2018年02月12日

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「我々はなぜ存在するのか」

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「我々はなぜ存在するのか」

今回は哲学的なお題ですね…
科学でどう斬るのかと思ったのですが
全体的には進化論的な話が多かったかな?

○生物は環境に応じて進化してきた、とする生化学者
 最初に登場したのは、ヨーク大学の生化学者リー・クローニン氏

 彼はハギスという料理を食べていました
 ハギスは羊肉からできているそうで、見た目大きな黒っぽいハンバーグみたいな感じです
 (スコットランドの一般的な肉料理で、
 羊の胃袋に、
 ゆでたヒツジの内臓ミン チ、刻んだオート麦とたまねぎ、ハーブ、牛脂、
 などを詰めて蒸したものだそうです…見た目は微妙。美味しいのかな?スコッチウイスキーには合うそうです)

 彼は
 「ハギスのレシピは気まぐれでできたものではない。
  長い年月をかけ、試行錯誤して、
  試食した人にダメだしされて改良されてきた」

 そして進化でも
 基本的な化学物質のスープが、
 環境という試食者にどんどんダメだしされ、改良され、生命が生まれたのだ
 と話していました

 彼は、化学物質が、環境のダメだしで生物の形に進化できるかを実験したそうです

 具体的には、4つの単純な化学物質について、
 それぞれの分量の配合を無作為に決めて、
 その混合液を水の入ったシャーレに垂らし、
 滴の動きを観察したそうです

 組み合わせは無数にあるが
 そのなかで自分で動き出すものが現れたらしい

 彼は
 「生命の基本は
  1動き、2分裂、複製、3振動(周りの動きを関知する)」
 として、数あるシャーレの中でこの条件を満たすものだけ残し、
 次の世代で少しだけ変化を起こさせた

 すると選ばれた化学物質では
 活発に動くもの、
 ほかの滴とくっついて拡大するもの
 分裂して増殖するもの
 なども現れたそうです

 「外部にいたら原始的な生物のようだ」
 しかし彼によると、
 この滴たちには自力で栄養を摂取できるものが出現していない

 もし自分で栄養を摂り、分裂して増殖すれば
 本当の生命体になれるかもしれない、とのことです

 進化生物学者はその環境で有利なものが生き残った、としている。
 今のところそれを担うのがDNAと考えられているが
 クローニン氏は、DNAがなくても進化はできると考えているそうです

 (クローニン氏の実験がいまいちよくわからなかったので調べました
 https://www.english-video.net/v/ja/1218
 (TED?のプレゼンテーション)

 彼は、無機物(炭素を含まない化学物質)から生命体を作る試みをしていたそうです

 やり方としては、数十個のフラスコを繋げた装置に、
 3、4種類の無機分子
 (彼は無機分子で作ったレゴブロックみたいなもの、と表現していました)
 を垂らし反応させるそうです

 無機物で生命を作りたいので、
 炭素は入れたらダメなんだそうです

 それから、この流体装置は3Dプリンターで作ったもので、
 中ではたくさんの複雑な反応が組合わさっているのだろう、とのことです

 彼によると、分子が生命を持つにはMICE(代謝、情報、容器、エネルギー)が重要なのだそうだ

 そして、
 「このキットならDNAに頼らずに分子に情報を蓄積でき、
  多様性を作り出せる」
 と話しています
 3Dプリンターで作る容器も重要なんだそうです
 このくだり、いまいちよく分かりませんが
 とにかく自分の発明した無機物のキットと装置が大事だと言いたいのだろう。

 彼の実験結果では、分子同士が多様性を産み出し、
 それぞれが競争、つまり自然淘汰する様子が観察されたそうです
 まだ自分で増殖していないが
 増殖もするようになれば
 有機物が無くても、無機物のみで生命体を作り出せる。
 これは無機生物学の始まりだ、としています

 ちなみに、同じように無機物から生命を作る試みは、
 1950年代ユーリーとミラーという方が行っていたようです

 彼らは生命の起源を調べるため、
 メタン、窒素、水素のスープを反応容器に入れ、加熱してその液に高電流を与える(原始の地球の状態)実験をした

 すると反応液からアミノ酸が見つかったため、
 生命は原始地球での化学反応で生まれたのかも、と考えられた

 しかし細胞は見つからなかったので、この研究は一時期下火になった
 1980年代から復活しているようです

 これらの研究では基本的な分子の化学反応からタンパク質やDNAができた、
 と考えているが、
 クローニン氏はDNAやタンパク質に頼らないシステムを考えているようです。

 ところで、クローニン氏のプレゼンテーションは2011年くらいで
 「無機生命体は2年したらできるはず」としているのですが
 そのあとこれについての発表はないですね…

 2013年頃のクローニン氏は
 「科学キットと3Dプリンターを使って自分の作りたい医薬品を作る」
 という別の研究のプレゼンテーションをしています。
 別の方向に切り替えたのかな?
 (私の単なる憶測ですが))

○遺伝子はポーカーゲームのカード?
 次に登場したのはミシガン州立の大学の進化生物学者、リチャード・レンスキー氏

 彼は30年前から、ひたすら大腸菌を12の異なる容器で培養しているらしい
 成長のエネルギーとなる培地の糖が無くなったら、
 次の培地に移して育てるそうです

 最初の15年では、多様な進化を遂げたものの、微々たる変化だった
 しかしそのあと、劇的に変化したコロニーが1つあったそうです

 そのコロニーでは、
 培地の糖が無くなると、無害な化学物質からエネルギーを作り出す方法を見つけたそうです

 彼は
 「これは何千世代にわたるDNAの複製の末に起きた」
 それはポーカーゲームのようなもの、と話していました

 ポーカーは運と技術が要るゲーム
 例えば「ロイヤルフラッシュ」
 (5枚のカードが絵札と10とエースの組みあわせ、これが出たら即勝ちになる最強の手)
 を出そうと思うと
 最初に自分の所にエースと10、絵札のカードが揃わないといけないし
 そこに最後のカードを加える技も必要

 突然変異も同様で、
 必要な遺伝子を得た状態で、かつ環境の働きかけがあって初めて起きる

 さらに、彼によれば
 その突然変異を得てすぐ進化する場合だけではなく、
 ある突然変異を得たあとそのまま数世代保持し、
 子孫の代で進化に寄与する場合もあるかもしれない、と話していました

 「人類は目の前の必要にかられて生きると同時に
  子孫が劇的に進化するよう貢献しているかもしれない」

 彼は
 「多くの予想外の出来事が、生命を育んでいる。
  私もそのささやかな一人であることに誇りを感じます」
 と話していました

○農耕の発達が、人間に目的意識を持たせた
 次に登場したのは遺伝学者のラジブ・カーン氏。
 彼は、農業の発達や家畜の登場が人類を変えた、と考えているそうです

 彼は、動物の家畜化は、
 言うなればその生き物を子供っぽく従順になった変化だ、と話していました

 例えば敵が縄張りに侵入すると攻撃的になる野性動物は、
 家畜化すると、人にすりより餌をもらうようになる
 狼の一部は従順な犬になり
 牛も従順な家畜の牛になった

 これらは野性動物が変異し、
 その中で人間に従順な遺伝子を持つものが選ばれ、繁栄することで起きた

 彼によると猫は例外的で
 「人間に取捨選択されたのではなく、自ら進化した」そうです
 猫は食用ではなく、
 ネズミを捕まえ、人間にとって有益な仕事をしていると見なされたから
 そのまま交配などされずに生き延びてきた
 しかし山猫と家猫の遺伝子を比べると
 特に従順さに関わる遺伝子が変化しているそうです

