2017年07月27日

NHKBSスペシャル「激動の世界を行く メキシコ」

NHKBSスペシャル「激動の世界を行く メキシコ」

大越健介キャスターが各地を行くシリーズ。
不定期にやっているみたいですが、今回はメキシコでした。
そう言えばメキシコってあんまり知らないな、と思って見てみました。

前半は移民問題、後半はメキシコ文化の話でした。
移民の話はトランプさんがらみでよく話題にされるのでもういいよ、って感じでしたが(笑)
後半の方が知らなかったことが多くて面白かったかな、と思います。

まず前半から。
○アメリカとメキシコの国境沿いの町
 最初に大越さんが訪れたのは、
 メキシコの国境近くの町ティファナ。
 太平洋に面していて、
 国境を隔てた向こうはカリフォルニア州のサンディエゴだそうです

 大越さん
 「大地はずっと続いているのに…」
 隔てるのは、人間が作った壁だけでした

 ここの国境は、アメリカ人はビザなしで越えられる
 アメリカ側では、楽しそうにスイスイ人が流れていく

 一方、メキシコ側から行くにはビザが必要。
 入国手続きを待つ人たちの列が渋滞になっていて、身なりも貧しい
 「申し訳ないけど、お風呂に何日も入ってないようなすえた臭い」

 合法的にアメリカに行くには、
 健康状態、犯罪歴などの厳しい審査がある
 自分は強制送還された過去があるからダメだろう、とか、
 違法でも仲介業者にお金を払って出国するかも、
 と話す人もいました

 また、ここには移民のためのキャンプ?シェルター?があり、
 朝食を無料で提供している
 中には幼い子供を連れたお母さんもいて
 「アメリカでより良い暮らしがしたい、
  どんな仕事でもする」
 と言っていました

○サカテカス州
 アメリカへの移民は、サカテカス州出身の方が多いそうです
 彼らにとって、アメリカに出稼ぎに行くのは当たり前らしい

 47年間アメリカで働いていた、という靴磨きのおじさんは
 「トランプは最悪だ。
  働いているのは俺たちメキシコ人だ。
  建設現場にアメリカ人なんていない」
 「アメリカ人は怠け者なんだよ」
 と話していました。

 この州では、行政もアメリカからの求人を紹介し、移住を後押ししているそうです。

 行政の担当者の方は
 「アメリカ企業は、強制送還により人手不足になっている。
  メキシコ人は、アメリカ人のやりたがらない分野をする
  だからアメリカの企業も不法移民でも雇ってきた」
 と話しています
 トランプ政権発足後でも求人は減らないだろう、とのこと

 具体的には建設業界、清掃業などが多い
 アメリカで働きたい、という若い女性に聞くと
 「英語ももっと勉強したい、
  メキシコから出ていくことで成長したい」

 彼女は電話での面接試験を受けたものの、
 緊張でほとんど英語を話せず不合格。
 それでもまたトライするといっていました

 行政の仕事紹介の担当者の方は
 「彼らの力になるのが喜び。
  彼らがチャンスを掴み、前進していくのを応援したい」
 アメリカから写真を送ってくれる人もいて
 感激して涙が出るそうです。

 この州には、2/3の町民がアメリカに出稼ぎに町もある

 17年調理師としてアメリカで働いた方は、
 そのお金で故郷に家も建てたそうです
 「安定した生活はアメリカのおかげ、
  アメリカは私にとっても家族にとっても大切な第2の故郷」
 と話していました。

 歴史的には、
 19世紀からメキシコからアメリカへの出稼ぎが行われていたそうです

 安い労働力を必要とするアメリカと、
 仕事が欲しいメキシコ人との利害が一致し、
 このため違法でも不法移民は黙認されてきた
 今では違法、合法合わせて1000万人以上のメキシコ人が住むそうです

 メキシコの局長の方は
 「トランプ氏は、すべての問題をメキシコが作った、と批判するがそれは違う。
  メキシコの安い労働力が、アメリカの経済成長を支えてきた。
  両国は150年間、強い結び付きがあり、
  移民の伝統を裁ち切るのは難しい」

