2017年08月24日

BS世界のドキュメンタリー「目指せ!記憶力世界一~スウェーデンの挑戦~」

BS世界のドキュメンタリー「目指せ!記憶力世界一~スウェーデンの挑戦~」

 2015年12月に放送されたドキュメンタリーだそうです。
 2014年スウェーデン製作です。

 私はあんまり単語丸暗記とかは好きではなく、
 記憶って鍛えて上達するもんなん?
 どんなトレーニングをするんだろう?
 と思って見てみました。

 そしたら、鍛え方とかはあまり出ていなくて
 どっちかいうと人間ドラマに重きが置かれていたような…
 まぁでもけっこう役者揃いで見いってしまいました(笑)

○世界記憶力選手権
 私は知らなかったのですが、世界記憶力選手権
 (World Memory Championship)
 なる大会があるそうです

 これは1990年代始め、イギリス心理学者のトニー・ブザンという方が、
 もう一人の方(聞き取れなかったので後で調べたら、チェスのグランドマスターの方だそうです)に
 「記憶力は素晴らしい能力だから、これを競う大会を作ろうじゃないか」
 と持ちかけたらしい
 そして、記憶する問題10種
 (人の顔とか単語、絵、トランプカード、数字など)
 を考えたのだそう

 そして大会を開くと、ドイツやオーストラリアなどにも広まり
 それぞれ国内大会も開かれるようになった

 このドキュメンタリーでは2012年のイギリスで行われた大会が舞台でしたが
 これで21回目だそうで、
 インド、中国、フィリピンなどアジアの国も参加してました。
 日本人は見かけませんでした。いたのかもしれんけどわからなかったです

○スウェーデンチーム
 今回主役となったスウェーデンチームを率いるのはイドリス・ズガイ。

 彼は選手兼コーチですが
 「外国語の勉強をしようとしていたとき、
  記憶についての本を読んで世界選手権を知った」そうです。

 「みんなにも記憶を楽しんでやってもらいたい」
 という思いでこの大会を広めようとしているそうです
 「パズルと同じ、いい脳トレになりますよ」とのこと

 彼と共に世界に挑むのはマティアス・リビング
 彼は
 「記憶のプロセスに興味があり、記憶の本を読んでいたときにこの競技大会を知った」
 そして
 「変わった大会だと思ったけど、
  参加してみたらいい線いっちゃって、イドリスに誘われたんだ。
  そこからどんどんのめり込んだ」とのことでした

 ただしこの二人は考え方に違いがあるようでした

 マティアスは国内選手権で3回優勝しており
 その知名度を生かして講演活動をしたり、テレビに出たり本を書いたりしている

 元々起業したかったそうで、
 現在執筆や講演で人に役立つものを提供していることに、
 やりがいを感じているそうです
 「自分が価値あるものを提供し
  それが必要な人はお金を払う、
  これは双方にメリットがある」
 みたいな話をしていました
 けっこうゴリゴリのビジネスマン。

 一方イドリスはボランティア活動の経験もあり、
 無報酬で働くのも苦にならないそうです
 純粋に、記憶の楽しさをみんなに伝えたい、と考えているようでした
 「マティアスはビジネスマン出身、自分とは考え方が違う」
 と話していました。穏やかな雰囲気の方です

 この二人は7月にドイツで開かれた記憶力選手権に出場していますが
 マティアス9位、イドリス12位
 イドリスは「練習どおりにはいかない」と自分の能力に限界を感じている様子、
 一方マティアスは「9月のスウェーデン記憶力選手権の肩慣らし」
 と強気でした

○大型新人の登場
 ところがそんな二人の前に大型新人が現れます。しかも二人。
 どちらもスウェーデンの国内選手権にエントリーしていました。

 一人は高校生のマーヴィン・ヴァロニウス
 彼は勉強の成績を上げたくて、
 効率的な勉強法の本を読んでいたら
 記憶力の大会を知ったそうです
 記憶力はメキメキ上達し、
 今では成績もトップクラスだとか

 もう一人はヨーナス・フォン・エッセン
 彼も本を読んでいて記憶力選手権を知ったそうです

 マーヴィンくんはまだあどけない感じでしたが
 ヨーナスくんはちょっと勝ち気なタイプ。
 「国内記録はマティアスが全て持っているけど、僕は怖くない
  彼は今までライバルがいなかっただけだ」
 「練習では世界記録を破っている、この大会で世界記録が作れるかも」
 と話していました
 彼は器用な子みたいで
 「今までスポーツ、絵、プログラミング、映画製作などは一通りやった、
  でもすぐ飽きちゃってたけど、記憶は長いこと続けられた」
 とも話していました