 そして彼によると
 「ヒトも家畜化された」とのことです
 ヒトも従順で協調性がある方が生き延びるようになり
 「大人しく、ひ弱で子供っぽい方向に進化した」

 しかし彼は、
 ヒトは、この進化で
 より大切な、生きる目的を見いだすようになった、
 とも話していました

 狩猟採集の世界では、コミュニティの構成人員は少ないため
 一人の人がいろんなことをせねばならない

 しかし農耕の開始、都市化などが進むと、コミュニティは拡大する
 すると、分業が進み
 それぞれの個体が独特な能力を発達させるようになった、
 とのことです

 (これは少々「??」でした。
 農耕の始まりで人々が従順、というか協調的になったのは納得できるが、
 そこから目的意識が生まれたというのはちょっと飛躍しているような?
 役割分担をしても、自分の得意なことを何となくするだけで、目的意識を持たない場合もありうると思う。
 目的意識を持つには、もう1段階のなにか
 (自他を意識する?上を目指す?人生を考える?神を意識する?…うまい言葉が見つからないが、そういうもの)
 が必要な気がする)

○文化の遺伝子、ミームとトリーム
 次に登場したのは進化学者のスーザン・ブラックモア氏。
 銀色の髪の毛にうっすらカラフルなカラーリングをしているのがおしゃれな方でした

 彼女は
 鶏では、卵を多く生む遺伝子を持つものが有利に進化してきたように、
 生物は自分の遺伝子を複製、成長するよう進化してきた
 と話していました

 人間も同様の進化をしてきたが、
 ほかの生物とは違い、言語を発達させ、
 遺伝子以外の手段で情報を複製させてきた、と彼女は述べています

 この文化を複製する遺伝子のようなものを「ミーム」というそうです
 具体的には技術、物語、習慣など、人から人へ伝わるもの

 彼女によると、
 ミームは使う人の脳に働きかけ、自分を複製させようとするそうです

 例えば石の斧を使う部族と青銅の斧を使う部族が争う
 これは石のミーム、青銅のミームが使う人たちに競争を仕掛けていて、
 勝ったもののみが繁栄するようになっている、とのことです

 また、ドアのノックや握手などは
 数ある挨拶の手段から
 これらのミームだけが勝ち残った結果である、とのこと

 ブラックモアさんはサンバも踊っていました
 サンバはブラジル発祥で、
 にぎやかで躍動感あるリズムはブラジルの太陽に合う
 気候の全く違うイギリスでは、違う進化を見せているそうです

 一方、最近はテクノロジーの進化により、
 トリームという複製手段も登場している
 トリームとはデジタルの情報で広がり、
 人間でなく、テクノロジーを乗り物にして広まるものだそうです

 例えば人の生演奏でサンバを伝えるのはミーム、
 スマホの動画を介して広まるのはトリームなのだそう

 トリームの方が効率的に文化を広められる
 彼女は
 「コンピューターがトリームを広めるとしたら、
  人類は存在意義を失うだろう」
 と話していました
 さらには
 「人類は自らその道を進んで選ぶかもしれない」とも。
 なぜなら、多くの人々は今、
 情報をデジタルネットワークで手に入れようとしているからだ、と。

文化の担い手はコンピューターになってしまうのか?

 (ミームの話もいまいち分からないので調べました
 https://www.english-video.net/v/ja/269
 (ブラックモアさんのTED?プレゼンテーション)

 ミームはリチャード・ドーキンスが「利己的な遺伝子」という本で提唱した概念のようです

 ミームの概念は、ダーウィンの進化論から始まる話らしい

 ブラックモアさんによると、
 ダーウィンの進化論は
 「変化、選択、遺伝」が基本だそうです
 つまり、変化し、選択された個体が遺伝される

 そしてブラックモア氏によれば
 これが必然的に起き、デザイナーは要らないのがミソなのだそうです
 デザインが先にあるのではなく、「変化、選択」されたものが必ず「遺伝」される
 デザインはそのあと現れる、と。

 ダーウィンは、遺伝子の概念を知らなかったようですが
 遺伝子の概念が現れると
 ダーウィンの言う変化、選択、コピーは遺伝子が担う、
 と考えるのが一般的になった

 ドーキンスは、利己的な遺伝子が有利に変化して自己増殖する、としたが
 彼は同時に、増えるのは遺伝子だけではなく、
 変化や選択を伴う情報も、全てコピーされる、としたそうです

 そして、そのコピーされる情報を「ミーム」と呼んだのだそう
 それは、人々の間で真似されながら伝播していく情報。
 これは、人々が模倣を始めた250万年前から生まれたものだそうです
 (ミーム、という言葉も
ギリシャ語で「模倣」を意味するらしい)

 ブラックモア氏は
 人類の進化は2つの自己複製子で進んだ、と考えているそうです
 1つは遺伝子、1つはミーム

 彼女の考え方によれば
 遺伝子は脳を小さく、コピーが不要になる方向に進もうとし
 ミームは脳を拡大し、色んなものを模倣する方向に進む

 ミームは人間を乗り物とし、あらゆるものを模倣させるのが目的
 ミームはもとからあったのではなく
 遺伝子の中に発生した寄生虫みたいなもので
 遺伝子とミームは共存共栄して進化してきたのだそうです

 彼女によれば、
 更に人類は今、第3の自己複製子を放とうとしている
 それはテクノロジーによるミーム、このプレゼンではテームと呼んでいました
 テームは、紙にデータを書き写し始めたときが起源だが
 本当のテームは、人間の介在のない「変化、選択、コピー」なのだそう。
 テクノロジーの発達(AIの出現)で、これが可能になろうとしている

 彼女はテームが世に放たれたら人間は存在価値を失う。
 ミームと遺伝子は共存できたが、
 テームとは共存可能だろうか?と危機を抱いています。

 しかし私個人としては、
 「人類がミームの乗り物でなくなったら、人類は存在意義を失う」
 とのご意見には疑問を感じました。
 なぜなら、ミームは人間に関係なく勝手に生まれたのではなく、
 ミームの中身、つまり文化や情報などは、人間があってこそ作られるものだからです。
 ミームと人の遺伝子は共存共栄、と表現されていたとおり、
 人が無能になったらミーム自体も存在しなくなるのではと思います。

 ただ、テームの中身はAIが作り、ミームの中身は人間が作って、
 両方が共存していく社会になる可能性はあるかなと思います。

 それはそれで新しい文化が生まれそうで、何も怖いことはないのでは?)

