2017年08月06日

NHKBS世界のドキュメンタリー「ショックルーム~伝説の“アイヒマン実験”再考」

NHKBS世界のドキュメンタリー「ショックルーム~伝説の“アイヒマン実験”再考」

 オーストラリア2015年製作のドキュメンタリー。

 「アイヒマン実験」とは、
 ドイツの心理学者ミルグラムの行った実験で

 人は服従状態になったら、
 他人への電気ショックを致死レベルまで与えることができる、
 ということを示したもの。

 心理学の本を読めば必ず出てくると言って良いほど出てきます。

 この実験は
 「人間は権威ある人に命令されたら、非道なことでも従ってしまう」
 という人間の嫌な面を示す意味合いで出てきますけど
 それは少し違うのでは
 ということを示したドキュメンタリーです。

○アイヒマン実験
 この実験は1960年くらいからミルグラムが行ったそうです
 対象にしたのは1000人以上の一般市民で
 どの方も様々な経歴や職業の方。

 ミルグラムがこの実験を行った動機は
 当時は第二次対戦の後で、
 ナチスによるユダヤ人の大量虐殺の理由を検証する意味合いがあったみたいです

 ナチスの残虐行為に一般市民が荷担してしまったのはなぜなのか?
 人間は命令されたら服従するものなのか?
 を調べるためだったようです

 ミルグラムは3年の準備をかけ、
 実験室も自作したそうです
 実は彼が行ったのは30以上のバリエーションがあるそうですが、
 映像つきで公開されたのはそのうち1つだけなのだそうだ
 彼自身により記録映画として「服従」と名付けられていて、
 人間は権威ある人の命令に従ってしまう、
 ということを示したとされる

 今回はオーストラリアのシドニーで
 映画監督と俳優が、その他のバリエーションも含めた実験を再現しています
 役者は架空の人物を演じていますが
 実験の目的は伏せて撮影されたらしい

○基本的な実験
 最初に、実験の基本バリエーションを再現していました

 実験者は
 「教育への罰の効果を調べる実験を行う」
 という名目で二人を呼び
 一人を先生役、もう一人を生徒訳に指名する
 生徒役は腰をベルトで固定され、
 手首に電気が伝わるベルトを巻かれる

 そして、
 「今から先生役の人には4つ一組の言葉のペアを読み上げてもらいます。
  生徒役はその順番を覚えてください。

  次に、先生役の人がそのうち1つを言いますから、
  生徒役の人は何番目の単語だったかを思い出して、ボタンで番号を押してください。

  間違えていたら、先生役の人には生徒役に電気ショックを与えてもらいます。
  間違うごとに電圧を上げていきます」

 先生役の人は
 「あの、私は健康診断で心臓に問題が…」
 というが
 実験者は
 「安全な電気ショックですから大丈夫です」という

 そして生徒役だけその部屋に残し
 先生役と実験者は別室に移る
 先生役は生徒役にマイクを通じて問題を出し、
 先生役の人の後ろには実験者が座って指示をする

 実はこの実験、生徒役はサクラで
 真の被験者は先生役の人

 生徒役は問題を間違え、
 先生役は電圧を上げていく
 すると途中から生徒役から返答が無くなる

 先生役はためらうが
 後ろにいる実験者に
 「続けなければならない」
 と圧力をかけられる

 先生役が不安になり実験者に抗議すると
 「10秒待って返答が無ければ不正解と見なしてください」
 と続けるよう促される

 結局先生役は、このまま致死的な電圧まで上げてしまう

 ミルグラムの予備実験では、
 このときはすべての人が最後の致死レベルまで電圧を上げたそうです

○第1幕「権力への服従」
 今回、2名の心理学者が解説していましたが、
 「人が権力に従って、他人に危害を与えてしまう心理は
  心理学的には
  「代理人状態」
  という言葉で説明される」
 とのこと

 これは人は権威の前では、
 よき同調者となることに集中してしまうので、
 自分の行為が見えなくなってしまう。
 いわば夢遊病者のようになってしまう、
 というものだそうです

 大量虐殺、刑務所での虐待、タンカー流出事故の隠ぺい、
 などが行われたのはそのせいだと…

 しかしこの心理学者は
 そのように悪い行いをしてしまうのは人間心理の1つなんだ、
 としてしまうのは納得がいかない、と述べています。

 それならば行為者には選択の余地がない、責任がないことになる
 それは加害者が命令されて悪い行動をしても仕方ない、
 という言い訳を与えてしまう…
 それは違うのではないかと。

 ・「音声フィードバック 生徒役の声が聞こえるとき」
  ミルグラムの実験のバリエーションのひとつ。
  このケースでは、
  実験のしかたは先のやり方とほとんど同じですが
  先生役の人に生徒役のうめき声が聞こえるようにする

  ミルグラムさんの実験では、
  たしかこの状況でもほとんどの人が最後までボタンを押し続ける、
  というショッキングな内容でした。
  さて今回は?

  ここはかなり生々しく再現されていました
  (演じている俳優は、役だけ与えられて本当に実験しているのかな?)

