2017年12月08日

Eテレオイコノミア「もっと便利に!タクシーの経済学」

Eテレオイコノミア「もっと便利に!タクシーの経済学」

今回はタクシーの経済学。
講師は坂井豊貴先生でした。

タクシーは全国で24万台、利用者は年間14億人(延べ人数)もいるんだそう…
個人的には、タクシーってぜいたく品というか
うん十年生きてきて10回も使ったことないと思う…
しかもうちの周り田舎だし、タクシーって電話で呼ぶもの、って感じなんですけど(笑)
というわけで外国の話のような気分で見てました。。

○今回のゲスト
 今回のゲストは千鳥。又吉さんの先輩芸人コンビです。
 先生は
 「タクシードライバーの漫才をやられる方ですよね?」
 という通り、丁寧すぎるタクシードライバーがネタの漫才をされています
 (関西では割と前からいろんなところでお見掛けしてましたが
  M-1出たくらいから全国的にブレイクされたのかな?)

 大悟さんはタクシードライバーの漫才について
 「本当にそういう人いるから、モデルにしてネタを作ってる」とのこと。
 又吉さんも
 「丁寧な人もいるし、横柄な人もいますよね」
 
 しかし、タクシードライバーの仕事って何をしているのか?
 そこで密着取材していました
○タクシードライバーの一日(前半)
 取材したのは、大手タクシー会社のタクシードライバー
 この会社は450台のタクシー、1200人のドライバーを有するそうです。1日を追っていくと…

 ・午前6時、車の整備点検
 ・整備場が忙しく動いているくらいにドライバーさんが出勤
 ・ドライバーさんは制服に着替え、呼気のアルコール量をチェック
  出勤退勤時にチェック、少しでもあればその日は乗れないそうです。
 ・ドライバーが事務所に集合、
  運行管理者の呼び掛けで点呼し、目標金額や注意事項を確認

 ・出発直前にドライバーが自分の車の点検
  18ものチェックポイントがあるそうです

 ・午前8時50分出発

 ここで取材では、東條さんという10年目の優良ドライバーに密着していました。
 この日は午前3時まで働く予定で、次の日はお休みだそうです
 変則勤務は大変そうですが
 「体が馴れれば大丈夫です」

 この日の目標金額は6万円だそうです
 ちなみに、この会社では基本給+歩合給の賃金体制で、
 お客さんを乗せるほど自分の儲けになる仕組み
 会社の売り上げの6割がタクシードライバーの給料になるそうです

 東條さんはお客さんには必ず
 「私○○タクシーの東條と申します」と礼儀正しく挨拶しています
 「気を付けることは?」と聞かれ
 「乗り心地がどうかな、というのと、
  第1印象が大事なので、臭いをさせないこと」などと話していました
 また、降りるときは忘れ物がないかチェック
 傘やスマホなどは忘れやすいそうです

 ・11時、病院の前に行く
  午前の診察を終えた人が並んで待っていたりする
 このように、曜日や時間帯、天候などでニーズを見極めるのだそうです。

 ・お昼、営業所で食事
 ・1時間半の仮眠をしたあと再び出発
  …午前中はここで終わり。

○日本のタクシーはドライバーや会社を選べない
 取材のVTRを見て、ノブさん、大悟さんが
 「東條さんはいいですね」
 「選べるならあの人の車に乗りたい」と話していました

 先生は
 「運転手が分かっていたらいいですよね。
  僕が苦手なのは、クイズ出してくる人です」(笑)
 3人も
 「話したくないときもありますよね」
 と頷いていました

 先生
 「日本のタクシーは流しが中心で、選べないんですよね」
 タクシーをつかまえるには
 ・取り合えず来た空車に乗る
 ・駅などで順番待ちする
 どっちにしても、乗客は来たものを受け入れるしかない
 先生は
 「このため、タクシー会社はせっかくサービスを差別化しても
  価格に反映されず、他社と差がつきにくい」
 と話していました。

○タクシーの料金規制
 又吉さん、千鳥のお二人はタクシーはよく使われるそうで
 「タクシーの移動が多いと、料金が気になりますね」
 という話をしていました
 大悟さんは
 「2~30分乗るだけで8000円いくからね」
 又吉さん
 「8000円やったら新幹線なら大阪まで行けますね」
 しかし、高いが無いと困る場合もある。

 ではなぜこんなにタクシーの運賃は高いのか?
 先生は
 「タクシーの運賃には規制があるからです」

 日本では、国が全国98のブロックに分けて
 そのブロックごとに料金を決めているそうです

 例えば東京23区ではA、B、C、D4段階の値段設定があり
 Aは初乗りが410円、その後は237mごとに80円加算
 Bは初乗りが400円、その後は243mごとに80円加算
 Cは初乗りが390円、その後は249mごとに80円加算
 Dは初乗りが380円、その後は256mごとに80円加算
 各タクシー会社はいずれかを選んで申請するが、
 大概は上限のAを選ぶのだそう

 では、タクシー運賃にはなぜ上限、下限があるのか?
 これは、
  上限があるのは不法な運賃つり上げを防ぐため
  下限があるのは値下げ競争が起きないため …のようです。

 お客さんにとっては安い方がいいから、下限は要らない気がするんですが
 運送業者の場合、値下げ競争が起きると、
 コストを下げるために安全管理がおろそかになる可能性があり
 これは危険につながるのだそうです

 先生は
 「値下げ競争は底辺への競争、ともいいます」
 又吉さんは
 「牛丼屋にもありましたねぇ」
 ノブさんは
 「でも戻ったよね」
 と話していました。
牛丼屋でも戻ったってことは、食べ物もあんまり安いと安全性に問題が出てくるのかな?

○台数にも規制がある
 先生は
 「料金に規制があると、
  会社としてはパイを奪うため、台数を増やすことを考えるかもしれない」

 しかし会社はそれで儲かるが
 過剰にタクシーが増えると運転手一人あたりの売り上げは下がってしまう
 また、道路や駅前にタクシーがあふれてしまう、つまり供給過剰になる
 先生
 「このため、台数にも規制があるんです」

 タクシードライバーが安くこきつかわれないようにするためと、道路の混雑解消のため、
 あんまりたくさんの台数にならないようにしているんですね。

 大悟さん
 「会社はそれでも儲かるの?」
 先生
 「歩合制だからです」
 お客を乗せれば乗せるほど給料が上がるから台数が無くてもドライバーが頑張る、ということかな?

 先生は
 「お笑い芸人の世界も同じじゃないですか?」
 大悟さん
 「そうか、吉本そうや」
 ノブさん
 「芸人増やしてシェアするんやね」
 大悟さん
 「みんなが稼げば大元に入るお金は増えるんだ、
  でもみんなは少しずつ…」
 又吉さん
 「一年目の子とかほとんどギャラが貰えないですもんね」
 (…でも芸人の場合、実力で差別化されるので、低賃金からの脱出は可能だそうです)

○タクシードライバーの一日(後半)
 さて場面は変わり、タクシードライバーの東條さんの密着続きです

 ・22時、夜の繁華街に行く
  金曜日なので会社などの打ち上げが多いそうです
  案の定、二次会のお店への移動などで待っているお客さんが多い
 
  しかし飲み会移動だと、近距離なのであまり稼げない
  そこで流しでお客さんを探すがあまりいない

  …と思ったら、タクシーチケット利用の方がいました
  タクシーチケットだと長距離利用が多いそうで、
  このお客さんも首都高速に入り、7000円越えしたんだそうです
  (ってことは7000円もタクシーに使う人、いるんですね!)

 東条さんは、オフィスビルの明かりを見て、
 ついていたら残業のお客さんがいるだろう、と思うそうです

 ・夜中の2時半、最後のお客さんを乗せる
 ・2時50分に営業所に帰り、洗車
 ・売り上げを納金
  この日は目標を上回る8万円だったそうです

 東條さんは
 「身近な所で接客して、喜んでいただける、
  込み上げるものがあるのが忘れられなくて続けている、
  これからも頑張ります」と話していました

 VTRを見てノブさんは
 「ドライバーにもテクニックがあるんだな、ビルの明かりで読むとか…」
 大悟さん
 「東條さんは相当スキルが高いんでしょうね。
  でもほんまにドライバーさんのおかげで助かった、てのありますよ…」

○ライドシェア
 というわけでありがたい存在のタクシーですが、
 最近はタクシー業界も厳しいそうで
 利用者は減少中、
 ドライバーも1992年のピーク時には年間378万人いたのに(たぶんバブルのころですね)
 今は減って288万人だそうです

 さらに海外では、ライドシェアというサービスが新たに生まれ
 タクシーにとって脅威となっているそうです

 先生
 「又吉さん、ライドシェアはご存知ですか」
 又吉さん
 「同乗ですか?」
 先生
 「惜しい。
  シェア、というのは自家用車をシェアするんです」

 ライドシェアでは、一般の人が車を貸して、運転をする仕組みです
  ・乗りたい人はアプリを立ち上げて、
   移動先や車種などを指定する
  ・一方車を持っていて手が空いている人は
   送迎により報酬を得られる
  …これらの両者をIT技術によりマッチングするサービスが
  ライドシェア、なのだそう

  ちなみにドライバーには評価システムがあり
  その星の数でユーザーはドライバーを選ぶことができる

  ライドシェアは日本では禁止されているが、
  世界80か国で行われているそうです

 先生によると
 「ライドシェアはタクシー会社にとっては黒船みたいなもの、
  ビジネスモデルがタクシーとは根本的に違う」

 というのは、
  タクシー会社では車やドライバーは自分持ち、自前で管理する
  一方ライドシェア会社は、車も運転手も市場から調達する
  彼らは、アプリのプラットフォームを提供するだけ

