2017年08月01日

BS世界のドキュメンタリー「”肉“は健康の敵?~meat~の真実」

BS世界のドキュメンタリー「”肉“は健康の敵?~meat~の真実」

 イギリス2016年製作のドキュメンタリー。
 少し前に菜食主義者の本を読んで以来、肉食が気になっていたので見てみました。

 まぁ、内容としてはやや薄いかなぁと…
 情報よりエンターテイメント性が強いかな~と思いました

 番組は、八百屋さんをしている男性(でも肉が好き)が進行役。
 最近、肉食が健康によくないと言われているが本当はどうなのよ?と思い、
 科学者に取材して回ったそうです。

○肉を食べるメリット
 最初は栄養士さんに、肉の栄養価について聞いてました。

 肉は栄養が豊富で、他の食品で代替しようとすると大変
 230gのステーキ肉に含まれる栄養素を取ろうとすると
 ・亜鉛(エネルギーの生成に必要)は、海老1kg分
 ・セレン(免疫機能に大事)はブラジルナッツ1杯
 ・ビタミンDは卵1個分
 ・カリウムはバナナ2~3本分
 …など、たくさんの種類を食べねばならないらしい

 一番難しいのは鉄分で、
 植物性のものは吸収が良くない。
 肉は栄養を摂るのに効率がいいのだそうだ。

○肉のデメリット
 次は肉のデメリット。
 ここでは
 ・ガンの発症を高める
 ・心疾患のリスクを高める
 という2つの話を取り上げていました

○加工肉の発ガン性物質
 イギリスで一番消費が多いのはハム、ベーコンなどの加工肉ですが
 WHOによればこれらは大腸がんの原因となるそうです

 原因物質は防腐剤の亜硝酸ナトリウム
 これはボツリヌス菌の繁殖を防ぐ効果があるが
 体の胃酸と反応し、発ガン性物質を作ってしまうのだそう

 しかし、レディング大学の研究者は
 この亜硝酸ナトリウムを減らす物質を開発しているそうです

 これは緑茶などの植物から抽出したエキスだそうで、
 亜硝酸ナトリウムを半分におさえ、
 発ガン性物質の生成も劇的に減少させるのだそうです

 この研究者の話によれば
 全ての加工肉に使えるらしい

 味に影響があるか、番組進行役の男性が学生に食べてもらっていましたが
 4人中3人は市販品よりこちらの方が美味しいと言ってました
 (サンプル少なすぎ…(笑))

 まぁまだ開発段階で、市販はされていないそうです

 (ちなみに亜硝酸ナトリウムは、日本では赤みを出すためのもの、という意味合いが強いように思います。
 なので最近は、亜硝酸ナトリウムを使わず、敢えて色が悪い加工肉なんかも出てますね。

 また、大学が開発しているというこの物質については、調べたけど分かりませんでした。
 結果が大きければ出ているはずだし、まだ研究段階なのかな?)

 また、WHOによれば
 800の論文を調査した結果、
 加工肉は大腸ガンのリスクを上げるそうです
 リスク分析の専門家によれば、
 ベーコンの2切れはタバコ4本吸うのに相当するとか

 (WHO(というかその傘下のIARC)のだしたこの結論は
  10カ国22人の専門家が約800本の論文を調べて導き出されたものだそうです。

 https://style.nikkei.com/article/DGXKZO94530680Y5A121C1TZQ001
 この団体は、色んな食品の人への発ガン性を調べ、5段階に分類しているそうで
 加工肉は最も発ガン性が高いグルー プ1、
 赤肉はその次のグループ2Aと判定されたそうです

 グループ1には喫煙やアスベストもあり、
 加工肉がこれらに匹敵する発ガン性がある、ということで
 反響は大きかった、とのこと

 しかし理由はよくわかりません。
 発ガン性物質のせいか、動物性脂肪のせいなのか?
 このときはリスクが高まる仕組みについては示されず、批判もあったので
 WHOはあとで
 「加工肉を食べないよう求めるものではない」
 という追加コメントを出したそうですが…

 また、これは外国の論文が主で、
 肉を多めに食べている国の調査が中心だそうです

 日本は肉の摂取量はドイツの1/4、
 世界でも低い方の国なのだそうです
 確かに食生活の欧米化で大腸がんは増えているので、気を付けねばならないが、
 今のところガツガツ肉を食べ始めない限りは
 敢えて控える必要は無さそうです。

 むしろ肉は良質なタンパク質やミネラル、ビタミンもあり
 高齢者の筋力維持には肉が必要、とも言われるし
 (沖縄の長寿の秘訣は豚肉の摂取…という話もあるし)
 極端に減らす方が問題かもしれません。)

○赤身肉の発ガン性物質
 WHOによれば、赤身も発ガン性物質を作るそうです
 その原因はPAH(多環芳香族炭化水素)
 コゲとかススに多く含まれているそうです

 なのでバーベキューなどの肉はリスクが高くなる
 焼けた所のこげ、滴った油のこげ、それらの出すススなどが危険らしい
 (日本でもサンマの焦げがガンになる、と一時期言っていたので
  それと同じなのかな?)