○人間は進化するアルゴリズム、と考える物理学者
 次に登場したのは物理学者のサラ・ウォーカー氏

 彼女は、生物はなぜ複雑になる方向に進化したのか?と考えたそうです

 ダーウィンは、複製能力が高いものが生き残るとした
 しかしそれなら、単純な生き物の方が自分をコピーしやすいはず

 例えば切り紙は、
 単純な四角形なら、切りやすく何枚でも作られるが、
 複雑な形なら切るのが大変

 生物も複雑な方がコピーは難しいはずで、
 なぜ生物ははここまで複雑に進化したのか?他に目的があるのではないか?と。

 彼女は生命を
 「自己複製するアルゴリズム」と定義したそうです
 生命は自分を処理する機械のようなもの、だそうです

 このアルゴリズムは、子供を見ていると理解できるそうです
 彼女の息子さんはまだ1歳くらい、
 いつも情報に飢えて何かを探し回っている
 (話の内容はともかく、探索しまくるお子さんめちゃかわいい…(笑))
 その行為は1つのアルゴリズムで、
 人間の活動全ては情報処理と考えられるそうです

 食事をとる行為もその一つで、
 環境から化学物質を取り入れ
 適切な反応を起こさせるためのプロセスだ、
 と話していました

 彼女によれば、進化は、よりたくさんの情報を処理できる方向に進んでいるのだそうです
 例えば進化が進むほど視覚、聴覚はより鋭くなり
 爪はより鋭く、食物の情報を得る方向に進化している

 テクノロジーも、より多くの情報を処理する方向に進化しているそうです
 子供の姿を幼いまま取っておきたい思いは
絵として
 人類は光として捉え、本物そっくりに保存する技術、つまりカメラを思い付く
 今は更に進化し、デジカメは情報処理能力が高くなり、顔であることも認識する
 最近のスマホは、被写体も認識する

 このように、人はよりたくさんの情報を獲得し、処理するようテクノロジーを進化させてきたが
 これこそが究極の生命の目的なのでは、と話していました

 生物は、多くの情報を得て、
 生命がどのように存在するのかを突き止め、
 自分自身を理解しようとしているのかも、とのことです

 (この話にはちょっともやっとした気分になりました。
 生命は自己複製するアルゴリズム、という定義なら、
 アルゴリズムはどうやってできたのか?誰かがなにかを意図して作ったのか?という新しい疑問が生まれると思う。
 というのは、よりたくさんの情報を処理する方向に進化した、とありましたけど、
 より少ない情報を処理する方向に進化しても良かったのではと思うからです。
 そこは、人間の知りたい、とかより良くなりたい、などの欲求、意識が関係しているのだろうか。
 それともそういう意識とか意欲も含めて、アルゴリズムは単なる進化の偶然の産物なのかな?)

○人類は安定と崩壊の臨界点にある?
 次に登場したのはコーネル大学物理学者のジェームズ・セスナ氏

 彼はクリスピーを牛乳に浸していました
 クリスピーは、そのままの乾いた状態では安定し、
 牛乳に浸すと湿って崩壊する

 彼は、この2つの状態の間に臨界点がある、と話していました

 自然界にも臨界点はある
 例えば雪は積もって安定した状態から雪崩を起こすが、
 臨界点はそのはざまにある

 彼によると、我々人間の体も臨界点まで進化しているそうです
 今や聴覚は限界まで研ぎ澄まされており、
 変化が起きると様々な思考が生まれる
 聴覚も敏感で、ありもしない幻覚を見ることもある

 人間はあらゆる感覚を発達させてきて
 それが極限に達しており、安定と崩壊の狭間にあるそうです

 彼に言わせると、人間の感覚はナイフの上に立っているようなものらしい
 わずかな変化で、脂肪とタンパク質の構造が崩れてしまう
 常に臨界点に近い状態で、外部の変化に応じてすぐ壊れる脆いものなのだそう

 さらに、生命のシステムも同じではないか、と話していました
 ムクドリの群れは、一羽一羽は隣の鳥と同じ方向を目指すようプログラムされている
 それぞれが、安定を保つギリギリの臨界点にあるそうです
 だからこそ、一部が変化したらすぐ対応できる
 これは、捕食動物から身を守るために最適化されたシステムなのだそう

 しかしこれは周りのシステムに依存している状態で、
 こういう状態では、わずかなバランスの崩れがあると(例えば一羽がちょっと間違えるなど)
 群れ全体が致命的な結果を招く

 人類も環境への最適化で繁栄してきた生き物であり
 環境汚染など少しのバランスの崩れが滅びを招くかもしれないそうです

 しかし、彼は希望は持っているそうです
 「人間は、今のシステムは臨界点にあると自覚している
  だからこそ世界をコントロールする術を身に付けてきた。
  我々には、災いを避ける知恵がある」
  と彼は話していました

 (人類が臨界点にある、とする理由がわかりませんでした…
 たしかに生命は微妙なバランスの上にあるが、
 多少の崩れなら調整する機能も持っている。
 ある機能を失っても、他で補う能力もあると思います。
 臨界点というより平衡状態と表現した方が良さそうに思う。

 ただ、生態系、人間の体などの絶妙なバランスは
 長い進化でうまいこと作られてきた芸術作品みたいなもので
 簡単に崩してはいけないという点には賛同します)

○人生の目的を持つことが、苦難を乗り越える力となる
 次のコーネル大学の心理学者トニー・バロウ氏の話はやや哲学的でした。
 
 彼は生後2ヶ月で養父母に引き取られた生い立ちの持ち主
 「養父母と肌の色が違うことで、人生について色々考えるようになった」
 彼は差別や迫害を受ける人々に興味を抱き、
 人生の意味を考えるようになったそうです

 その結果彼が行き着いた結論は、
 「人生を苦労しながら歩んでいく旅路とすれば
  目的地に着くのが大事なのではない。
  必要なのは目的地に向かうことそのものであり、
  目的地を持つことで世界の見え方が無意識に変わる」

 彼の勤務先であるコーネル大は、大学の前にきつい上り坂があるそうです
 毎朝、学生はちょっとした苦行に耐えねばならない

 ある日、彼は学生に
 「昨日は休んで済みませんでした、坂が上れなかったんです」
 という話を聞く
 それをきっかけにある実験をしたそうです

 それは、坂を上る前の学生に「その日の目標」についての聞き取り調査をする
 坂の上には別の調査員がいて、
 上ってきた学生に、坂の勾配やしんどさをきく

 一方別の学生には、
 上る前に「人生の目的」を文章で書いてもらったそうです

 つまり、
 短期的目標=その日の目標
 長期的目標=人生の目的
 この2つで違いがあるかを調べた

 その結果、人生の目的を文章にした学生の方が、
 坂上りを苦にしない人が多かったそうです

 彼はこの結果について
 「人は将来の目的を持つことで目の前の苦しみから解放されるのではないか」
 と分析していました

 目的があると思えば、少々の目先の障害は気にならない
 目的意識があれば、人生の苦難を乗り越えられるのではないか、と。

最後にモーガンさんは
アンネ・フランクやネルソン・マンデラは
絶望の淵で「生きている目的とはなにか」と問うた。
彼らの、人生を意味あるものにしよう、という意図は、
世界を動かす力になった