 つまりコストがかからないんですね。

○レーティングシステム
 又吉さんはライドシェアについて
 「でも怖くないんかなあ」
 大悟さんも
 「女の子とか怖いかもね、何者か分からんし」
 先生
 「運転手を信頼していいかという不安はあります」
 そこでレーティングシステムがあるが
 「それなら、優れたレーティングシステムがあればいい。
  どうですか、レーティングシステムは信用できますか」

 ノブさん
 「半信半疑なところはありますよね、
  自分で書き込んで星たくさんにするかもしれんし」
 又吉さん
 「たくさんの人の判断ならいいけど、5、6人だと不安かも」

 しかし、先生は
 「実は優れたやり方があるんです、
  それは「majority judgment」マジョリティ・ジャッジメント」

 多数派診断法、とも言うそうですが
 先生は
 「でもなんかしっくりこないので「majority judgment」!」
 響きがカッコいいんだって(笑)

 さて名前はともかく、
 やり方を簡単な例で説明しています

 「レストランノブ」と「大悟食堂」という2つのお店がある
 それらの評価を見ると
 「レストランノブ」
  5(とても良い)…1つ、4(良い)…3つ、3(普通)…1つ、2(悪い)…3つ、1(とても悪い)…1つ
 「大悟食堂」
  5(とても良い)…4つ、4(良い)…なし、3(普通)…なし、2(悪い)…2つ、1(とても悪い)…3つ

 あなたはどちらの飲食店を選ぶ?

 又吉さん
 「ぱっと見、大悟食堂が「とても良い」が4つありますよね」
 ノブさん
 「でも「良い」と「普通」がないな。うさんくさい」
 先生
 「たしかにサクラが多そうですね」
 ノブさん
 「「とても良い」4つてのも、
  「悪い」「とても悪い」が多いからヤバイとなって、自分で「とても良い」を増やしたのかも」(サクラ?)
 大悟さん
 「でもノブの方も、知り合いに俺のとこに「悪い」を入れさせたのかもしれないよ」(嫌がらせ?)

 …というわけでどれを信用したらいいのか分からない。
 では「majority judgment」はどう判断するのか?

 これは至ってシンプルで、中央値を取るのだそうです
 この場合は9人ずつの評価なので、いい方、あるいは悪い方から5人目の評価を見る

 するとレストランノブは「普通」
 大悟食堂は「悪い」

 ノブさん
 「ということは、一見大悟食堂がとても良いが多いけど、
  悪いになってしまうんですね」
 大悟さん
 「でもこんなことし出すと、
  何でも平均のふわっといいものになってしまって、個性が…」
 先生
 「そうですよね、僕もそう思います。
  でもそもそもレーティングシステムは大体の良さがわかればいい。
  本来尖ったものとか個性的なものは、レーティングシステムで探すべきではない」
 個性的なものは自分の感性で探せ、ってことかな。

○タクシーの新しいサービス
 最近では、タクシーも変化しつつあるそうです
 ・スマホでの配車サービス
  タクシー業界にもIT化の波が来ているそうで
  2011年にはスマホでの配車アプリが始まっている

  坂井先生の案では
  配車アプリとレーティングシステムを組み合わせれば
  タクシー業界にも活路が見いだせるのでは、とのことです
  「配車アプリにレーティングシステムがあれば、
   利用者もタクシー会社を取捨選択できるようになる。
   そうなると規制緩和して、市場が選ぶことが可能になってくる」
  そうするとタクシー会社もドライバーもご指名制になって、
  サービスで差別化をはかることもできそうですね。

 ・前もって運賃が分かるサービス
  また、お客さんが乗る前に、
  目的地までの運賃が分かるサービスの実験も行われているそうです
  (2017年8月~10月実証実験済)

  これが実用化すれば、乗る前の運賃の不安が解消される、とのことで
  大悟さんは
  「これはずーっと欲しいと思ってました、
   ナビがついてんのになんで金額出してくれんのよ、と」
 たしかにそう。値段が分からないから乗るのためらわれる、ってのある。

  又吉さんは
  「遠回りする運転手さん、絶対いますよね」だそうです。
  「どちらからいらっしゃいましたか、てのは気を付けた方がいい」
  大悟さん
  「俺らみたいに方言丸出しやったりすると…」

  又吉さんは遠回りされたことがあるそうで、
  「前にいつも通ってて、最短ルートも知り尽くしてる所に乗ったら、
   遠回りされたんですよ。
   それで降りるときに運転手さんに「わざとですか」て聞いたら
   「すんません」って」(笑)
  ノブさん
  「認めたんだ」
  又吉さん
  「「○○通りの方が速かったですかね」って。
   いや知ってるやん、て」(笑)

 ・知らない人との相乗り
  先生
  「さらに、今検討されているのは、知らない乗客同士の相乗りです」
  大悟さん
  「それはいらんな…」
  先生
  「要らないですか、でも値段を下げたい人にとってはいいんですね」

  又吉さん
  「相乗りの場合、料金の分担はどうなるんですか」
  先生
  「気になりますよね、
   それをこれから、経済学の費用分担理論からお見せします」

  例として
   お台場→汐留→六本木→赤坂  のルートを考えていました

   このルートでタクシーに又吉さん、ノブさん、大悟さんがお台場から相乗りする
   最初に又吉さんが汐留で降り、ここまでで3000円
   次に残った2人で乗り、六本木でノブさんが降り、ここまでで6000円
   最後に大悟さん1人で乗って赤坂で降りる、ここで9000円

  さて3人の分担はどうなるか?

  ノブさん「3等分?」
  又吉さん「でも僕は汐留までですよ」

  …などともめた末
  又吉さん
  「汐留までの3000円は3人だから、それぞれ1000円、
   そこから六本木までの3000円をお2人で割って1500円だから、
   ノブさんは合わせて2500円ですよね、
   大悟さんは残りの5500円でしょ」
  ノブさん
  「おお、なんかしっくり来るな」

  先生
  「又吉さん、お見事です、正解です」

  これを経済学では「シャプレー値」というそうです
  シャプレー値、とは
   協力した人で利益や損失を公平になるように分担する方法、
  (ロイド・シャプレーさんが考えたのでこの名前らしい)
   タクシーの場合は、協力して安くできた分を公平に分配する方法だそうです

  (シャプレー値、はゲーム理論の一つだそうです。
   貢献度、利益、損失などを客観的に数値化することができるので、
   交渉事などには便利なようです
   http://gametheory.jp/page.php?id=84
   (「ゲーム理論入門」というサイト)
   では、会社の合併による貢献度を金額で示す、というやり方が書いてありました。
   普通の合併交渉だと、大会社が、小さい会社の貢献を一方的に持って行ってしまうことが多いが
   この方法であれば、互いの貢献度を正しく認識、主張できるのだそうです。
   このように、貢献度、利益、損失などを認識する方法を知っておく、というのは
   何かと便利そうですね)

  しかし大悟さんは
  「わしが最後やからかなぁ、なんか納得いかんな」と不満そう。
  「もしかしてお台場から直接赤坂行ったら、
   9000円より安かった可能性もあるわけでしょ?」
  ノブさん
  「めんどくさいなこいつ」(笑)

  先生は
  「ノブさんがめんどくさい、と言っていただいてありがたいんです、
   それを考えるとめんどくさいんですよね…」(笑)
  この場合、別のルートのシャプレー値も出して、合わせて考えないといけないそうです
  又吉さん
  「それなら、別ルートの値段とも比べて、
   5500円が大悟さんの納得できるくらい安ければいいんですね」

  先生によると、
  この相乗りシステムは2017年度中に実証実験の実施予定だが、
  まだ料金システムは決まっていないそうです

  先生
  「又吉さん、もしこのシステムがあれば使いますか」
  又吉さん
  「うーん…」
  大悟さんは
  「使うわけないやろ」「この男が知らん人と相乗りして帰るわけない」
  とボロクソに言ってましたが(笑)
  
  「週刊誌が写真とりにくくなるかもね。
   誰と乗っても相乗りです、て」
  「そういう逃げ方ができるんかな」
  という話をしていました

○まとめ
 又吉さん
 「どうでしたか」
 ノブさん
 「色々勉強になりました
  タクシー会社とわが吉本が似ているとか…
  運転手さんの頑張りも…」

 又吉さん
 「色んなことが変わっていきそうですね」
 先生
 「日本もタクシーが流し主体じゃなくて、会社主体になると、
  差別化をはかるための色々なアイデアが沸いてくると思います」
 とまとめていました

〇感想など
・ライドシェア、は
 ・利用者にとっては配車が楽、タクシーより安い
 ・電子マネーが使えるので支払いが楽
 ・車と労働提供者にとっては、空いた時間の小遣い稼ぎになる
 といいことづくめに感じるんですけど、
 何かデメリットはあるのかなと思って調べてみました

 http://money-academy.jp/uber-trouble-taxi/
 (「それでもあなたは利用する?トラブル続きの配車サービス「Uber」」という記事)
 http://boss-online.net/issue-2017-10/article-1114
 (「問題山積のライドシェア 断固反対を訴えるタクシー業界」という記事) 
 https://crediblecar.life/technology/uber-stop-rideshare/
 (「Uberが停止した「ライドシェア」はトラブルの元?それとも社会構造を変革する救世主か」という記事)
 https://share.jp/interview/rideshare-sabetto-interview/
 (「ライドシェアが普及しない理由とは? 社会的背景と国民性を探る」
  一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局長である佐別当隆志氏のインタビュー)
 http://kazuyan.hatenablog.com/entry/2016/07/28/133000
 (「BlaBlaCarにカーシェアリング事情について教えてもらった!!!」という記事)
 などの記事をまとめますと
 
