、と分かったのは画期的だった」
 
 こうして、彼は脳を刺激する研究に取りつかれたらしい
 1946年、31歳の時アメリカに渡る
 エール大学で特別研究員になったそうです

 当時脳研究では、ロボトミー手術が全盛期だったそうです
 これは脳を切断する精神疾患の治療法ですが、
 この治療法で廃人になる人もいたのだそうです
 そこで彼は、脳を傷つけないよう、電極を埋め込んで治療できないか
 と考えたようです

○脳チップの発明
 ロードアイランド州には、デルガードの共同研究者の息子さんが住んでいます
 息子さんも神経心理学者で
 自宅にはデルガード作成の脳チップがあるんだそう

 見せてもらうと、アクリル製の四角い入れ物から、
 針金みたいな電極が2本ほど出ているもの
 この電極を、頭蓋骨に開けた穴から脳に差して使うのだそうです

 アクリル製の入れ物の中には機械があり
 リモコンから指令を受けて、電極から電流を流すようになっている
 「スティモシーバー」と名付けていたのだそうです
 stimulate(刺激する)とreceiver(受ける)を合わせた造語だそう

 息子さんによると
 「当時画期的だったのは、リモートコントロールができること」
 コードがないため、動物の脳などに取り付けても自由に動くことができる

 デルガードは、このスティモシーバーを動物の脳につけて実験をした
 すると、ボタンを一つ押すだけで、
 猫が勝手に片足をあげたり、
 サルがあくびをしたり、
 バナナを食べていたサルが食欲を急になくしたりした

 さらに彼はこのスティモシーバーを小型化し、
 人体実験にも使ったそうです
 被験者となったのは、統合失調症やてんかんの患者で、
 回復の見込みのない人たち

 1952年、彼らの頭骨にスティモシーバーを埋め込んだ
 運動部位を刺激すると、開いている手が勝手に閉じられる
 「「先生の電気刺激は、私の意志より強い」と被験者が言った」(彼の著書から引用)

 さらに、感情をつかさどるところを探すため、
 役割が分かっていない大脳辺縁系を刺激する実験もしたそうです
 ・穏やかにギターを弾く女性の偏桃体を刺激すると、
  ギターを投げつけ、怒りをあらわにした
  「2回連続で実験したが、2回とも同じ効果だった」(彼の著書より)
 ・控えめな女性の中隔を刺激すると、
  初めて会うセラピストに抱きつき、情熱的な謝意を述べる
  スイッチを切るとまた控えめな女性に戻った
 
 彼は、
 「脳への電気刺激により感情を操ることに成功した、
  この技術は精神疾患の治療にも大いに役立つだろう」と書いていたそうです
 しかし、ロボトミーが全盛だったため、誰も注目しなかった

〇スタジオでの解説
 スタジオの進行役は武内陶子アナ、
 解説は東京女子医科大 脳神経外科の平孝臣氏と
 総合研究大学院大学の池内了氏でした

 平氏は「よくここまでやったもんだ」
 動物実験までならまだわかるが、
 人体実験、しかも病気を治すのではなく、ただの実験だったのが恐ろしい、
 と話していました
 池内氏も「感情をコントロールするのは怖い」と話していました

 当時の脳研究はどのくらい進んでいたのか?
 平氏の解説によれば、
 当時は「ペンフィールドのマップ」というのが有名で
 脳のいろんな部位が、体の運動機能に対応していることは分かっていたそうです
 例えば脳の内側は足、外側は手、さらに外側は目、鼻、唇などを担当する
 これは多少の個人差はあるが
 (例えばピアニストは手の部分が広い、など)
 大まかにはどの人間も同じになっているそうです

 武内アナ
 「感情をつかさどる部分が脳にある、というのは知られていなかったんですか?」
 平氏
 「心の中枢は脳、という考え方はあったのですが、
  具体的にどの部位かが分かったのはこの時代です」

〇群れのボスをコントロールする実験
 次にデルガードは、集団の人間関係をこの電極刺激で変えられるか、を調べたそうです
 というのは、スペイン内戦後、フランコの独裁に苦しめられた彼は、
 独裁者の感情を大衆がコントロールできればいいのでは、と考えたらしい

 実験対象にしたのはサルの群れ
 サルの群れには、乱暴なボスザルのアリと、気が小さいエリサというサルがいた
 そこで彼は、アリの脳に電極を埋め込み、
 レバー1つでアリの尾状核に刺激を与えられるようにした
 このレバーをケージの中の壁に取り付け、
 エリサが自由にレバーを動かせるようにした

 すると、エリサはレバーを動かすとアリがおとなしくなることを学習し、
 アリが威嚇してくるたび、レバーを動かすようになったそうです

 しかし、この実験も注目されなかった
 というのは、この時代、ロボトミー手術への批判から、
 手術による精神疾患の治療自体が疑問視されるようになったのだそう

〇闘牛を使った大々的な実験
 そこで彼はみんなに脳チップへの興味を高めてもらうため、
 1963年、闘牛を対象にした公開実験を行い、そのビデオテープを自ら製作した

 ナレーションも脚本もすべて担当したそうで、そのテープでは
 「この実験は、遺伝子的に決められた闘牛の攻撃性を
  脳の電気刺激により抑制することを確かめるものである」
 とデルガード本人のナレーションがあり、
 映像では、闘牛がデルガードの方に突進してきても
 デルガードがリモコンのスイッチを入れると闘牛は向きをくるっと変え、
 全然違う方向を歩いていました
 この闘牛には尾状核を刺激するようにスティモシーバーが埋め込まれていたそうです