  3人の被験者の様子が出ていましたが
  どの人も傾向は同じでした

  最初はうめき声が聞こえるたびに
  「彼は大丈夫なのか?」
  「付き添っている人はいるのか?」
  「責任は誰が取るのか?」
  「なにかあったらどうするんだ」
  と聞く
  女性の被験者なんかは途中から泣いて
  「ごめんなさい、できません」と言っていました

  しかし実験者は
  「大丈夫です」「オモチャみたいなもの」「続けてください」を繰り返すため
  被験者たちはためらいつつ進めていく

  しかし電圧が高くなるにつれ
  被験者の抵抗も高くなっていく
  「もうたくさんだ」
  「金は要らない」
  「何のためにやるんだ」

  すると実験者は
  「続けてください」
  「続けなければならない」
  「絶対にやらねばならない」
  など、言葉がきつくなっていく

  すると、なんと最後は全員断固拒否していました

  女性なんかは、立ち上がって生徒役の部屋へ行こうとし、
  「私はもう無理。ごめんなさい」
  実験者がなにか言いかけると
  「あなたの話なんてどうでもいい、もうやめるわ」

  …沈黙が流れる。

  そこで実験者は
  「分かりました、ではもう中止しましょう」
  そして笑顔で部屋を開けて種明かしする
  「彼は無事です、失礼しました」
  女性はそのとき
  「何て言うか…
   いい気分じゃないわね。
   子供の頃、先生に命令されていた時みたいだった。
   でももう大人なんだから、命令になんて従う必要はない
   無理強いされる筋合いなんかないと思ったの。
   もっと早く止めれば良かった」と話していました

  他の男性も拒否していました
  「続ける必要はない。やっても意味がない」
  「嫌だ、様子を見に行く」
  とか
  「関係ないだって?ロボットじゃあるまいし」
  「何のために続けるんだ」

  最後は種明かしされていました

  (ちなみに私はミルグラムの結果を知っていたので
  ここまで反抗できることが意外に思いました)

 ・本当に「服従」なのか?
  ミルグラムの実験では
  このバリエーションでも65%も服従、35%が拒否したそうです
  このため生徒役のうめき声があったとしても人は命令されれば服従する、
  という結果がクローズアップされてしまった

  しかし心理学者の解説では
  「「代理人状態」がクローズアップされたのは
  当時の時代背景によるもの」だそうです

  当時はハンナ・アーレントの
  「悪の凡庸さ」が話題になっていた
  これは、ヒトラーの部下であるアイヒマンの裁判を傍聴したアーレントが書いたもの
  ミルグラムの実験は、この本が書かれたのと同時期に行われたのだそうです
  (私もうろ覚えですが、
   たしかアイヒマンは凡庸で真面目な公務員だったがゆえに、
  ヒトラーの命令に生真面目に従っちゃった人、
  みたいな扱いだったと思います)
  両者は同じ文脈、つまり人間の服従を示すものとして読み取られてしまった

  多分ミルグラムの実験が
 「アイヒマン実験」
  と呼ばれたのはそのためなのでしょう。

  しかしこの心理学者は、アイヒマンに関しても
  「アイヒマンは単に命令に従っただけだったのか?」
  と疑問を投げ掛けています

  アイヒマンは1944年、ハンガリーで、
  当時のヨーロッパ最大のユダヤ人コミュニティ破壊に荷担したが、
  そのとき、彼の上司はドイツの敗戦が濃厚なのを見て
  連合国軍と取引をしようとしたそうです
  上司は、ユダヤ人の命と引き換えに武器を得ようとした
  (結果的に取引は失敗したが)
  しかし、アイヒマンは上司を無視したそうです

  「アイヒマンは、盲目的に命令に従ったわけでなく
   自分の行為に自覚があり、
   自分の行いを正しいと信じていた」
  とのこと。そして、
  「ミルグラムの実験に被験者が従ったのも
   被験者が「この実験は有益なもの」と信じていたからで
   彼らは積極的な協力者だった」
 
  ほかの心理学者も
  「代理人状態」になるかどうかはその人の置かれた状況による」とも述べています

 ミルグラムの実験でも、服従しない人が多いパターンも少なくない

 では、どんなときに服従しないのか?
 ・「近接性 同室に配置する」
  このケースでは、生徒役の人は別室ではなく先生役の隣に座り、
  直接電気ショックを受ける状況です。

  この場合は先生役の被験者は
  「こんなのおかしい、バカげている」
  「ダメダメ、もうやらない」
  という被験者が多かった
  生徒役の苦しむ様子があまりにも生々しいので良心を動かされるのだろう。

 ・「同僚二人の反逆」
  このケースでは、生徒役の人は別室にいて、先生役の後ろに実験者がいる
  てのは一番最初のケースと同じで

  違うのは、先生役の両隣にサクラを座らせ
  二人のサクラが実験を途中から拒否すること
  「私はもうやらない、抜けるわ」
  と言って席を外してしまう

  そうすると90%近くの被験者は止めるそうです

 では服従する場合、と服従しない場合は何が違うのか?
○第2幕「崇高な目的」
 ミルグラム自身は
 「被験者に、実験が価値あることとして提示したときは協力を得られる。
  それは服従なのか。協調なのか?」
 と書いています

 心理学者たちは
 「ミルグラムの実験では、被験者は板挟みになっていた」
 「被験者は天秤にかけられていた」
 と解説しています。

 つまり、「崇高な目的のために実験に協力している」という信念と
 「生徒役の人がかわいそう」
 という2つの気持ちが葛藤していたと考えられる

 当時ミルグラムの実験では
 被験者は
 「これは社会にとって最も大事な教育の研究なのだ」という意識が高かったみたいです。
 しかし、苦しむ生徒役を目にして良心がとがめる

 バリエーション実験では
 実験者に権威がないとか、
 実験者がうまく被験者を説得できない、
 あるいは生徒役の安否を意識させられる状況では
 反対して止める人が多かったそうです
 逆に、崇高な目的を強調されれば従うことが多かったらしい

 心理学者は
 「人間は、たとえどんな行為でも
  「やる価値がある」「自分が正しい」と信じれば、従ってしまうものなのだ
  ということを示している」
 と述べていました

○第3幕「選択の余地はない」
 ・「権威と距離を置く」
  このケースでは、
  先生役の後ろに座っていた実験者が途中で
  「すみません、しばらく所用で席をはずします」と出ていき、
  それからはスピーカー越しに指示を与える

  するとスピーカー越しの声では、被験者は従わず、反対していました
  (権威が弱まったせいなのだろう)