全ての生物に生きる目的はないのかもしれないが、我々はそれを探す。

生きる理由を見つけることこそが、我々の究極の目的なのかもしれない、

と締めくくっていました

○感想など
 今回は少々納得できない理論が多かったものの
 最後の方の話はグッときました。

 今回の内容のほとんどを占めていた進化論的な話からすれば、
 我々は遺伝子か何かの選択の結果、生まれちゃったものに過ぎない。

 たぶん、世の中の青年が
 「なぜ自分は生まれてきたか」
 「どう生きるべきか」
 「生きる目的は」
 と悩んだとしても
 生物学的には、その答えは生まれてきちゃった結果への、後付けの理由でしかないのだろう。

 でもそう悩むのは、無駄ではない。
 悩んで、自分なりの答えを出していくことで
 人生が生きやすくなるのかなと思いました。
 長い先の夢や目標があれば、
 どうでもいい日常の些細なことに無駄に悩まなくなるのかな、と。

 しかし目標を作ったとしても、
 必ずしも達成することがベストというわけでもない。
 「重要なのは目的地にたどり着くことではなく、
 その過程にある」
 という言葉も響きました。

 仙人の修行をした人の本によれば
 仙人の修行に山登りがあるが
 「頂上を目指してはいけない」
 と言われるそうです
 頂上を一目散に目指したら、途中の風景を楽しめない、と。

 大きな夢や目標を持つことで、小さなどうでもいい悩みに動揺しなくなる。
 一方で、目標に向けて頑張りはするけど、
 時々はその旅路を振り返って、その過程で得たものを慈しみ、楽しみ、感謝する余裕を持っていれば
 人生を幸せに生きられるのかもしれない。

 「我々が存在するのはなぜか?」
 答えよりも、問い自体が大事なんだと思いました。

色々勉強になりました。
というわけで今回はこの辺で。




2018年01月12日

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「人はなぜウソをつくのか?」

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「人はなぜウソをつくのか?」

今回はウソについての話でした。
心理学、脳科学、神経科学、物理学など範囲が広かった気がします。

○ウソは脳の発達の証拠でもある
 最初はトロント大学の発達心理学者カン・リー氏でした

 彼は
 「緊迫した問題を切り抜けるために、大人が子供にウソをつくこともある」
 と話していました
 例えば彼が車で幼い子供を送り迎えするとき
 子供が車で騒ぎ出すと、
 彼はハザードランプを指差し
 「ここを押すと天井が開いて座席シートが空へ吹っ飛ぶよ」
 と言っていたそうです
 そうすると子供は大人しくなったのだとか

 しかし子供は親の真似をしてウソをつくわけではないのでは?
 彼はそう考え、数千人の子供を対象に実験をした

 縫いぐるみに黒布をかぶせ
 子供には鳴き声だけ聞かせて何の動物か当ててもらう
 その際、途中で「ちょっとごめんね」とわざと席を外す

 すると大概の子供は実験者がいないときに布を取って正解を見てしまうそうです
 鳴き声を聞かぬ間に当ててしまう子もいるらしい
 彼によれば、これはカナダ、アメリカ、中国、アフリカどこでも同じ結果らしい

 以前は子供がウソをつくのは、
 大人と関わりが出る5歳くらいからと考えられていたが
 彼の実験によれば
 2歳の子でも3割、3歳で5割、7~8歳ではほぼ全員ウソをつくそうです

 しかし彼によれば
 「早くウソをつく子供は脳の発達が進み、優れた認知能力を持っている」らしい
 ウソをつくには計画性や自制心が必要であり、
 脳の発達を示す1つの指標だそうです

 また、大人でも人間関係を円滑に保つためにウソが使われる
 「例えば友達とカードゲームをしているとき
  「テレビを見たいから席を外す」と言うと嫌われてしまう」
 我々は本当のことを言ってもいいときと
 ウソをついた方がいいときとを見分けている、と話していました

○病的なウソつきは脳が原因とする科学者
 次の科学者はロサンゼルス小児病院の心理学者ヤーリン・ヤン氏。
 彼女は病的なウソつきの原因を脳に求めていました

 脳には全体を覆う灰白質と白質がある
 このうち灰白質には神経細胞が張り巡らされ、情報が保存される
 白質の神経はそれらの情報を結びつける働きをするそうです
(コトバンクによれば
「灰白質」gray matterは、
「神経細胞の細胞体が密集し,神経相互の接合部を形成しているところ」
「体内の諸領域から送られてくる情報の中継地点となる」

「白質」white matterは
「脳と脊髄で有髄線維が多量に集ったところ」「伝導路の通過する部位」だそうです)。

 図書館で例えれば
 本や情報たちが灰白質、情報を集める通路が白質なんだそうです

 彼女の研究によれば、
 病的なウソつきはこの白質が普通の人より25%多いらしい
 これは、ウソをつくときの方がたくさんの情報を集め、
 物語を作り出さないといけないからではないか、とのこと

 一方虚言癖のある人は灰白質は14%少ないそうです
 衝動的なウソをつくのは人生を破滅させる

 彼女はウソをつく脳の仕組みを解明することがこれらの病気の治療に役立つのではないか
と話していました

(http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0806/200806_040.html

日経サイエンスの記事にはもう少し詳しく書いてありました

ニューロンの細胞体からは軸索、というケーブル線みたいなのが伸びているのですが、
この軸索が集まっている所が白質、
ニューロンの細胞体自体が集まっている所が灰白質なのだそうです

軸索はミエリン(髄鞘)、という脂質に富む白い物質で何層にも取り巻かれていて、
これが白く見えるので白質と呼ばれるらしい。

ミエリンは絶縁体だが、ところどころミエリンの途切れた隙間(ランビエ絞輪) があり、
信号はこの隙間を伝播するそうです
ミエリンの所を信号が飛び越えることで信号が速く送られているらしい。

ちなみに昔は細胞体の灰白質が学習に関係あるとされてきたが、
最近では病気の原因や、学習の発達には白質が関係しているのではないかと考えられているそうです

例えばピアニストと一般の人の脳画像を比べると、
プロでは特定の領域の白質が発達しており
早くから学習を始める人ほど発達している、と分かっているそうです)

○ネット上のウソの特徴を調べた科学者
 次の科学者はコーネル大学の情報科学者ジェフ・ハンコックし
 彼はインターネットの普及に伴い生まれてきた、
 新たなウソについて研究しているそうです

 彼はネット上のウソに名前をつけていて
 1つは「執事のウソ」
 かつては執事が来客者と自分との緩衝材になってくれていたが
 今はメールがそれをしている、と。
 例えば遅刻しそうな時
 「車が渋滞で」とか「今向かっているところです」など知らせることで、
 相手に繋がっているという幻想を抱かせるのだそうです

 もう1つは「操り人形のうそ」
 これはネット上で別の人格になりすますウソを言う
 別人になってたくさんのサクラ評価を書くことも可能になる

 彼はネット上のウソにはどんな特徴があるか調べるため、
 ホテルの口コミ評価について研究したそうです
 具体的には、口コミに偽の評価を書いてもらい、
 出てくる言葉のパターンなどを調べる
 そして本当の評価の言葉と比較して、
 見分けるためのアルゴリズムを作ったそうです

