2017年08月24日

BS世界のドキュメンタリー「目指せ!記憶力世界一~スウェーデンの挑戦~」

BS世界のドキュメンタリー「目指せ!記憶力世界一~スウェーデンの挑戦~」

 2015年12月に放送されたドキュメンタリーだそうです。
 2014年スウェーデン製作です。

 私はあんまり単語丸暗記とかは好きではなく、
 記憶って鍛えて上達するもんなん?
 どんなトレーニングをするんだろう?
 と思って見てみました。

 そしたら、鍛え方とかはあまり出ていなくて
 どっちかいうと人間ドラマに重きが置かれていたような…
 まぁでもけっこう役者揃いで見いってしまいました(笑)

○世界記憶力選手権
 私は知らなかったのですが、世界記憶力選手権
 (World Memory Championship)
 なる大会があるそうです

 これは1990年代始め、イギリス心理学者のトニー・ブザンという方が、
 もう一人の方(聞き取れなかったので後で調べたら、チェスのグランドマスターの方だそうです)に
 「記憶力は素晴らしい能力だから、これを競う大会を作ろうじゃないか」
 と持ちかけたらしい
 そして、記憶する問題10種
 (人の顔とか単語、絵、トランプカード、数字など)
 を考えたのだそう

 そして大会を開くと、ドイツやオーストラリアなどにも広まり
 それぞれ国内大会も開かれるようになった

 このドキュメンタリーでは2012年のイギリスで行われた大会が舞台でしたが
 これで21回目だそうで、
 インド、中国、フィリピンなどアジアの国も参加してました。
 日本人は見かけませんでした。いたのかもしれんけどわからなかったです

○スウェーデンチーム
 今回主役となったスウェーデンチームを率いるのはイドリス・ズガイ。

 彼は選手兼コーチですが
 「外国語の勉強をしようとしていたとき、
  記憶についての本を読んで世界選手権を知った」そうです。

 「みんなにも記憶を楽しんでやってもらいたい」
 という思いでこの大会を広めようとしているそうです
 「パズルと同じ、いい脳トレになりますよ」とのこと

 彼と共に世界に挑むのはマティアス・リビング
 彼は
 「記憶のプロセスに興味があり、記憶の本を読んでいたときにこの競技大会を知った」
 そして
 「変わった大会だと思ったけど、
  参加してみたらいい線いっちゃって、イドリスに誘われたんだ。
  そこからどんどんのめり込んだ」とのことでした

 ただしこの二人は考え方に違いがあるようでした

 マティアスは国内選手権で3回優勝しており
 その知名度を生かして講演活動をしたり、テレビに出たり本を書いたりしている

 元々起業したかったそうで、
 現在執筆や講演で人に役立つものを提供していることに、
 やりがいを感じているそうです
 「自分が価値あるものを提供し
  それが必要な人はお金を払う、
  これは双方にメリットがある」
 みたいな話をしていました
 けっこうゴリゴリのビジネスマン。

 一方イドリスはボランティア活動の経験もあり、
 無報酬で働くのも苦にならないそうです
 純粋に、記憶の楽しさをみんなに伝えたい、と考えているようでした
 「マティアスはビジネスマン出身、自分とは考え方が違う」
 と話していました。穏やかな雰囲気の方です

 この二人は7月にドイツで開かれた記憶力選手権に出場していますが
 マティアス9位、イドリス12位
 イドリスは「練習どおりにはいかない」と自分の能力に限界を感じている様子、
 一方マティアスは「9月のスウェーデン記憶力選手権の肩慣らし」
 と強気でした

○大型新人の登場
 ところがそんな二人の前に大型新人が現れます。しかも二人。
 どちらもスウェーデンの国内選手権にエントリーしていました。

 一人は高校生のマーヴィン・ヴァロニウス
 彼は勉強の成績を上げたくて、
 効率的な勉強法の本を読んでいたら
 記憶力の大会を知ったそうです
 記憶力はメキメキ上達し、
 今では成績もトップクラスだとか

 もう一人はヨーナス・フォン・エッセン
 彼も本を読んでいて記憶力選手権を知ったそうです

 マーヴィンくんはまだあどけない感じでしたが
 ヨーナスくんはちょっと勝ち気なタイプ。
 「国内記録はマティアスが全て持っているけど、僕は怖くない
  彼は今までライバルがいなかっただけだ」
 「練習では世界記録を破っている、この大会で世界記録が作れるかも」
 と話していました
 彼は器用な子みたいで
 「今までスポーツ、絵、プログラミング、映画製作などは一通りやった、
  でもすぐ飽きちゃってたけど、記憶は長いこと続けられた」
 とも話していました