 しかし番組の実験によれば
 スモークチップで温度を下げればある程度効果があり
 マリネ液に浸してから焼き、膜を作るようにすれば
 発ガン性物質の量は半分以下にできるそうです

 (マリネ液はビールで作ってある僕の特製、とか言ってたんですが
 レシピも教えて欲しかったなぁ…
と思い調べたら、レシピを載せてくれている所がありました。

 http://youpouch.com/2014/04/27/191078/

 「Agricultural and Food Chemistry」という雑誌で公表されたそうですが、
 ビールの中でも「黒ビール」「ピルスナー」「ノンアルコールピルスナー」が最も効果があるそうです

 豚肉を4時間マリネして焼いた結果、
 PAHはマリネなしの肉と比べ
 ピルスナーは13%低下、
 ノンアルコールピルスナーは25%、
 黒ビールは53%低下したそうです

 研究チームはこれはビールの抗酸化作用によるものではないか、と分析しているそうです。

 ちなみにマリネ液のレシピは
 ・オリーブオイル1/2カップ
 ・黒ビール1カップ
 ・レモンジュース 1/4カップ
 ・つぶしたニンニク4片
 あとは塩、こしょう、ローリエ、マスタード、バシル、オレガノなど
 ピルスナーはあんまり日本では見ないけど
 黒ビールなら良さそう。でも黒ビールって高いのよね…)

○心臓疾患のリスク
 次はノッティンガム大学の実験。
 普段から肉をよく食べる人が3ヶ月肉を減らしたらどうなるか?を実験したらしい

 被験者は40人、週5回は肉を食べる人
 肉を減らして食べてもらい
 食べたものを記録してもらう
 減らし方は本人に任せる

 途中経過を取材してましたが
 開始前には4日間で1.3kg食べる人(多いのかよくわからんが、推奨される量の5倍らしい)
 など肉好きが多かったようでした

 研究者によれば
 赤身肉は3種類の脂肪を含む
 ・飽和脂肪酸…悪玉コレステロール(LDL)を増やす
 ・一価不飽和脂肪酸…オリーブオイルなどに含まれ、まぁまぁ健康にいい
 ・多価不飽和脂肪酸…善玉コレステロール(HDL)を増やす、健康にいい

 赤身肉は、飽和脂肪酸が多く、多価不飽和脂肪酸が非常に少ない
 しかも飽和脂肪酸が悪玉コレステロールを上げる力は
 多価不飽和脂肪酸が下げる力の2倍あるらしい

 研究者の予想では、肉を減らせばコレステロールも減る、というもの

 結果は、善玉コレステロールはあんまり変わらないが
 悪玉コレステロールは平均10%減ったそうです
 しかももともと悪玉コレステロールが多い人ほどその減り幅は大きかったそうです

 結果を聞いて、被験者は
 「これからは肉を控えようと思います」
 と話していました

○健康な鶏肉はどれか
 イギリスでは、40年前と比べ
 羊肉や牛肉の消費量が減り
 鶏肉の消費量が増えているらしい(335%アップ、とか、つまり4倍?)

 これは1970年代に効率的な養鶏法が確立され、値段が下がったためだそう

 今ではオーガニックチキンなどいろんな値段のものが出ているが
 実際栄養はそんなに変わるのか?を調べていました

 スターリング大学の栄養学者によれば
 ・1㎏370円の肉
 ・1㎏640円のトウモロコシ飼料の肉
 ・1㎏820円の放し飼いの肉
 ・1㎏950円のオーガニックチキン
 ・1㎏670円の特別飼料の肉
 を比較したところ

 脂肪量に関してはあまり変わりがない
 強いて言えば、飽和脂肪酸は、トウモロコシ飼料の肉が一番多く
 放し飼いが一番少ないそうです
 ω3、ω6脂肪酸の割合で言えば
 一番安いのが一番バランスがいいらしい

 つまり育てた環境にこだわるなら高いのを買えばいいが
 脂肪の量に関しては値段が何でもさして変わらないらしい

 これはモモ肉の比較で
 よりヘルシーなものを求める人は、むね肉で皮を取り除けばいいそうです

○肉の解体現場
 次に進行役の男性はと殺場を訪れています
 ちなみにこの方の妻は菜食主義者だそうで
 この取材で菜食になるのを望んでいるとか…

 と殺する前には、動物たちを落ち着かせる場所がありました
 ストレスがあると分泌されるコルチゾールというホルモンは、
 肉を固くさせ、色も悪くなるそうです

 解体現場は割りとさらっと紹介されていました
 男性によれば
 解体されるのを見て、肉を食べるのが申し訳ないというより
 さらに感謝の気持ちが強まったそうです
 なるべく無駄にせずに食べることが、
 動物への感謝の意を示すことになるのでは、と話していました