ライドシェアの問題としては
 ・乗客の安全性の確保
  乗客にとっては、事件や事故に巻き込まれる危険。
  海外では、薬物を盛られたり、性暴力被害を受ける、飲酒運転される、
  という例があったそうです

  タクシー会社だと、ドライバーの身元も管理できるし、
  運転前のアルコールのチェックや体調管理も会社がするので保証がある。
  個人の場合、個人の責任に任されるのが不安ですね。

 ・ドライバーの安全の確保
  保険などはドライバーの自己責任、
  事故があったときはライドシェア会社は何も責任がない

 ・ドライバーの労働条件が保障されない
  ドライバーは、車両の経費は自己負担、
  社会保障制度もなく福利厚生もないという厳しさがあるそうです。
  つまり、しんどくても自分で全部やらねばならない、休みや最低賃金の保障もない。
  収入確保のため、ダブルワーカーで無理して働いている場合もあるので
  居眠り事故とか、事故があったときどうするのか、という問題にもなるようです

 また、番組では、現在日本はライドシェアが禁止、という話がありましたが
 ライドシェア大手ウーバーの試験運行が、今年2月福岡県で行われたそうです

 これは「みんなのウーバー」というサービスで、
 具体的には、利用者はスマホのアプリで希望の場所を指定する
 そのときシステムに参加しているドライバーが近くを走っていれば、タクシーのように送迎してくれる
 …というもの
 利用料金は無料だが、
 ドライバーにはデータ収集に協力した報酬として、ウーバーから報酬が支払われる仕組み

 しかし結果的には、国土交通省から中止が入ったそうです
 理由としては、報酬があるのは有償運送(白タク行為)になること、
 額も経費分以上の大幅な額だったケースがあったそうです。
 (ドライバー募集の広告も「儲かりますよ」的なものだったらしい)
 それからドライバーの自動車保険の問題、
 トラブル時の裁判は海外で行う契約内容で、
 これでは利用者双方の安全が確保できない、と国は考えたようです

 …というわけで、日本では導入までの道のりは長そうですが
 これは海外と日本との歴史的な違いや国民性の違い、というのもあるみたいです

 海外では、タクシーの数が足りていないため、タクシーに代わる足の需要があったこと、
 もともと乗り合いが推奨され、ライドシェア的な乗り方には抵抗がなかったこと、
 そしてこれにIT技術の進歩があった、ということで普及したようです
 また、ぼったくりの懸念については、
 海外では高速代やガソリン代、駐車場代など根拠のある額を提示すれば問題ない、
 という了解があるようです

 しかし日本の場合、タクシー料金や台数は、
 市場に任せるのではなくむしろ国が規制していた歴史がある。
 これは規制というか、利用者を守るため、という意味合いが強かったようです。

 というのは、日本でタクシーが始まった頃はドライバーと利用者が直接料金を交渉していた
 しかしこれではボッタクリもあるので、
 それを防ぐために運賃メーターと統一料金を導入した
 また、ドライバーの営業区域を決めているのも、
 一ヶ所にタクシーが集中しないようにするため
 それからタクシーには特別な二種免許が必要なのも、ドライバーの質を保証するためだった

 日本のタクシー業界の主張としては
 タクシーがライドシェアより高いのは、
 運転手に二種免許を取らせる費用や、
 アルコールチェックや車の整備費用などの経費がかかるから、というのがある。

 利用者側としても、全く見知らぬ人と密室で一緒、というのは怖いと考える人が多い

 つまり、日本の場合、利便性より安全性を重視する気持ちが強いし、
 都市部をのぞけばタクシーがそんなに足りないわけでもない。
 そのために慎重にならざるを得ないところがあるのだろう、と思われる。

 とはいえライドシェアは、又吉さんが最後にしていたように
 いろんな変化をもたらしそうです。

 1つはタクシー業界の変化。
 タクシー業界としても、ライドシェア全否定ではなく、
 いいところは見習おう、という動きはある。
 後半で紹介されていた
 ・配車アプリの導入
 ・事前確定運賃の導入
 などはその現れだろうし、
 タクシーのライドシェア的な乗り方が、
 過疎地域での乗り物手段としても活用できそうな期待もあります。

 そしてもう1つはライドシェア会社側の変化。
 最近はライドシェア会社も多様化しているらしく、
 ウーバーとは別タイプのものもたくさん出ている。
 そのうち、ヨーロッパではウーバーよりも人気なのは
 「ブラブラカー(blablacar)」だそうです
 
 これは、相乗りみたいなサービスで、
 長距離移動や旅行など、目的地に自家用車で移動する人が、
 同乗する人を募集する、というもの
 
 ウーバーと何が違うかというと、
 こちらはドライバーは営利目的ではなく、
 あくまで自分の用事のついでにほかの人も乗せてあげる、というもの。
 儲けを狙うというより、一緒に旅を楽しもうよ、という感じらしい。
 このため報酬は少ないが、
 それでガソリン代や高速代も浮くし、エコでもある、旅の連れもできるということで 
 満足感を得る人が多いらしい

 こちらでも安全性は問題になるが、
 「blablacar」では、身元確認をきちんとする仕組みを作ったり
 保険会社と共同でライドシェア特化型保険を作る、などの取り組みをしているそうです。
 (https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171026-00010003-dime-sci
 
 日本では同様のものが「notteco」という会社が行っているそうです
 こちらは保険は自己責任だそうですが、身元確認はきちんと行っているようです。
 過疎地域では取り入れる動きもあるそうで、
 北海道天塩町で実証実験が行われているそうです。

 そういえば、うちの地域は過疎っていうほど田舎ではないが、
 コミュニティバスに乗る人が少ないのか、
 いつの間にか定期便から予約制タクシーになっていました。
 今後はこれが、ライドシェアというか相乗りバスみたいになっていくんかな…とも思いました。

 しかしこういう仕組み、病院の診察に行きたいお年寄りとかに良さそうだけど、
 そこまでお年寄りにスマホなど使いこなせるかは不安なので、
 もし過疎地域に導入するなら、使いやすいシステムも開発してほしいな~と思います。

・マジョリティジャッジメント、はシンプルだけど面白いなと思いました。
 以前多数決の回で、多数決も完全ではない、やり方によっては結果が変わってしまう、
 というのがお笑い芸人3組への投票で示されていましたけど
 好みって人それぞれなので、
 評価システムも完璧ではなく、見る人の読み方によっては判断が変わるんかもしれないなと思いました。

 ならば平均を出せばいいのではないか、と思うんだけど、
 好き嫌いが極端に分かれそうな店の場合だと問題になるのかな。
 そういう店は、好きでハマる人はめちゃんこ高い点をつけるだろうけど、
 数としては少なくて、敬遠する人が大多数、という場合だと
 平均よりも中央値を取る方が、よりましな評価が出るんかな…と思ったりしました。

 ちなみに私はひねくれものなので?本でも店でも、悪い評価の方から読みます。。
 どのポイントが気に入らないのかを見て、
 それが自分にとってダメかどうかで判断します。

 ライドシェアとかタクシーって関係ないんかな~と思っていたけど
 いろいろ勉強になりました。
 うーん、でも自分がライドシェア使うかは微妙…
 (海外の旅行先とかならいいけど、日常生活では怖いかも)

 というわけで今回はこの辺で。
 
posted by Amago at 11:24| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする

2017年12月01日

Eテレオイコノミア「足りない!どうする?欠乏の経済学」

Eテレオイコノミア「足りない!どうする?欠乏の経済学」

今回は欠乏の経済学。
講師は慶應義塾大学の中室牧子先生、
ゲストはフットボールアワーの岩尾さんでした

○街頭インタビュー「あなたの足りないものは何ですか?」
 冒頭では、
 「あなたの足りないものはなんですか?」という街頭インタビューがありました。

 「お金」
 という答えもありつつ
 一番多いのは 「時間」だったそうです
 「バイトしたいけど、勉強もしないといけないし、遊びたいし…」という学生さん、
 「就活の準備をしたいけど時間が足りない」という男性など。

 「足りないとどうなりますか?」
 「焦って余裕が無くなる、パニックになる」

 他には愛情、恋人、友人、ゆとり…などの答えもあったそうです

○欠乏の科学
 先生はまず
 「お二人とも、足りないものはありますか」

 岩尾さん
 「この二人だと覇気?(笑)
  綾部とか後藤みたいなのがほしい」
 とボケつつ(笑)
 「足りないものっていったら足りないものだらけですねぇ…
  髪の毛の量も足りてないし(笑)
  こんな顔だからルックスも足りてない」

 又吉さんは
 「色々ありますけど、時間ですかね」

 先生
 「欠乏は英語でいうとscarcity 、稀少性とも言います。
  経済学は、元々は限られた資源をどう配分すれば人々が幸せになれるか、
  を考える科学なので、
  欠乏の科学は元祖経済学でもあります」

