2018年01月03日

NHKBS「激動の世界を行く「2018世界は北朝鮮をどう見るか」」

NHKBS「激動の世界を行く「2018世界は北朝鮮をどう見るか」」

大越健介キャスターが世界の各地をリポートするこの番組、
年はじめは北朝鮮でした。
さすがに大越さん、北朝鮮には入れませんので、
アメリカ、韓国、マレーシア、ロシアなど各地を訪れていました。

前半はアメリカの各地、
後半はその他の国々の話です。
ただのワガママな独裁者?と思っていたが
色んな見方があるんだなぁと思いました

前半「“強硬”アメリカの本音」
○ワシントンの人々
 取材班のアメリカ訪問の日、
 北朝鮮が火星15号を発射
 アメリカ全土が弾道ミサイルの射程距離内に入った、
 というニュースが飛び込んできたそうです

 ワシントンで道いく人たちに
 「北朝鮮は脅威になるか」
 と聞くと、タイムリーな話だったせいか危機感を抱く人が多い。
 「昔はそうは思わなかったが
  今や彼らは危険なものを手にしている」
 「平和を脅かす」

 中には、自主的に町いく人に戦争反対を呼び掛ける人もいました

○自由はただではない
 ・朝鮮戦争に従軍した元兵士
  1950年~1953年の朝鮮戦争では
  アメリカも国連軍として参戦、韓国側についた
  アメリカ人兵士の3万人が犠牲になったそうです

  80代の元兵士の方は
  「私たちは韓国を救えた、仕事を誇りに思う」
  と話をしていました

  彼は
  「自由はただではない(freedom is not free)」
  という言葉を紹介して
  「何世代もの歴史を振り返ればそうだ、
   自由を手にいれるには戦うしかない。
   多くの戦争は自由を守るためだった」
  「我々は国を奪い、取り返すことを繰り返して過ちを犯してきた、
   強くなければ敵に滅ぼされる」

○六か国協議
 2006年くらいからの六か国協議では
 アメリカ、北朝鮮、韓国、中国ロシア、日本を交えて話し合った
 北朝鮮は核兵器や核開発の放棄を約束したが
 その後破棄し、核兵器開発を進めている

 このとき協議に加わったクリストファー・ヒル事務次官補(当時)にインタビューしていましたが
 「今の北朝鮮を見て裏切られたと思うか」
 という問いには
 「あの国のこと、裏切られたとは思わない」
 というものの
 「もっと中国に動いてもらうべきだった、
  そのために日韓米が緊密に連携すべきだった」
 というような話をしていました

 現在の北朝鮮に関しては
 「昔と大きく違うのは、
  昔は北朝鮮も非核化を考えていた、
  しかし彼らは今は非核化という概念も拒否し、
  中国だけではなく他のどんな考え方も受け入れない」
 そして
 「彼らは核保有国としてのアメリカとの対話を望んでいる、
  このままでは事態が進展することはない」

○強硬派の意見
 一方、ワシントンの保守系シンクタンクの研究員、強硬派の方は
 「アメリカの法律や国際ルールを侵害するものには圧力が必要」
 「トランプ大統領もまだ手ぬるい」

 そしてその手段として
 「北朝鮮を陰から支援している中国の企業はアメリカの銀行を使っている、ここは狙い目だ」
 つまり金融制裁ができると話していました
 「中国は共犯者とは言わないが、アメリカに協力しないならそうみなす」

○ビジネスチャンス
 一方北朝鮮の脅威をビジネスチャンスにする人もいる
 ・核シェルター会社
  カリフォルニア州サンタモニカの核シェルター会社は
  北朝鮮のミサイル発射でビジネスは好調だそうです

  日本からの注文も4割を占める
  日本で人気なのは狭い場所にも置けるタイプ
  簡易トイレくらいの大きさで100万円くらいらしい

  一方アメリカで人気なのは家タイプのもの
  空調、トイレ、台所も完備、
  食料を備蓄すれば半年は暮らせるそうです。1300万円。
 大越さんはソファに座りつつ
 「こういうものができていいのか悪いのか、複雑な気分…」

 そのあと社長さんに
 「あなたのビジネスに批判はないか」と質問すると
 社長は
 「煽ってるって?それどころか、自分は核シェルターのヘンリー・フォードと言われる」
 と話していました

 普通なら10万ドルする核シェルターを、
  1万9千ドルの手頃な値段にしたんだ、と。
  そして1千台は売りたいと息巻いていました

 ・武器ビジネス
  11月の日米首脳会談後の記者会見ではトランプ氏が
  「日本はアメリカから多くの武器を買うべき、アメリカの雇用も増える」
  と発言していたそうですが

  テキサス州のフォートワースという場所では武器ビジネスで潤っているそうです
  ここにはロッキード・マーチン社があり
  ここのF35機を日本は42機購入
  他国も含めて11か国から受注があるそうです

  市民も「経済にはいい、戦争は何も良くないけど」
  と話していました
  もともと保守地盤でもあり
  「北朝鮮をやっつけてやる」
  と割りと好戦的な発言が多い。

○カリフォルニアの反応
 北朝鮮の弾道ミサイルから距離が近いカリフォルニアではどうか。
 「もう赤信号」
 「トランプ氏も国際政治を理解していない」
 など不安に思う人は少なくない

 一方で韓国人が多い所では
 「北朝鮮は10年も20年も同じことをしてきた、
  今も単なるこけおどし」
 と割りと冷静に見ている人が多い。

○キムジョンウン(金正恩)氏の思惑
 ・ジョンウン氏は経済発展も目指している
  南カリフォルニア大学のデービット・カン氏は韓国系の専門家だそうですが
  「キム・ジョンウン氏をジョークにしてはいけない」
  と話していました

  彼は北朝鮮が製作した、
  ジョンウン氏が戦車に乗ったりミサイル基地を視察するビデオを見て
  「ここには二種類のメッセージがある」と指摘。
  1つは国外向けで、我々はこれだけ軍事技術があるんだぞというもの、
  もう1つは国内向けで、北朝鮮は自分が守っているんだぞというもの。

  カン氏の分析では
  ジョウウン氏は軍事だけではなく経済発展も目指している、とのこと
  経済発展もしますよというメッセージが国民にも向けられているそうです

  大越さんは
  「北朝鮮という会社のCEOみたいなものですか」
  と聞くと
  カン氏は頷いて、ジョンウン氏を若い起業家と考えた方がいい、と話していました

 ・北朝鮮ドラマに込められた意図
  またワシントンでは、北朝鮮についての勉強会が開かれているそうです

  ある方は、北朝鮮のドラマを見てその意図を解説していました
  そのドラマは高層マンションの住人のラブコメディ
  しかしドラマのクライマックスは弾道ミサイルの発射で
  住人はみな手を取り合って踊り出すハッピーエンド

  「北朝鮮にとってはミサイルの発射はお祝い」なんだそう
  北朝鮮の国民はこれがプロパガンダと分かっているが
  それでも多くの人は、これをエンタテイメントとして見て、日々の現実から離れたいのだそうです