  このとき、実験者が最終的に
  「いいですか、あなたに選択の余地はないんですよ」
  というと、
  「何ですって?
   あるわよ、私は続けない選択をするわ」
   と止めてしまいました

 実はこの
 「あなたには選択の余地はない」
 という強い命令が、
 服従を拒むカギになっていたそうです

 一連の実験では、どのバリエーションでも、拒む被験者に対して
 「そのまま続けてください」
 「続けてもらわねばなりません」
 「続けることが必要です」
 「あなたに選択の余地はない」
 …など、実験者が次を促すことばをかけている

 心理学者によれば
 これはミルグラムの実験でも同じで、
 しかし唯一命令形なのが
 「選択の余地はない」
 なんだそうです。

 今回の実験では
 この言葉をかけるとみんな反発し、実験をやめている
 そしてミルグラムの実験でも、
 この言葉を聞いた人はみんな実験をやめているそうです

 実際にミルグラムの記録映画でもこのセリフを聞くと、
 「選択はできるさ」
 「私は選択する」
 「選択はある、やめるという選択をするよ」
 とみんな反発していました

 心理学者によれば
 ミルグラムはこの実験で
 「人はある特定の条件下ならば人は必然的に服従する」
 ことを示した、とされているそうですが
 もし本当にそうならば、
 被験者は命令されればされるほど従うはずだ、としています

 しかし、命令形となると被験者はむしろ反発している

 心理学者は
 「この実験が真に伝えたのは、服従だとか抵抗ではない。
  選ぶ権利は我々にある、ということだ」
 と述べています

 人は、自分に選ぶ権利はないと言われるほど
 それを取り戻そうとするものなのだ、と。

 もう一人の心理学者も
 「人には選択肢があり、たてつくこともできる」
 と述べています
 移民問題でも公費削減でも、
 何かの意見を決めねばならないとき
 他人の意見は色々あるが、
 それらをいかに見極めるか、
が決断には必要なのだ、と。
 「選択肢が自分にあるならば
それを使う責任も生まれるでしょう?」

 (この辺のくだりがいまいち分かりにくかったんですが
 私なりの理解で書きますと

  このミルグラム実験では、今まで「服従」が強調されてきたが
  それは戦争や洗脳など、
  「自分は正しいことをしている」と思わされているような特殊な条件下のものに過ぎず、
  人は拒むことができるし
  実際ミルグラム実験でも拒むケースの方がむしろ多かった

  だから権威に服従するかも、と恐れたり
  命令されたから服従しても仕方ないんだ、などと思わず
  自分の頭で判断しなくてはいけない、
  我々にはそういう力がちゃんとあるのだとこの実験は言っている、
  ということなのかなと思いました)

 ナレーションでは
 「ミルグラムの「服従」は
時代とシンクロしたストーリーに過ぎない」
 と述べています

 当時は、暴力の加害者
 (当時で言えば、戦争をした人たちやナチスの中枢部なのだろう)は
 私たち凡人とは違う存在だ、と考えられていた

 そうした中で
 特定の状況では、人間は誰でも他人に危害を加えることがあるんだよ、ということに焦点が当てられた

 つまり、大半の国民がナチスに荷担してしまった理由付けを求めていたのだろう。

 しかし時代は変わった、
 そろそろこの実験の解釈を変えてもいいのでは、と。

 実験全体を見れば
 すべての方法で、大半の被験者は拒否をしているそうです

 「私だったら、あの人だったら、どんな行動を取るだろでしょうか?」
 決めるのはあなたです、という感じで終わっていました

○感想など
・ミルグラムの実験は、人間は役割を与えられたら従ってしまうもんなのかなぁ…
 という負のイメージしかなかったんですが

 私も元の論文とか辿ってないから知らなかったけど
 実は服従しなかった例が多かった、というのは初耳で
 聞いて希望が持てました。

 権威に反抗できるきっかけはいくらでもあるんだな、と。

 今回紹介されたバージョンだけでも
 悪い行いをしたくなければ
 ・権威的な人からなるべく遠ざかる
 (命令してくる人の権威を下げる)
 ・加勢してくれる仲間を見つける
 ・自分の行いで被害を受ける人たちのことを知る

 …などのことを心がけることで良心が保てるのかなと思いました。

 逆に言えば、権力者というのは、
 ・自分を権威付けしたり
 ・服従させたい人を孤独にさせたり(あるいは孤独な人を服従のターゲットにする)
 ・被害者を人間以下の扱いにする、
 ということをして、服従者に悪いことをさせるのでしょう。

 …てこれ、テロリスト集団が若者を引き込む手口と全く同じですね。
 背筋が寒くなりました。

・人は服従するというよりかは、
 正しいと思ったら倫理的に許されないことでもしてしまう、
 という発見は重いなと思いました。

 先日「優生学」についての番組を観ましたが

 優生学では、
 「民族を守るため」に、
 特定の人たちの遺伝子を根絶する、
 という考え方で、
 このため遺伝的疾患と思われるものを抱えている人たちに中絶を迫ったり、避妊手術を強制していました

 この優生学も、倫理的には許されることではないはずなのに
 当時は正しいと真面目に思い、これを法規制にまで広げてしまう人もいた

 考えてみれば、地下鉄テロを行った宗教集団でも
 いい国を作りたいと思っていたエリートたちが事件を起こしている…

 こうした「間違った正義」を防ぐにはどうしたらいいのか?