 その結果、ウソの評価のときは自分の話(仕事で利用した、など)が多い
 本当の評価は客観的事実が多いそうです
 泊まっていないのに評価する場合、
 矛盾しない作り話をするにはどうしてもそうなるらしい

 そして彼はこのアルゴリズムを使ってネット上の評価にどれくらいウソの評価があるか調べたそうですが、
 ニセ評価の割合は一般に思われているよりは低く、5~20%ほどだろう、とのことです

 また、彼によると意外にe-mailのウソは少ないそうです
 それは記録が残るためで、
 受け取った相手がコピーも検索もできてしまう
 それよりもショートメッセージや記録に残らないやり取りの方がウソが多いし
 電話、直接の会話の方がウソが多いんだそうです

 では我々は直接の会話でウソを見破れるのか?
 というのが次の研究です
○目の瞳孔の変化でウソを見破る科学者
 次の方はユタ大学の精神生理学者ジョン・カーチャー氏

 彼は学生を対象に
 「ミッション・インポッシブル」と称する実験をしたそうです

 これは、2人の学生に手紙を渡し、ミッションを遂行してもらう
 それはある研究室に入り、盗みを働く使命ですが
 2人のうちどちらが盗みをするかはカーチャー氏には分からない
 どちらも盗まない場合もあればどちらも盗む可能性もある
 そしてミッション遂行後、
 カーチャー氏のウソ発見装置を試す、というもの。

 例えばある実験では
 2人のうち1人は
 「あなたは罪を犯しません、
  20分たったら研究室に戻ってきてください」
 というミッション

 しかしもう1人は
 「別の建物ミッチェル博士のオフィスの財布から20ドル盗んで来てください、
  成功しなかったら報酬はありません」
 と書かれている

 このミッションは巧妙で
 彼は隣の建物の受付にいる秘書さんに
 「ミッチェル博士のオフィスはどこですか」
 と聞くのだが、秘書さんは
 「知りません」
 と答えてそのあと席を外すよう言われている
 被験者は秘書さんのいない隙に、
 秘書さんの所からミッチェル博士のオフィスについての情報を探すことになる
 このようにハラハラドキドキするような設定を作っておくんだそうです

 そしてミッション遂行後、彼らの瞳孔の大きさを計る装置を試してもらう
 見た目では分かりにくいが
 この装置ではコンピューターが正確に測定してくれるらしい

 結果は、盗んだ被験者は
 「20ドル」
 という言葉に大きく反応したそうです

 これは、脳に負荷がかかると瞳孔が開くためで
 ウソをつくには大きな負荷が必要なんだそうです

 カーチャー氏は精度が上がれば、
 ポリグラフと並んでウソを見抜く装置となるだろう、
 と話していました

○我々の脳は全ての情報を認知できない
 次の科学者はカリフォルニア大学アーバイン校の認知科学者ドナルド・ホフマン氏

 彼は五感や脳は欺かれる、
 という話をしていました

 例えばミラクルフルーツをかじってからレモンを食べると甘いと感じる
 これは、ミラクルフルーツの中のミラクリンというタンパク質が、
 レモンの酸っぱさのもとになる物質と結び付いて甘味受容体を刺激するからなのだそうです

 また、肩を触り、肘を触り、手首を触ると
 その間も全てつつかれているように感じる
 これは、何かが腕を這っている、という偽の現実を脳が作り出したからなのだそう

 このように、脳は現実に存在していないものを作り出している

 例えば我々は、二次元の映像を取り込んで三次元の画像を作り出す
 これは二本の線が遠くに行くほど交われば奥行きがあると判断するなど、
 脳の働きによるものなのだそうです

 彼によれば、
 我々の脳や五感は、
 真実を見つけるためにではなく、
 パートナーや食べ物を見つけたり、身を守るために働いている。
 子孫を残すために進化したものなのだそうです

 他の動物も同じで
 カエルは動かないものは認識できない、あるいは無視している
 しかし動くものは見えるようになっていて、餌を捉えられる

 人間についても、
 蝶の色についても全ての波長は分からないし
 コウモリの声の周波数全てを拾うことはできない

 しかし我々の五感が全ての情報を拾い上げていたら、
 情報が多すぎて生活できない

 「五感は世界に開かれた窓でもあり
  それ以外のものを見られない監獄でもある」
 と彼は話していました

 では少なくとも拾い上げている情報は真実なのか?
 記憶に関してはそうでもない、
 というのが次の研究です

○偽りの記憶を作り出した神経科学者
 次はマサチューセッツ工科大学のノーベル賞科学者、利根川進氏。

 彼は記憶について30年研究してきたそうです
(ちなみにノーベル賞の受賞は1987年、
受賞理由は
「多様な抗体を生成する遺伝 的原理の解明」でした)

 彼はある日、目の前で起きた事故について同僚と話していたとき
 同僚は「研究室の前で起きた」と言うが
 彼は「カフェの前で起きた」
と言っていたそうです

 あとで自分が間違っていたと分かるのですが
 なぜ間違えたかというと、
 その同僚と別の日にカフェで話していた記憶があり
 事故の記憶とごっちゃになってしまったからだと気づいたそうです

 彼によると
 出来事などの記憶は
 「エピソード記憶」
 と言われるが、
 エピソード記憶は海馬に保存される
 このとき海馬には構造の変化も見られるそうです

 新しい記憶により神経細胞にできる新たなネットワークを
 「エングラム」
 というそうですが
 新しい記憶をしたとき、
 過去に似たような体験があると
 その過去の体験のエングラムも活性化され
 新しい記憶とネットワークを作ってしまう、
 と考えられるそうです

 彼はこれを確かめるため、
 マウスを使い、
 2つの記憶のエングラムを意図的に結びつける実験をしたそうです

 具体的には
 マウスをAの部屋に入れ、
 そのあとBの部屋に入れる

 このとき、Aの部屋は何の仕掛けもないが、
 Bの部屋の床は電気刺激を起こせるようになっている

 また、マウスの脳はケーブルに繋がれており
 光で一部の神経細胞を刺激できるようになっている

 マウスをAの部屋にいれたとき脳には反応する特定の部位があるが、
 マウスをBの部屋に入れて床に電気ショックを与え、
 これと同時にAの部屋にいたときに反応した脳の部位も刺激し、
 「Aの部屋にいた記憶」と「電気ショックを受けた記憶」を強制的に結びつけたのだそうです

 するとAの部屋に入れると
 なにも仕掛けが無いにも関わらずマウスは怯えてしまう

 つまり人為的に記憶を作ることに成功したことになる

 利根川氏は
 「今はSFのような話だが、
  理論的には人間にもできるだろう」
 と話していました

 最後に、我々が全てを認識できたとしても、
 そもそも現実には真実があるのか?という話が出ていました

○現実とはなんなのか
 次に登場したのはチャックマン大学のジェフ・トーラクセン。
 彼は量子力学について話をしていました

 量子力学では物質がいろんな場所に同時に存在しうる、と考える
 ハチドリの羽の動きを速いシャッターで写すと羽は見えるが速いかは分からない
 遅いシャッターで写すとぼやっとしか見えないが速いことは分かる
 素粒子もそれと同じで、正確な速さと位置は同時に分からない