  大越さんは
  「意表を突かれたのは、ジョンウン氏が若者や家族を大事にしていること」と聞くと
  この専門家は
  「父親のジョンイル(正日)氏は家族より国家戦略を重視していたが
   ジョンウン氏は家族、市民や生活の向上が大事だと考えている、
   若い世代の忠誠心を育むことを考えている」

  こうした意図を理解することが介入には大切だ、と話していました

○軍事専門家たちの見立て
 ・衛星画像を分析する専門家
  ワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学に所属するが、
  コロラド州デンバーに住んでいる専門家がいました
  35年北朝鮮の分析をしており、現在は衛星画像を分析しているそうです、

  「普段は見られないディープなところが見られる」
  今のディープなところは?と聞かれて
  シンボという町の港の画像を見せてくれました。
  弾道ミサイルを備えた潜水艦が停留している様子が映っており
  展望棟に開口部があり
  ここに弾道ミサイルの発射管があるそうです

  彼によると、
  今までは地上配備のミサイルが多く
  方角見れば日米韓どこを狙っているのか分かったが
  潜水艦になるとどこでも行けるのでより脅威になったそうです

  35年研究している彼でも北朝鮮の意図を理解するのは難しい、とのこと
  何を望み、どんな反応を望んでいるのか、
  エリートや側近の意図も分からない
  彼はジョンウン氏は知的な人だと見ているそうです

 ・海兵隊の司令官
  一方軍人である国防次官補のヴォレス・モリグソン氏に話を聞くと、
  彼はアメリカの先制攻撃の可能性について
 「私は認めない」とのこと
  歴史から見ても先制攻撃は予期せぬ悪い結果をもたらすことが多い、と指摘。

  それでも大越さんは
  「過去には偶発的なことが戦争を起こすこともあったが」
  と戦争の危機について聞くと彼は、

  全ての対話はテーブルの上で行われるべき、とし、
  一方でどうすれば北朝鮮が悪化しないか、
  アメリカと日本が連携して考えておくべきだと話していました

 ・イアン・ブレマー氏
  しかしトランプ氏は北朝鮮の対話を諦め、圧力をかけるような発言を繰り返している

 これについて「大国なき世界」の到来を予言したという社会学者のイアン・ブレマー氏に
  「アメリカの北朝鮮の衝突はあり得るのか」
  と質問していましたが
  「トランプ氏は自分が外交に詳しくないと分かっているので
   周りの人に完全に任せている」
  と答え、逆に
  「それよりも日本はアメリカに依存しすぎ」
  という話をしていました

  先進国の中で、安部首相だけが
  「どんなときでもアメリカの味方」という姿勢で、これは危うい、と。
  その点ではドイツのメルケル首相に学ぶべきで、
  メルケル氏は、歴史や文化からだけ共存できるところを探そうとしている
  フランス、イギリスの首脳もトランプ氏とは一歩引いて付き合っている、と。

  日本はアジアの中でもっと果たす役割がある、
  経済力を増している中国や、
  北朝鮮のミサイルの危機を考えればそれがわかるはずだと話していました

  大越さんは
 「アメリカの役割について聞いていたはずなのに、逆に日本への宿題をもらった形になった」
 とナレーションしていました

〇感想など
 アメリカは多種多様な国なだけあって、思いは様々。
 その中で、
 「ジョンウン氏は若き起業家と見るべき」
 「家族や生活を重んじている」
 と分析していた意見は意外で新鮮でした
 追い詰められて何を仕出かすか分からない人というよりも
 国民を見方につけて外に対峙する感じ、
 シリアのアサドに近いのかなと感じました。

 また、トランプ氏の強硬姿勢はただの脅しなのか何も考えていないのかが読めない。
 軍人さんは重視しているようだし案外慎重なのかもとも思う。

 安部さんもアメリカについていく姿勢だけど、
 割と色んな所に出掛けている人ではあるので、
 それはフリだけなのかなという気もしなくはない。
 政治家の考えてることはようわからんけど、
 まぁとにかくみんな仲良くいてほしいなとは思いました。

後半
「近隣諸国 異なる国家像」
○脱北者たち
 ・若い兵士
  2017年の11月13日、板門店(パンムンジャム)の軍事境界線を韓国の兵士が越えた、
  というのが大きなニュースになっていました
  彼は北朝鮮に狙撃され一時意識不明の重体になった

  同じように1年前、脱北した兵士に大越さんがインタビューしていました
  「なぜ脱北を?」
  「世界の人々は自由を享受しているのに
   祖国では何もかも束縛され、従属していた、
   そこから逃げ出したかった」
  彼は母子家庭だったそうですが
  彼の脱北が報道されると、母親は処刑されたそうです

  彼は
  「今は私の家族を全滅させるような政権を悪くいうことで、自分を慰めている」
  今なら思いのまま語れると話していました

  軍の様子を聞くと
  「軍は入りたいからではなく義務で入る」
  「食事は十分ではなくトウモロコシ、お米を食べられるのは特殊部隊だけ」だそうです
  ただしミサイル開発については
  「幼い頃から洗脳教育を受けてきた」ために反対の気持ちはなかったようです

  教育の力は強力らしく、韓国についても
  「物乞いだらけだと思っていた」
  そうですが
  「車が買えるなんて夢みたい、
   想像も出来なかった生活を今は夢見ることができる、それだけでも価値がある」
  今は命も惜しくないそうです

 ・脱北者の活動
  先の元兵士がなぜ脱北を決意したか、
  そのきっかけは境界線付近で拾ったUSBメモリだったそうです

  その中にある韓国ドラマを見て南の生活に憧れた
  見つかったら厳罰処分だそうですが
  「20代の若者の好奇心はそれよりも強かった」

  このようなUSBメモリを
  韓国から送り続ける団体があるそうです

  その代表の方も脱北者だそうで
  大越さんはインタビューしていました

  彼はペットボトルにお米を入れて、
  その中にUSBメモリを仕込んでいる
  お米を入れるのは、北朝鮮の厳しい食料事情を考えたら、
  誰かが必ず拾うだろうというという狙いがある

  また、USBメモリにはドラマやニュースなどを入れている
  このコンテンツも彼自身が製作しているそうで、
、 例えば脱北者が自由にアイスクリームを食べる映像と
  北朝鮮の痩せ細った子供の映像とを対比させている

  彼は北朝鮮でクーデターが起きないのは、
  国民が洗脳されて外の生活を知らないからと考えていていて、
  情報を与えて、君たち騙されてるぞと知らせるためにこの活動をしているそうです

  今では世界には支援の輪も広がり
  USBを届けてくれる人もいるのだそう

  そして彼を動かすのは北朝鮮での体験だそうです
  彼はかつて貿易会社に勤務しており、
  中国で働いていたときスパイ容疑で逮捕され、拷問を受けた

  一番辛かったのは、両手を背中に回した状態で吊るされる拷問で、
  3~4日そのまま放置され、排泄もズボンの中、
  あまりに辛いのでスパイだとウソの自白をしてしまったそうです