 アメリカにとっても、メキシコにとっても、
 移民の流れを止める方がむしろ不自然なようです。

 サカテカス州では、
 英語が小学校で必修なんだそう
 子供たちも
 「英語は好き」
 「何で?」
 「仕事に役立つから」

 「お姉ちゃんは医師でアメリカにいるの」
 という子は、自分も勉強してアメリカに行きたい、
 と話していました

 「ほとんどの子供は、親や兄、姉がアメリカで働いていて、
  それが英語への好奇心につながっている」
 と先生は話していました

 大越さんは
 「この子達にとっては、国境はあってないようなもんなんだね」

○南米からの移民の中継地
 さて次に大越さんが訪れたのは、中央のサンルイスポトシ州

 ここは南米からの移民の中継地だそうです

 ここには、250人収容できる大きな移民シェルターがあり、
 近くに貨物列車の線路が走っている
 移民はここから貨物列車に乗り込んで(違法ですが…)国境に向かうそうです。

 移民シェルターは、3食無料で振る舞われ、シャワールーム、医務室もある。
 利用者は
 「旅の途中のオアシスだよ、ここで休んで元気を取り戻して、また先に行くんだ」

 利用者の出身地を聞くと、
 ホンジュラスやエルサルバドルなど

 エルサルバドルから来た、という男性によると
 エルサルバドルは治安が悪く、住むのは危険なんだそう

 彼は体に残る銃弾の跡(太ももと脇)を見せてくれました。
 これは、彼の妻が経営するお店で、
 ギャングからみかじめ料を請求されたので断ったら、
 バイクで横付けされて銃撃されたそうです

 彼は身の危険を感じ、家族でアメリカに渡ろうと決意
 まず自分が様子を見るために先に渡るそうです
 「残してきた娘、妻、息子が心配だ」
 と話していました

 しかし
 「アメリカに渡る道中も油断できない」
 彼は列車の中で強盗に襲われたそうで、
 「時速70キロで走る列車からみんな投げ出された
  泥棒、誘拐、何でもいる、
誰も信用できない」

 このシェルターのスタッフは
 「使命感があって彼らを助けているのか」
 という質問に
 「私はメキシコ人だが、
  自分だっていつどこかの国の移民になるかもしれない」
 他人事とは思えないから助ける、と話していました

 さらに、
 「移民は犯罪ではない、させてしまう母国が悪いんです。
  働く機会、食事、教育も与えてもらえない。
  シェルターがなくても、彼らが自由に行き来できる日が来るのが私の夢」
 と話していました

 ホンジュラスから来た、という利用者もいて、
 家族に反対されても国境越えにトライする、ダメなら帰る、
 と話していました

 彼は「今日ここを出る」と言い
 仲間と一緒に貨物列車の外側にしがみついて行く
 貨物列車も黙認しているのか、心なしか速度が遅め…
 それを見送っていた大越さんは
 「無事を祈るとしか言えない」
 違法だから成功を祈るとは言えない、と言葉少なにコメントしていました

○アメリカにいる家族を思い、歌を作る男性
 次はティファナに住む60代の男性の話。
 彼はメキシコ音楽のボーカルをしていました
 「自分の歌を聴く人に、
  遠く離れた所に住む家族のことを思い出してほしいと思って歌っている」
 みたいな話をしていました

 大越さんが彼の家を訪ねると、彼は独り暮らし
 彼は30代のとき、娘と妻を連れてアメリカに渡った
 サンディエゴで音楽をしていたが、
 14年前に彼だけ強制送還されたそうです(理由は不明)

 喧嘩しても家族に会いたい。
 家族を思い出すと色んな感傷が生まれてくるので、
 歌として書き留めているのだそうです

 娘さんはずっとこちらに来ていない
 「来たらアメリカに戻れないかもしれない。
  娘の結婚式にも出られなかった」
 娘さんには娘が生まれたそうで
 今は孫娘を思う歌を作っている、と話していました