 神経心理学者の方によれば
 「あれは科学実験ではない、デモンストレーションだ」だそうですが、
 ニューヨークタイムズはこの実験を一面で扱い、
 狙い通り、彼は世界から注目を浴びることになる

 マスコミからの取材も受け、
 アメリカの海軍や空軍は、資金援助も申し出る
 彼は一躍脳刺激研究の第一人者となり、1969年に本も書いたそうです
 そこでは
 「脳神経を操作する科学技術は、いずれ精神を征服する
  より幸せで、より良い人生をつくるのだ」
 ということを書いているそうです

〇批判を受けるデルガード
 しかし、彼はやがて批判を浴びることになる
 彼の共同研究者が
 「この研究は、黒人の暴力的な傾向を抑えられる」という論文を書いたり
 別の研究者が
 「同性愛者の男性を娼婦とむりやり性交させ、
  その最中に中隔を刺激して性的嗜好を変える」実験をしたり
 (かなり過激ですねえ…)
 この研究は他人をコントロールするためのものだ、と批判されたそうです

 矢面に立たされたのが、第一人者のデルガード
 しかし彼は
 「ナイフは良いものでもなく、悪いものでもない
  手術者が手にすることもあれば、暗殺者が手にすることもあるが
  悪いのは知識そのものではない、悪用されるのを制限するべき」
 と話していたそうです

 彼を取材したジャーナリストは
 「彼には目指す理想の世界があったが、その世界に恐怖を感じる人もいた
  彼の技術は、政府やファシストや暴君により大衆がコントロールされることにつながる、
  と思われるようになった」
 しかし
 「彼は人間は改良できる、と主張し続けた」
 
 結果、デルガードはエール大学を辞職することになり、1974年スペインに帰る

〇スタジオでの解説
 池内氏によれば、これらの批判は
 「心というのは、本来自分だけのもの、と思われている
  それが暴かれることに、みんな抵抗があったんやろね」とのこと
 
 また、闘牛の実験については平氏も
 「これは科学実験ではないと思います」と言っていました
  科学実験であれば、尾状核にもっと正確に刺さなければならないし
  厳密にやるためにはもっと大掛かりな設備が必要

  また、尾状核の刺激で感情のコントロールができた、というのも怪しいらしい
  というのは、見ていると牛はうろうろしていただけで、
  あれは感情がコントロールされたというより、
  運動部位が刺激されたための動きではないか、とのこと

 ただ池内氏は
 「注目を浴びないとお金が援助されない、というのはあるからね」
 パフォーマンスの意味合いが大きかったようです。

 池内氏はさらに
 「闘牛にとって攻撃性は生きるために必要な能力で、
  それを否定するのは牛の存在を否定するようなものですよ。
  幸せや良さってのは人により違う」
 平氏も
 「人の幸せをワンパターンでとらえすぎ」
 つまり、人の幸せは人それぞれなのに、
 「感情をコントロールできたら、みんな幸せになるはず」
 という思い込みだけで実験を続けていた、とデルガードを批判していました
 まあ確かに、感情がない世界、って幸せなのかよくわからないですね…

 武内アナは
 「でもフランコの独裁を抑制できないか、という思いから始まっているんですよね」
 と聞きましたが
 池内氏は
 「独裁を無効化することはできるかもしれないけど、
  実際問題、誰が独裁者にあの電極取り付けるんか、っちゅう話があるわけですよ」
 (そこは私もつっこみたかったところです(笑))

 武内アナは
 「彼はでも本気で考えていたんですよね、精神的に文明化された社会、理想的な社会を作るんだ…と」
 池内氏は
 「彼は人間は完全にコントロールできる、そのことで満たされる、と考えていたんですね」
 
〇さらに批判を受けるデルガード
 彼は1974年、マドリード自治医科大学の教官を務める傍ら、
 脳刺激の研究を続けていたそうです
 
 そしてスティモシーバーの代わりに
 ヘルメットみたいなヘッドギアを考えたそうです
 皮膚の上から電子波パルスで脳に刺激を与えるもの
 これなら、脳に機械を埋め込む必要がなくなる

 彼についての本を書いたライターによれば
 「これはTMS(計頭蓋磁気刺激法)と同じ発想」
 電極を刺すよりも安全でリスクも少ない方法、と考えられたそうです

 そして彼は、この時期思いもよらないところで注目を浴びることになる
 冷戦のさなか、アメリカのCNNが1985年、化学兵器についてのドキュメンタリー番組を制作した

 これは「電磁気兵器とマインドコントロール」という番組で
 モスクワにあるアメリカ大使館に、
 「モスクワシグナル」
 という電磁波が、マインドコントロールのために流された、といううわさを紹介していた

 その中でデルガードは
 「電磁波は脳をコントロールする素晴らしい力」
 みたいなコメントをしていたらしい
 「外から電波を送ることで、脳の中を修正できる
  感性、知性、パーソナリティもコントロールできる」
 という話を嬉々としている姿が映し出されていた
 このため、彼の所に批判が殺到した

 (モスクワシグナルについては調べたのですが、
  なんせ噂なのでぼやっとしていました
  1955年だか60年だか70年代だか(サイトによっていろいろ)に、
  モスクワのアメリカ大使館に電磁波が出され、吐き気などを催し
  ガンを発症したとかいう事件だそうです