  その体験は未だに残り
  睡眠薬や精神安定剤が必要な生活なのだとか

  大越さんは彼らが海岸でUSBを流す活動も同行していました
  「厳しい生活をしている祖国の仲間に祈りましょう」
  とお祈りしてから流していました
  潮の流れや強さ、時間帯などを見極めて流しており
  今までで10万個のペットボトルを流しているそうです

  代表の方は
  「兵士も拾ってお米を食べ、中のものを見るだろう、それが大事だ」
  兵士が心変わりしたらジョンウン氏に銃口を向けてクーデターを起こすかもしれない、と。
  北朝鮮の海岸では監視の目があるために拾われる可能性は低いと意う話もあるが
  彼はそのわずかな望みに懸けているのだそう

 ・脱北者の出演番組
  韓国には、脱北者が体験を語る番組があるそうです
  しかしバラエティ仕立てになっていて
  出演者によれば、脱北者に対しては
  「韓国国民の5割が無関心、2割は否定的」なのだそうです
  お笑いでも関心をもってもらえればということらしい

 ・脱北者の子供たち
  また、子供の脱北者もいるが
  文化や言葉の壁でなじめない子が多いそうです
  言葉は同じじゃないの?と思ったんですが
  長い間分断されていると、使わない単語とか言い回しが出てくるんだそう

○ジョンナム氏殺害現場となったマレーシア
 北朝鮮が態度を硬化させた原因の1つは
 北朝鮮がアメリカからテロ支援国家に指定されたことで、
 その指定のきっかけは、
 ジョンウン氏の異母兄のキムジョンナム(金正男)氏が、
 マレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害されたことだそうです

 クアラルンプール市民に
 「北朝鮮は脅威か」と聞くと
 事件のせいか、圧倒的多数で脅威と考える人が多かった

 以前はビザなし交流もできたが今は途絶えているそうです
 ある旅行会社は以前は北朝鮮へのツアーをしていたが
 今は北朝鮮へ飛ぶ便すらないそうです

 しかし国交はまだ断絶していない
 このことについて、マハティール元首相にインタビューしていました
 すると「相手が攻撃してこない限り関係は、維持しておくべき」
 だそうです

 大越さんは
 「あなたは医師でもあるが、
  北朝鮮は内服薬がいいか外科手術がいいか」
 と聞くと
 「病気にならないのが一番だが、病気になったらベストな方法を取るべきだ、
  ただ悪化すると分かっているのに手術すべきではない」

 そして、北朝鮮を追い詰める策は得策ではないと話していました
 「過激な行動をとると核兵器を使う可能性もある」

 そして
 「日本とアメリカは中国、ロシアと関係を作るべき、
  中国の難しい立場も理解しなくてはいけない」
 と話していました

○中国人の分析家
 日本に在住する中国人の専門家によると
 「中国はできるだけ軍事行動を避けてほしいと思っている、
  アメリカと韓国が北朝鮮を攻撃して占領したら緩衝地帯を失うので、
  中国はそれも避けたいと思っている」とのこと

 このため北朝鮮は中国にとってかつてはカードだったが
 今は制御不能で脅威となっている、
 そのため中国は北朝鮮に厳しい姿勢を取っているそうです
 その証拠に、習主席は一度も北朝鮮には行かず、行く気配もない

 中国は、
 北朝鮮のレジームチェンジ(体制転換)をソフトランディング(穏便に)行いたいのが本音らしい

○ロシアのウラジオストック
 大越さんは最後にロシアを訪ねていました

 ウラジオストックは北朝鮮と繋がりが強く、交流も活発
 市民に「北朝鮮に脅威を感じるか」を聞くと
 「我々の友人」
 「プーチンが何とかしてくれる」
 などと友好的な人が多い

 ウラジオストックには北朝鮮から出稼ぎに来ている人も多いそうです
 彼らを運ぶバスのバス停にも大越さんは取材しに行っていましたが、
 もちろんみんな話をしてくれない

 彼らは建築の仕事が多いようで
 ウラジオストックでインターネットを見ると
 外装、内装業者が
 「北朝鮮人はよく働きます」とアピール。

 仕事を依頼した人に話を聞くと
 「評判はいいですよ」とのことです

 また、ウラジオストックは  海、陸、空すべてで北朝鮮に行けるそうで
 北朝鮮に観光にいった人もいました
 子供たちが舞台で踊ってくれたり
 金日成などのお墓の前でお祈りの儀式をしていて
 「違う文化だから面白かった」
 と話していました

 しかし今後はこの交流も難しくなるようです
 というのは国連の制裁決議により
 北朝鮮からの新規の労働者が受け入れ禁止になったため

 専門家によると
 「沿海地方の建設は2/3が北朝鮮人とも言われる、
  建設業者はパニックしている」
 労働者が確保できず、現場は大混乱らしい

 ウラジオストックと北朝鮮とを行き来する船、マンギョンボン号を運行する海運会社の人は
 「経済制裁は北朝鮮の指導部ではなく、
  工場労働者の生活に影響する、
  経済制裁は国民の考え方を変えると言うが、
  逆に国民は団結すると私は思う」

 取引は続けるのか、という質問には
 「海での繋がりは守っていく、
  日本海沿岸は日本、韓国、北朝鮮、ロシア全てのもの、
  地域で問題があれば被害を受けるのは私たち、
  平和に暮らす方法を模索せねばならない」

 大越さんは最後の船舶会社の方の「制裁は中央ではなく末端の労働者に影響を与える」
 という言葉が残ったそうです。
 北朝鮮の軍事的な脅威だけに囚われるのではなく、
 背後には2500万人の国民がいることを忘れてはならないと締め括っていました

脱北者の話はたまに聞きますが、
当事者が直接語るのは生々しいなと思いました。

彼らからしたら、北朝鮮をでて韓国を見るのは、
鎖国を解消した日本レベルの、びっくりな世界なんだろうか。
ただ韓国にとってはもう飽きた、かわいそうだけど自業自得でしょ、くらいの冷めたレベルなのかなぁ。
とにかく子供たちがなじめないというのは気の毒だなとは思いました。

今のところ北朝鮮に対しては、
経済制裁が国際的には主流な手段となっていますが、
被害を受けるのは末端の人たちだけ、
逆に国民は団結するだろう、
と現場の人たちに聞くと
経済制裁にも関わらず、
クリミア併合を乗りきったロシアと状況は似ているのかなぁと思ったりする。

一番いいのは何だろうな。
北朝鮮の人たちが目覚めてクーデターかなんかが起きることかもしれないが
それもクーデター後のビジョンがないと混乱するだけだろう。

ベストなのは、ロシアのプーチンさんみたいなカリスマ性のある指導者が、
対外的にも経済もうまくやること、なんだろうから
一番いいのは今のジョンウンさんが目覚めて、
はったりをかましながら開国して、
中国みたいに他の国とも貿易して、
経済的に回復することなのかなぁと思ったりする。