 しかし素粒子はスピンの回転の向きや電荷など
 素粒子の特性は決まっており、
 「物質」そのものと「特性」は切り離せない。
 …はずだが、それを切り離す実験を彼はしたそうです

 「不思議の国のアリスに出てくるチェシャネコは
  ニヤニヤ笑いだけを残して消えてしまう
  アリスは
  「ニヤニヤ笑いのないチェシャネコは知っているけど、
   ネコのないニヤニヤ笑いなんて初めてだわ!」
  という。
  荒唐無稽であり得ない、という話です」

 しかし彼は中性子を使い、
 素粒子のチシャネコ的なものを作ったそうです
 彼とウィーン工科大学の共同研究で
 中性子のビームを2つに分け、
 それぞれに別の磁場を与え、逆向きのスピンにしたそうです
 フィルターと磁場を調整すると、
 一方は中性子の性質を持ち、
 もう一方はスピンの性質を持ったのだそうです

 チェシャネコをニヤニヤ笑いとネコに分けたようなもの、
 チョコレートから味を分離したようなもの、
 と話していました

 物質から特性が切り離せるなら
 信実も切り離せる特性なのかもしれない?

 科学が解明されていくほど、真実は訳の分からないものになるようです

 モーガンさんは
 我々は永遠に新しい発見を繰り返すのかもしれない、
 我々の限られた五感や記憶で真実を理解できるのかは分からない、
…というような話をして終わっていました

○感想など
・ウソをつく、というのは高度な脳の働きのなせる技なのだなと思いました、
と考えると子供のウソも成長のあかし?

・二番目の研究からすると、
脳の構造上、生まれながらのぺてん師とか
虚言みたいなことを言う人が存在するのは仕方ないのかな、
と思います。
脳の構造は直ぐに直せるわけでもないので…

なので、それをどう変えるか、というより
そういう人の能力をいい方向に活用させるにはどうすればいいか、
を考える方がいいのではないかと思いました。

というのは、以前共感力について書かれた本で、
生まれつきストレスに強いタイプの人はいて、
そういう人は医者とか冒険家などになればいい方向に生かせるが
悪い環境で育てば平気で犯罪を犯す人になりうる、
とありました。
ぺてん師になる人もクリエイティブな方向に生かせればいいのかなと思います。

・五感は全ての情報をピックアップしているわけではない、
「五感は監獄でもある」
という話では、人工知能の番組を思い出しました。
たしかに我々の五感には限界がある。
しかし人工知能が発達して、
人間が関知できる以上の世界が見えるようになったらどうなるのだろう?
その情報を活用して世界が広がるのかも。
(今でも遠赤外線とか紫外線は存在が認識されてから利用されていますよね)
監獄が開かれる世界ができてくるのかなと思いました

・記憶とはあてにならない、記憶とは後から新しく作り変えられる、
てのはいろんな研究で言われてきていると思います。
大事なのは、五感もそうですが、記憶にも限界や誤りがある、と自覚しておくことなのかもしれないと思いました


・量子力学の話は興味深かったです。
私も量子力学の話を知ってから、
現実って実はすごくあやふやなんじゃないかと思っていました。
それこそ我々の肉体が見えてると思ってるだけの世界が現実なんじゃないかと。
今後も神話やおとぎ話にあるような荒唐無稽な話が
量子力学の世界では、これからどんどん出てくるんじゃないかと期待?しています。
そうなったら、科学と宗教的な世界の融合が起きるのかもしれない。

人間のウソも奥深いですね~
というわけで今回はこの辺で。

2017年12月22日

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「宇宙人は地球にいるのか?」

Eテレ モーガンフリーマン時空を超えて「宇宙人は地球にいるのか?」

今回は、地球外生命体は、すでに地球に存在しているのかも…
という話でした。
個人的には、宇宙人がいようがいまいが、
害がなければいいんじゃないのと思うんですけどね…
(あんまり宇宙人と地球人との境目も無いのでは、と思うので)

○トランスポゾンは地球外生命体由来のもの?
 最初のユタ大学の遺伝学者は、
 宇宙人の痕跡はすでにDNAに組み込まれているのかも、という話をしていました。

 我々の体にはトランスポゾン、という外部由来のDNAがある
 (トランスポゾン、というのは平たく言うと移動するDNA断片で
  トランスポザーゼ、という酵素をコードしている
  トランスポザーゼは、トランスポゾンの末端にある繰り返し配列を目印にして
  トランスポゾンのDNA断片を切り出し、
  別の場所にランダムに挿入する、という働きをするそうです)

 このDNAは祖先のゲノムDNAに入り込み、
 そこから子孫に受け継がれたものもあれば
 新たにゲノムに入り込むものもあり
 我々のDNAの半分を占めている
 トランスポゾンは子孫に引き継がれ、やがて個体から種に広がる

 これらは、ウィルスに乗り込んで、
 ウイルスと共に体に入り込むものもいる
 ただ、何の遺伝子なのか、どこから来たのか由来は分からないそうです

 トランスポゾンは、
 人類にとって良いもの、例えば免疫システムなどもあれば
 人類にとって都合の悪いものもある
 例えば遺伝子疾患のうち100種類以上はこのトランスポゾン由来なのだそうだ
 これが種を滅ぼすこともあるそうです

 トランスポゾンが地球外生命体由来なら、
 それは隕石などに付着して地球に来たのか?
 その可能性を次の科学者は検討しています

○地球外生命体が45億年前に宇宙から来た?
 次の科学者はミシガン大学の天体物理学者
 
 地球外生命体が隕石や彗星に乗って地球に衝突し
 ここから生命が生まれた、
 という説は
 「パンスペルミア説」
 というそうですが
 彼によると、それが起きるには生命体が
 岩にすっぽり覆われていなければならない、とのこと

 宇宙によっては温度が高すぎたり低すぎたりするし
 宇宙では、有害な放射線がたくさん降り注いでいる
 それらから生命体を守らねばならないからだそうです
 しかし、このような生命体は火星など、
 太陽系の中の惑星からは見つからないそうです。

 また、岩に包まれているにしても、
 この隕石がほかの惑星系からやってくる確率は非常に低いそうです

 ある惑星系にぶつかった小惑星が
 衝突の衝撃でかけらとなって隕石ができた、すれば、
 別の惑星系から太陽系に隕石が飛んでくる可能性は、
 広い宇宙ではほとんどゼロに近い、とのこと

 これを、彼はラクロスを使って例えています
 惑星系どうしの距離は平均4~5光年だそうですが
 ラクロスの選手を太陽系、
 ラクロスのボールを隕石に例えて、
 ラクロスのコートを1光年と考えれば、
 ラクロスのボールを、4つも5つも先のコートに投げなければならないのだそうです