 さてこの国内大会、二人とも初参加なので緊張ぎみ。
 ヨーナスくんは
 「思ったよりうまくいかなかった」
 マーヴィンくんも
 「あんまりうまくいかなかったけど、何となくコツをつかんだ」
 そしてそんな二人を見てマティアスは
 「まだまだだな」
 と余裕の表情。

 しかし二日間の大会を終えて成績発表すると
 3位マティアス、2位マーヴィンくん、そして優勝はヨーナスくんでした

 マティアスは妹に
 「お兄ちゃん惨敗よ」と言われ
 母親には
「子供もいるんだし、昔のようにはいかないわよ」
 とか言われてました…

 マーヴィンくんは
 「マティアスに勝つ目標は達成できた」と満足そう、しかし
 「ヨーナスとは連絡を取っていたけど、彼の実力は知らなかった。知ってたらもっと訓練したのに」

 ヨーナスくんは
 「マーヴィンは成績を話していたけど、僕は自分のことは言ってなかったんだ。
  言ってたら彼はもっと頑張ったかも、でも僕の方が実力はある」
 なかなか策士ですね(笑)

 一方マティアスはこの選手権のあと、
 ヨーナスとイドリスが出ている番組を見ていて
 (ちなみに、彼は番組の最初の方で、同じ番組に自分がチャンピオンとして出ていたものも見ていました。
 その対比が何とも言えない…)

 ヨーナスが
 「最高でした、ずっとトレーニングをしたいたし…」
 とコメントしているのを見て
 「彼は見事だけど、これでは視聴者が記憶力選手権に興味を持つところまではいかないんじゃないか」
 「イドリスは記憶について話していたけど、
  どれだけスゴいかが分からない、
  悪く言えばオタク集団と思われるだけ」
 と批判的。

 まぁでも
 「負け惜しみに聞こえるかもしれないけどね」
 「とにかくヨーナスは素晴らしかったよ、それは認める」
 とは言っていました

○記憶力のいい人のテクニック
 ちなみに記憶力選手権の出場者たちによりますと、
 記憶にはテクニックがあるそうで
 「データや数字も、人や物の絵に変換してストーリーを作る」
 のが基本らしい
 しかも感情に訴える形にするのが効果的なようで
 「スペードのAは、アーノルド・シュワルツェネッガーのAにすると残りやすい」
 「大きな魚や宇宙人、車のイメージ」
 「暴力やセックスに関わるイメージ」
 「血を流しているとか、死ぬイメージ」
 「人には言えないようなもの」
 なんて人もいました。

 ちなみに私もこのテクニックは聞いたことがあるんですけど
 ストーリー考えてるうちに気が散ってしまって疲れる…
 普通に覚える方が楽だなと思ってしまいます(笑)
 そう言えば知り合いに車のナンバー覚えるの得意な人がいて
 「語呂合わせ考えるの面白い」
 と言ってたけど、こういう楽しめる人が向いてるんだろうな。

○イギリスの競技大会
 さて話はスウェーデンチームに戻ります

 国内大会のあと、マティアスは対談の仕事とかで別行動
 (そっちの方が楽しいのだそう)

 他の3人はイギリスの競技大会に出場しています
 イドリスによれば「2か月後の世界大会のいい練習になる」とのことです

 若い二人は、国内大会のあとマスコミなどの取材で忙しかったそうです

 このイギリスの大会は
 世界選手権に3回優勝しているベン・プリッドモア氏が主催しているそうです

 ヨーナスくんは
 「ベンは一流選手の今使っている記憶法を考え出した人なんだ
  (ベン本人いわく、クリエイティブなテクニックが無いと記憶なぞできないそうです)」
 と尊敬している様子。

 一方マティアスは
 「彼は正に変わり者の見本市みたいな人、
  彼みたいな変わり者が記憶力のいい人、と思われるのは心外」
 とまた批判的でした(笑)

 この大会では、2位がマーヴィン、1位がヨーナス
 イドリスは
 「自分は記録は良かったけど、天才だとは思ってなかった。
  今回本当の天才が二人も現れた」
 と今回の世界選手権に期待を持っているようでした
 ヨーナスくんも
 「イドリスがいると心強い、彼は色々教えてくれてリードしてくれる」
 兄貴分としてイドリスを信頼している感じでした

 一方イドリスはマティアスについては
 「彼はあんまり記憶力競技大会には熱心ではないようだ」
 と、何となく残念そうですが
 「彼はあくまでも自分のやり方を通す、
  でもそれは人それぞれの考え方だ」
 とも話していました

 マティアスもイドリスの思いは感じているようで
 「イドリスは、僕が金稼ぎに夢中で競技に関心がない、と思ってるんだろう。
  まぁ当たってるけどね」
 と話していました
 彼は人に広めるというよりも、
 記憶力という能力をビジネスとして確立させたいみたいでした。