ジョンウンさんもバカじゃないだろうから
経済的に栄えるには開国が一番だと分かっているだろう。
でもあえてそれをしないのはなぜだろう。
軍とか国内から命を狙われるからかもしれない。
ジョンウンさん以外のキーパーソンを探すのも1つの解決法かもしれないなと思いました。

まぁ、難しい話はよくわかりませんが、
とにかく平和な世の中をお願いしたいものです。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 11:50| Comment(0) | テレビ(政治) | 更新情報をチェックする

2017年12月18日

NHKスペシャル「急変する世界ビジネス~脱炭素革命の衝撃~」

NHKスペシャル「急変する世界ビジネス~脱炭素革命の衝撃~」

この番組、あんまり期待せず見てたんですが(スミマセン)、
意外とインパクトあったんでメモ的に書いておきます。

内容としては、世界的に二酸化炭素排出ゼロの流れの中で
日本はいまだに昔のビジネススタイルを取っている、
日本はこのままでは取り残される…という感じなんですけど、

内容もですが、その危機感の描き方というか、映像の使い方が見事だなと思いました。
新しいビジネスに打って出る中国と
いまだに昔の火力発電所にこだわる日本の対比が印象的…
しかしながら、まだ間に合うのかなという希望は持たせてくれる内容でした。

〇世界の二酸化炭素ゼロの流れ
 最初に世界的な動きの紹介でした。
 世界的には、二酸化炭素を排出する発電所、企業はそっぽを向かれるような流れになっているそうで
 その原因として
 ・温暖化に伴うコスト、リスクへの各企業の危機感
 ・パリ協定をきっかけとした、環境ビジネスへのマネーの流入
 ・エコ先進国にかじを切った中国の存在
 …を挙げていました

 ・温暖化に伴うコスト、リスク
  二酸化炭素は地球の温暖化をもたらし、気候変動を起こす
  これがビジネスのリスク要因、と考える会社が増えてきているそうです

  例えばウォルマートでは、
  温暖化が原因とみられる気候変動を大きなリスク、と考えているそうです
  ハリケーンなどの水害で、年間22億を損失している、という計算だったらしい
  そこで、
  ・店舗の屋根に太陽光パネルを設置、店舗の電気をまかなう
  ・LED照明の導入
  ・輸送トラックをエコドライブ設定にする
  ・高効率の冷蔵システムの導入
  ・独自のエネルギー制御システム
  …などを導入した結果、1000億円のコストが削減された
  排出する二酸化炭素を減らしただけではなく、コストも削減できたとのことです

 ・パリ協定をきっかけとした、環境ビジネスへのマネーの流入
  2年前締結されたパリ協定は、
   ・産業革命前からの温度上昇を2℃未満に抑える、
   ・5年ごとに参加国が進捗状況を報告する、
   …などというもの
  これにより、世界で排出できる二酸化炭素に実質的に上限があり、
  これを試算すると、石油や石炭などの化石燃料を今のまま使えば25年で上限に達する
  そして、埋蔵されている化石燃料の2/3が使えなくなる可能性があるらしい

  このため、世界では化石燃料に依存する企業は投資対象から外され、
  代わりにグリーンエネルギーや、脱炭素を宣言した企業に投資が移っているそうです

  アメリカも、トランプさんは「パリ協定は脱退する」と宣言していますが
  アメリカのビジネスの世界はそうではない。
  メリルリンチはインドで太陽光発電のファンドを立ち上げ、
  JPモルガンやシティ銀行などは、それぞれ環境ビジネスに数十兆の投資を行っている

  先日ドイツのボンで行われたCOP23でも、
  アメリカのたくさんの企業が商談に押し寄せていたそうです
  また自治体も脱炭素に積極的で
  カリフォルニア州の知事もこの会場で
  「我々はパリ協定にとどまる、トランプはもういない」とスピーチしていました
  
  石油産業で儲けたロックフェラー一族すらも、石油産業の投資から撤退したそうで
  「マーケットが変わってきている、長期的にはいい判断」
  と5代目は話していました

 ・エコ先進国にかじを切った中国
  中国は一昔前は、二酸化炭素削減には
  「我々はまだ発展途上国だも~ん」
  って感じであんまり積極的ではなかったですが、

  今年10月の共産党大会では、習主席が
  「中国は、エコ文明を率いていくリーダーになる」と宣言。
  率先して環境対策に取り組んでいるそうです。

  ほかの国のビジネスマンが
  「中国は真剣だ、だいぶ調べて検討したのだろう」
  と話しているとおり、
  ・火力発電所100基の建設凍結
  ・太陽光発電、風力発電の導入(5年で4倍発電機が増えたそうです)
  ・ガソリン車の将来的な廃止も見込み、電気自動車の充電スタンドの整備
  …などを国を挙げてやっているそうです
  
  商魂たくましい中国のこと、
  これは経済的な利益があると見込んでのことのようで
  ボンのCOP23でもブースをもうけ、積極的に商談を行っていたそうです。

  また、太陽光パネルを作るビジネスを世界展開する企業も出てきていて、
  山東省にたくさんの太陽光パネルを並べてパンダの絵柄を作った企業
  (その名もパンダグリーンエナジー)の方は
  「10億投資してくれたら世界中に太陽光パネルを作る」と息巻いていました。

  また、海外に実際進出している企業もいて
  中東に太陽光発電所を作るプロジェクトもあるのだそうです
  アラブ首長国連邦のアブダビには
  巨大な太陽光発電所を2年で作る予定で、
  注目すべきは電気代の安さ、だそうです。

  1キロワットアワー当たり2.0円、これは日本が作る火力発電所の1/5だそうで、
  これは強い日射量や、地元の優遇策、
  安くて過酷な環境に強い中国製のパネル(ジンコパワー、という企業らしい)、
  などにより実現したんだそうです。
  
〇脱炭素の流れに取り残されている日本
 ・日本への批判
  一方、日本はどうか…
  一昔前は「日本は環境先進国」「日本は省エネ技術で世界に貢献できる」
  と胸を張っていました
  (私もずっとそうだと思っていましたが)

  しかし、COP23では日本は脱炭素に逆行している、批判の方が多かったそうです
  というのは、日本はその数日前、
  アメリカと主に石炭火力発電所を世界に輸出する、と表明したからだそうです

  日本の戦略としては、
  官民を挙げてアジアに「高効率の」石炭火力発電所を輸出する、というもの
  これにより従来より16%二酸化炭素を削減できるからいいんだ、という理屈らしいですが、
  世界は二酸化炭素を減らすんじゃなくてゼロを目指せという流れなんですね。
  安倍首相が
  「環境に優しい高効率の火力発電所を建設することで
   インドの方々がより健康的な生活を送れる」
  とか演説している映像がありましたけど
  世界から見たら何寝ぼけたこと言ってるんだ、と鼻で笑われそう、と思ってしまった…
 
  さてCOP23では、日本からは12の企業が参加したそうですが、
  日本が招いたシンクタンクの方は 
  「日本が火力発電に融資しているのには失望した
   あなたたちのライバル中国が投資しているグリーンエネルギーこそ、未来への融資なのに」
  と厳しい言葉を投げていました