○臓物も食べよう
 動物の臓器はあんまり消費されないらしい
 しかしシェフによれば
 臓器は栄養価が高いらしい
 心臓、腎臓もいいが、一番栄養価が高いのは肝臓

 脂肪はほぼゼロだが、タンパク質も豊富、
 ビタミンA、B、D、Eや
 鉄分、セレン、マグネシウムなどのミネラルも豊富だそうです

 シェフが作った臓物料理を、目隠しをしていろんな人に食べてもらってましたが
 知らなければ美味しい、という人が多かったです
 でも物を見て「知っていたら食べなかった」ていう人もけっこういました

 臓物は、値段は赤身の1/10だそうで
 余すところなく食べましょうという話をしていました
 (そこまで言うならレシピ書けばいいのに…と思ってしまった。
  また、この時はバター焼きとかしていて、
  バターも油たっぷりなんじゃ…と若干突っ込みたくなりましたが(笑)

 外国の人って内臓食べないのかな?
 日本人は焼肉屋でホルモンを食べたり、
 焼き鳥でもホルモンがあるし
 モツ煮込みなんかもあるので
 あんまり抵抗はなさそう。

 一応レバーの臭み消しについて調べました

 https://cucanshozai.com/gourmet/2009/09/liver-pretreatment.html
 http://kurashino-hitoshizuku.com/582
 など。他にもありましたけど、
 ・まず新鮮なものを選ぶ
 ・買ったらすぐに脂や血の塊などを取り除き、
 ・流水で濁りがなくなるまで洗う
 ・熱湯にさっとくぐらせ、氷水に漬ける
 てのが基本
 ビタミンがなくなるので長い時間水にさらさない方がいいらしい

 あとは臭みを消すために色々やり方があり
 ・牛乳に漬け込む
 ・ヨーグルトに漬け込む(乳脂肪が臭みを取ってくれる)
 ・出がらしの緑茶(緑茶成分は牛乳より効果があるらしい)
 ・すりおろし玉ねぎ
 ・酒と生姜
 ・お酢につける、という方も…
 鶏レバーの場合は臭みが少ないので塩水(ただし何回か取り替える)
 のもいいらしい。
 漬け込み時間は20分という人もいれば、1~2時間とかいう人もいて様々ですね。

 そのあとの調理法としては
 ・ニンニクや生姜、ハーブを臭み消しに使う
 ・ウスターソースをかける
 など、臭みを消すやり方が多い。
 あと
 ・パイナップルの缶詰を使う
 という人もいました。

 ちなみに私が好きなのは
 豚のレバーを素揚げしたもの。
 これは臭みがなくなっていいです。
 昔父親のつまみになっていたものをよく横取りしてました(笑)

 でも内臓って、買おうと思うとそんなに安くはないかなぁとは思うのだが、 
 牛肉買うよりは安いのかな)


 番組では最後に、
 肉は栄養が豊富といういいところがある
 発ガン性や心疾患のリスクを高めるデメリットもあるが
 食べ方や食習慣次第で防げますよ
 という感じでしめくくっていました。

○感想など
・ドキュメンタリーというし、
 菜食主義者の話が出てきたし、と殺の話もあったので
 もう少し動物愛護的な観点でも突っ込んでくれているのかな~と期待?していたのだが、
 基本的に肉食は悪くないよ、みたいなソフトな内容になっていて、
 そういう意味では少々物足りなかったかなぁと思います。

 ただ、と殺場を見た男性が
 「感謝の気持ち、無駄にしてはいけないという気持ちが高くなった」
 と話していたのは大きいと思いました。
 動物愛護の観点から肉食をしない人もいるけど
 いただく命に対して感謝、尊敬の念を抱くのも
 また動物愛護なのではないかとも思います。

・栄養価や発ガン性物質については、
 昔から話題になっているので
さほど目新しくはないかなーと思いますが、

 亜硝酸ナトリウムを除去(吸着?)させる試薬を開発、というのは初耳でした。
 (使うのを止めるのではなく、薬品で取り除けばいい、という発想が欧米らしい…
 と個人的には思うが)

 ちなみに普段食べる分には、
 亜硝酸ナトリウムはゆでてゆで汁を棄てたらある程度は減らせるそうです。
 食パンなどの防腐剤も、トーストしたら減るのだそうだ。

・赤身肉は脂身を取ればタンパク質だらけなのかと思っていましたが
 赤身肉自体にも脂肪酸が多いというのは知らなかった。
 (霜降りなどは多いのだろうけど)

 鶏肉は脂身がまだ少なく、
 魚は不飽和脂肪酸が多い。
 でも魚や鶏肉に少なくて牛肉、豚肉に多い栄養もあるから
バランスが大事なのでしょうね。

 最近は糖質制限とかいって
 肉ばかり食べる人もいるのでしょうけど
 そのために血液ドロドロになった…という例もあります。
 どの栄養も食べ物も、ほどほどに美味しく食べたいなと思いました。

気楽に見られる番組でした。
というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 14:13| Comment(0) | テレビ(科学) | 更新情報をチェックする
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