  ちなみにCNNの番組はテキストが
  https://web.archive.org/web/20080524002315/http://www.aa.alpha-net.ne.jp:80/stmore/From_CNNs_Special_Assignment_About_1985.htm
 にありました。
 なんか読みにくいんですが、デルガード氏はちょっと出ているだけです。
 よく見ればソ連には全く関りがないのは分かるんでしょうけど、
 当時の冷戦、ソ連への恐怖を考えたら、見てる人はそうはとらえないんだろうな。
 彼の技術をソ連が兵器に利用した、という流れで解釈されそうな編集のされ方でした)

 冷戦の最中、ソ連のマインドコントロールによる陰謀説が流れたが、
 その技術を最初に作った人、ということで批判されていたみたいです

 彼は1990年には脳刺激の研究から一線を退いたが
 「世間の理解が足りなかっただけだ」と言っていたそうです

〇スタジオでの解説
 平氏はドキュメンタリーのインタビューに答えた件については
 「また脚光を浴びたかったんでしょうね」とのこと

 武内アナが「実際マインドコントロールはできるんですか?」と聞くと
 平氏は
 「体調を悪くさせる、例えばめまいを起こさせる、などはできるかもしれないが、
  ある思想にするなど、決まった方向へのマインドコントロールは無理だと思う」
 とのことです
 
 武内アナが
 「デルガードは、ナイフは悪いものではない、と言っていましたが…」
 池内氏
 「科学には二面性はありますね。
  広がりすぎると危険性を帯びてくる技術もある、
  そういうものは前もって法律的に禁止する必要もあると思う」

 しかし平氏は
 「ただそれは難しい
  例えばPTSDの治療法で、記憶を消そうという試みもあるけど、
  記憶を勝手に消していいのか、マインドコントロールにつながらないか、という人もいるし
  苦しい経験も人格を作るのに必要だ、という人もいる」
 利益、害をどこで評価するか、
 その時は害と思っても、長い目で見ればそうでないかもしれない、という難しさがある

 池内氏は
 「これは答えがない、議論し続けるべきなんだろうね」とのことでした
 「同性愛の話もあったけど、人格や人間性を決める要素はいろいろある、
  倫理は時代によっても変化するから、議論し続けないといけない」

〇さらに進化する脳の電気刺激の技術
 批判にさらされた電気刺激の治療法だが、
 アメリカでは実用化されているのだそうです

 番組では、電極を脳に埋める手術を受けた男性を訪ねていました
 彼はニューヨーク市警の警察官だったが、32歳のときパーキンソン病を発病
 手術前の映像を見ると、手足が勝手に動いてしまっていました

 パーキンソン病では、脳から放出されるドーパミンというホルモンが不足し、
 手足を制御する部位が異常に活動してしまうのだそうです。
 そこで、電気刺激により、この部位をマヒさせる、という治療法が行われている
 彼の胸にはバッテリーが埋め込まれ、
 脳内に電気パルスを送っているそうです
 
 この手術は2002年、アメリカで治療法として認可され
 今まで外国人も含め、15万人がこの手術を受けているそうです
 
 また、去年ニューズウィーク誌には「サイボーグ兵士」という記事が載ったそうです
 これは、兵士の脳にチップを埋め込み、
 脳とコンピューターをつなげる、という試み
 アメリカのDARPA(国防省高等研究計画局)
 という組織が行っているそうです
 昔よりもチップは小型化し、性能も向上している、とのこと
 ただし、DARPAは否定しているそうです
 

〇スタジオでの解説
 平氏は、現代の脳チップを見せてくれました
 チップというと機械をイメージするが、針金みたいな細い棒でした
 これを脳の深いところに入れるのだそうです
 「体が勝手に動くことがなくなる。非常にいい治療法の一つです」

 軍事利用について聞かれると
 池内氏は
 「軍は当然、利用することを考えるだろう」
 DARPAは軍隊で使う新技術の研究をする組織だそうですが、
 平氏によれば
 「例えば、偏桃体を刺激すると、サルはヘビとかクモを怖がらなくなる、
  兵士から恐怖心を除く、という使い方が考えられる」
 たしかに、軍なら考えかねない。
 (実際のニューズウィーク誌記事は
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2016/01/darpa.php
  に載せられていました
  ただしここでは
  「脳細胞の発信する電気信号や化学信号をコンピューターに伝達する」
  「チップを移植した人の脳に外からデジタル音声やデジタル映像を送る」
  と書かれているので、感情のコントロールに使う、というよりも
  必要で膨大な情報のやり取りを瞬時に行う、
  (つまり、兵士の持つ現場の情報を瞬時に伝えたり
   本部の作戦変更も現場にすぐ伝える、などの使い方ができそうだ)
  ということを目指しているようです)

 池内氏は
 「こういう技術は、ゆっくりやっていってもらいたい」とのこと
 脳は複雑系、とても繊細で、副作用の恐れもあるそうです
 平氏によれば、先ほど紹介していたパーキンソン病の電気刺激治療も問題になっていて
 「ギャンブル依存、買い物依存などを起こす人もいる」
 病気を治す代わりに、抑制が効かなくなる副作用も出ているそうです

 池内氏は、脳は一つの役割だけではない、
 ネットワークのもので、バランスを考える必要がある、と話していました
 一つが治ったからと安心せず、ほかの影響もみていかないといけない
 しかし、一切するなとも言えないのが難しい、とのこと
 平氏は
 「いつも問題意識をみんなで共有して、議論するのが大事」と話していました