 そして、従来の経済学では、モノやお金の物的資源の配分を考えてきたが
 最近では心的資源の配分も注目されているそうです

 その研究を行ったのが
 ハーバード大学のセンディル・ムッライナターン氏と
 プリンストン大学のエルダー・シャフィール氏
 (「いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学」という著書も出しておられます
  …私は読んだことないけど。)

〇欠乏感が起こす「集中力のボーナス」
 心的欠乏の研究によれば、
 人は欠乏すると、ある共通する心の状態(マインドセット)になるそうです

 先生
 「例えば岩尾さん、欠乏している、と感じるとどうなりますか」
 岩尾さん
 「髪の毛の欠乏…(笑)外に出たくないですねぇ。
  もっとシュッとした顔にならないかなぁ、とか…」
 先生
 「又吉さん、締切まであと1時間のときどんな気分になりますか」
 又吉さん
 「もうそれしか考えられないですね」

 先生
 「おっしゃる通りで、
  人は欠乏している、と感じると
  欠乏しているものに関心が向けられてしまい、
  それで頭がいっぱいになってしまう」
 「しかしこれは悪いことばかりではないんです、
  それを実感していただくために簡単な実験をします」

 実験は簡単な玉入れゲームでした。
  ・5メートル先のザル(浅いもの)に玉入れの玉を入れる
  ・ザルに入ったら10点、近くなら5点、少し離れたら3点。
  ・オーバーしたりあまりにも距離が足りないと0点。

 最初は岩尾さんに3個、又吉さんに10個の玉を渡しています
 岩尾さん
 「MC優遇みたいで嫌やな」(笑)

 しかしともかく実験を行います。
  又吉さんは1回だけ0点、残りは5点で合計45点。
  岩尾さんは一回だけ0点、残りは5点で合計10点。

 次に、又吉さん3個、岩尾さん10個渡して同じゲームをします。
  すると岩尾さんは3回5点で合計15点、
  又吉さんは5点1回、なんと10点も1回。

 次に、1玉あたりの平均点を出すと
 又吉さんは1回目(10玉)4.5点、2回目(3玉)5点
 岩尾さんは1回目(3玉)3.3点、2回目(10玉)1.5点。

 つまりどちらも、10回投げるよりも、3回だけ投げる方が点が高い
 又吉さん
 「たしかに3回だけだと、3回しかチャンスがないから集中しましたね」

 先のムッライナターン氏らの実験でも同様の結果で、
 持ち玉の数が少ないグループの方が、
 高得点となり集中力もアップしたそうです

 先生
 「テストの前とか締切前など、そんなことありませんか?」
 岩尾さん
 「たしかにいくら時間かけてもいいから最高のネタ作れと言われても作れない、
  この日まで、て言ってくれた方がいい」

 このように、締め切り前のラストスパートで素晴らしい結果が出ることを
 「集中力ボーナス」というそうです
 火事場のクソ力、みたいなもんですかね。

〇トンネリングとジャグリング
 しかし、集中力ボーナスは負の面もあるそうで
 「脳の処理能力に負荷をかけることにもなるんです」
 このため、正常に判断できず、間違いを起こしてしまう

 「これをトンネリング、と言います」
 トンネリング、とは
 何かに集中しすぎることで、他のことに注意を向けられなくなること
 トンネルに入る前は外の景色も見えるが、
 入ると出口以外は見えなくなることから来ているようです

 又吉さん
 「原稿とかの締め切り前は、たしかに他のことがおろそかになりますね…
  友達の誘いも断るし、好きな人もできない」
 つまり、ほかの締め切り、緊急でない約束を後回しにしてしまう。

 しかし岩尾さんは
 「あんまりそういうことはないですねぇ」
  デートしていても、はたからみたらどうなんだろうとか気にして、
  相手に夢中になるとかはないらしい
 「岩尾さんしか見えない、とかなりたいですねぇ」(笑)

 岩尾さんはそうかもしれないんですが、
 先生によると、トンネリングが行き過ぎると
 「ジャグリング」
 になってしまうのだそう

 ジャグリング、とは、たくさんの球を次々に投げて
 次々に素早く受けて、また次々投げる…というパフォーマンス。

 我々は色んな締切を抱えているとき
 トンネリングに陥って、目の前の締切だけに追われていたら、
 気づけば別の次の締切がもう目の前だった…ということになる
 そうなると目の前の締切をこなすだけになってしまい
 計画的に物事を進められない

 これをジャグリング、と表現しているのだそうです

 又吉さん
 「そうですね、1ヶ月とか時間かけてやるべきものが、
  数日でさっとやらざるを得なくなっちゃったり…」

〇トンネリングに陥らないコツ
 しかし岩尾さんは
 「そこまではないですねぇ、あれもこれも、とかはない」
 又吉さん
 「ライブの前とかテンパったりしないんですか?」
 岩尾さん
 「集中はしてても、トイプードルが来たら、わぁかわいい、てなっちゃう」
 岩尾さんには愛犬のトイプードル「つくし」くんがいるそうです(笑)

 しかし先生によると、
 これがトンネリングから抜け出すヒントになるかもしれない、とのこと

 「マシュマロテスト、という有名なテストがあるんですけど…」
  マシュマロテストとは、
  4歳くらいの子の目の前にマシュマロ1個を置いて
  「15分食べずに我慢できたらもう1個あげるよ」
  と言って実験者が出ていく
  一人取り残された子供が15分我慢できるかを見るテスト
  (心理学では有名なテストで、
   これが我慢できる子は生涯にわたって社会的に成功する人が多い、
   とかいう結果だったと思います)

 「このマシュマロテストでは1/3の子供が我慢できたんですが、
  その子達は待っている間、マシュマロのこと以外を考えていたんですね」

 つまりトンネリングにはまりそうになったら
 それ以外のことに注意を向けるといいかもしれないそうです
 「岩尾さんも、わんちゃんに気をとられていたから、
  トンネリングを起こさないで済んでいたのかもしれないですね」

〇欠乏、トンネリング、ジャグリングの悪循環
 先生がここまでをまとめると
 欠乏している、と感じる
 →集中ボーナスがもたらされる
 →しかし処理能力が低下する
 →トンネリングに陥る
 →ジャグリングになる
 →さらに欠乏して慌てる…

 という悪循環になるらしい

 又吉さん
 「なるほど、たまには集中する状況を作ってもいいけど、
  これが続くと良くないんですね」

 先生によれば、
 お金の欠乏についても同じで
 お金がない人が何かの支払い期限があって、
 トンネリングになってサラ金に手を出すと
 当座はしのげるが、気が付くと次の返済期限が来てジャグリングになってしまう

 岩尾さん
 「2回目3回目のループに入っちゃうこともあるんですか」
 先生
 「そうですね」
 借金が火だるま式に膨らむ…というのは怖いですね~

 「又吉さん、時間が足りない、と言っていましたけどどうですか」
 又吉さん
 「時間についてはこうなってますね。
  よくよく考えれば断れば良かっただけなのに、
  3ヶ月ならいけるかと思って受けてしまって出来なくなって。

  そうすると今度は周りに腹が立ってくる(笑)
  何でこんなことさせんねん、できるわけなけないやん、て。

  でもそれって処理能力が低下してるんですよね、
  もとから断れば良かった、自分が受けたんでしょ、てことなのに…」

 岩尾さん
 「じゃあ、これ(オイコノミア)もう降りる?」(笑)
 又吉さん
 「いや、締め切りだけの話ですよ」(笑)
 又吉さん、オイコノミアはやめないでね。

○貧困問題も、欠乏の悪循環
 先生によれば、欠乏の悪循環は誰にでも起こりうるそうです
 中でも貧困、お金の欠乏は大きな社会問題の1つ。
 そして、中室先生はフィリピンの貧困世帯について、2年間研究されてきたそうです

 舞台はマニラから北東20キロのケソン市というところ。
 ここのパヤタス地区にはごみ集積所がある

 ここでは、資源ごみを拾ってリサイクル業者に売り、生計を立てる人たち
 (スカベンジャー)
 が多く住み着いているそうです
 これは貧困世帯の人たちが多い

 しかし彼らの家はバラック小屋のようなもので
 2000年には崩落事故が起き、300人以上が犠牲になったそうです
 安全もだけど、衛星状態も悪そう…

 さらにここには小さい子供も住んでいて、
 彼らもスカベンジャーとして働かされており、
 学校にも行けず、貧困の連鎖が続いている

 この地域を支援してきたNPO組織が
 (調べたら、ソルト・パヤタスという組織だそうです
  http://www.saltpayatas.com/aboutorg/aboutpayatas
  寄付や現地体験ツアーなども企画されているようです)
 中室先生や東大の澤田教授らに依頼し、
 この地域の子供たちの教育を支援したり、
 親の意識改革を促したりする共同プロジェクトを行ってきたそうです

 「なぜここにごみの埋め立てがされているんですか」
 先生
 「ごみの焼却にはお金がかかるので、
  発展途上国では埋め立て処理をするところが多いんですね」
 このため、埋め立てごみから売れるものを探すスカベンジャーも集まるんだそうですが

 先生によれば
 「2年の調査で、彼らは欠乏のワナに陥っていることが分かった」
 とのことです

 それによると、
 彼らはお金がないため、その日その日を暮らす生活に集中してしまう。

 例えばシャンプーは、
 彼らは1回ずつ小分けしてあるものを買うのだそうです。
 私たちの感覚で言うと、小分けって割高だな…と思うんですけど、
 彼らはボトル1個分を買うお金がないから、
 その日使う分だけを小分けで買ってしまう
 「すると結局、同じ量でもボトルで買うより2倍3倍の値段がかかってしまうんです」