 私は常に「自分が正しい」を疑うことなのかなと思います。

 自分の考え方と違う考え方、
 嫌だなと思う人、
 の話を敢えて聞いてみる。
 他人の見方で物事を見てみることなのかな、と。

 立場が上の人ならなおさら、
 自分の考えに謙虚にならねばならないのだろう。

 ただ、正しい正義に取りつかれてしまった人に
 別の見方をするよう迫るのはとても難しいのだろうな…

 多様な視点って大事、
 話し合い、受け入れあいが大事だということを
 地道にみんなに伝えていくことしかないのかも。

・科学実験の結果は、時代により解釈が変わる、という事実も興味深いと思いました

 自分の今いる時代の価値観って、
 当たり前みたいな感覚になってしまっているけど
 もう少しスケールを大きく、俯瞰的にものを見なければならないのかも。

 今行われている色んな分野の研究の解釈も
 今の時代の常識みたいなのに縛られていないだろうか、
 と疑う視点も持っておかねばならないのかなと思いました。

実験が生々しすぎて汗かいてしまいました…(笑)
(ちなみに俳優さんたちにはあとで事実を教えたそうです)

というわけで今回はこの辺で。

posted by Amago at 08:15| Comment(0) | テレビ(科学) | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「人間は神になれるのか?」

Eテレモーガンフリーマン時空を超えて「人間は神になれるのか?」

 今回は神の領域、とされてきた分野の研究をされている人たちの紹介でした。
 聖書ベースの話になっていました。

○生命をデザインする
 最初に出てきた生物工学者は、DNAを改変して、
 生命の新しい形をつくる研究をしているそうです。

 彼が座っている四角い椅子は、実は菌類が作ったものだそうです
 マッシュルームを木のチップと一緒にすると、
 菌糸を伸ばして絡み合い、固い物質になることを利用しているらしい
 これは彼の発明ではないが
 発明者はこれを「マイコテクチャー」と名付けた
 マイコロジー、菌類学とアーキテクチャー、建築を組み合わせた造語だそうです。

 彼はこれと同じく、
 細胞が自力で複雑な形を取れるように、
 DNAをデザインすることを考えているそうです
 これがうまくいけば、
 状況に応じて椅子になったりベッドになったりする生物家具ができるかも?とのこと

 彼は自由に動くダンサーのよつうな分子をつくることを考えていて、
 「この分子は細胞の中に結び付き、
  細胞に大胆な動きをもたらす」
 と述べている

 この分子はDNAを改変してつくるらしい
 起きて欲しい形になるようDNAをプログラムし直して戻し、
 そのような動きになるかを確かめる
 まずは1つの細胞をコントロールし
 これを複数の細胞に広げていくそうです

 リンゴや樹木だけでなく
 自転車などのような複雑な構造もできるかもしれない、とのこと
 ただし、自転車くらいのレベルになれば
 状況に応じて違う動きをせねばならず
 複雑なプログラムが必要になるそうです

 人間はものを作り、操り、変えていく、
 コントロールしていこうとするのが人間の本質、とのことです

 アイデアとしては遺伝子組み換え作物などと同じで、
 非常にシンプルですね。
 ただ、意思となると倫理的な問題はあるかも…

○意識を定量化する
 聖書では
 「人間は自由意思をもつ生き物」
 と定義されているそうですが
 自由意思は人間の特権なのか?

 この神経科学者は、
 意識はそんな神秘的なものではなく、
 数学的に定量できると考えている

 彼女は
 脳に損傷を受けると、
 大脳皮質の場合は意識が無くなるが
 小脳の場合は意識はある
 この違いは何なのか?に目をつけたそうです

 小脳の方がニューロンの数が多いので数は関係ない
 ネットワークを作っているかどうかだ、としている

 ニューロンの1つ1つを電球に例えると
 それぞれのスイッチが別々にあれば、
 1つが壊れても他に影響しない

 しかし大脳皮質の場合はそれぞれのスイッチがネットワークを作っており
 1つのスイッチがほかに影響を与え、
 情報を全体で共有している
 思考や感情にはこのニューロンどうしの結合が必要、
 と彼女は考えているそうです

 彼女はこの仮説をもとに、意識があるかどうかを定量する単位と、それを出す公式を作ったそうです
 記号のφで示され、これが高いほど意識レベルが高い
 彼女の公式に当てはめれば、
 人の脳でもミミズの脳でも、
 コンピューターでも意識レベルがはかれるそうです

 この指標を使えば、自己を認識する機械をつくることも可能かもしれない、とのことです。

 (この理論は、ジュリオ・トノーニ氏が2004年に発表した「統合情報理論」と呼ばれるものみたいです。
 「意識はいつ生まれるのか―脳 の謎に挑む統合情報理論 」
という本にも書かれているようで、
 概要はこの番組で紹介されていたとおりで
 意識の発生を
 ・脳にある情報量の多さ、と、
 ・それらの情報がどのくらい統合されているか、
 のかけ算で説明しようとしていて、
 この情報量はビットで示されるそうです)

 さて次は、人間はあーだこーだ考えないといけないけど、
 神なら一発で分かるだろう、という問題についてです
○問題解決の最短手順をコンピューターで探す
 このコンピューター科学者(トマス・ロキッキ)はルービックキューブの研究をしているそうです

 彼は高校のとき、このパズルに出会うが解けない
 そこでそろう方法をノートに書きとめ、攻略法を発見したそうです

 しかし彼はこのパズルの攻略法を極めようと思った
 どんなスタートでも、最短で6面を揃える根本原理を探そうとした
 これは「神のアルゴリズム」と呼ばれたそうです
 というのは、普通に一つ一つ探していたらありうるパターンは870億とおりある。

 6面を揃えるのに最短でも10秒かかるが
 このパターン全てを試すには、70億人使っても1000年以上かかるそうです
 すぐに分かるのは神の領域、ということでこの名前なのだそうだ

 彼によればこの人間の能力の枠を広げてくれるのがコンピューターだそうです
 この複雑な問題を20億の小さな問題に分割し、
 たくさんのコンピューターに分担させることを考えたそうです
 数学の「群論」などの理論を使ったとか。