 大越さんが彼の家を訪ねてから数ヵ月、娘さんが孫を見せたい、と連絡してきたそうです

 出会うのは国境をまたぐ公園
 ここの公園には国境に格子状の柵があり
 離れた家族が柵越しに会うことは黙認されている

 待ち合わせの時間になり
 娘さんが旦那さんとベビーカーに乗せた孫娘を連れてきた
 柵越しに小さい孫の指を握ったり、彼は涙ぐんでいました
 そのうち彼は楽器を取り出すと孫娘を思う歌を歌い出しました

 メキシコ音楽はよく分からないけど、
 孫娘さんに、愛されて生まれてきた、会えなくてもいつも私の心の中にいるよ、という愛情あふれた歌でした

 ここで前半は終わり。
 アメリカとメキシコを隔てる壁について
 「ある人は家族を引き裂かれ、ある人は違法であっても国境を目指す」
 というような言葉で終わっていました

 次は後半です。
 前半はしんみりする場面が多かったですが、
 後半はメキシコの陽気さ、元気さを感じさせてくれるものでした
○メキシコ人の魂、ルチャリブレ
 大越さんがまず行ったのが
 「ルチャリブレ」
 というメキシコ版プロレスの試合
 メキシコ人の大衆娯楽です

 試合をするレスラーはみんな覆面を着けているのですが
 そのなかで、一人だけ素顔のレスラーが登場
 彼は「俺はアメリカの英雄だ」
といい、
 トランプ氏の顔がかかれた星条旗を振り回す
 彼は徹底的に悪役を演じていて
 最後に人気の覆面レスラーにやっつけられていました

 「彼は一人だけ素顔で、アメリカの自由さの象徴なんですね
  正に命がけのエンターテイメントですね」

 その星条旗のレスラーに話を聞くと
 「俺は華やかで、カリスマ性のあるアメリカ代表さ」と話していました

 ルチャリブレには応援団もいて
 団長に星条旗のレスラーについて聞くと
 「彼は仕事をしてるだけってのはみんな分かってる。
  みんな試合を見て、
  日々のストレスを発散して、
  次の日からのエネルギーにするのさ」

 彼はテピート地区もいうところでお店をしているそうですが、
 レスラーはテピート地区の出身が多いそうです

 そこで彼の店をたずねると、壁画一面に歴代レスラーの顔、顔、顔…
 「なぜこの地区にはレスラーが多いのか」
 とたずねると
 「小さい頃からみんなテレビや映画でレスラーを見て憧れる」

 彼によれば、この地区にはカロンテという彼の最も尊敬するレスラーがいるとのことで、
 大越さんは、その名前を継ぐレスラー、カロンテ・ジュニアに会いに行っていました

 カロンテ・ジュニアは覆面で仕事をしているので顔を出すのはNGだそうで
 覆面を被っての撮影でした

 カロンテは彼のお祖父さん、おじさん、お父さんが継いでいて
 彼は4代目らしい
 (お父さんはまだ現役なのでジュニア、みたいです)

 普段は家業の弁当屋を手伝う真面目な青年で、
 5歳から働いているそうです
 母親は
 「ここは治安も良くないし、不良になる子も多いのに
  うちの子は真っ直ぐ育ってくれた
  朝から晩までよく働いたわ」
 と話していました

 本人に
 「ルチャリブレの魅力とは?」と聞くと
 「マスクのマジック」
 人々はレスラーは強いと信じている、
 マスクをかぶることで別の人格になれる、と話していました

 (あんまりプロレスは詳しくないのでちょっと調べましたが
 Wiki情報によれば
 ルチャリブレはメキシコを中心に、中南米で絶大な人気を得ているそうです。
 レスラーは公の場ではマスクを外さないらしく
 伝説のレスラー、エル・サント(テピート地区の出身とかこの番組でも言ってましたが)、
 マスクを外さず葬儀をしたという逸話があるそうです

 空中技とか投げ技とか身軽な技が多いらしく、
 日本の小柄な選手や女子プロレスラーがルチャリブレ留学したりもするんだそうです。

 私は知りませんでしたが、
 日本ではザ・グレートサスケさんがルチャリブレの方で、
 東北にルチャリブレを根付かせた功績があるそうな。
 彼が議員になったときは、マスクを外すかどうかで問題になっていたらしい)