 しかもこの生活が続くと、
 計画的にお金を使う習慣が身に付かず、
 少しでもまとまった収入が入ると
 使い方が分からずに
 お酒とかタバコ、ギャンブルなど
 目の前の欲望を満たすことに使ってしまう

〇欠乏の悪循環は自己責任ではない
 そして先生によれば、支援をするとき問題になるのは
 これが「自己責任だ」
 と言われることなんだそうです

 「彼らは自制心や能力ががないから貧困になるんだ、と言われるんですけど、
  実は因果関係が逆なんじゃないか、と」

 つまり、自制心がないから貧困になるのではなく
 貧困だからその日のものを買うだけ(トンネリング)になり
 計画的に購入計画を立てられない(ジャグリング)
 先々のことを考える習慣がない、将来を考えることを知らないから、自制心が弱るんじゃないか…
 そう考えると、アプローチの仕方が変わってくる、とのことです

 岩尾さん
 「シャンプー10日我慢すれば
  臭いかもしれんけど我慢すればボトルに変えられるよ、
  と誰か教えてあげればいいんですね」
 先生
 「おっしゃる通りで、
  子供たちが教育を受けてお金を貯蓄すれば生活が良くなるよ、
  という情報を提供すること、
  将来の利益を考えてもらうことが大事なんです」

 そこで中室先生たちは
 地区の子供を集めて教育支援すると共に
 親にも長い目で見ればその方が得だ、
  例えば年間の授業料は8000ペソだが、
  学校を出れば年間10000ペソの収入が得られる、など…
 といった情報を提供しているのだそうです

 また、貯金の習慣をつけるために、貯金箱も用意しているのだとか。

〇人間は1回言っただけではすぐ忘れる
 それから
 「情報の提供は1日だけでは効果がないんです。
  すぐにトンネリングに陥って貯金がおろそかになってしまう」
 このため
 「リマインダー」
  忘れそうなことを思い出させる知らせ
 が必要なのだそう

 具体的には、この地区では、週1回の子供たちへのプログラムのときに
 「毎日25ペソためたら1年でお金が9125ペソたまり、学費が賄えますよ」
 ということが書かれたチラシを毎回配っているそうです

 「人間は1度言っただけではすぐ忘れる、
  繰り返しのリマインダーが必要なんですね」
 リマインダーにより貯金が6%上がる、という海外の研究結果もあるそうです

 先生も
 「私のスケジュール管理は秘書さんがしてくださるんですけど、
  秘書さんを雇う前は締切までやらなくていいやとか思っていたけど
  今は秘書さんがリマインダーになってくださるので
  あれ?心入れ換えたんですか?とか言われます(笑)」

○余裕を常に設けておくこと
 冒頭のインタビューでは
 足りないものが
 「余裕」
 と答えていた人もいました。

 そして、トンネリングを起こさないカギになるのも余裕、なんだそうです

 これは英語で
 「スラック(slack)」
 意味としてはロープなどの緩み、たるみ。
 使われていない余裕の資源を刺すのだそうです

 ある研究には
 「欠乏してトンネリング、ジャグリングになっても
  スラックがあれば対処できる」
 という結果があるそうです

 ここで紹介されていたのは、
 アメリカミズーリ州の、セントジョーンズ地域医療センターの事例でした。
 
  この病院では32の手術室があり
  いつも患者でパンパンだったそうです
  そこへ急患が入ると、
  キチキチの予定を組み直さねばならなくなるので大慌て、
  残業やミスもあったそうです

  そこで専門家に改善方法を仰ぐと、解決法は
  「手術室を常に1つ空きにしておくこと」という意外なもの
  急患用に1つは確保しておくように、ということらしい
  
  病院側は、ただでさえキチキチなのに…と、半信半疑でそれを試してみると、
  急患が来ても予定を組み直す必要もなく
  効率が上がり、ミスも減った
  使える部屋を減らしたはずなのに、手術件数も7~11%アップしたのだそうです

 又吉さんは
 「岩尾さんがあんまりワナにはまってなさそうなのは
  スラックがあるんですね」
 岩尾さん
 「うちは裕福じゃなかったんですけど、
  公務員なんでお金にはそんなに困ってなかったですね。
  一人っ子だからお年玉貯金とかしてくれてあって、
  売れないときでも100万とか貯金があったんですよ、
  で、そのうちテレビにも出られるようになったので、
  お金がない状態はあんまりなかったかも…」
 
 気持ちに余裕がある、ということなんですかね。
 又吉さん
 「良いですね、判断能力が低下しない…」
 岩尾さん
 「逆にいうと、この仕事だと冷静すぎておもんないかもしれないですね」

 さらに最近は、つくしくんがいるのでそんなに寂しくもないのだとか。
 「見た目こんなんなんでモテないし、40過ぎて彼女も友達もいないから
  他人からみたら欠乏だらけかもしれないですけど
  犬がいるからそれを埋め合わせてくれますねぇ」

 又吉さん
 「一人っ子だというのもあるんですかねぇ」
 岩尾さん
 「そうですね、食べたいものも一人だったし」

 確かに、同じ状況でも
 「まだこれだけある」と思うか
 「もうこれしかない」と欠乏感でカツカツするか…
 欠乏感って主観的なものだから、それは育ちとか性格にもよるのかも。

〇まとめ
 先生
 「今回は、欠乏のワナは誰にでも起こりうる、
  ということを言いたかったんです」
 又吉さんも、時間に関してはワナにはまっているようでしたね…

 それからフィリピンの貧困の話については
 「どう制度設計して、社会をより良くしていくべきか
  それを考える1つのヒントになればと思って紹介させていただきました」

 又吉さんは
 「岩尾さんの余裕を見習わないといけないですね。
  僕は断ったらあかんと思っちゃうんですよね、
  断って2度と声かからんようになったらどうしよう、とか…」
 岩尾さん
 「僕も断りまくってるわけじゃないですよ…
  そこまで欲されてないんですよね。
  そういう意味では、もっと岩尾、という需要が欠乏しているのかも」
 又吉さん
 「でもその方が、1個1個の仕事の精度は高まりそうですね」

 又吉さん
 「そう聞くと、岩尾さんにはスラックがあって、
  僕のやり方ではないのがよくわかりますね」
 先生
 「又吉さんも1日なにもしない日を置くのも大事なんじゃないですか?」
 又吉さん
 そうですね、そうすれば急なことにも対応できるかも」
 …というやりとりで終わっていました

 又吉さんの経済ポエムが良かったので紹介させていただきます
 「詰まった本棚には 新しい本は入らない」

〇感想など
 トンネリング、ジャグリング、セントジョーンズ医療センターの例などは
 「いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学」
 という本に載っているみたいです。
 (一部だけ閲覧できるサイトに載っていました)
 この本は貧困問題への解決や、企業の無駄と必要コストの見極め、
 などに使えそうなヒントがある本だなと思います。時間があれば読んでみたい。

・今回目からウロコだったのは、貧困層に対する認識でした。
 私もどこかで「貧しい人は努力してないから貧しいんじゃないか」と思っていたような気がする。
 でも実は因果関係が逆で
 「貧乏だから余裕がなくなって、能力が低下していくんじゃないか」
 「教育を受けてないから、効率的なお金の使い方が分からないだけではないか」
 という指摘はなるほどと思いました。

 でも私みたいに、「貧乏人は努力していない、能力がない」
 と思い込んでいる人、世の中には多いんじゃないか、と思います。

 例えば以前見たドキュメンタリーで思い出すのは、
 アメリカだったか、富裕層が
 「我々は努力して今の富を築いた、貧困な人たちは努力していないのに
  なんで我々の税金で助けてやらないといけないんだ」
 みたいな発言をしている人もいたし

 あと、フランスでなぜ極右の移民排斥政党が支持されているのか?を扱った番組では
 もともと、移民や貧しい人への援助活動をしていた人でも、
 移民たちが生活保護費でお酒を買って飲んだくれているのを見て、
 それに失望して極右に走る…
 といった例もありました。

 これらは
 「貧困層を助けてあげても、もともと怠け者だから働かないんだ」
 「貧困層は能力がない、能力がない人を助けたってお金の無駄」
 みたいな差別意識が裏にあるのかなあと思う。

 でも実は、生活保護費でお酒買うしかないのも
 「貯金して、教育などに投資すればもっといい生活ができる」
 ということを知らない、
 あるいはそういうチャンス自体が無いから、なのかもしれない。
 彼らを批判するのではなく、
 彼らが有効にお金を変えるように、制度の方を変えないといけない。
  例えばお金の使い方を教える、お金がたまったら通える学校を作る、ビジネスチャンスを与える、など。
 
・また、貧困層に対するそういう意識は、日本人も例外ではないようです。
 以前「もしマタヨシ国が生まれたら(市場編)」の回で紹介されていた話では
 「「自力で生活できない人を政府が助ける責任はない」との問いに対し、
  日本人は38%がイエスと回答した」
 というアメリカのシンクタンクの結果があるそうです
 つまり貧しい人を国が助ける必要はない、と考える日本人は4割近くもいる。

 これらの意識が起きるのはなぜなのかな…と思ったのですが
 少なくとも日本に関しては、
 昔はみんな同じような教育を受けて、同じような仕事、同じような生活をしていた人が多かったから、
 なのかもしれない。
 だから、同じ教育を受けているのにできない人は、単に怠けてるんじゃないの?
 と思ってしまうのかもしれない。