〇デルガードの晩年
 デルガードは2005年、90歳にして再び渡米する
 この時期、脳の刺激による治療が注目されていたからだそう
 しかし、彼に興味を抱く人はもういなかった
 「若い人は私の研究を知らない」みたいなことを言っていたそうですが
 2011年、ロスアンゼルスで96年の生涯を終えたそうです
 
 脳チップにより、より幸せで、より良き人間を作ろうとした科学者…
 本当にそれは幸せを作ったのか、彼の幻だったのか…
 という言葉で締めくくられていました

〇感想など
・TMSについてはもう少し調べました
 うつ病治療の一つとして注目されているようで
 (ただし、日本ではまだ認可されていないそうですが)
 http://utu-yobo.com/tms.html
「うつ予防ナビ」
(ここでは、うつ病治療のためのTMSの方法が書かれており、
 日本で受けられるところも紹介しています)
 http://tokyo-mentalclinic.com/tms/%E7%A3%81%E6%B0%97%E5%88%BA%E6%BF%80%E6%B2%BB%E7%99%82%EF%BC%88tms%EF%BC%89%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%A8%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A1/
(磁気刺激治療(TMS)治療の特徴とメリット・デメリット」というサイト)
などに詳しく書かれていました

 TMSはTranscranial Magnetic Stimulation、といい
 うつ病では、背外側前頭前野、というところを刺激するそうです
 この部位は意欲ややる気、興味などを司どり、
 不安、恐怖などの感情に関わる偏桃体のバランスも整える働きがある
 このバランスが崩れた状態がうつ病なので
 ここを刺激するといい、ということが分かっているそうです

 長所としては
 ・薬物療法で効かない人にも効果が期待できる
 ・副作用がない
 ・麻酔薬などは必要がない
 ・再発率が少ない

 短所としては
 ・効果が出るまで時間がかかる
 ・刺激を当てるとき痛みを伴うことがある
 ・通院が必要
 ・日本では保険が適用されないので治療費がかかる

 などがあるそうです 
 ただ「副作用がない」と書いてあるけど、
 パーキンソン病の例を考えると、やりすぎたら害は出るかも、と思いました

 あと、脳を刺激することで治すことに慣れてしまうと、
 刺激し続けないと治らない、てことにはならないのかなと思いました
 やっぱり行動とか、生活習慣とか、心の持ち方も
 少しずつ変えていかないと、また再発しそうな気がする…
 それとも、病は体から、なのだろうか。

・脳研究を軍事や人の支配に使う、というやり方を考えるとぞっとするけど、
 なかなかそれもうまくいかない、というところに
 人間の体の神秘をむしろ感じました

 人工知能が発達したら人間を滅ぼすかもしれない、という議論もそうだけど
 我々の脳は、なかなか他の生き物が真似できない、
 精巧で素晴らしいシステムなのかもしれません。

・見ていて全体的になんかモヤモヤしたものを感じて、
 このモヤモヤは何だろう…と思ったんですが

 彼はなぜあそこまで批判、というかみんなにスルーされなければならなかったのか、
 その辺りがよく分からなかった違和感があることに気づきました。

 だってモーガンさんの番組とか見ていたら
 記憶を消す薬を見つける人、
 光で脳をコントロールしようとする人がいたりして
 そっちの方がどうかと思ったりする。

 そりゃ、たしかにてんかんとかの患者さんに人体実験するのはいかがなものかとは思いますが、
 個人的には人間にはダメでマウスならOK、という感覚も今一つ分からない。

 何で彼があんな扱いなのかは想像しか出来ないのですが、
 タイミングも悪かったのもあるのかなと思いました。
 黒人をコントロールできるという論文や、
 同性愛者の性嗜好を変えようとする実験など、
 他者の過激な研究がすぐに発表されたのもあるかもしれない。

 でも目立ちたがったのが一番ダメだったんかなと思いました。
 特にアメリカのドキュメンタリーに、ソ連に荷担したかのような文脈で出てしまったのはいただけない。
 目立ちたいと思うあまり、自分が置かれた立場を理解できて無かったのかな?

 前回の指紋の話とかでもそうなんですが
 科学者ってどんなにスゴいことをしても
 「俺がやったんだ、評価してくれよ」みたいなことを言っちゃったらおしまいなのかなと思いました。

 iPS細胞で有名な山中伸弥教授は、
 たしかノーベル賞を受賞されたときに
 「この功績は自分だけではない、
  先人の積み重ねがあってのこと」
 みたいなことをおっしゃっていた気がするのですが
 (記憶が怪しいですが)
 それくらい謙虚でいるのがいいのかもしれない。
 まぁ、研究に限らず、会社とかでもそうなんでしょうけど。

 それから、彼には愛せる人間がいなかったのかなぁ…とも思いました。
 ご家庭があったのか、友人がいたのかは触れられていませんでしたが
 「人間から感情を無くせば幸せになれるはずだ」という彼に
 「喜びも嬉しさも、誰かを好きになる気持ちも感情なんだよ」
 と教えてあげられる人はいなかったのかなぁ。

 いや、いたのかもしれないが、内戦の恐怖体験が大きすぎて聞き入れられなかったのかもしれない。だとすれば戦争は怖い。

…色々と想像してしまいました。
どんな頭がよくても、どんな状況になっても
他人とコミュニケーションとる能力とか
他人の意見を素直に聞く力とか
多様性に寛容な心って大事だなぁと改めて感じた次第です。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 20:54| Comment(0) | テレビ(科学) | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