 さてこの国内大会、二人とも初参加なので緊張ぎみ。
 ヨーナスくんは
 「思ったよりうまくいかなかった」
 マーヴィンくんも
 「あんまりうまくいかなかったけど、何となくコツをつかんだ」
 そしてそんな二人を見てマティアスは
 「まだまだだな」
 と余裕の表情。

 しかし二日間の大会を終えて成績発表すると
 3位マティアス、2位マーヴィンくん、そして優勝はヨーナスくんでした

 マティアスは妹に
 「お兄ちゃん惨敗よ」と言われ
 母親には
「子供もいるんだし、昔のようにはいかないわよ」
 とか言われてました…

 マーヴィンくんは
 「マティアスに勝つ目標は達成できた」と満足そう、しかし
 「ヨーナスとは連絡を取っていたけど、彼の実力は知らなかった。知ってたらもっと訓練したのに」

 ヨーナスくんは
 「マーヴィンは成績を話していたけど、僕は自分のことは言ってなかったんだ。
  言ってたら彼はもっと頑張ったかも、でも僕の方が実力はある」
 なかなか策士ですね(笑)

 一方マティアスはこの選手権のあと、
 ヨーナスとイドリスが出ている番組を見ていて
 (ちなみに、彼は番組の最初の方で、同じ番組に自分がチャンピオンとして出ていたものも見ていました。
 その対比が何とも言えない…)

 ヨーナスが
 「最高でした、ずっとトレーニングをしたいたし…」
 とコメントしているのを見て
 「彼は見事だけど、これでは視聴者が記憶力選手権に興味を持つところまではいかないんじゃないか」
 「イドリスは記憶について話していたけど、
  どれだけスゴいかが分からない、
  悪く言えばオタク集団と思われるだけ」
 と批判的。

 まぁでも
 「負け惜しみに聞こえるかもしれないけどね」
 「とにかくヨーナスは素晴らしかったよ、それは認める」
 とは言っていました

○記憶力のいい人のテクニック
 ちなみに記憶力選手権の出場者たちによりますと、
 記憶にはテクニックがあるそうで
 「データや数字も、人や物の絵に変換してストーリーを作る」
 のが基本らしい
 しかも感情に訴える形にするのが効果的なようで
 「スペードのAは、アーノルド・シュワルツェネッガーのAにすると残りやすい」
 「大きな魚や宇宙人、車のイメージ」
 「暴力やセックスに関わるイメージ」
 「血を流しているとか、死ぬイメージ」
 「人には言えないようなもの」
 なんて人もいました。

 ちなみに私もこのテクニックは聞いたことがあるんですけど
 ストーリー考えてるうちに気が散ってしまって疲れる…
 普通に覚える方が楽だなと思ってしまいます(笑)
 そう言えば知り合いに車のナンバー覚えるの得意な人がいて
 「語呂合わせ考えるの面白い」
 と言ってたけど、こういう楽しめる人が向いてるんだろうな。

○イギリスの競技大会
 さて話はスウェーデンチームに戻ります

 国内大会のあと、マティアスは対談の仕事とかで別行動
 (そっちの方が楽しいのだそう)

 他の3人はイギリスの競技大会に出場しています
 イドリスによれば「2か月後の世界大会のいい練習になる」とのことです

 若い二人は、国内大会のあとマスコミなどの取材で忙しかったそうです

 このイギリスの大会は
 世界選手権に3回優勝しているベン・プリッドモア氏が主催しているそうです

 ヨーナスくんは
 「ベンは一流選手の今使っている記憶法を考え出した人なんだ
  (ベン本人いわく、クリエイティブなテクニックが無いと記憶なぞできないそうです)」
 と尊敬している様子。

 一方マティアスは
 「彼は正に変わり者の見本市みたいな人、
  彼みたいな変わり者が記憶力のいい人、と思われるのは心外」
 とまた批判的でした(笑)

 この大会では、2位がマーヴィン、1位がヨーナス
 イドリスは
 「自分は記録は良かったけど、天才だとは思ってなかった。
  今回本当の天才が二人も現れた」
 と今回の世界選手権に期待を持っているようでした
 ヨーナスくんも
 「イドリスがいると心強い、彼は色々教えてくれてリードしてくれる」
 兄貴分としてイドリスを信頼している感じでした