○メキシコ人のルーツ
 大越さんはそのあと、メキシコのルーツを色々訪ねていました
 ・街の遺跡
  メキシコ人は、アステカ帝国の繁栄のあと、スペインに征服された歴史がある

  メキシコの街にある建造物はそれを示しているかのようでした

  街並みは中世のヨーロッパに似ていて、
  スペインに征服された頃そのまま

  地下に残されたアステカ帝国の宮殿の跡地の上に
  スペインの大聖堂がどーんと建てられていて、
  大越さんは
  「歴史を上書きしているかのよう」
  と表現していました

 ・歴史を描いた壁画
  また、国立宮殿にある壁画には
  スペインの歴史絵巻が描かれているそうです

  最初はアステカ帝国の繁栄、
  次にスペインに虐げられる人たち、
  19世紀に独立を果たすが、他国から内政干渉される

  この壁画を案内してくれた方は
  「メキシコ人はこの壁画を見るたびに誇りを感じる」
  メキシコ人はここに自分達のルーツを見る、
  征服や干渉を受けても、国は絶えることなく、メキシコ人は生き延びてきた
  とのことです

  (メキシコの歴史は、調べたら戦争だらけでした。

  スペインに征服され、
  革命の末独立を果たすが

  そのあともアメリカにテキサスを併合され、
  アメリカに戦争を仕掛けられてカリフォルニアやニューメキシコを失い、

  そのあとはスペイン、イギリス、フランスにも干渉され、
  スペインとイギリスはすぐに撤退したそうですが
  ナポレオン3世のフランスには攻めこまれ、一時期傀儡政権が樹立されたようです
  しかしそのあとは傀儡政権が崩壊、復活する

  そのあとも独裁政権、革命…など、日本には想像がつかないような歴史がありました)

 ・オリンピックスタジアム
  また、メキシコの発展を象徴するものとして、
  オリンピックスタジアムも訪ねていました

  メキシコオリンピックは、東京の次の1968年に開催された
  当時は経済格差が広がってきた時期で
  強権政治への反発もあり
  開催に反対する声もあったそうです

  しかしオリンピックは無事開催された
  当時聖火リレーの最終ランナーという大役を受けた女性は
  (ちなみに史上初の女性最終ランナーだったそうです)
  「オリンピックは窓を開けてくれた。
   メキシコの文化、経済、スポーツや、
   国を愛する気持ちを世界に見せる窓だった」
  と話していました

 ・音楽、テキーラ
  メキシコは週末、音楽を楽しむ人たちで賑わう
  テキーラを楽しむ人たちも…
  小さいガラスのおちょこみたいなので飲んでいましたが、なんか度が強そう。
  大越さんは
  「酒飲みにはたまらない味だねぇ」
  けっこういけるクチなのかな?(笑)

  テキーラは中部のテキーラ市が産地だそうで
  ここにはリュウゼツラン、という原料の植物の畑が一面に広がる

  このお酒は原住民の発酵酒と、スペインの蒸留技術の融合により産み出された
  と言われているそうです
  伝統的な製法を続けている醸造元の社長は
  「私で5代目、この味は守っていきたい。ほかには代えられないよ」
  と話していました

  (テキーラの原料のリュウゼツランは、漢字で書くと「竜舌蘭」、
  けっこう怖そうな名前ですね。
  多肉植物で、収穫するとパイナップルみたいな姿をしているそうです。

  分厚い葉っぱを切り取り、
  残った球根をすりつぶし、
  その汁を発酵させるんだそうです
  (発酵した汁はアルコール3~5%、どぶろくのような味らしい)

  そのあと、蒸留させて完成。
  蒸留酒なので度数は30~55%くらい、焼酎並みですかね。カクテルのテキーラサンライズなどにも使われますね)