NHKBS世界のドキュメンタリー「どうして太るの?」

NHKBS世界のドキュメンタリー「どうして太るの?」

 2016年、イギリスのドキュメンタリー。
 えらいストレートな題ですが、
 ここで扱っているのは100㎏を超すような超肥満の方々で、
 ここまで来ると体質的なものもあるようです。

 それにしても科学大国イギリス、アメリカ。
 遺伝子診断、胃の切除、さらには便の移植と、
 そこまでやるか?という治療法がいくつか紹介されていました。

○今回のナビゲーター
 今回のナビゲーターは、ケンブリッジ大学のジャイルズ・ヨー氏。
 彼は遺伝学者で、肥満遺伝子の研究をされているそうです

 彼が肥満について知るため旅に出る、という設定で番組が進んでいきました。

 ちなみに彼はそんなに太っているようには見えなかったが、
 BMIは27.1(25以上が太りすぎ)
 体脂肪は28%(25%以下が正常)
 とやや太っているのだそうです

 これはなぜかと言えば
 イギリス人には太っている人が多いから、みたいです
 イギリス人の6割が太っているのだそうだ

○太っている人の苦労
 ヨー氏はまず、太っていることでニュースになった人を訪ねました
 その人は、太っているので飛行機の座席を2つ予約したら
 離れた列の席2つが登録されてしまった、
 という話が新聞の記事に出ていたそうです

 その方は235㎏、かなり大きい。
 そのときの話を聞くと
 「自分がバカみたいに思えた」
 とみじめな思いをしたそうです
 そして
 「いつもそんな扱いを受けている」
 みたいな話をしていました

 彼は小さい頃から肥満児で、
 そのためいじめられたりバカにされたりしたそうです
 そしてそのストレスから逃れるため、
 お菓子を部屋に持ち込んでこっそり食べていたらしい

 大人になってからも
 妻を亡くしてから、
 その寂しさから逃れるため食べ、布団にくるまる生活をしていたらしい

 彼によれば、マスコミにも責任がある、とのこと
 太った人を悪く扱うし、
 食べるのを減らして運動しろというが、そんなに簡単にはいかない
 彼くらい大きくなると、動くのも人の助けが要るのだそうです
 「人生は不満だらけ」
 と話していました

 他にも肥満の方々に話を聞くと
 「まともに扱ってもらえない」
 「知的でないと思われる」
 「拒絶される」
 と世間の風当たりは厳しい

 また
 「落ち込むと食べ物に手を出してしまう」
 「食べるのをどうしてもやめられない」
 「タバコやお酒は無くても生きていけるが
  食べることを断つわけにはいかない」
 と話しています

○簡単に高カロリーのものが手に入る環境
 ここで、ヨー氏はファストフード店(多分マクド)に入っていました
 彼が買ったのは
 フィッシュバーガー(329)、ポテトLサイズ(444)、アップルパイ(250)、ポテトのソース(50)。
 ()内はキロカロリー
 合わせて1000キロカロリー以上あるそうです。

 ポテトLだけで444キロカロリーあるんですね…
 ちなみにヨー氏は
 「こんなに甘くて美味しいソースが嫌いな人がいるでしょうか?」
 て言ってたけど、私はフライドポテトはあんまり…。ソースも喉が渇くから要らんな(笑)

 ヨー氏によれば、手軽に食料が手に入る環境だと、
 人は食欲をそそられてしまうのだそうだ
 食べられるときに食べ物を体に蓄えねば、という本能から来るらしい

 20年のうちにイギリスではファストフードのテイクアウト店が45%増え、
 テイクアウトが密集している地区で生活する人は
 肥満になる確率が2倍、という統計もあるそうです

○肥満の原因は遺伝子にある?
 太っている人は、甘いものやこってりしたものが好きな傾向にあるみたいです
 太っている方に好きなものを聞くと
 「甘いアイス」
 「ケーキ、ドーナツ」
 「ジューシーなソーセージパンや、甘いカスタードクリームのパイ」
 「トルティーヤチップスがあったら全部食べちゃう」

 これは遺伝子の影響かもしれない、とヨー氏は考えているらしい
 肥満に関わる遺伝子は100以上見つかっており
 中でもFTOという遺伝子が重要らしい
 人口の半分はこの遺伝子が変異しており、肥満になる可能性が25%上がる
 さらに、人口の6人に1人はこの遺伝子に2つの変異があり、
 体重は平均3㎏重くなり、肥満になる確率が50%上がるらしい

 FTOが変異している人は、
 食欲の調整ホルモンの働きが鈍くなってしまうのだそうです
 実際食べた量よりも少ないよ、と脳に伝えてしまうのだそう

 ヨー氏はダイエット中の人たちに協力してもらい、
 この遺伝子変異を知ることが肥満防止に役立つか、という実験をしています

 なかなかダイエットが成功しない人に遺伝子検査をし、
 FTO変異があるかを調べ、変異があればそれを本人に告げていました

 そして
 「太っているのは遺伝子変異のためで、怠惰とか意思には関係ない」
 「遺伝子変異があってもそれは生かし方次第だ、
  それはポーカーで悪い手をもらっても負けるとは限らないのと同じ」
 「遺伝子の変異は、ホルモンに対する脳の感受性を下げる、
  そのため実際食べた量より少し少ないととらえてしまう」
 というような話をしていました