 これにより、全くのランダム状態から6面全ての色を揃えるパターンを見つけたそうです
 その最短手順は20
 どんな状態からでも、20以内の手で解くことができるそうです
 (http://www.afpbb.com/articles/-/2748734?act=all

 によれば、
 このルービックキューブ問題は、
 Google社の支援を受けた国際数学チームが解いたものらしいです。
 今回出演されている科学者もそのチームの一人。

 このチームの話では、
 人間が記憶できるアルゴリズムでは最小でも、40手かかるのだとか。
 しかしもっと効率的なアルゴリズムをコンピューターで追求した結果、
 20手でいけることがわかったのだとか。

 これはGoogleの空き時間にGoogleのコンピューターを使って、
 わずか数週間で解いたそうですが
 コンピューターの仕様などは明らかにされていないのだそう。
 企業秘密なんですかね?)

 彼はこの手法は、
 人類の問題を解決する方法にも応用できる、と考えている
 複数の要素が絡み合った複雑な問題でも、
 コンピューターと人間の優れたアイデアを組み合わせ、
 分割して処理すれば答が出るはず、とのこと

 これにより、
 全ての人に最短の時間で食料を配り、飢餓を解決する方法や
 病原体を根絶するための最短の手順もわかる
 交通事故、貧困、経済問題も解決できるかもしれない、とのことです

 ただし、現実の世界では
 答がないかもしれない問題もあるようですが…

 次は、神はその人を見ればその人の全てを見通せるというが、
 人間はそれができるのか、という話です
○統計学で犯罪を防ぐ
 ここでは、人の行動をデジタルなデータに置き換え、
 未来の行動を予測する研究を紹介しています

 この統計学者リチャード・ジャニコウスキーは、最初にレストランにいました
 女性が選ぶ料理をデータをもとに当てる
 お客さんの注文するものは、
 過去のお客さんのデータと、レストランのデータを組み合わせれば予測可能なのだそうです
 例えば、何人連れ、何曜日、どの時間帯、何を注文したか…など
 それらを関連付ければ予測できる

 彼はこの手法で犯罪予防も行ったそうです
 いわば統計学で、人の心の悪を予測したともいえる

 彼は2005年、テネシー州のメンフィスで、
 犯罪防止プロジェクトに関わったそうです

 監視カメラの映像を取り込み
 犯罪者の逮捕歴のデータ、
 事件のデータ、
 犯罪研究からの理論、
 などを重ねて行動パターンを見つける
 そのための基本的なプログラムを彼が作ったそうです
 (このプログラムは「ブルークラッシュ」というそうです。
 IBMが開発、メンフィスでは2006年から導入しているらしい
 http://president.jp/articles/-/15683?display=b
 にも紹介されていますが、
 この記事では、ビッグデータを活用することで、AIが犯罪予測にも使われるようになった、
 という文脈で説明されています

 ちなみに似たような犯罪予測システムはアメリカのいくつかの州でも採用され、
 それなりに効果はあるようです。
 日本でも京都府警が初めて犯罪予測システムを導入したとのことです)

 このとき使用したのは二種類のデータで
 1つは「構造化データ」いわゆる数字のデータ
 犯罪件数、強盗件数、逮捕件数など

 もう1つは「非構造化データ」いわゆるストーリー的なデータ
 犯罪報告書などを取り込んだそうです

 これらを行うには、
 情報を読み取るプログラム、
 分析のプログラム、
 そしてそれらの結果をコンピューターシステムに入力することも必要だそうです

 これにより犯罪の傾向がわかった
 例えば一般住宅では、窃盗は誰もいない昼間に多い
 企業では営業終了直後に多い

 また、犯罪の起きる場所はは犯人の自宅からドーナツ状に分布している
 近所すぎると知人に顔を見られるし
 遠すぎると土地勘が働かないからだそう

 これらの傾向をもとに、
 中央市令室から警官を時間帯などに合わせ効率的に配備
 犯罪を予防できるようになったそうです
 メンフィスの凶悪犯罪は25%減少、
 強盗件数も他の都市と比べて5倍のペースで減少した
 (メンフィスの例は
 http://katsuki-kenta.com/2016/09/18/20160918101223/
 によれば
 IBMの2010年のプレスリリースに実績が書かれているそうです。
 転載してくださっているので読んでみると
 2006年よりも重犯罪が30%以上減少、
 そのうち暴力犯罪が15%減少
とある
 数値は少し違いますが、減ったことは減ったんですね。

 ちなみにメンフィスの例は
 松尾豊氏の「人工知能はなぜ未来を変えるのか」という本でも紹介されているらしい
 文庫みたいだし、私も読んでみたいです)

 モーガンさんのナレーションでは
 個人の行動も、ソーシャルメディアやネット検索の履歴から把握できるので、
 これをデータに変換し、犯罪予防に役立てられるかもしれない
 しかしそれが行きすぎれば、政府や企業に悪用される危険もある、
としていました

 次は、神は思考だけで物を動かすというが、
 それを可能にできるのかという話です
○思うだけでものを操る
 この神経生物学者はブラジル出身で
 ブラジルで盛んなサッカーの総合プレーと、脳のニューロンの相互作用が似ている、と話していました

 ゴールを決めていくプロセスは、複雑な脳の動きと同じ
 しかしこれを分析するために、
 一人一人のプレイヤーの動きを全て見ていくのは複雑すぎる

 サッカーを遠いスタンドから俯瞰すると
 ボールは見えないし選手は米粒状態

 しかしゴールが決まったときは何となく分かる
 選手はゴール前に集まるし、歓声も聞こえる

 彼は脳のネットワークで、このゴールの歓声を聞くのに成功したそうです
 「ブレインストーム」と名付けている
 複数のニューロンの働きを記録すると
 ニューロンの活動が弾けたとき、
 ポップコーンの弾けるような音がするそうです