  イギリスの保険投資会社も
  「日本の電源開発から投資を撤退する」と宣言していました
  保険会社にとっても、気候変動が起きて災害が増えれば保険金の支払いが増え
  保険事業が続けられなくなる、という危機感があるそうです
 
  COP23に参加した日本企業たちも
  「炭素を出す企業には投資しない、一緒に仕事ができないとはっきり言われてしまっている」
  「後進国と言われているようなもの、ぐうの音も出ない」
  と危機感を抱いていました
 
 ・日本にグリーンエネルギーが普及しない理由
  日本になぜ再生可能エネルギーが普及しないのか?
  ・発電コストが高い
   土地が狭い、人件費や建設コストが下がらない、など
  ・電気が売れない
   日本では風力、太陽光などは発電量が不安定なので電力会社が買いたがらず、
   送電線への接続を制限している
  …などが理由だそうです
  
  一方ドイツでは、優先的に再生可能エネルギーを送電網につなげている
  風力発電も実用化しているものが多く、3000基が稼働しているそうです

  ちなみに日本では、戸田建設という会社が10年前から風力発電に取り組んでいるそうですが
  台風にも強い、など独自の技術を持っているのに、
  いまだに1基しか稼働せず、
  「10年もやっているのに1円も儲かっていない」
  と担当者の佐藤さんという方が話していました

  ほか、ベトナム、インドネシアも太陽光発電企業への優遇策を打ち出しているなど、
  世界では、再生可能エネルギーが普及するような政策を
  国が自ら取るようになってきているようです

 ・日本のこれからの挑戦
  COP23では、戸田建設の佐藤さんが
  環境対策を評価し、投資家にアドバイスするシンクタンクの方の話を聞いていました。
  彼は
  「日本には技術はある、ないのは変わる勇気だけ」
   日本は技術があるんだから、
   その頭脳をなぜ19世紀の技術につぎ込むのか?
   新しいテクノロジーに切り替えないと世界に取り残される、
   今は新しい世界への転換点だ、
  …という話をしていました

  佐藤さんはそれを聞き、悔し涙で目を潤ませながら
  「今は技術の変革点なのに、日本のトップエンジニアが関われていないなんて…」
  と言葉を詰まらせていました。そして、
   投資家は本当にお金、力があるなら、
   日本から資本を撤収するのではなく
   日本に対して姿勢を変えるよう働きかけてほしい、
  と訴えていました

  強い危機感を感じた佐藤さんは、そのあと投資家に連絡し
  自分の会社の技術のことを話したそうです。
  すると好反応だったそうで
  「これなら環境債でいけるから、どんどん開発しろ、
   お金が足りないなら連絡してこい」
  と言われたのだそう
  そして、
  「日本は技術を期待されている、
   何で技術があるのにやらないんだ、と思われている。
   まだ間に合うのかな」とのこと。

  日本は見捨てられているんじゃなくて、
  期待されているからこそ、今の態度には失望されているのだろう。
  これから技術力で巻き返せばまだまだ貢献できるのかもしれない、
  と私も感じました

  COP23には、環境先進企業としてリコーの方も参加していたそうですが、
  リコーの加藤さんという方は、
  世界的な宅配会社DHLと今後について話していました
  (恥ずかしながら私はDHLという企業は知らなかったのですが
   航空機を中心とした国際宅配便などの会社、なのだそうです)

  DHLは今後、9万2千台の配送車をすべて電気自動車に変える計画だが、
  なんとそのために電気自動車を自社開発する予定なのだそう。
  ベンチャー企業を買収したのだそうです
  既存の自動車メーカーでは、コスト面で折り合いがつかなかったからだそうです

  加藤さんは
  「「我々も脱炭素に向けてやってるんだから、リコーさんもちゃんとやってくれ」
   と言われました、
   今はお願い、という形だけど、
   1、2年後には、それができないならもうあなたとは取引はできないと言われる、
   それくらいの危機感を感じた」
  と話していました

  リコーの加藤さんはこのとき感じた危機感を、帰国後日本の他企業にも訴えていました
  また、戸田建設の佐藤さんは、自社の風力発電を
  アジアなど、海外に売り込む算段をつけ始めているそうです
  
 まだ間に合うのか、もう遅いのか…
 脱炭素の世界的な流れはもう止められない、
 日本も脱炭素ビジネスに乗り遅れるな、というような感じで終わっていました

〇感想など
・COPといえば、私のイメージでは20年前の京都議定書があり
 京都議定書の時は、そんなに盛り上がってなかったな~という印象。。
 排出権ビジネス、なんてのも正直うさんくさい、と思っていて、
 環境ビジネスなんて儲からない、というイメージだったんですが、
 この番組を見ると、しっかり金儲けとして成立しているようなのでびっくりでした。

 当時と今と何が違うんだろう?と思ったので調べましたが、

 いろんなサイトを見る限りでは
 京都議定書は、先進国だけに二酸化炭素削減義務を課している、
 (ただしアメリカは批准せず、脱退した)
 一方パリ協定では、発展途上国も含めたすべての参加国に削減目標を定めさせ、
 その進捗状況を5年ごとに報告させる、
 という違いがあるみたいです。
 WWFジャパンのホームページhttps://www.wwf.or.jp/activities/climate/cat1259/cat1279/
 によれば、京都議定書は2013年からは日本も参加していないようですね。
 (発展途上国が参加していないのは不服、としたそうです)

 私の印象では、
 京都議定書のときは、アメリカ、インド、中国、という
 経済的な大国が参加していなかったこと、
 もう一つは省資源技術がまだ未熟で、コストがかかりすぎていたというのがあるのかな、
 と思います。
 
 今のパリ協定はアメリカは脱退してしまいましたけど
 中国が本気でビジネスに参入してきた、
 アメリカの産業界もそれに負けていられない、と参加しているのが大きいのかなと。
 太陽光パネルも低コストで作れるようになってきたので、
 ビジネスとして成立するようになってきたのかな、と思います。

 日本の場合、京都議定書の時の記憶が強すぎて、
 環境ビジネスはまだお金儲けにならない、と考えている企業が多いのかな。
 (トランプさんも、基本的に70のおじいちゃんなので
  80年代のビジネス観を引きずっている感がするんですが…)
 今の世界をしっかり見ないといけないな、と思わされました。

・日本は省エネ技術が自慢、としてきましたけど、
 番組を見ると、
 これからは、既存のものを省エネ仕様にしているだけではだめで、
 もっとシフトチェンジというか、ジャンプした技術が必要なのかな…と感じました。

 全く別の仕様にして、別のエネルギーを使う製品に変えるとか
 全くエネルギーを使わない技術を開発する、とかしないとダメなのかな…と。

 例えば自動車でも、
 今はガソリン車よりも電気自動車の時代になってきている。
 電気自動車ならガソリン車ほど技術は要らず、
 ベンチャー企業がどんどん参加している。

 そうなると、今までの日本の自動車産業で使っていた技術は
 全く役に立たなくなるかもしれない。
 自動車メーカーの社員が大量失業、なんて事態もありうるのかも…
 と思うとぞっとします。