 一見金の亡者にも見えますが(笑)
 彼はどうせ広めるならもっと責任を持たねば、と思ったのかもしれない。
 サッカーをプロ化するのと同じで、
 これで食べていける、と思えば真剣にする人も出てくるかもしれない。
 イドリスとはやり方が違うけど、市場原理的なやり方でみんなに記憶法に関心をもってもらいたいのかなー、とも思いました。
 
○いよいよ世界記憶力選手権
 さていよいよ本番の世界選手権です。
 2012年、12月にロンドンで開催されたそうです

 イドリスは今回はコーチに徹し、選手としては出場しないと宣言。
 でも彼には目標があり
 「レベル2の国際審判員になる」ことだそうです
 (て言うか、審判員てのもいるのね)

 この大会にはグランドマスター認定というのもあるそうで
 3つの競技で規定をクリアしたらなれるとか言う話でした

 マティアスはいまだグランドマスターはとれていないとかで
 今回は取りたい、とのこと

 ちなみに彼は、他国の参加者で、
 ヘッドホンをして集中力を高めようとしている人がいるのを見て
 「あんなの邪道、本来はヘッドホン無しでも集中しないと」
 「ああいうことをしているから変わり者に思われる」
 とまたまた批判的。
 どうもスマートにやりたい人みたいですね(笑)

 さてこの大会には、創始者のトニー・ブザンもいて
 ヨーナスくんは
 「彼は記憶の世界の教祖みたいなもの、
  彼は脳の活性化法で特許も取ってるんだ」
 と話していました
 大会も主催するあたり、カリスマ性もあるのかな。

 トニーさんの話し方は独特で
 「単なるテクニックではない、
  知性の花を咲かせるんです」
 とか話していました
 ヨーナスくんによれば
 「彼の話し方は聞いていると気持ちいいけど、ヨーダと話しているみたい」
 とよくわからない例え(笑)

 この大会は3日間(他の記憶力大会はたいがい2日)で
 集中力が試されるそうです

 1日目を終えてヨーナスくんは4位、
 「思ったよりいいところ」と言ってました

 ところが、2日目を終えて順位は3位に上がる
 「3位の人があり得ないミスをしたので上がった、
  2位以上は差がありすぎて追い付けない」
 「緊張した、さてこの順位を守れるか自信がない」
 と珍しく弱気でした

 この大会で8回優勝しているドミニク・オブライエンさんもいましたが
 (過去最多だそうです)
 彼は優勝してから、テレビでエンターテイナーにされそうになったが
 「記憶術はエンターテイメントにするより、
  人に教える方が世のため人のためになる」
 と、今は教育活動をされているそうです
 彼は
 「記憶術が広まり、世の中の人全てが読み書き出来るようになれば世界は平和になる、
  そう願っている」
 と話していました。
 記憶術が平和につながるとは、記憶術も奥が深いですね…

 ちなみにこの方、記憶力が良すぎて
 カジノのブラックジャックでは世界中で出禁になっているんだそうです(笑)

 さて大会に戻ります
 3日目の朝、イドリスはみんなを励ましていました
 「今回は裏方としてスウェーデンチームを応援する」 と言い、
 選手層を厚くするために、
 今まで自分が国内に記憶力選手権を作ったことを話しました
 そして、
 「持てる力を全て出そう、打倒世界一だ!」

 ヨーナスくんは彼の言葉が響いたそうで
 「それほどまでに僕らを支えてきてくれたのか」
 と胸が熱くなったそうです
 皮肉屋?のマティアスも
 「今回はみんなのために安全運転でいくよ」
 チームが一致団結していました

 さて競技が終わり、まずは個人のメダリスト発表。
 銅メダルは誰か?
 実質、ヨーナスくんとドイツの候補者の3位争いです。
 主催者によれば
 「最後の数秒で決まった、歴史に残る名勝負」だったそうです

 ヨーナスくんによれば
 「最後のスピードカードは、ドイツの選手が得意な競技」なので緊張したとか。

 彼によれば「最後の1分で決まった」
 彼はスペードの6とクラブの10を読み違えていたらしいのです。
 「僕はいつも、クラブの10はダチョウ、スペードの6は魚だった。
  でもイメージの中で反芻すると、最後に魚が2ヶ所出てきてしまった。
  魚に腹が立った。
  正しいのと違うのとどっちかだというのは分かっていて
  当てずっぽうで選ばねばならなかった」