 でも今は変わってきているのかな、と思います。
 「相対的貧困」の番組や本を見ると分かるけど
 教育にしても、最近は選択肢が増えていて
 お金に余裕があれば、何かのプログラムや教室、特別な塾にも通えるし
 最新の機械とか本も買えるけど
 そんなに所得が高くない家だとそれもできず、
 つまらないテレビを見て時間を過ごすだけになってしまうかもしれない。
 そうなると、将来とか仕事、有効なお金や時間の使い方について考える機会も無くなるのかもしれない。
 
 貧困層に対して
 何でそんなところにお金使っちゃうの?
 使い方間違ってない?
 と批判するのは簡単だけど、その批判をわきによけて
 「彼らは、単に知らないだけなのかもしれない」
 「余裕が無いから考えられてないんだろう」
 と思ってみることが第一歩なのかなと思いました。
 そうすれば、争いとか差別もなくなるし、
 何か対策をとって、貧困層の人たちが能力を活用できれば、社会にとってもハッピーだし。
 
 それにしても、教育とか情報って重要だな~と思います。
 金銭的に援助するのは簡単だけど、
 教育や情報とセットじゃないと単に怠けさせるだけなんですね。
 せめて子供には、生まれには関係なく平等に教育が受けられる世の中になるといいですね。。
 うちの子には「勉強はしといた方がいいよ、どっかで役立つよ」とよく言っています。。

今回は岩尾さんのユルさがなんかいいな~と思いました。
私もトンネリングに入りそうになったら、
つくしくん(岩尾さんじゃなくて(笑))を思い出そうかな。。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 11:41| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする

2017年11月24日

Eテレオイコノミア「楽しいだけじゃない!?遊園地・テーマパークの経済学」

Eテレオイコノミア「楽しいだけじゃない!?遊園地・テーマパークの経済学」

今回は遊園地やテーマパークを散歩して、
経済学の視点で見てみる、という試みでした。
講師は大竹先生です。

○今回の舞台
 最初、又吉さんと先生が釣りをしています。
 しかし
 「先生、これどう見てもプールですよね」

 全体を見ると、たしかにプールでした。

 実はここは都内の遊園地です
 (NHKなので名前は出てませんが、あとで調べたら練馬区のとしまえんでした。)
 この遊園地は去年度訪れた人95万人のうち、
 30万人は夏のプール客だったそうです
 そこで、プールのない時期にもお客さんに来てもらうため、
 7年前から冬はプールを釣り堀にしているんだそうです
 (9月後半~5月前半)

 又吉さん
 「すごい発想ですね」
 先生
 「釣ったお魚は持って帰ることもできるし、ここで調理して食べることもできるそうですよ」

 そこへ
 「釣れた!キタキタキタキタ!」
 と釣りをする方が…

○今回のゲストのレッド吉田さん
 今回のゲストのレッド吉田さんでした。
 遊園地については、
 「年に1、2回くらいは行くんですけど、
  けっこうな値段なので、手前のコンビニで割引券を購入してから行くんです。
  うちは子供5人なんで、家計が逼迫してる…」
 だそうです

○遊休資産の利用
 さて先程のプールを利用した釣り堀の話に戻りますと
 これは経済学的には
 「遊休資産を有効利用している」
 と言うのだそうです
 遊休資産とは、持っているのに使っていない資産

 先生
 「ここでは、ロッカールームもフットサル場に使ってるんですよ」
 ロッカールームがフットサル場?
 て思ったんですが、たしかに映像で見たらその通りでした。
 どんだけ広いんですか~

 先生によれば
 「これは範囲の経済、と言います」
 範囲の経済、とは
 同じ資源や技術を使って複数の事業を展開することで、
 生産性を増やすこと、

 だそうで
 コンビニが、ATMを置いたり宅配サービスの窓口になったりする、
 ビール会社が医薬品事業をする、
 などもそれに当たるのだそう

 吉田さん
 「ビール会社が医薬品?」
 先生
 「発酵技術を使うんです。
  同じ設備や技術で違うものを作るんですね」
 又吉さん
 「スポーツで言うと、サッカー部の人が陸上の大会に出られるようなものですかね」
 吉田さん
 「昔メジャーリーガーがアメフトの試合に出てました、それもそうですか」
 先生
 「そうですね」
 又吉さん
 「人やモノだけじゃなくて、技術も利用するんですね」

 先生は
 「又吉さんがお笑いと小説をしているのも範囲の経済ですよ。
  お笑いで培った技術を文章を書くことに使っている」
 なるほど。人にも使えるんですね。
 色んな所に別の才能を応用できるから、マルチな人はマルチなのかな。
 又吉さん
 「たしかにそうですね、ネタを考えるときにノートに書いたりするけど、
  それは小説を書くときに役に立ちました」
 先生
 「でも又吉さんがパイロットになろうとしてもその技術は使えないですよね。
  だからここでは、プールやコインロッカーという遊休資産を、業者にレンタルしています」
 やれることはやり、やれないことは委託する、ということですね。
 吉田さん
 「無理をしてないんですね」
 又吉さん
 「無駄が無いですね」

 (「範囲の経済(economies of scope)」
  というのは言葉だけ聞くと感覚的に分かりにくいな、と思いましたが
  「経済用語辞典」などを見ると
  「規模の経済(econmies of scale)」の対概念とされていて、
  英語で見ると韻を踏んでいるみたいな感じかなと思いました。

  ちなみに「規模の経済」は、
   規模を大きくすることで、製品1個あたりのコストが安く済むようになること、
 「範囲の経済」は、
   同じ企業で、技術や設備などをいろんな種類の製品作りに使いまわすことで、
   トータルのコストを減らす、という感じですね。

 「多様性の経済」という類似語もあるそうで、
 その方が日本語としては分かりやすいような気もします。
 経済学って英語翻訳が多いせいか、
 日本語だけだとわかりにくい言葉が多いな~)

○SNSがテーマパークを変えた
 次に一行が訪れたのはメリーゴーランド。
 広報の方によると
 「ここは日本で一番古いと言われるメリーゴーランドです」
 1907年にドイツで作られ、
 1969年に日本に運ばれたのだそうです。
 いまだ動いているのがスゴいですね。

 (ちなみにとしまえんのホームページによりますと、
  このメリーゴーランドはカルーセルエルドラド、
  という名前がつけられており、思っていたより重みのある歴史を持っていました。

  一応書いてみますと
   1907年ドイツ人の技師により製作され、ミュンヘンのフェスタで披露される
   その後、ヨーロッパ各地のカーニバルを巡り歩く。
   しかし戦争の足音が近づくと、ヨーロッパでは予算のかかるカーニバルは
   なかなか開かれず、このカルーセルの活躍の場も減ってしまう…

   そこへ1910年、ドイツに招待されたアメリカ大統領が、
   これをアメリカの遊園地で使うことを思い付き、
   1911年にニューヨークの遊園地に運ばれ、以来50年以上親しまれたそうです。
   しかし遊園地は閉鎖、施設は解体され、このメリーゴーランドは倉庫にしまわれてしまう。
   そこでとしまえんが買い付け、輸送されて現在に至るのだそうです。

   いろんなところを渡り歩いてたんですね。
   ちなみに装飾されている馬などは全て木製、
   手彫りなので1頭1頭の表情も微妙に違うそうですよ…)

 そこへ吉田さんが
 「僕、ブログやってるんで、写真とっていいですか」

 そこで、3人そろってメリーゴーランドの前でスタッフさんに写真を撮ってもらっていましたが
 シャッターを切る瞬間、
 先生は黄色い「ポイント!」と書かれた看板を又吉さんの顔の前に…

 又吉さん
 「なんですかこれ」
 先生
 「今日は経済学のシステムがあると思ったとき、この看板を出すルールとします」

 できた写真はうまいこと又吉さんの顔を隠してますけど(笑)
 どこに経済学ポイントがあるのか?

 吉田さん
 「メリーゴーランドが関係あるんですか?」
 先生
 「違います」

 先生によれば
 ブログやSNSなどが、遊園地やテーマパークの消費を変えた、とのこと

 というのは、この遊園地は、この少子化時代にも関わらず
 利用者数が近年増加傾向にあるのだそう
 2010年では年間4500億人足らずだったのが
 そのあと徐々に伸び、去年度では過去最多の6650億人になっている。
 その鍵を握るのがSNS文化、なのだそうです

 先生
 「SNSの登場により
  遊園地は自分が楽しんで満足する消費だったのが、
  他人に見せて満足感を得る消費になった」

 これを経済学では
 「遊園地の消費が「非地位財」から「地位財」に変わった」
 と言うのだそう

 「地位財」とは、他人と比較することで自分の価値が変わる財のこと、
 例えば車やブランド品などがこれに当たる
 先生
 「車に乗っているとき、周りの人より良い車なら嬉しい
  時計なんかも、周りの人より良いものを身に着けていたら…」
 吉田さん
 「テンション上がりますね」

 一方、非地位財は人とは比べないもの、
 例えば健康や通勤時間など
 「健康かどうかは周りとは関係ないですよね」

 そして、近年では「遊園地に行くこと」がSNSの登場により、
 人と比べる地位財となった、
 とのことです

 吉田さんは
 「昔ロサンゼルスに一人旅したとき、10万くらいかかるのが77000円で済んだんです。
  でも、同じ飛行機で同じホテルなのに55000円の人もいてショックでした」
 又吉さん
 「そういうの聞いたらダメですよね、
  僕もバイト先で大学生の時給とか聞くと、同じ仕事なのに時給が高かったり…」