 ハイブリッド車、とかいうレベルではなくて、
 全く別の乗り物を作るとか、そういう発想で行かないといけないのかも…

 …なかなかおそろしい時代になってきたなあと感じました。
 どんな企業にいてもどんな立場でも、
 新しい技術、社会について学び続けていかないとやばい…
 と感じた番組でした。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 12:13| Comment(2) | テレビ(政治) | 更新情報をチェックする

2017年09月22日

NHKBS世界のドキュメンタリー「子供に広がる銃社会」

NHKBS世界のドキュメンタリー「子供に広がる銃社会」

2015年フランス製作、
2016年10月放送の再放送でした。

 アメリカの銃社会の現状を伝えたドキュメンタリーで、
 私はアメリカに暮らしたことが無かったので
 アメリカでは、銃がこんなに日常的になっているんだ、と改めて驚きました。

 番組では、個人の銃所持賛成の方、反対の方の意見を織り混ぜて伝えてあり
 私の印象に残ったところを書いてみたいと思います

○銃社会のアメリカ
 アメリカでは、個人で所持される銃器類が3億1千万丁、一人1丁は持つ計算らしい
 アメリカでは、憲法修正第2条で、国民の権利として
 「自衛のための武器所持」を認められているのだそうです

 近年の世論調査では
 「銃を持つほうが安全」と考える人の方が
 「持たないよりも安全」
 と考える人を上回った、という結果もあるそうです

 また、ほとんどの州では18歳以上なら身元審査もなく銃が買える
 南部の一部の州では14歳から買えるそうです

○銃反対の人たちの言い分
 色んな団体が出てきましたが
 (そしてドキュメンタリーの作製者たちもこちら側の意見でしたが)
 一番話が出てきたのは
 「子供たちの安全」を心配する声でした

 アメリカでは、毎年銃で亡くなる人は3万人、うち子供や10代の若者は1万8千人
 30分に一人の子供が銃で亡くなっている計算らしい

 また、亡くなるまではいかなくても、
 年間7千人の子供が銃が原因の怪我をしているそうです

 多くは家庭内の事故で、
 親の銃を誤射する場合もあれば
 自殺したり発砲する場合もある

 2歳、3歳の子が親を銃で誤って射つ事故、
 喧嘩で11歳の子が8歳の子を射つ事故などもありました

 そして銃が起こした事件をきっかけに、
 銃規制を求める運動も各地で起きています

○ニューヨーク州の「ニコラス法」
 2010年12月、ニューヨーク州のサラトガスプリングスというところで
 15歳の男の子が、
 自宅で親の銃を友達に遊びで向けられ、
 発砲されて死亡する事件が起きたそうです

 母親は目を赤くしながら当時のことを語り
 「病院では「検査をしたが、お子さんは脳死の状態だ」と…」
 と声を詰まらせていました

 この事件を切っ掛けに、亡くなった子の名前を冠した「ニコラス法」が制定された
 これは、銃を所持する人に、銃を鍵のある保管庫で厳重に管理することを義務付けたもの
 「子供は好奇心があるから、
どこにしまおうと見つけてしまう。
  自分はそうでない、と思うのは間違っている」
 と母親は語っていました

 銃規制賛成の団体ブレイディ・キャンペーンの会長は
 「銃を持つ方が安全、という考えは間違っている、
  侵入者に銃を向けるよりも家族に向ける方が42倍の確率で起きる、という統計もある」
 と話していました

○銃購入を思い止まらせるガンショップ
 銃規制を推進する団体「ステート・ユナイテッド」は
 ニューヨーク州にガンショップを作ったそうです

 しかし普通のガンショップとは違い、店員は
 「この銃は良くできています」
 という説明の他に
 「この銃は2歳の子がスーパーマーケットで母親を撃ったもの」
 など、犯罪に使われたいわくつきのものであると説明する
 銃にも、どんな犯罪に使われたかの履歴が書かれたカードがついている

 銃の履歴を知ると、買うのを思い直したり止めたりする人がほとんどなのだそうです

○銃賛成の人たちの言い分
 一方、銃所持に賛成(というか当たり前に思っている)の人たちは
 治安の悪いところに住んでいる人が多いようです

 犯罪の多い地域では、
 護身のために銃を置いている家が多く、
 そういう環境で育つ人は銃を持つのが当たり前で
 子供にも幼い頃から銃の撃ち方を教える

 例えばデトロイト州は空き家が多く犯罪も多いが、
 ここで生まれ育った薬局経営の方は、
 「こういう所に育っている以上、私は銃を持ち、家族や自分を守っている」
 と話し、娘が3歳のときにライフル銃をプレゼントした、とのことです

 しかし、むやみやたらに使うのではなく
 危険であることももちろん教える
 「銃を見つけても触ってはいけない」
 「銃口を人に向けてはいけない、撃ちたいものだけにむけろ」
 ということを教えていました

 彼はどこかの射撃練習場で
 娘に銃の撃ち方を教えていました。
 娘さんは見たところ小学校低学年くらい?
 最初はいやがっていたけど、だんだん楽しそうにバンバン的に弾を当てていました
 彼女より小さい子供も練習していました

○オープンキャリー
 先程の薬局の方は、腰ベルトなど、体の見える所に銃を携帯しているそうです
 自分は銃持っているぞと他人に知らせるためで
 「オープンキャリー」といい
 アメリカではほとんどの州で認められているそうです

 オープンキャリーを推進する団体、てのもあるそうで
 そこの方はオープンキャリーについての子供向けの絵本も作ったそうです
 「銃のことを子供に伝えたがらない親もいるが、
  それは子供に銃の大切さを伝える重要性が分かってない」
 と話していました

 一方ミシガン州ではオープンキャリーに反対する女性がいました
 この州で、女の子が学校の通学路でクラスメイトに射殺された事件をきっかけに、
 「ミリオン・マム・マーチ」
 という銃への反対デモが起きたそうです

 子供を持つ母親を中心にしたデモで
 行進では犠牲になった子たちの写真を掲げていたのだそう

 この団体はオープンキャリー禁止を求める運動を展開していて
 オープンキャリーを許可しているスーパーマーケットの前で
 「オープンキャリー反対に賛成なら、このスーパーの本社に抗議の電話をお願いします」
 と呼び掛けていました

 お店の人はさすがに
 「店の前は止めてくれ」
 と苦情をいいに来ましたが
 「銃はOKで、勧誘は禁止なのね?」
 と彼女たちは切り返していました

 この団体の女性は
 「こういった運動は成果を得られないことが多く、情熱を保つのが難しい、でも私たちは正しいことをしている」
 と話していました

 賛同する団体もあり
 「マムズ・デマンド・アクション」
 (コネティカット州の母親を中心にした銃反対の団体)
 はテレビを使った宣伝活動をしているそうです

 例えばアイスクリームを持った子と、
 自動小銃を持つ男性の画像を見せて
 「スーパーマーケットではどちらが許されないか?
  アイスクリームを持つ子供の方だ
  これは馬鹿げている」