 そして、そのあと食事をしてもらう
 置いてある食事の中で、コーンスープやアイスクリームなど
 高カロリーのものをどれだけ食べたか調べたそうです

 すると意外なことに、
 遺伝子変異と告げられた人は食べる量を減らしたり、食べなかったりしたそうです

 もとから体質が太りやすいことが分かれば、
 食生活を変えよう、
 という意識になるみたいです

○外科手術で肥満を治す
 しかし、まだ遺伝子検査は一般的ではない
 次に、ヨー氏は胃の外科手術をして痩せた男性を訪ねています

 胃の容積を900から30ミリリットルまでに減らし、
 小腸の迂回路を作る手術だったそうで
 受けた男性は159㎏から95㎏まで減ったらしい

 ヨー氏が手術前の写真を見せてもらっていましたが、まるで別人でした。

 彼によると
 「体の調子はすこぶるよくなった」
 イビキをかかなくなったり、
 糖尿病の薬を昔は16種類飲んでいたが、今は飲んでいないそうです

 また、この手術はホルモンも変えてしまうそうで
 食欲も減ったんだそうです
 手術前の彼の食事を見せてもらうと
 1食に肉のパイ2つ、ポテト2人前、クリームパン一箱(1日に12個とか)など、
 しめて4500キロカロリー
 (1食ですよ!見てるだけで胸焼けしてきた)
 今はパン1つくらいがやっとだそうです

 今後は、胃を切除しなくても食欲ホルモンをコントロールできるようになればいいかもしれない、
 とヨー氏は話していました

○ホルモン注射による食欲の抑制
 しかし手術は高い。
 そこで、ロンドン南西のある病院では、
 ホルモン注射による肥満抑制の実験をしているそうです

 インペリアル・ガレッジ・ロンドンの研究で
 ホルモン注射をしたあと
 (注射と言っても、お腹に丸い器具を当ててカシャッとやるだけですが)
 4時間後に好きなだけ食べてもらい、
 食べる量に変化があるか調べるもの

 対照として、同じ人に前の日にプラセーボを注射して、
 同じ量を食べてもらったそうです

 食べてもらうのに使うのは冷凍食品ですが
 わざと3人前用意し、残した量を計測する

 すると、2人の被験者で
 一人は食べた量が240キロカロリー(22%)減
 もう一人も203キロカロリー(17%)減
 という結果だったそうです

 この研究では、ホルモンを打たない場合と比べ最大3割食べたものが減る、
 という結果があるらしい

 今後は、副作用や痛みがない注射が出れば、この治療法が一般的になるだろう、
 とこの研究をしているスティーブ・ブルーム教授は話していました

○便の移植により食欲が変わってしまった女性
 次はアメリカの話。
 腸内細菌の変化で体重が変わった、という女性を訪ねています

 彼女は2、3年で25㎏も太ってしまったそうですが、
 それはある治療が原因だったそうです

 それはCDI(クロストリジウム・ディフィシル感染症)という病気で
 激痛のあまりたてないほどの病気だった
 
 その治療のため
 「糞便微生物移植」
 つまり他人の便を移植する手術を受けたのだそうです

 この女性もこの手術を聞いて、最初はびっくりしたそうですが
 娘の便を移植したら、
 次の日の朝には体調が良くなったそうです
 彼女の腸にはクロストリジウム・ディフシルという菌がいて
 それが病気の原因だったみたいです

(http://gut-microbiome.com/disease1/cdi.html
 によりますと
 CDIの症状としては下痢、粘性のある便、吐き気、発熱など。
 重症化すると胃に穴があき、敗血症などを起こして死に至る場合もあるそうです

 ただし
 「手術後の抵抗力が落ちている時や、
  免疫抑制剤を使用している場合に、
  抗生物質を服用すると発症することがある」
 とのこと
 よっぽど弱っていなければかからないのでは、と思います)

 しかしこの女性は、半年後、気がつくと服が窮屈になり
 あっという間に太ってしまったとのこと
 娘の便が私の体重を増やしたのだと思う、と話していました

 彼女に移植したブラウン大学アルパート医科大学のコリーン・ケリー氏は
 「お母さんはスリムでしたが、娘さんは太りすぎでした
  ドナーの健康状態は見るが、肥満かどうかまでは見なかった」
 とのこと

 ケリー氏は、2013年に発表された研究について話していました
 一組の双子の便を無菌のマウスに注入したそうです
 それによれば、肥満している方から移植したマウスは体重が増え、
 痩せている方から移植したマウスは変わらなかったらしい
 「あの女性と全く同じだ」
 とびっくりしたそうです

 彼女は、痩せているドナーを探して女性に便を移植できないか
 と考えているそうです

○便移植による肥満治療の臨床研究
 実際に、ボストンのブリガムアンドウィメンズ病院では、
 肥満治療のための便移植を臨床研究しているそうです

 CDIの患者治療では便移植の実績があるが、
 肥満治療のためのものはまだ認可されていないらしい

 ドナーとなるのはBMI17~20の痩せている人、
 健康で代謝に異常のない人を対象とするらしい

 移植した人にたいし、
 空腹を司るホルモン、GLP-1などを長期に渡り調査することを目指しているそうです
 (GLP-1とはインスリンを分泌させるホルモン、だそうです
  http://www.club-dm.jp/basic/GLP-1/benefit.html
 (糖尿病の解説のサイトです)
  によれば、ほかにも
  ・すい臓に対しては、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制
  ・すい臓のインシュリンを分泌するβ細胞を増やす(増殖)などの作用
  ・摂取した食物の胃からの排出を遅らせる作用
  食欲を抑える作用があるそうです)