 まさに運を天に任せる状態だったらしい
 魚に腹立った、てのがリアルですね。

 さて結果は?
 「4位、ボリス」
 ドイツの方でした

 「3位は史上最強の新人、ヨーナス」
 彼は「メダルが取れるなんて夢にも思ってなかった」と飛び上がって大喜び。

 ちなみに金メダルは車イスの方で
 ヨーナスくんは「車イスが玉座に見えた」そうです

 そして喜びの余韻に浸るまもなく、次は団体の結果発表でした。
 主催者は
 「番狂わせもありました」

 ちなみに強豪はイングランド、アメリカ、ドイツなどだそうです

 「7位、イングランド…」
 「6位、中国、5位アメリカ、4位インド、3位フィリピン…」
 フィリピンとかインドもスゴいんですね。

 さてスウェーデンは…
 「2位、スウェーデン」
 スゴさがいまいち分からんが、
 スウェーデンはそれまでほとんど無名だったそうで
 これは奇跡に近いのだそうです
 ちなみに1位はドイツでした。

 それから、グランドマスターも今大会で6人認定され
 そのうち3人はスウェーデン勢だったそうです。
 マティアスも悲願のグランドマスターを取得して
 いつもクールなのにおどけた表情でした。

 さて大会のあと。
 マティアスはみんなに
 「今回で僕は最後だ」
 と突然の引退宣言。
 イドリスは驚いて
 「いつ決めたんだ?」
 「ずっと考えていたんだ、グランドマスターが夢だったけど、それも達成できたし」
 彼は
 「これからは教育分野に記憶を生かしたい。
  頂点の時が引き際って言うだろう?
  イドリスのように情熱を傾けてくれる人を大事にしないとね」
 と話していました

 「これからイドリスの活動を見守っていくよ、
  ヨーナスやマーヴィンのような人が発掘できたら優勝できるだろう」

 個人プレーが多そうに見えたけど
 一番イドリスを見ていたのは彼かもしれない、と思いました。

 そして、スウェーデンでは記憶力選手権が活発になりつつある、
 みたいな話で終わっていました
 
 ちなみにその後の彼らについても少し触れられています
 マティアスは記憶法を生かした勉強法の本を出版した
 イドリスはチームのコーチを続けている
 マーヴィンは医学部に合格し、新たな記憶法を開発中
 ヨーナスは世界選手権で優勝し、
 中国語も猛勉強し、次の年に中国で開催された大会でも優勝しだそうです

○感想など
ドラマとして見ていて面白かったです。
マティアスさんは変わり者と思われたくなかったみたいだけど、
一番変わってるように見えたのは気のせい?
まぁでも考え方は独特だけど憎めない人だなと思いました(笑)

ちなみに日本人は?と思ったのでググったら
Wiki情報ですが、記憶力選手権には個人で日本人の方も出ていたようです。

ただし100位前後ですので世界レベルとは言いがたいようで…
ただ日本でも東京で2014年頃から記憶力の大会は開かれているみたいです。

ちなみに同じWiki情報によれば
2016年頃に世界記憶力選手権の主催団体が内部分裂してしまったらしく
中国、アラブ圏以外は脱退。
別の団体ができて、
2つの団体が主催する大会が共存するややこしい状態のようです。

そのせいか、近年は中国などアジア開催が多いようだ。
ここにも中国パワーが台頭してるのかな?

ところでスウェーデンチームを率いているイドリスさんは、
記憶についてのプレゼンもしているようで
http://logmi.jp/14618
にありました。
やはり絵に変換するというのが基本テクニックみたいです。
ヨーナスくんの魚の話もリアルでしたね。

ちなみに私は機械的な記憶が苦手、ていうか嫌いで
どっちかいうとストーリー性、因果関係がある方が好きです。

歴史なども「イイクニ作ろう」とかより
この人があーなってこーなってあーだから、この年にこれができた、
みたいなストーリーがあった方がいいかな。
なので1年くらいずれても、
大体の話がわかればいいじゃんとか思っちゃう。

英語の単語でも、だいたいの感じで覚えてるので
(楽しい感じとか、ふわっとした感じとか)
ニュアンスはあってても、言語的に厳密な意味は間違えることもありますね…

たぶん入試向けではないんでしょうね(笑)
大学受験でも記述式が多かったので助かったようなものでした…。

なので、絵に変換しろとか言われても
その単語の成り立ちに関係ないストーリーを勝手に考えるのはやっぱり抵抗あるかなーとか思います。

でもまぁ、人間の能力って無限だな、と思いました。
日本だと、昔の受験戦争への批判からか、
あるいは討論型授業の流行りのせいか、
記憶学習って軽視されがちだけど
知識の蓄積がないと議論や思考は生まれないわけで、
やはりある程度の暗記も大事なのかなと思います。
楽しんで行われるのはアリなのかなと思ったりしました。

ドラマとして面白かったです。

というわけで今回はこの辺で。

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