 このパターンをデジタルで再生し
 機械とつなげて物体を動かすシステムを考えたそうです

 協力してもらったのはアカゲザル
 アカゲザルに、他のサルが腕を動かす画像を見せると、
 脳のある部位が活発になる
 これは自分が腕を動かしたときに活発になる部位と同じ
 (ミラーニューロン、ですね)

 そこで、この脳の動きを機械の腕につなげて動かしたそうです

 これを応用すれば、
 何かを考えただけで物を動かせるようになるかもしれない、とのこと

 さらに彼は、生き物の脳の動きをつなげる研究もしている
 2匹のラットに、脳の活動をモニターする装置を埋め込んだそうです
 脳には痛みを感じる受容体がないし、
 このセンサーは髪の毛ほどの細さなので影響はないらしい

 このセンサーを2匹のラットに埋め込み、それぞれをワイヤーでつなげる
 そしてそれぞれを別々の部屋に入れる
 それぞれの部屋には左右のまどがあり
 一匹が左右どちらかの窓をを開けて、
 もう片方も同じ側を開けたら双方にご褒美をあげるようにしたそうです
 その結果、正解率は70%になった
 ランダムに開ければ50%になるはずなので
 これは情報を別の生き物のどうしで共有する可能性を示している、とのこと

 これができれば我々は脳を共有し、
 偉大な1つの知性を作り上げることができるかもしれない、とのことです

 次は、
 「神は信じる者にとっては、どこにいても感じることができる」
 という聖書の言葉があるらしいが
 ならば神は複数の場所に同時に存在しないといけない…
 というわけで量子力学の「不確定性原理」の登場です
○量子テレポーテーション
 この科学者は量子物理学者で
 素粒子どうしの情報伝達の研究をしているが
 他人への伝達方法としては古典的な手紙が好きなんだそうだ
 手紙や郵便では、遠い外国に情報を伝えるとき、
 飛行機で輸送し、郵便局を経由し、相手先に送り届ける

 その経路も辿ることができる
 しかし量子の世界では
 量子は突然消えて突然別の場所に現れる
 そしてこの経路は辿れない

 量子状態、とは、素粒子がそのときどんな状態かを「確率」で示しているだけ
 例えば箱の中の電気が赤か青だとしても
 箱をあけない状態では色は赤青点滅してどっちか分からない状態
 しかし箱を開けたらどちらか1つの状態に決まる

 ここで、箱が2つあり
 それぞれが「量子もつれ」と言われる状態にあれば
 1つの状態が青に決まれば、
 もう1つはどんなに離れていても赤、逆の状態に決まる
 いわゆる量子テレポーテーション

 彼はこれを実際に実験し
 カナリア諸島の離れた2つの島で情報が一瞬にして伝達することを証明した

 彼は、これを宇宙空間でも実験することを考えているそうです
 人工衛星にのった素粒子と
 地上にある素粒子を同時に観測する

 ところで、素粒子では量子テレポーテーションはできるが
 人や物体では起きるのか?
 彼はこれを実現するには、
 技術革新や時間がもっと必要だろう、とのべています

 (量子テレポーテーションの話は以前も取り上げられていて
そのときはたしか、
 チェリーパイの素粒子(ミキサーでドロドロ…)
 をテレポーテーションしても
 それらを元どおりのパイの形に戻せない
 とかいう例えをしていたような記憶があります。
 大きい物質をテレポーテーションする限界はそこにあるんでしょうね)

 最後に、
 そもそも我々には神レベルになる資格はあるのか
 肉体などに限界はないのか、という話をしています
 (今までの話は何だったのー?て感じですが(笑))
○人間には限界がある
 この物理学者で哲学者の方によれば
 そもそも人は肉体的、精神的な限界があるそうです

 彼はスパルタン・レースという過酷なレースに挑戦しているそうです
 ビースト、という一番過酷なクラスでは、
 23㎞の山道を上りつつ25の障害を乗り越える
 綱を上り、鉄条網をくぐったりするんだそうです
 上級者は四時間でクリアできるが
 普通は九時間を目指しているとか…
 (スパルタンレースは日本にも上陸しているらしい。
 ほかには初心者向けのスプリント(5㎞くらい)、中級者のスーパー(13㎞くらい)があるそうです)

 なんでこんなことをしているのか?
 彼は、肉体を限界に追い込みたいのだそうだ。

 彼は、人間が神のようになるには、
 肉体的にも精神的にも限界があるとのべています

 プラトンは世界を知るには対称性を見つけること、と言ったそうです
 対称性とは、真ん中で分けると左右同じになること
 (他には回転対称などもありますね。
 物理学者、数学者が好きな概念ですね)

 彼によれば
動物、植物にもこのようなパターンがあり
 科学者たちはこれを発見してきた、と述べている

 そして彼によれば、
 科学者たちは宇宙もビッグバン以前は対称なものだった、と考えて宇宙を理解しようとしているそうです
 ビッグバンにより、対称世界がバラバラな破片に分かれたのだ、
 これを元通りに組み合わせれば宇宙が分かる、と思っているのだそうだ

 しかし彼は、これは幻想だとしている
 宇宙は対称ではないのでは、と。

 例えばニュートリノという素粒子は常にスピンが左巻きだと分かっている
 確率的には右、左両方巻きが同じ数あってもいいのにそうではない
 ニュートリノだけでも対称ではないのだから、
 自然界は完全な対称ではないのでは、とのことです