○痩せる腸内細菌を増やす試み
 腸内細菌が肥満の原因なら特定の細菌を増やせばいいのでは、
 と考える人もいるそうです

 ロンドンのセント・トーマス病院では、
 双子から便を採取して調べる研究がされているそうです

 行っているのはキングス・カレッジ・ロンドンのティム・スペクター氏で
 「太りやすさが遺伝か環境かを調べるには、双子の研究が一番」なのだそう

 中でも体重差が大きい双子(ただし二卵性双生児)の方は
 一人が89㎏、もう一人が51㎏
 この二人の腸内細菌を調べると
 痩せている方はクリステンセネラセエという細菌が5%、
 もう一人の方はほとんど無かったそうです

 このクリステンセネラセエを増やす方法は無いか?
 スペクター氏によれば、適切な食生活が重要らしい
 理想的なのは伝統的な地中海料理、
 野菜や果物をたくさん食べること
 ダークチョコ、脂肪をカットしていないヨーグルトもいいそうです

 (クリステンセネラセエ(Christensenellaceae)
  については、いろんなサイトで載っていました
  http://jp.wsj.com/articles/SB12711975506514794531604580287951049681076
  (ウォールストリートジャーナル誌の2014年11月20日の記事)
  では、コーネル大学の研究などが紹介されていました
   416組の双子を含む23歳~86歳の1000人近い人の排泄物のサンプルを分析したところ、
   この菌は双子の太っている方よりも痩せている方により多かったそうです

   また、この菌の量は、普通の兄弟同士よりも双子同士の方が似通っていたことから、
   遺伝の影響が強い可能性があるそうです

   そして、この菌を無菌状態で育ったマウスに移植し
   3週間後の体重を比べたら
   移植したマウスの方が増加が少なかった、とのことです

   メカニズムはまだわかっていないそうですが
   コーネル大学では、クリステンセネラセエを経口投与したらどうなるかを調べる予定
   とこの記事にはありました)

○まとめ
 ヨー氏は、取材のなかで、肥満に苦しむ人の悲しい話が一番印象に残ったそうです
 自分の研究をもっと進めなければという気持ちになったのだそう

 ヨー氏自身も、コーヒーをカプチーノからブラックに変えようかな、だそうです

 ダイエットは辛いけど、ご褒美もある。
 取材を受けた方々の
 「体重を32㎏減らした」
 「私は別人だと思われているわ」
 という、ダイエット成功に喜ぶ声でしめくくられていました

〇感想など
・糞便移植の治療が気になったのでもう少し調べました
 FMT(fecal microbiota transplant、糞便微生物叢移植)と呼ばれているそうです

 http://data.nistep.go.jp/dspace/bitstream/11035/2976/1/NISTEP-STT146J-37.pdf
 (科学技術動向 2014 年 9・10 月号(146 号)の記事)
 に詳しく書かれていました。

 これによりますと一応1958年には、すでに重症感染性腸炎の治療例として、
 文献には発表されていたらしい
 2011年時点で、27の症例のうち92%は成功、
 この年には臨床医の国際グループ、FMT作業部会から、
 FMTのガイドラインも出されていたそうです

 ただエビデンスが不十分だったこと、
 また気持ち悪さもあって最後の手段的な扱いだったみたいです

 しかし、2013年にオランダのアムステルダム大学アカデミックメディカルセンターを中心としたグループが、
 対照との比較実験を行い、有効性を示した

 また、米マサチューセッツ総合病院のグループは2014年6月
 再発性CDIには、FMT が抗菌薬治療より費用対効果がある、
 とする報告書を発表したそうです

 糞便バンクなるものもできているそうで
 2012年には、米国マサチューセッツ工科大学の研究者らによって、OpenBiomeというNPOが設立されており
 ほかの病院でも、患者のために、糞便バンクを作っている所もあるようです

 日本でも慶應義塾大学で、潰瘍性大腸炎などに対する臨床試験を始めているとのこと。

 しかし今後は安全性などが問題になってくるようで
 そもそも糞便は臓器移植に当たるのか、医薬品に当たるのか?という議論もある
 医薬品扱いなら、治験など時間がかかる手続きが必要なのだそう

 また、医薬品化の動きもあるそうです。
 カナダでは2013年、糞便から分離した菌株33を再混合した合成糞便「RePOOPulate」を移植した例がある
 (ただし、医薬品としての承認が必要、とされ、試験は今中止されているらしい)

 ほか、カナダの別のグループは 2013年10月の学会で、
 糞便由来細菌の濃縮カプセル錠剤で、
 27 名の再発性CDI患者全員の治療に成功したことを発表したそうです

 これを受けて、いろんな会社が細菌を濃縮した経口薬の開発を試みたり
 腸内環境を健康にするための菌株を選抜したり
 あるいは菌の機能を高めるために遺伝子組み換えをするなど
 技術の開発が進んでいるそうです

 糞便だと確かに抵抗あるが、薬ならまだいいかなあ…

・私自身は太って悩んでいるわけではなく
 (むしろBMI的にはやせている方だ)
 太っている人の「どうしても食べてしまう」
 という切実感は今一つ分からないのですが
 遺伝的に食べても物足りない、と感じてしまうのは辛いんだろうなと思う。

 ギャル曾根ちゃんみたいに、食べても太らない、ていうケースもあるが
 彼女も体質的にそうみたいで、
 毎日たくさん食べなきゃいけないのはそれはそれで辛いんだろうな。