 しかも太陽系は、常にマッハいくつかの猛スピードで動いている
 また、隕石も高速で動くため、太陽系の引力では捉えるのが難しい

 つまり高速で走る4、5コート離れた選手の
 破れたラクロスのラケットに
 ボールを当てようとするくらい大変なことなんだそうだ

 しかし、彼は45億年前の宇宙なら話は違う、と気づいたそうです
 45億年前ならもっと宇宙はコンパクトで、太陽系どうしの距離も短い
 また、太陽系の速度も今より遅い

 近くにいてゆっくり動くラクロス選手にボールを渡すなら
 今よりは容易いだろう、と彼は話していました

 しかし次の科学者は、
 今でも地球外生命体は地球に降り注いでいるのでは、と考えているそうです
○地球外生命体は今でも地球に降り注いでいる?
 次の科学者は、シェフィールド大学の微生物の学者、ウェインライト氏。
 彼は先ほどの「パンスペルミア説」に対して、
 現在も地球外生命体が地球に来ていると考える説を
 「ネオ・パンスペルミア説」
 だと説明していました

 彼は地上2万5千メートル上空の成層圏のサンプルを採集し、
 そこから地球外生命体の痕跡を探す研究をしているそうです

 2万5千メートル、は民間の航空機の3倍の高さなのだそうですが
 彼は、ここに宇宙由来の生命体があると考えている
 別の科学者からは、ここにある生命体は地上から舞い上がってきたものではないか、
 という意見もあるそうですが
 彼はそれにたいしていくつかの反論があるそうです

 その1つは、成層圏の物質は粒子が大きすぎるので
 物理的に地球から舞い上がってくるのは不可能ではないか、というもの

 しかしこの説を説明するには、実際に生命体を見つけないといけない
 そこで彼は、風船に採取器を付けて
 成層圏に向けて飛ばす実験をしたそうです
 採取器は、上空2万4千メートルを超えると
 自動的に引き出しが開くようになっていて、
 無菌状態でそのまま顕微鏡で観察できるそうです

 そして2013年、初めて物質が採取された
 大きさにして30ミクロン程度
 髪の毛の太さの半分くらい。
 それを顕微鏡で見ると、どの藻類や細菌にも似ていない。
 成分分析をするとチタンがあり、
 ここから炭素や酸素など、生命体由来かもしれない物質が放出されているのも分かったそうです
 また、この物質は採取器にぶつかった跡を残しており
 高速でぶつかってきたもの、
 つまり地上から舞い上がったものではないと考えられる、
 と彼は主張していました

 彼は科学は1度採取できただけでは成功とは言えない、として
 採取を続けているそうです
 
 (この話は以下のニュースサイトにも載っていました
  http://tocana.jp/2017/02/post_12286_entry.html
  パンスペルミア説を支持する科学者によれば
  惑星どうしの数光年、という距離は遠いものではなく、
  彗星や隕石による生命の橋渡しは十分可能、ということだそうです。
  また最近では、火星などからも生命の起源(RNA)などが来ている、
  とする説もあるみたいです
  (http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8333/))

次は宇宙人との交信の話がいくつか続いています
○宇宙人はニュートリノで信号を送っている?
 この物理学者はハワイ大学の方で
 (派手なアロハシャツを着ていました)
 宇宙人との連絡方法がいずれできるのでは、
 と考えているそうです

 今まで、人類は、電波や光などで宇宙人との交信を試みてきた
 しかし彼によると、光や電波では宇宙人と交信できないのでは、とのことです

 その理由はノイズが多すぎること。
 宇宙には大量のチリやガスがあり、
 光で信号を送っても遮られてしまう
 また、宇宙には星からたくさんのノイズ電波があり
 これらを取り除かないと信号がよみとれない

 彼は光や電波ではなく、高い文明を持つ宇宙人ならば
 ニュートリノを信号に使っているのでは、と考えているそうです

 ニュートリノは素粒子の一種で
 太陽の核反応や星の爆発などにより生まれる物質

 これは簡単に物質をすり抜ける性質があり
 「今でも100万のニュートリノが、我々の親指の爪をすり抜けている」そうです
 ニュートリノを遮るには
 1光年分の厚さの鉛を塗りたくらないとダメなんだそうです

 ニュートリノはこのように物質と反応しないので、
 観測するのが困難で、
 地球上で一番大きい観測所は、南極の氷の下にある「アイスキューブ」という所なんだそうです
 (アイスキューブについては
  千葉大のハドロン宇宙国際研究センターのページに説明がありました
  http://www.icehap.chiba-u.jp/frontier/
  スーパーカミオカンデなどと同じく、
  ニュートリノが水(アイスキューブの場合は氷)と衝突して起こすチェレンコフ光、
  という現象をとらえているようです)
  
 アイスキューブの氷の電子をニュートリノが貫通すると
 色んなセンサーがそれを捉える。
 しかしその衝突も稀で、年に数回ほどしかないらしい

 彼によると、ニュートリノのエネルギー量にはばらつきがあるそうですが、
 高エネルギーのものがアイスキューブの氷電子とぶつかると
 特異的な爆発が起きる、という特徴があるそうです

 この爆発はグラショー共振と呼ばれる。
 物質には固有の振動数があるが、
 外部から与えられるエネルギーがその振動数と一致すると
 共振して振動が大きくなるのだそう

 彼はその共振現象を
 ワイングラスに、アンプとつないだ共振装置と接触させる実験で説明していました

 アンプの先でクラリネットをひいてもグラスはあまり揺れない
 次に、音を人の声に変えると、揺れは大きくなる
 次にエレキギターに変えるとさらに揺れは激しくなり、ついにはグラスは割れてしまう

 彼によれば、適切な振動数を与えられるほど十分なエネルギーを得られれば、
 この観測は可能、なのだそう

 高度な文明があればそのくらいのエネルギーは産み出せるはずで、
 珍しいグラショー爆発が連続的に起きていて、
 しかもそのニュートリノが同じ方向から来ていることが分かれば、
 それは自然な出来事ではなく信号の発見となる、
 もしそれが分かればこの世界をすっかり変えてしまうはずだ、
 と話していました

○宇宙人の信号はコンピューターウイルスの形で侵入している?
 次の天体物理学者は、宇宙人からの信号はすでに地球に届いているのかも、
 と考えているそうです
 この方はカリフォルニア大学のSETIで宇宙外生命体を研究しているそうですが、

 彼によると、
 高度な文明を持つ宇宙人ならば、
 既に我々が電波を操ることを知っていて
 その信号も拾っているのでは、とのこと

 彼らは宇宙からの電波を拾い、
 ノイズを取り除き、有力なものと分かれば分析しているのかも、
 そして彼らも電波を送り、我々のコンピューターにウイルスとして侵入しているのかも…
 と考えているそうです

 もし宇宙人由来のコンピューターウイルスがあっても
 我々の機械が正しく動くなら問題はないが
 悪意のある宇宙人が作ったコンピューターウイルスなら問題を起こすかもしれない…
 というような話をしていました

 イスラエルとアメリカが作ったというコンピューターウイルスが、
 イランの核処理施設の遠心分離機をハッキングした、
 という例が挙げられていて、
 個人的には冷戦時代的な発想だなと思ったんですが、
 次の科学者はもっと飛んだ考え方で、
 宇宙人は三次元の体を持たない、デジタル生命体なのかも…と考えているそうです