 例えば人間は、心臓は左、腎臓は右にあり
 人の顔も対称ではない

 そして同じように
 人間の知ることができることには限界がある
 観察対象を見る道具にも限界があるのでは、とのこと

 それでも知り得ぬことを知ろうとするのが人間、
 世の中には見知らぬなにかがあるから知りたい、と考えるのが人間だ
 と述べていました

○感想など
・先日、AIの番組(「フランケンシュタインの誘惑 強制終了 人工知能を予言した男」など)を見たせいか、そちら寄りの感想になってしまいますが…

 ルービックキューブ問題、データ活用による犯罪予測、
 脳神経の働きやネットワークの分析…
 色んな「神を超えるための研究」
 が、もはやコンピューターなしでは成り立たないんだなと思いました。

 これらと、最後の「人間の肉体には限界がある」
 というのと合わせると
 人工知能の「シンギュラリティ」
 は空想ではないのかもと思えてきました。

 シンギュラリティは
 カーツワイルさんという方が本に書いて有名になったそうで、
 私はこの本は直接読んでないので伝聞形になって申し訳ないのですが、
 関連するページなどを読ませていただくと、
 カーツワイル氏は
 「人類の進化の肉体的な限界を、人工知能との融合により乗り越える」
 というようなことを述べているそうです。

 具体的には、数年後には脳にAI的なものを埋め込んで、
 映画の「マトリックス」のような世界になっていく、
 などの予言?予測?をされているとか…

 今回最後に紹介された哲学者は
 「肉体には限界がある」と話していて
 私もそうだろうなぁと思います。
 しかしそうだとしても、
 我々の「知らないことを知りたい、世界のはてを見たい」
 という欲求が収まることはないでしょう。

 ですから、
 カーツワイル氏がいうようにAIを脳に埋め込むまではいかなくても、
 AIを人間の能力と融合させて、
 その限界を超えようという取り組みが行われる可能性は
 なくもないんだろうなぁと思いました。

 それとも、機械との融合なんて気持ち悪い、
 そこは越えてはならない一線だ、
 と抵抗する人の方がまだ多いのかな?
 それも分からなくはないなぁ。

 でも先進的な人たちがそういうのを試して能力を高めて
 そういう人たちだけで支配する世界ができたら嫌だなぁ
 …とどんどん空想が広がってしまいました(笑)

・二番目の方の、意識のレベルの高さは、ニューロンの数だけでなくそのネットワークの数による、
 という考え方も面白いなと思いました。

 ただそうなると、そのネットワークを作らせるものは何なのか?という疑問が出てきます。

 個人の意識を超えた超意識が作るのか
 あるいはDNAとかにプログラムされているのか、
 単に外的な環境に反応して生まれるのか…

 脳は鍛えるほどネットワークができる、というけど
 (老化防止にクリエイティブなことをする、とかね)
 でもそのとき本人が「鍛えたい」「鍛えよう」と思わなければ鍛えられないわけで
 その意思を作るものはなんなんだろうなと思いました。
 卵と鶏の議論みたいですね…

・DNAをデザインするとか、脳どうしをつなげるとかのアイデアもあったけど
 もしそうなったとしても、
 その影響まで見通す力まで持つのは難しそうだなと思いました。
 科学者は、自分が作ったものがどんな影響をもたらすのか、
 その重みは心に留めておかねばならないだろうなと思いました。
 …と考えていたら、これは自己進化型AIを作るときと同じ議論だと気がつきました。

 科学がどんなに進歩したとしても、神に近づいたとしても、
 人間が逃れられないのが、感情とか心理とか倫理とかの問題なんだろうな。

色々考えさせられました。
というわけで今回はこの辺で。

2017年08月04日

歯の不調。

歯の不調。

 今回は個人的な話です

 正月くらいに歯が欠けて、治していただいたんですが、また欠けました。

 欠けたのは右上奥歯で
 少しでしたが気持ち悪いので歯医者に予約。

 樹脂で埋めてもらいましたが、
 歯医者さんはそれよりも、
 近くの歯茎が腫れているのが気になったらしい。
 私はあんまり気にしていなかったけど、
 ヒノキチオール(殺菌作用があるらしい)を処方してもらい、
 また来てねと言われました

 しかし次の歯医者の日の前に、
 歯磨きをしていたらまた同じところが欠けてしまった…
 先生に
 「すみません、また欠けてちゃいました」
 先生はそれはかまへん、と治してくれて、
 それよりも歯茎が治ってないのが気になるようでした

 私は二回欠けたし、怖いので右を使わずに食べてましたが
 そしたら歯茎がどんどん痛くなってきたようでした…

 薬を塗ったり
 腫れた歯茎のところの歯は奥まって磨きにくいので、
 歯磨きが足らないのかな?とポイントブラシを使ってみたり
 (デンタルフロスは使いにくいので探したら、
 ブラシの部分が小さい丸の形をしたブラシがありました、
 これは便利なのでおすすめ)

 しかしどんどん歯茎は痛い…
 もしかしたら治した歯がおかしいことになっているのでは、と心配しました
 その間、怖いから左だけで食べてた。
 食べるの不便でした。

 しかしそこで
 「歯が痛いのかな、歯茎が痛いのかな?」
 と思い、恐る恐る右で噛んでみると…

 あれ?痛くない。
 ていうか右でも噛む方が歯茎が痛くない。
 両方で噛む方が痛くないなんてふしぎ~
 と思っていたんですが
 噛み合わせの問題があるらしい。

 ネットで見たら、片方で噛む癖のある人が
 噛まない側の歯だか歯茎だかが痛くなった、という例がありました。

 私はそうなのかは分からんが
 偏るせいもあるのかな…と。

 そこで読んでみたのが
 「歯医者さんが書いた歯とカラダの本 ―噛み合わせと生体構造調律で健康 になる、美しくなる」(笠茂 享久)という本。

 今回は本の紹介じゃないからざっくり書きますが
 歯や歯茎の不調はからだの歪みから来ていることが多い、
 だから歯だけじゃなくて体全体のバランスを見なさいよ、
 という趣旨の本です。
 ちなみに歯医者さんの書いた本です。