○テピート地区のルチャリブレ
 再びテピート地区のルチャリブレ。
 ここには仮設リングが作られていました

 この地区では、住民がお金を出し合い、
 定期的にレスラーが試合をしているそうです

 子供たちもわらわら集まってきて、
 みんなで試合前のリングでレスラーごっこ
 地区のお祭りみたいな雰囲気でした
 「こりゃ、子供の時から好きになるね」

 試合が始まり、女性レスラーなども出場していましたが
 なんといっても大トリはカロンテ・ジュニア。
 お父さんのカロンテとタッグを組んでいました

 しかし試合開始後、いきなり悪役が不意打ちを食らわし、
 流血になるわ、カロンテの頭をつかんで柱にガンガンするわ、けっこう激しい…
 小さい子供は怖がって泣き出し、
 大きい子供は悪役に本気で怒る

 しかし観客の声援を受け、カロンテチームは立ち直り
 最後は悪役たちをなぎ倒す。
 観客はみんな「カロンテ、カロンテ!」
 完全に感情移入していました

 最後にカロンテ(お父さんの方)は
 「皆さんも、レスラーのように闘える。
  親御さんは子供にスポーツをさせなさい、
  この地区が一番だとみんなに見せよう」
 と呼び掛けていました

 ルチャリブレとは「自由への闘い」を意味する
 厳しい現実と闘い、自由を願う人たちの象徴なのだそうです

 試合後1週間後に大越さんがカロンテ・ジュニアをたずねると
 「観客が喜んでくれたから、僕らも100%以上の1000%の力を出せたんだ」
 「僕らがリングで教えたいのは逆境に立ち向かうこと。
  貧しくて危険な地域に住む僕らには、いつもいい道、悪い道の2つの選択肢がある。
  いい道を選べば豊かな人生が送れる、とみんなに伝えたい」

○トランプ氏の制裁にもしたたかに生きるメキシコ
 トランプ政権誕生で、メキシコ経済は試練に立たされている
 トランプ氏はNAFTAの見直しを公言し、
 アメリカ企業に、メキシコからの撤退を促す発言をしている

 サンルイスポトシ州には
 自動車会社のフォード社が
メキシコへの工場移転を断念した跡地が残っているそうです

 跡地には工場の骨組だけ残ったまま
 1600億円の投資が見込まれていたとか
 放置されたままで、壊すのもお金が要るのかな。

 この近くで食堂屋さんをしていた夫婦は、
 お客さんが増えることを見込んで食器などを買い込んだそうですが、
 撤退により廃業を余儀なくされたそうです。
 「撤退が決まった2日後にはみんないなくなっていた」
 と苦笑していました

 しかし、そんなに影響はないという見方もありました
 ・工業団地
  この地域最大の工業団地を経営する方は
  他国からの外資系企業を多数誘致していて
  (仏、独、スイス、インド、日など50もの企業)
  「世界とビジネスできるから、
   トランプ氏の発言は気にならない」
  と強気でした

 ・経済学者
  メキシコの経済学者は
  「メキシコは、地理的な条件で北米との関係を強いられてきたが、
   アメリカ抜きの発展も可能」
  と話していました

  カギは「自国資本の企業を作ること」
  メキシコは車の組み立ては出来るが製造はできない、
  ノウハウを学んで独自ブランドを作れば
  日本のようにものづくり大国になれる、とのことです

 ・新規参入企業
  サンルイスポトシ州にある企業は、
  ドイツ車の部品作りに参入したそうです
  社長は
  「メキシコの人材は、賃金でも質でも世界と戦える」
  「メキシコ人は真面目でよく働く国民、
   チャンスがあれば国際的に活躍できる」
  と話していました

 ・キッザニア
  私は知らなかったんですが、
  子供が職業体験できる娯楽施設「キッザニア」は、
  メキシコ発祥の企業らしいです。

  日本でも、関西(兵庫だっけ?)にも関東(東京?)にもありましたね。

  メキシコシティにあるキッザニアで、
  大越さんは創業者の方に案内してもらっていましたが
  そこにはペレやチャップリンなど
  偉人の子供時代の銅像が。
  「偉人の子供時代を見せて、
   子供たちに、誰でも何にだってなれる、と示したい。
   我々はいつでも変われるんです」

  ここのキッザニアでは100の職業が体験できるそうです
  働く意義を伝えるため、働いたら、施設内で使える通貨も渡す
  お金を持っている女の子に
  「何に使うの?」と聞くと
  「これでハワイに行きたい」(笑)