○全米ライフル協会(NRA)の見本市
 アメリカのウォルマートでは、子供用の銃も普通に売っているそうです
 (さすがに刃物と同じく、鍵のあるガラスケースに入っていますが)
 ピンクや紫など、可愛らしいデザインのものもあり、まるでオモチャです

 アメリカでは、銃は70億ドル市場とも言われていて
 子供用の「クリケット」というものは、
 ここ20年で売り上げが20倍、年間6万丁売れているのだとか

 全米ライフル協会NRAは、アメリカ南部で子供向けの銃の講習会をしているそうです

 講習では
 「銃を見たらどうする?」
 「まず立ち止まる、触るな、離れて大人に知らせる」
 という合言葉を、キグルミやゲームを使い子供に教えている

 また、実際に銃に触らせ
 「銃はオモチャじゃない、触ってはいけない」
 と話していました

 NRAの方は、
 「子供から銃を遠ざけるのではなく、
  何が危険かを知らせることが子供には重要」と主張

 しかしナレーションでは
 「銃に触るなと言いながら、
  このような講習会では銃に自由に触れるようになっている」
 と突っ込んでいましたが…

 NRAは、毎年春に銃器の見本市を開くそうです
 テネシー州で開かれていた時の様子が取材されていましたが
 500のブースがあり、3日で8万人が訪れたとか
 殺傷能力の高い武器もここでは買えるそうです

 20歳前後くらいの娘さん二人がいる家族も訪れていました
 娘さんの一人の18歳の誕生日のプレゼントに、リボルバー銃を買うのだそうです

 娘さんは1年半前からねだっていた、とのことで
 「これは重みがあって気に入ったわ」
 と、まるで服やアクセサリーを選ぶように銃を選んでいました

○学校での銃乱射事件を機に作られた「マムズ・デマンド・アクション」
 NRAの見本市の近くでは、マムズ・デマンド・アクションという団体が抗議集会を開いていました

 この団体は、
 コネティカット州で2012年12月に起きた、
 サンディフック小学校での銃の乱射事件
 (26人の子供が犠牲になったそうです)
 をきっかけに設立されたそうです
 会員は200万人。

 このときの集会には犠牲者の遺族もいて演説していました
 「憲法修正第2条には賛成している、
  私は銃に反対ではなく、銃の暴力に反対している」
 (私はこの発言にちょっと驚きました。
 つまり、遺族ですら銃自体は容認しているってことですよね…)

 この事件は、
 20歳の男性が母親を銃で殺害、
 そのあと学校に行き銃を乱射、26人の児童が犠牲になった
 この男性は精神疾患を患っていたにも関わらず
 母親は事件の数週間前に銃をプレゼントしていたそうです。

 この事件は全米にかなり衝撃を与え、銃規制の議論も高まったようです

 アメリカではほとんどの州で18歳以上なら、身分証明の必要もなく銃を買えるが
 銃反対の団体の方はこれを問題視しています
 「銃を持つべきでない人、
  つまり精神疾患や犯罪歴のある人も容易に銃を所持できるようになっている」
 コネティカット州の事件ではまさにそれが起きてしまった

 議会でも2013年、購入前の身元調査を義務付ける法案が出されたが、
 銃器産業関係のロビイストたちにより消されたそうです
 「今の政治はおかしい」
 と反対の団体の方は話していました

 (2013年の銃規制法案(マンチン・ トゥーミー法案というそうです)については
 当時のオバマ大統領が力をいれていて
 このNHKBS世界のドキュメンタリーの「オバマのアメリカ」シリーズでも取り上げられていました
 (ボーッと見てたから内容ほとんど覚えてないけど、
 けっこう議会の中での駆け引きドロドロしてるな~という印象でした。
 またこのドキュメンタリーやってくれんかな)

 まぁそれはさておき

 http://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887324309104578429601757022968

 など、色んなニュースサイトによれば
 この法案は民主党のマーチン氏、共和党のトゥーミー氏による超党派による議案だったそうです

 内容としては
 ・オンラインや展示即売会での銃購入者について、
  犯罪歴や精神病歴などのチェックを求める
 ・殺傷力の高い銃の販売禁止

 などがあったそうですが
 民主議員の造反などがあり、採決に必要な60票にわずかに届かなかったのだそうです

 オバマ氏は「ワシントンの恥ずべき日」と強く悔しがっていました)

○銃訓練はピクニック?
 NRAの見本市で銃を見に来た一家を取材していました
 
 母親は見本市で
 「子供は銃に囲まれて育てば、変な好奇心を持つこともない
  私もそういう風にして育った
  銃は身を守ってくれるし、楽しませてくれる」
 と話していました

 テネシー州にある彼らの家を訪れると
 5、6丁の銃が保管してありました
 父親が自分の親から譲られたものもあるそうです

 父親は、
 自分は弾入りの銃を1丁だけ側に置いているが
 他はいつも鍵をかけた所にしまっている、
 子供が使いたいときは私に言わないといけない、
 と話していました
 母親も「私も鍵のありかを知らない」とのこと

 そのあと一家は車で30分くらいの所にある、
 民営の射撃場に射撃練習をしに行きました
 練習所といっても岩肌だらけの外の所に、板で作った的が置いてあるだけですが、
 一家は連続で早撃ちする練習、片手で撃つ練習など、色々していました

 「銃の練習も家族にとってはピクニックのようなもの」
 とナレーションでは言っていました

 この一家の主張によれば
 「ビールを飲んで事故を起こしても、車で事故を起こしても、車やビールは無くならない。
  でも銃で事件が起きれば銃が悪いという話になる、
  しかし問題は銃ではなくそれを使う人間なのだ」
 (あとで調べたら、銃が問題ではなく、使う人間が問題、というのはNRAの主張でもあるようです)

○学校での銃乱射事件への備え
 コネティカット州の学校での銃乱射事件の後、銃への批判も高まったが
 NRAは、
 恨むべきは銃ではない、
 むしろ学校に銃を配備して警備を強化すべき、
 と主張しているそうです
 「銃を手にした悪者に対抗できるのは銃を手にした善人だけだ」と話していました

 銃反対の団体は
 「彼らは頭がおかしいと思われてもかまわなかった、
  真の解決策から目をそらそうとした」
 と批判していますが
 事件のあと、銃の販売はむしろ伸びたそうです
 ナレーションによれば
 「まるで次の襲撃に備えて武装を強化しているかのようだ」

 NRAの見本市にもいた銃賛成のロビイストの方は
 「警察が何とかしてくれると思うのは甘い、
  教師がみんな銃をもてとは言わないが
  備えをする学校を止めることはできない」

 彼の団体は、学校襲撃犯対策コースというのを作っているそうです
 それによると、銃を持つ悪者から身を守るには、
 机で隠れていてはダメで
 1外へ逃げる
 2バリケードを作る
 3反撃する
 の3段階で対応すること、
 なのだそうです

 机にいても見つかったら撃たれてしまう。
 とにかく逃げるのが先で、どうしようもなくなったら犯人と対峙するしかない
 その際、エンピツやペン、ハサミ、本などでも防ぐことはできるそうです
 その方法を動画にして配っているそうです