 人間は二足歩行で重い頭を支えているため、
 色んなところでバランスを取っているそうです
 ここが何かの拍子で歪むと、
 バランスを取ろうとして口腔内の病気が起きる。

 だから歯だけでなく、体のバランスを一緒に治さないと
 歪みを固定化させてしまったり
 よけい不調が起きてしまったりするそうです

 筆者のクリニックでは、
 4分割重心計、という機械で
 体の重心の偏りがあるかをまず調べるそうです
 そして筋触診で凝っている筋肉を探し、ほぐしていく
 (生体構造調律、というらしい)
 それと同時に、下顎にスプリントをはめて
 自然なからだのバランスが取れたときの噛み合わせに合わせていく
 これを繰り返して体本来のバランスに戻していき
 歯をいじるのは最後なのだそうです

 普通の人は機械もスプリントもないからそこまではできませんが
 歪みのチェック方法、治し方などのアドバイスは書かれていました

 歪みのチェックは、顔と体の写真をとり
 顔なら瞳を結んだ線、口の両端を結んだ線、
 鼻筋のラインを調べる

 瞳のライン、口のラインの横線2つが平行なら正常だが
 片方が狭くなっているならそちらに力が入っているらしい
 鼻筋もそちらに傾いていくそうです
 後は、イーの口をして歯を見せて鏡を見たとき、
 上と下の歯の真ん中の線が揃っていればいいが
 ずれていたらそちらにずれがある
 (私は下が左に寄っていました)

 これを治すには顔の筋肉をほぐすこと
 頬の筋肉、
 咬筋(噛んだときに動く筋肉)、
 側頭筋(こめかみの筋肉)
 口の周りの筋肉をほぐすといいそうです
 舌を口のなかで上下に動かしたり、
 舌を出して動かすのもいいらしい

 ほか、首周りの筋肉もほぐすそうで
 胸鎖乳突筋(首を回したら浮き出てくる筋)をほぐしたり
 顎、首、胸にわたる筋膜を伸ばしたり…

 固くなっている筋肉をほぐすと
 顔本来のバランスに戻っていくそうです
 もちろん肩凝り、首凝りにも効くし
 笑顔を作れるようになるそうです

 体のバランスについては
 腰のライン、肩のラインが真っ直ぐになっているか

 バランスを治すには
 ・足の裏とふくらはぎをマッサージ
 ・浅頚筋膜(潜水服の首の部分みたいなイメージだそうです
  具体的には、胸鎖乳突筋と僧帽筋を取り巻く膜)
 をほぐすことだそうです
 ほぐし方も書いてあったけど
 頭を後に倒しつつ顎と鎖骨を両手を押さえてびよーんと伸ばす、
 などちょっと写真では分かりにくいかな…
 まあとにかく頭の重さを利用して
 首周りの筋膜をびよーんと伸ばすのがいいみたいです

 ほか、体を歪ませないために
 ・頬杖
 ・足を組む、
 ・同じ方向にばかりバッグをかける、
 ・立つとき重心を片方にかける
 などはしない方がいいらしい

 ほか、・よく噛むこと
 ・バランスのとれた食生活
 などのアドバイスもありました。

 体の歪みもあるんかなぁ…とも思いましたが
 色々やっても歯茎は変わらず…
 (そんなすぐには変わらないかね)

 次にまた歯医者に行って、
 「歯茎が痛いんですけど…」
 と言いましたが
 あんまり変化はないそうです。
 腫れの範囲広がっている様子もないし、腫れの大きさ同じくらいらしい
 念のためレントゲンも撮ってくれましたが
 特に歯の根っこにも異常なしでした

 ちゃんと歯磨きして薬をつけるくらいしかやりようがないそうで
 取り合えずひどくなったらまた来てね、と言われました

 何なんだろうなぁ。
 日によって痛くなったりそうでもなかったり…

 歯が欠ける原因として
 夜中に歯軋りする、というのもあるそうですが
 一応旦那に聞いても
 「結婚したときは歯軋りしていたけど、今はなさそう」
 歯軋りなら朝に顎が疲れているそうで
 それもあんまりないかなぁ。

 ちなみに全然科学的ではないですが、
 歯の不調は何かのスピリチュアル的なサイン、という見方もあるそうで
 調べると
 ・何かの変化が起きる
 ・新しい世界に飛び込めない
 ・マイナス心理、憎しみや不安などがたまっている
 …など解釈はさまざまでした

 変化と言えば
 電化製品もやたら壊れている気が…
 パソコンはまたおかしいし
 長年使っていたエアコンと掃除機はいよいよヤバそうだし
 (この辺は10年以上使ってるから単なる寿命かもしれんが)

 生活を見直せ、ということなのだろうか。
 たしかに最近、なんかこの生活変えたいなぁという願望はあるが…

 パソコンはだんなに任せるとして(笑)
 あと電化製品も「もう寿命かねぇ」という感じなのでいいとして、

 取り合えず、歯茎の痛みはなくなってほしいので
 これを機に、歯をいたわろうと思いました。
 先の歯医者さんの本では
 食べたら磨くのが基本、とありました
 (食べてすぐだと歯に良くないので一時間待て、という説もあるので、
 これもまた何が正しいのか分からんが)
 私はけっこうなまくらで、
 歯磨きも適当だったので
 ちゃんと歯の間も磨こうかな~と思います。

 食べる楽しみが無くなったら辛いからね。
 年取っても自分の歯で食べたい。
 体の歪みも凝りも、甘く見ないでおこうと思います。

あとは、なにか変化が起こるのかもしれないので
心は備えておこうかなと。

というわけで今回はこの辺で。



posted by Amago at 16:10| Comment(0) | 人生 | 更新情報をチェックする