  創業者は
  「メキシコでは将来の道が限られている。
   生まれで将来が決まる、と考えている人が多いが
   そんなことはない、と伝えたい」

  「キッザニアは、メキシコ発祥の企業の代表ですね」という質問には
  「私はメキシコを心から愛していて、国の成長を心から願っている。
   メキシコからより多くの企業家が出て、世界に打って出る必要がある」

 ・映画作り
  メキシコでは国立大学に映画学科があり
  70人の学生が学んでいるそうです。

  彼らはプロと同じ機材を使い、
  国の支援を受け、実践的に映画作りの手法を学ぶ

  その教育が実り
  近年ではこの学校を卒業したメキシコ人の監督が次々とハリウッドに進出、
  アカデミー賞を受賞している

  ここの教授に大越さんが
  「最近はメキシコ人がアカデミー賞を征服していますね、この秘訣は?」
  と聞くと、彼は笑いながら
  「メキシコには59もの土着文化、59の言語、価値観がある。
   多様な文化を通して、
   他者から学ぶ経験を身に付けているからです」
  と話していました
  アメリカにとって魅力的な映画を作れるのも、
  アメリカの文化から学んでいるからで、
  文化が交わるメキシコ人だからこそ作れるのだ、と話していました

  メキシコ人だから作れる映画、を目指す姿勢は学生にも受け継がれている
  ある女子学生は、女性の解放をテーマにした映画を製作していました
  「この国では性犯罪など、女性が被害を受けることが多い。
   また、女性だからと何事も諦めてしまう人も多い、
   それもこの映画のテーマです」

  彼女はこの学校の卒業生が世界で活躍していることについて
  「学生たちはみんなああなりたいと思う、
   それはハリウッドで活躍しているからだけではなく
   自力で何事も成し遂げたからです」
  「世界で認められる人はオリジナリティがある、
   私もメキシコ人にしか作れない映画を作りたい」

 ・壁画を描く人たち
  最後に、国境沿いの街ティファナに戻りました
  ここでは毎週末に、国境沿いの壁に壁画を描く人たちがいる

  人間が苦しむ絵もあれば
  自由の象徴なのか、
  海を泳ぐ大きなクジラや、空を飛ぶちょうちょの絵も…

  「この壁は残酷、悲しみの象徴と言われるが
   私たちにとってはキャンバスです」
  自分達の思いを世界に伝えるキャンバスなのだそうです

  途中、この男性は壁越しに、
  アメリカ側の国境警備隊と話していました
  「何を話していたんですか?」
  「私たちの活動についてです」
  「理解してくれましたか?」
  「意義は分かってくれたと思います」

○まとめ
 トランプ氏の政策もあり、歴史的な経緯もあり、
 メキシコではアメリカとの壁、
 家族との分断、跳ね返される移民…がクローズアップされがちですが、

 大越さんはこの取材を通じて一番感じたのは
 「人の温かさ」だそうです
 誇りをもち、人生を謳歌する彼らに圧倒されてばかりだった、と話して終わっていました。



 私の後輩が、大学時代メキシコに旅行して
 「メキシコめっちゃ良かったです~」
 落ち込んでいたとき元気をもらえたそうです。

 高校時代の同級生も、
 人生に行き詰まり、そこでメキシコに3週間留学、放浪して今のだんなさんと出会ったとか…

 私はメキシコに行ったことは無いですが、
 そういうエネルギーを貰えるようなものがあるのかも、と思いました。
 機会があれば行ってみたいなぁ。

 現在、メキシコには日本企業の進出が進んでいるそうです。
 真面目に働く国民、というから
 日本と似ている所もあるのかも。
 日本がものづくりのノウハウを教えるとか
 メキシコの発展に貢献できることもあるのかもしれないし
 日本にとっての新しいビジネスチャンスも生まれる可能性もありそうだなと思いました。

 また、家族を思いやったり
 音楽や芸術を楽しんだり
 辛さの象徴の壁画も鮮やかな壁画に塗り替えたり
 逆境をパワーに変えるところは見習いたいな~と思いました。

何気なく見てたけど、思ったより面白かったです。
というわけで今回はこの辺で。


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