 それでも防げないなら、みんなで犯人にしがみつく
 身動きがとれなくなりライフルが撃てないそうです

○ビジネスチャンス
 一方、この状況をビジネスチャンスにしている人もいました
 ある防護装備品の会社が、学校用の防護品を開発した

 この会社は元々特殊部隊の盾を作る会社だったが
 コネティカット州の事件を受け、当局が来る前に学校に防護品が無いと意味がない、と考えたそうです

 そこで開発されたのが防弾ホワイトボード
 後ろには両手で持てる取手もついていて
 とっさのときには盾がわりになるそうです

 製品テストによれば
 9ミリ弾30連発のものも食い止められたらしい
 (弾は板にめり込んで貫通も跳ね返りもしない)

 また、子供のリュックの中にいれて背負える防弾パネルもある
 子供たちが臓器を守ることもできるそうです

 メリーランド州には、
 全米で初めて防御装備をした学校があるそうです
 監視カメラがあり、全ての机は丈夫な繊維で強化されている

 先の防弾装備会社の方は息子も通うというこの学校を訪れ、
 全ての教室に防弾ホワイトボードを配備し
 事務所には防弾バインダーを備えたそうです

 校長先生は
 「45年この学校にいるが、こんなことは10年前にも考えられなかった、
  しかし今は違う、
  当局が来るまでの時間稼ぎができるなら何でもする」

○まとめ
 色んな銃による悲劇があるにも関わらず、
 アメリカでは、銃の販売はかつてないほどのびている
 銃規制を求める声は高まっているが、進んではいない。

 大統領が銃規制の法案を成立させ、犠牲者が増えぬよう願うばかり、
 と結ばれていました

○感想など
 前々から、なぜアメリカはこれだけ銃の事件が多いのに
 銃が無くならないんだろう…
 と思っていましたが、

 番組を見て、ここまで銃が小さい頃から当たり前になってしまっていたら、
 危機感も鈍ってくるんかなと思いました。
 日本のテレビとかスマホとかと同じような感覚なのかなと。

 銃保持の人たちの
 「車やお酒は規制対象にならないのに
  銃だけが禁止の議論がされるのはおかしい」
 という意見は、そう言われればそうだなと思ってしまった。
 (まあ、車は無くてはならなくなったし
 お酒もコミュニケーションを潤滑にする、
 銃に比べればメリットの方が大きいということなのだろうが…)

 しかしながら、銃の被害に遭っているにも関わらず
 憲法の修正第2条を支持する人がいるのには驚いたので
 アメリカ人が銃所持を支持する理由を少し調べてみました

 すると
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49557
 (アメリカ「銃社会」の起源と現在 だから一筋縄では規制できない)

 http://m.huffingtonpost.jp/2015/10/08/why-america-wont-quit-guns_n_8266830.html
 (NEWS なぜアメリカは銃を廃止できない)

 http://toyokeizai.net/articles/-/96826?display=b
 (米国人の私が銃規制強化に「反対」する理由 保守系コラムニスト、ドーサット氏が吠え る)

 などを見ると
 アメリカ国民も、
 展示即売会などで銃を購入するときの身分証明や、精神疾患を持つ人への銃所持規制
 などの必要性は感じているらしい
 (2015年の調査ではアメリカ国民の8割はそれらの規制に賛成らしい)

 しかし「国が」規制することには反発を覚えるのだそうです

 これは、アメリカ国民にとって銃所持は
 「自由と平等」
 の象徴、みたいなところがあるからだそうだ

 「自由」については
 歴史的には、アメリカはヨーロッパからの移民により作られた国。
 そしてかつてのヨーロッパでは
 王などの圧政から市民が革命を起こし、民主主義を勝ち取っています

 このような背景があるので
 国や警察も圧政の当事者になる恐れがある、
 という考え方が染み付いていて
 それらの圧政から個人が自分達の身を守るため、
 つまり、個人の自由のためには銃が必要、
 という理論になるらしい

 「平等」については
 体の弱いものが強いものに対抗するには武器が必要、
 という考え方なのだそうだ

 それなら、市民革命の起きた ヨーロッパの国でも銃所持が進みそうなのに、
 なぜアメリカだけ規制が緩いのだろう?
 と私は思ったのですが

 ・アメリカのように広い国土では、警察が駆けつけるまでに時間がかかり、
  その間自衛しなくてはいけない
 ・軍事産業の存在
 ・ハリウッド映画の影響
 …などもあるそうです。

 それから番組にもあった
 ・全米ライフル協会NRA
  の存在も大きいみたいです
  NRAは党に関係なく献金などをしているのと
  現実路線を取る
  (ゴリゴリの規制ではなく、
  重罪判決を受けた人の銃所持は制限するなど、節度は守っている)
  ので議員と結び付きやすいらしい

 たしかにフランスやイギリスは国土が狭いから警察も警備できるだろうし
 ハリウッドや軍事産業など、そこまで商業的には発展していなさそうだ。

 ほかには、
 http://toyokeizai.net/articles/-/96826?display=b
 (米国人の私が銃規制強化に「反対」する理由 保守系コラムニスト、ドーサット氏が吠える)の記事の中に
 フランスのことが書かれていまして、

 フランスではアメリカとは違い、国による銃規制が厳しいそうですが
 これはフランスの反自由主義、社会主義的な思想に根差したもので
 アメリカとは思想が違う、ということだそうです

 また、この記事では、
 2013年法案のような銃所持の規制をしたところで
 アメリカ人にとってはデメリットの方が大きいことを指摘していました

 国による銃規制(購入者の身分証明の強化)をしたところで銃犯罪が減るかは疑問だそうで、
 そもそも銃の流通量自体を減らさないと意味がない、とのこと。

 また、国による規制強化は
 警察の負担が増えたり、
 闇取引きが横行したり(実際フランスでは闇取引が横行し、結局テロリストにとっては入手が難しくないらしい)
 何よりも個人の自由を抑制するのではないか、とのこと

 …やはり、多少の危険があっても
 自由は守りたい、というのがアメリカ人の考え方らしい

 (ちなみに医療保険制度が進まないのも、
 強制的に入らされるのが嫌だ、自由に決めさせてくれ、みたいな同様の理由なのでしょうね…)

 うーん。
 思想的、文化的なものが関係しているならば
 アメリカから銃が無くなることは無さそうに思えてきました。

 とすれば、不審者には攻撃できるけど
 簡単に子供が撃てないような構造の銃を作るとか
 銃と共存する方向で進めていくしかないのかなぁ、という気もしてきた…

 個人的には、武器のない世界が実現して欲しいですが、
 個人の信条を強制的に変えるのは難しい…
 なかなか根深い問題だと思いました。

アメリカ人の自由、平等は本当に筋金入りなんですね…
自分とは違う考え方の人を理解するのは難しいなぁ、と改めて感じました。。

色んな意味で勉強になりました。
というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 20:49| Comment(0) | テレビ(政治) | 更新情報をチェックする