 (私の感覚だと、「地位財」ていうと
  どうしてもバブルのころの
  「高いもんがいい」
  「俺はこんな高いもん買える経済力があるんだぜ」
  みたいな「見せびらかし消費」のイメージがあったんで、
  「いいもんを上手いこと安く買ったんだぜ」
  みたいな逆の見せびらかしもあるんだなぁと思いました。
  (他人との比較で価値が決まる、という定義からしたら、こちらも地位財なのだろう)
  なんか感覚が関西人っぽい(笑)

  又吉さんの経験に関しては、
  「幸福の計算式」(ニック・ポータヴィー)という本で、
  人は給料が増えるよりも「他人より金持ち」な方が幸福、みたいな話もあったので、
  給料ももらって喜んでるだけならいいけど、
  他人と比べちゃうと地位財になるのかな、と思いました。)

 遊園地に話を戻すと
 先生は
 「遊園地に行くことが地位財になったことで、
  人と同じ体験では満足できなくなった、
  だから自分の満足度を上げるためにお金を払うようになった」

 SNSを意識した流れは他のテーマパークにもあるそうです
 例えば「サンリオランド」では、
 中のレストランでサンリオのキャラクターの顔をしたオムライスやカレーなどが提供されている
 子供だけではなく、SNSに投稿するため若い女性の利用者も増えたのだとか

 また、USJでは仮想した来場者が参加できるハロウィンのイベントが開かれており
 SNSでその様子が拡散し、毎年話題になっているそうです。
 
 「体験することをネット上で競いあうようになったので、
  少子化でも遊園地の消費が増えたんですね」
 又吉さん
 「みんなSNSを充実させるために動くんですね。
  以前なら自分が行きたいところに行ってたけど、
  今はアルバムを埋めたいから動く、と」
 しかし又吉さんは
 「でもそうなると、お金がない男子学生は不利ですね…
  年上と付き合う女の子が増えるんかも…」
 んー、でもSNSするためのデート、ってのもどうかと思うが…

○子供料金はなぜ大人より安いのか
 3人は遊園地をぶらぶら歩いていましたが
 先生は
 「何か気がつくことはありますか」
 吉田さん
 「チケット売り場で、大人は1000円なのに子供は500円ですね」
 先生
 「電車や映画館でも子供の価格は低めですよね、どうしてだと思いますか」
 吉田さん
 「家族への思いやり?」
 先生
 「いいですね、でも違います」
 そこでポイント!看板を挙げています

 先生によると
 これにも経済学が絡んでいるそうです。

 「割引価格は、サービスを出す側が利益を出すためのものなんです」
 つまりただの思いやりではなく、経営側も儲かるためのカラクリがあるらしい。

 先生によると、
 子供は電車でも映画でも遊園地でも、
 普通は大人も一緒じゃないと入れない
 なので、子供料金を安くすれば入りやすくなり、親も入る
 こうして全体の利用者が増えるので、売り上げも増える

 なので大人一人分を安くするより、子供一人分を安くする方が
 利益を上げる効果が高いのだそうです

 吉田さん
 「損して得とれ、なんですね」
 先生
 「このように、利用者によって価格を変えることを又吉さん、なんといいますか?」
 又吉さん
 「何回も出てきましたね、分かりますよ、価格差別ですよね」
 価格差別とは、売り上げを伸ばすため、買い手ごとにモノやサービスの価格を変えること。

 ではどのくらい値引きをするか?
 先生によると「価格の弾力性で決まっています」
 価格の弾力性、とは、価格の変動により需要が変化する度合いを示す

 例えば価格を1000円から500円などに下げたとき、
 利用者がたくさん増えた場合価格の弾力性が高い、といい
 そんなに増えないときは価格の弾力性が低い、というそうです

 子供の料金は価格の弾力性が高いので、安くするのだそうです
 (一般的には、
  価格の弾力性が高いもの…ぜいたく品、競合品があるもの、自分の所得より大幅に高いもの
  価格の弾力性が低いもの…生活必需品、それしかないもの、自分の所得からしたら微々たる消費
  だそうです。
  遊園地に行くのは一種の贅沢なイベントだし、高い。
  また、学校みたいにどうしても行かねばならないものでもないので
  価格の弾力性が高くなるんだろう。
  確かに私も、割引期間でないと行く気がわかないですね…)

 先生
 「ではここでクイズです、
  実際にテーマパークで使われた割引は次のうちどれでしょう?
  A遠方在住者割引
  B近隣在住者割引
  C外国人割引
  D平日スーツ割引」

 又吉さん
 「難しいですね」
 吉田さん
 「なんで?簡単だよ、これしかないでしょ」

 先生
 「割引きしたら増える利用者はどれか、ということですが…」
 又吉さん
 「じゃこれかな。
  Aは、割り引いても遠くからは来にくいですよね、
  Cはもともと外国人の割合が少なそう。
  行こうとすれば行けるけど決め手に欠ける人が割引きされたら行くのは、Bですかね」

 先生
 「吉田さんは?」
 吉田さんは自信ありげに
 「Dです。
  コスプレ割引だと思いますよ、毎日ハロウィンみたいになるでしょう」

 又吉さんは
 「なるほど、僕の見方が浅はかだったんですね…」
 とか言っていましたが、先生は
 「正解はBですよ」(笑)

 「だって考えてくださいよ、遊園地がスーツのおじさんばかりなんですよ…」
 又吉さん
 「何かの視察やってんのかなと思いますね」(笑)
 一昔前のエージェント・スミス(映画「マトリックス」の敵キャラ)みたいで怖い(笑)

 先生によれば
 遠方の人は交通費が高いので、価格を下げても効果が低い
 また、安いからといってビジネスマンが仕事をサボって来るかと言えばそうでもない、
 一番効果が高いのは近隣の人だ、とのこと

 この価格差別は名古屋のテーマパークで実際に使われているそうです
 (これも名前は出てませんでしたが、調べたらレゴランドでした)
 「1DAYホームタウンパス」
 と言われるもので
 東海3県(愛知、岐阜、三重) に住む人は大人6900円が5500円、
 子供5300円のところが3300円なのだそう
 (ちなみに、公営の施設(博物館など)だと、県内在住者割引、市内在住者割引、
  というのは私もよく見ます)

 先生
 「価格弾力性は価格が1%下げると何%利用者が増えるか、ということなんですが、
  マーケティング担当者がそれを計算して値段を決めているんですね」

○行列の解消法を経済学で考える
 又吉さんは歩きながら
 「平日だから空いてて気持ち良いですね~」
 と話していました
 それから列に並ぶ話になって、
 「僕並ぶの嫌なんですよ」
 吉田さん
 「僕も嫌いですけど、子供がこれ乗りたい、というと並んであげたくなる」

 又吉さんは
 「先生、行列はなくならないんですか?」
 先生
 「良い質問ですね」
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 又吉さんは行列に関して苦い思い出があるそうで
 「小学校に入る前くらいに名古屋に家族旅行に行ったんです」
  又吉家では当時、旅行はめったにないイベントだったそうですが
  そのときテーマパークに行くか名古屋城に行くか、と聞かれたそうです
  又吉さんは名古屋城がいい、と言ったのだが
  お姉さまは近代的なとこがいい、というのでテーマパークになったらしい
 「でも全部行列で、並ぶばっかりで時間が無くなって、結局1個も乗れんくて出たんです。
  なんかめちゃめちゃ納得いかなくて、だから名古屋城にすればよかったのに…って」(笑)

 吉田さんも
 「2時間待ちのアトラクションに子供が乗りたいって言うから
  「お前ちゃんと待つんやで」って言って並んだのに
  5分後に「まだ?」って…」
 ありますね~

 先生は
 「でも世の中には並んでもいい、という人もいますよね、
  この差はなんだと思いますか」
 又吉さん
 「並んででも最高のサービスを受けたいから?」
 先生
 「又吉さんはそう思わないんですか?」
 又吉さん
 「思いますけど、1時間ラーメン屋で並ぶ時間があれば、
  その間もしかしてコーヒー飲んで散歩していたら
  その最高のサービスに匹敵する1時間が過ごせるかもしれない」

 先生は
 「経済学では、
  行列は機会費用が高い人ほど不利な仕組み、と言うんです」
 機会費用とは、
 ある行為に取られた時間に
 他のことをすれば得られたであろう利益で、
 それをコストと見なすのだそうです

 例えば時給1000円の人が1時間行列に並んだら、
 その間働けば得られたはずの1000円を失う、と考える
 時給3000円の人なら3000円を失う

 このため、機会費用が高い人ほど
 行列に並ぶ、という行為はコストがかかる、ということになる
 お金持ちは行列や時間の無駄を嫌うそうですが、
 それは彼らの機会損失が高いからなんですね。

 吉田さん
 「お金を払ってないのにコスト、ていうんですか」
 先生
 「もし働いていたらお金が手に入ったのに、
  それを失うからコスト、ていうんです」

 「例えばお子さんの場合、
  並ばなかったからといってもアルバイトはしないですよね。
  だから機会費用はそんなにかからない、というんですけど
  レッドさんの機会費用はお高い…?」
 吉田さん
 「僕200万くらいですよ」
 又吉さんは
 「…後輩としては何も言えないです」(笑)