○宇宙人はデジタル生命体なのかも?
 この科学者はミシガン州立大学の方で
 進化生物学者でもありコンピューター科学者でもあるそうです

 彼はロボットも見ようによっては生命体と同じ、というような話をしていました

 つまり、生命体は自ら動き、外界に反応し、代謝し、繁殖を行う
 しかしロボットも意思を持って動くように見えるし、
 エネルギーを使って代謝しているようにも見える

 また、生物は特定の環境でどう動くべきかの情報をDNAとして持っているが
 コンピューターも情報にアクセスし、プログラムどおりに動いている
 繁殖についても、コンピューターはプログラムやソフトをコピーすることもできる

 しかし実際は、コンピューターは人の命令がないと動けず
 自律的に生き長らえることはできず、自ら進化もできない

 しかし宇宙人がデジタル生命体ならそれが可能かもしれない
 彼は既に仮想空間内でそのモデルを作ったのだそうです

 彼は「アヴィダ」という仮想空間で
 「アヴィディオン」というドットの集まりでできた生命体を作っている
 色により種が違うのだそうです
 (画面で見ると、色んな色の塊が大きくなったり小さくなったりしている。
  まるで粘菌が相手を食べながら動いているようでした)

 彼によれば、このアヴィディオンは仲間をコピーするが
 欠陥のあるコピー、つまり突然変異を起こすこともできるそうです
 これは進化を可能にする、とのこと

 進化のためには、適切な突然変異が必要なのだそうです
 突然変異が少なければ同じ個体をコピーするのみで、進化は起こせない
 また突然変異が多すぎれば、ランダムなデータの欠片になってしまう

 このアヴィディオンは、複雑な計算を起こすとご褒美が貰えて
 自分の仲間をたくさんコピーできるようになっている

 彼は、アヴィディオンを碁盤の目上に座っている人たちに例えていました
 赤、青、黄色などのTシャツを着ており
 同じ色の人は同じ種とする

 赤の人が手を上げるだけだと、
 簡単な姿勢過ぎて点は与えられない
 青の人が立ち上がれば、複雑だと判断されて点が与えられる
 その他、座った姿勢からジャンプする、など複雑な姿勢を取れば
 もっと点が増えて仲間が増やせる

 これを繰り返していくと
 点をたくさんもらった種が碁盤の目を埋め尽くしていく
 しかしこの変化は著しく、
 赤が優勢かと思えば黄色が優勢になったり、
 勢力図がどんどん変わっていく
 これは生存競争を示しているそうです

 彼によると、このアヴィディオンの成果を応用すれば
 デジタル生命体の特徴が分かるのでは、とのことです

 一般に生命体の進化にはパターンがあり
 特定の行動や形などが残り、偏りが出てくるのだそうです
 自然界でも、アミノ酸の構造などにも偏りが見られるのだそう
 デジタル生命体にも、このような特徴があるのでは、
 ということらしい

 (Avidaはウィキなどによりますと、
  人工生命のプラットフォーム、ソフトウェアで
  デジタル生命の進化生物学の研究のために作られたものだそうです。
  もともとはカリフォルニア工科大学で始められた研究で
  今はミシガン州立大学で継続されている、とのこと。

  もとはTierraという別の人工生命プログラムがあったそうですが
  Tierraは各個体がメモリとCPUを共有して奪い合うのに対し、
  Avidaは各個体でメモリとCPUを独自に持つ、という点が違うらしい
  Avidaの研究により、進化を示す命令群などの解明もされつつあるらしい)

さて次の方は、宇宙人は既にそばにいるけど、
別次元にいて見えないんじゃないか、という話をしています
○宇宙人は別次元にいて見えないのかも?
 次の方はコスタリカ出身の理論物理学者。

 彼の故郷のコスタリカの自然では
 色んな生物がそれぞれの領域で生きているが、
 お互いの存在は気づいていない。
 例えばアリは蝶の世界が見えていない。

 彼は、地球外生命体もそれと同じで
 我々の近くにいるが我々には見えていないのでは、
 と話しています

 彼は、地球外生命体は
 我々の三次元では見えない所に住んでいる、と考えているそうです
 多くの物理学者も、三次元以外の次元があるということは認めているらしい

 彼は
 「三次元以外の次元はイメージしにくいので
  我々は二次元に住んでいるとしてみます」
 といってカードを取り出す

 カードを積み重ねると三次元になるが
 我々のカードからは別のカードの世界は分からない
 我々も高次元世界の1つの層に過ぎないのかも、
 と彼は話していました

 しかし、高次元世界は我々には認識できないそうです
 別の次元では光も届かないし
 物理学の法則も異なるため、なのだそうだ

モーガンさんは最後に
我々が地球外生命体に出会えるかは分からないが
もし遭遇できたら全く新しい認識が得られるのでは、と話していました
我々人類は広大な宇宙の一部にすぎず、
だからこそ我々は未知の世界にひかれて探求を続けていくのだ…
とまとめていました

〇感想など
・我々の生命は地球外生命体由来だ、という説は
 昔は「宇宙人が来て我々の遺伝子を組み替えて…」
 とかいうオカルトチックな話だったような気がして、
 こちらはなんか科学的には感じていなかったんですが、

 隕石が飛んできて有機体を持ってきて、
 地球からも有機体を宇宙と交換している、という説ならなんとなく納得いきました。
 というのは、地球は別に閉鎖しているわけではないので
 大気を通じて物質を交換している、てのはあり得そうに思う。
 何も地球だけが特別な天体ってわけではないのかな、と思います。

 あとどうでもいい話だとは思うが、 
 パンスペルミア説の方は風船を飛ばして試料を採取しているみたいなんですが
 原始的なやり方だなあという印象を受けました。
 もうちょっと効率的に採集できないもんなんですかね…

・ニュートリノを使った信号、ってのは全然想像できないなと思いました。
 どうやらニュートリノはニュートリノ振動、とかいう現象があるとおり波ではあるようなので
 信号にしようと思えばできるのかな?
 しかし物質もすり抜けるとなると、発生器も検出器も何で作るのか?扱いが難しそうですね…

・一番印象に残ったのはデジタル生命体の話でした。
 今流行りのAI研究にも通ずるような…
 AIの繁殖とか進化のシミュレートもできるのかな。
 でも体や経験がないと、やはり進化は限界があるような気もします。

個人的には、地球の生命が宇宙由来のものも含まれている、という説はありうる、と思います。
先ほども書いたように、地球は宇宙の一部である以上、
宇宙の物質から全く影響を受けないのはあり得ない、と思うからです。

また、次元が違うところに地球外生命体がいるかもしれない、という説もあり得そうだと思います。
我々が見えるのはしょせん三次元空間、光の中の世界でしかなく
宇宙はもっといろんな次元があるんだろう、
見えない次元でもいろいろ物質があると考えたほうが自然だと思うからです。
ただ違う次元のものにあるとなると
永久に証明できないので、それは科学を放棄している、と言われそうな気もしますが…

まあいずれにせよ、地球外生命体がいるとしても
友好的に付き合っていきたいものだなと思います。

というわけで今回はこの辺で。