 たしかに太っていると健康にも良くないし
 飛行機2座席取らなきゃいけないとか、不便もあるので
 体質的に太ってしまう人に対する治療薬が見つかるといいですね。

 でもそういう人たちに限って、
 食べることでストレスを回避しようとしちゃったり、
 甘いもの、こってりしたものを食べたがるのは何でだろうと思いました

 胃を切ったり検査したり薬飲むのもお金かかるし、
 食べ方を変えない限り、再発の可能性もある。
 なので、心理的なアプローチもあるといいんじゃないかと思います。

 太っている人って、意思が弱いとか怠惰とは思わないのだが
 何か食べ方見てると、必死な感じがするのですよね。
 (偏見だったらごめんなさい)
 心に満たされないものがあって、
 それを埋めるために食べる行動をしているのかな…と思ってしまう。。
 どうしても食べてしまう心理、というのも探れば
 もっと肥満の人への偏見が減るのでは、と思います。

それにしてもアメリカ、イギリス、やることがすごいですね…
いろいろ勉強になりました。
というわけで、今回はこの辺で。

posted by Amago at 16:09| Comment(0) | テレビ(科学) | 更新情報をチェックする

2017年09月27日

モスバーガー「モス野菜バーガーソイパティ」「やさしい豆乳スイーツ レアチーズ風 グレープフルーツ&ブラッドオレンジソース」

モスバーガー「モス野菜バーガーソイパティ」「やさしい豆乳スイーツ レアチーズ風 グレープフルーツ&ブラッドオレンジソース」

久しぶりにモス行きました。
今さら感もあるけど、なんかめっちゃ美味しかったんで紹介します。

「モス野菜バーガーソイパティ」

現在モスのフェアは全国各地のバーガー対決?みたいなもので、
今回は
「北海道の北見しょうゆタレとんかつバーガー 」
「名古屋海老フライバーガー レモンタルタル」
でした。

ちなみに次回は長崎のトルコライス風バーガー(スパゲティ乗ってる)と、
埼玉秩父のわらじカツバーガーとかいうもの、
と宣伝もしていました。

後で調べたらこれはご当地創作バーガーのシリーズで
各地の支店がご当地グルメをもとに創作したメニューから選ばれたものだそうだ。
今年で3回目、今年のテーマは揚げ物だったらしい。
それでこんなにガッツリしてるのね…

申し訳ないが、今日は揚げ物はパスしたい気分。定番ものの方がいいなぁと思いました。
あんまりお腹すいてないからあっさりめにしました。

そう言えばモスバーガー、全面リニューアルしたとか言っていたような。
バンズが全粒粉入りになったとかですが、リニューアル後はじめて食べます。

野菜バーガーは、バンズにパティ、トマト、キャベツ千切り、オーロラソースが挟んであります。
さていただきます。

おお、さすがモス、バンズはちゃんとトーストされ、カリッとしていますね。
胚芽パンが香ばしいです。

ソイパティは普通の肉よりあっさりで、私個人的にはカレーっぽいスパイスの香りを感じる。
なんだろ、インド料理屋のサモサみたいな感じ。
大豆肉にありがちな臭みがないのがいいです。

トマトはみずみずしく、キャベツはシャキシャキでした。
オーロラソースはこくがあるのに酸味がけっこうあり、でもほんのり甘味もあり食べやすい。
後味さっぱりして美味しいです。

量もちょうど良かったです。
男の人はもの足らないだろうけど。

さて次。
「やさしい豆乳スイーツ レアチーズ風 グレープフルーツ&ブラッドオレンジソース」
やたら名前長いですが、ソイスイーツらしいです。
限定ものなので買ってみた。

タルト生地にソイレアチーズ、一番上は真っ赤なブラッドオレンジ色のソースです。
形が崩れやすいのか、周りをプラスチックの円い型で固定されています。
さていただきます。

まずはグレープフルーツとブラッドオレンジのソース。
おお、思ったよりみずみずしい。果肉もあります。グレープフルーツのすっきりした酸味が気持ちいい。

この下はソイレアチーズ。
おお、思ったよりしっかりこくがあります。チーズっぽい。
普通ソイスイーツってあっさりしすぎるのだが、これは適度にまったりこってりでいいねぇ。
あんまり甘味なくてどっちかいうと酸味が強いですが、私はこれくらいの味が好きです。

さらに下のタルト生地。
これが予想外に美味しかった。
クッキーみたいなのを砕いた感じの台なんですけど
これがサクサク、しかも甘すぎず香ばしい。
上のソイレアチーズともブラッドオレンジソースとも相性が良い。

見た目小さいかな?と思っていたが、食べてみたらボリュームありました。
しかも後で調べたら
「小麦粉、乳、卵、白砂糖を使わずに、 糖類は甜菜糖(てんさいとう)をメイン」
だそうです。
卵も乳製品もないのにこのクオリティは素晴らしい。

モスのスイーツ、ファストフードにしては高いなーと思っていたが
今回の美味しかったです。
さっぱりめのチーズケーキ好きな人、ベジタリアンもぜひぜひ。

あと、モスのソイパティ、なかなかいけます。
肉だと胸焼けする…て人にもお勧めです。

マクドはボリューム路線ですが
モスは定番ものはこのままヘルシー路線を貫いて欲しいです。
(ただし田舎では圧倒的にマクド支持者が多いので
うちの近所のモスはことごとく撤退していますが(涙))

というわけで今回もごちそうさまでした、ありがとう~

posted by Amago at 14:47| Comment(0) | 食(ファストフード) | 更新情報をチェックする