 又吉さんは
 「昔は本を買うとき、50円でも安い店を4時間かけて探し回ってたんですよ」
 だそうですが
 「今は考えられないですね」(笑)
 吉田さん
 「機会費用が限りなく底辺に近かったんやね」
 又吉さん
 「時間は無限大にあったんでしょうね」

 さて先生は
 「行列は放置しておくと、機会費用が高い人は離れてしまうかもしれない。
  どうしたらいいと思いますか」
 吉田さん
 「行列はないです、と嘘をつく」(笑)
 又吉さん
 「そんなん絶対ばれますよ、もう2度と来ないでしょ」(笑)

 又吉さん
 「VIPパスを作る」
 先生
 「一部の遊園地では導入していますね」
 これは追加料金を支払えば待たなくてすむというパスで、
 価格差別ができている
 ディズニーランドなどではそういうカードがあると聞いたことがあります。

 ほかにも、
 タクシーで、追加料金を払えば配車サービスを受けられる場合もある
 新幹線の指定席、グリーン席なども追加料金を払って席を確保する仕組み

 また、スカイツリーでも
 外国人向けに、1000円ほど多く払えば待たなくても良い当日券があるそうです
 これは外国人だけだそうですが
 お金はあるが時間がない外国人の富裕層に来てもらうためのサービスで、
 「来てもらえれば、周辺の飲食店やホテルにもメリットがあるんですね」

 先生によれば、価格差別をすることで
 機会費用が高い人も低い人も、
 それぞれ自分に適した価格を利用すれば、
 利用者も満足度も上がり、
 営業者側も、利潤が上がる、
 つまり双方にメリットがあるそうです。

〇あえて行列を放置する
 しかし又吉さんは
 「遊園地は子供のためなのに、
  追加料金を払わないといけない、というのは引っかかる」
 吉田さん
 「たしかに、全ては金か、となってしまう」
 先生
 「子供はお金がない世界で生きてるから
  自分が払えるのは、待ち時間だけなんですよね、
  だから違う手段で誰かが前に行くのは納得がいかない、
  となってしまうかもしれないですね」
 又吉さん
 「並ぶことでなんか楽しいことがあればまだ良いんですけどね…」
 吉田さん
 「急に横入りされた気になりますよね」

 先生
 「子供の世界でそういうのは問題ですよね。大人なら我慢できるけど…
  だからもうひとつの解決法は、
  あえて放置するというのがあるかもしれないですね」
 実際、この方法を採用する遊園地もあるそうです
 「時間でコストを支払ってもらう、ということです。
  そうなるとさっきの又吉さんの問題のように忙しい人はふるい落とされてしまいますけど
  子供だけの世界を考えると、行列だけの方がいいのかもしれない」
 子供の世界の中で平等にする、ということですね。

 先生によると、もうひとつの問題は
 「お金払えば良い話なら、子供が「払って」てなるでしょう?」
 でも親の懐事情がある。
 「だから、子供に二時間待ちでいい?って覚悟させる。
  そしたら、次に並ぶ?て聞いたら嫌ってなるかもしれない」
 吉田さん
 「学習させる、てことですね」
 子供に、現実ってのは思い通りにならんこともあるよ、
 我慢せんならんこともあるよ、ってことを分かってもらう、ってことですかね。

 又吉さんは突然
 「好きだ好きだと思ってた子がいたんだけど
  両思いになってしまったらあれ?気持ちが薄れてる、ていうときがある」
 という話をしていました。
 何の話かと思ったら
 「好きだ好きだと思って行動してた時の気持ちが情熱になってたのかもしれない、
  行列も、この並んでる時間があるから、すぐ行けるより幸せなんだ
  …ていってごまかすのはどうですかね」(笑)

 先生
 「じゃあ、ラーメン屋さんがこういうシステムになったらどうですか」
 又吉さん
 「…文句出そうやな、そんなラーメン屋で食べなくないわ、ていそうですね」
 「お金で差別するみたいな感じですかね」
 「逆なら良いかもしれないですね、
  最初1000円とかで、待ったら値引きしますよみたいな」
 吉田さん
 「なるほど」
 先生
 「さすが小説家ですね」
 吉田さん
 「さすがですね」
 又吉さん
 「さすがじゃないですよ」
 吉田さん
 「それ倒置法って言うの?」 (笑)
 又吉さん
 「言わないと思いますよ(笑)」

○まとめなど
 又吉さんは
 「行列に並ぶ時間とはどういうものなのか」と話していました
 手に入れるために待つ時間そのものに意味があるんじゃないか、と。
 「逆に、行列が無くてすぐに甘受できるサービスなら
  それを楽しむことができるのかな」

 先生は
 「なるほど、時間という手間をかけているから、楽しめる、ということですかね。
  それでも並びたくないですか?」

 又吉さんは
 「並びたくないですけど」と言いつつ次の思考実験的な話をしていました

  例えばみんな列に並んでるから並ぶ、
  そしていいとこまで来たときに、
  「この先には何もないです、500円払って並ぶワクワク感を楽しむサービスです」と言われて、
  そんなのに500円払ってられるか、と文句を言い
  「でもあなた楽しんでたじゃないですか」って言われてもめる…
  で、結局最後に
  「もういいです、500円返しますよ」って言われたとする

 「そうなったときにその500円を受け取れるかといえば、僕は受け取れないんです
  複雑なんですよ」
 20歳くらいのときにこれを考えてました…という話で終わっていました

〇感想など
・SNSが消費を変えた、という話は最近いろんなところで目にします。
 例えばくら寿司だったか、見た目が可愛い回転ずしネタを出した、って話もあったし。
 他にも写真映えする施設が増えたり…

 私自身は写真を撮って投稿する、というのはしないのですが
 (カメラ情報で個人情報が漏れるのが嫌なのもあるが、
  そもそもあんまり自分の行為を他人に見せたいと思わないので)
 こういう文化はどうなんかな~と思ってしまいます。

 もともと、自分がバブル期より下の世代で、
 子供のころのバブル期の「見せびらかし消費」を冷ややかな目線で見ていました。
 当時の人に見せるために車やブランド品を買う、ってのは好きになれませんでした。
 なんかな、そのモノの価値自体を見てないから
 作っている人たちに失礼だな、と思ってしまうのですよね…
 ただのステイタス手段になってるお金に対しても失礼かな、と…

 そしてそんな私が今のSNS消費を見ていると
 見知らぬ他人に見せるための写真を撮るのに一生懸命になっちゃって、
 そのテーマパークの体験自体を楽しんだり、
 一緒にいる人との語らいを楽しんだり、
 ということが薄れてしまうんじゃないか…
 それでいいのか、と思ってしまうのです。
 テーマパークの人たちや、一緒に来た人たちに失礼なんじゃないか、と。

 最近、だんなの後輩が結婚されたのですが
 「あいつ新婚旅行先からやたらメール送ってくるけど、せっかく二人なのに大丈夫なんか?」
 と話していました。
 「奥さんも誰かにメールとかインスタとかやってるんじゃないの?」
 って聞いたら「そういや奥さんの方がそういうの好きだって言ってた」
 って言ってたんですけど
 
 デートしてるのに、相手と話さずにスマホだけ見てる、ってどうなんかな~
 最近の若い子ってそんなもんなんかな~
 とおばさんとしては心配(笑)

 まあ、お金がそれで回るんならいいんじゃない
 (バブル期も確かにそれで世の中にお金が回ってたけど)
 っていう考え方もあるけど、うーん、個人的にはどうもな~

・最後の行列の話については
 マイケル・サンデルさんの「それをお金で買いますか 市場主義の限界」
 という本を思い出しました。
 サンデルさんはお金を払って行列をスキップする、という行為などを挙げて
 「市場主義者はなんでも金に換算する」とこの本で批判しています。

 今回も経済学の話なので、行列解消にお金を払う話なのかな…と思っていたのですが
 そこは又吉さんの問題提起をもとに、丁寧に議論していたので安心しました(笑)
 特に経済学者さんである大竹先生が
 「子供の世界ではお金がないから、
  あえて放置して時間でコストを支払う決まりにしちゃうのもアリ」
 という考え方を言っていたのはなんか新鮮に感じました。

 サンデルさんはこの本で
 「何でも商業化する前に、
  どれを商業化するか、どれは道徳で解決するかなどを議論して決めねばならない」
 という話をしていましたけど
 子供の「お金がない」世界を考える、
 てのはいい発想かもしれないですね。勉強になりました。

・あと、最後らへんで又吉さんが言っていた
 「待つからこそ生まれる価値」
 ってのも興味深いな~と思います。
 
 私自身は行列とか待つのが好きじゃないので
 ワクワクしながら待つ、っていう心理はよくわからないのですが
 (待った先で得たものが、意外にショボかったりするとがっかりしちゃうのが嫌なので
  あんまり期待しない、ってのもある)

 待つことで、自分のなかでめちゃめちゃいいものに変わっていくのかな?
 なかなか手に入らないものだから、需要>供給みたいな感じで価値が上がるのかな?
 めったに経験できないから、非日常性で価値が上がるのかな?
 みんながしたがるから、価値が上がるのかな?
 
 モノ自体の価値が変わらないのに、心理的なものだけで価値が変わる、というのが面白いな、と…
 でも経済活動って、案外そういう心理的な幻想に支えられてるところがあるな~と感じました。
 (でも最後の又吉さんの「500円払って待つだけのサービス」は
  さすがに文句出そうな気がする(笑))

というわけで、今回はこの辺で。


posted by Amago at 11:33| Comment(0) | テレビ(オイコノミア) | 更新情報をチェックする