 一方イドリスはマティアスについては
 「彼はあんまり記憶力競技大会には熱心ではないようだ」
 と、何となく残念そうですが
 「彼はあくまでも自分のやり方を通す、
  でもそれは人それぞれの考え方だ」
 とも話していました

 マティアスもイドリスの思いは感じているようで
 「イドリスは、僕が金稼ぎに夢中で競技に関心がない、と思ってるんだろう。
  まぁ当たってるけどね」
 と話していました
 彼は人に広めるというよりも、
 記憶力という能力をビジネスとして確立させたいみたいでした。

 一見金の亡者にも見えますが(笑)
 彼はどうせ広めるならもっと責任を持たねば、と思ったのかもしれない。
 サッカーをプロ化するのと同じで、
 これで食べていける、と思えば真剣にする人も出てくるかもしれない。
 イドリスとはやり方が違うけど、市場原理的なやり方でみんなに記憶法に関心をもってもらいたいのかなー、とも思いました。
 
○いよいよ世界記憶力選手権
 さていよいよ本番の世界選手権です。
 2012年、12月にロンドンで開催されたそうです

 イドリスは今回はコーチに徹し、選手としては出場しないと宣言。
 でも彼には目標があり
 「レベル2の国際審判員になる」ことだそうです
 (て言うか、審判員てのもいるのね)

 この大会にはグランドマスター認定というのもあるそうで
 3つの競技で規定をクリアしたらなれるとか言う話でした

 マティアスはいまだグランドマスターはとれていないとかで
 今回は取りたい、とのこと

 ちなみに彼は、他国の参加者で、
 ヘッドホンをして集中力を高めようとしている人がいるのを見て
 「あんなの邪道、本来はヘッドホン無しでも集中しないと」
 「ああいうことをしているから変わり者に思われる」
 とまたまた批判的。
 どうもスマートにやりたい人みたいですね(笑)

 さてこの大会には、創始者のトニー・ブザンもいて
 ヨーナスくんは
 「彼は記憶の世界の教祖みたいなもの、
  彼は脳の活性化法で特許も取ってるんだ」
 と話していました
 大会も主催するあたり、カリスマ性もあるのかな。

 トニーさんの話し方は独特で
 「単なるテクニックではない、
  知性の花を咲かせるんです」
 とか話していました
 ヨーナスくんによれば
 「彼の話し方は聞いていると気持ちいいけど、ヨーダと話しているみたい」
 とよくわからない例え(笑)

 この大会は3日間(他の記憶力大会はたいがい2日)で
 集中力が試されるそうです

 1日目を終えてヨーナスくんは4位、
 「思ったよりいいところ」と言ってました

 ところが、2日目を終えて順位は3位に上がる
 「3位の人があり得ないミスをしたので上がった、
  2位以上は差がありすぎて追い付けない」
 「緊張した、さてこの順位を守れるか自信がない」
 と珍しく弱気でした

 この大会で8回優勝しているドミニク・オブライエンさんもいましたが
 (過去最多だそうです)
 彼は優勝してから、テレビでエンターテイナーにされそうになったが
 「記憶術はエンターテイメントにするより、
  人に教える方が世のため人のためになる」
 と、今は教育活動をされているそうです
 彼は
 「記憶術が広まり、世の中の人全てが読み書き出来るようになれば世界は平和になる、
  そう願っている」
 と話していました。
 記憶術が平和につながるとは、記憶術も奥が深いですね…

 ちなみにこの方、記憶力が良すぎて
 カジノのブラックジャックでは世界中で出禁になっているんだそうです(笑)

 さて大会に戻ります
 3日目の朝、イドリスはみんなを励ましていました
 「今回は裏方としてスウェーデンチームを応援する」 と言い、
 選手層を厚くするために、
 今まで自分が国内に記憶力選手権を作ったことを話しました
 そして、
 「持てる力を全て出そう、打倒世界一だ!」

 ヨーナスくんは彼の言葉が響いたそうで
 「それほどまでに僕らを支えてきてくれたのか」
 と胸が熱くなったそうです
 皮肉屋?のマティアスも
 「今回はみんなのために安全運転でいくよ」
 チームが一致団結していました

 さて競技が終わり、まずは個人のメダリスト発表。
 銅メダルは誰か?
 実質、ヨーナスくんとドイツの候補者の3位争いです。
 主催者によれば
 「最後の数秒で決まった、歴史に残る名勝負」だったそうです

 ヨーナスくんによれば
 「最後のスピードカードは、ドイツの選手が得意な競技」なので緊張したとか。

 彼によれば「最後の1分で決まった」
 彼はスペードの6とクラブの10を読み違えていたらしいのです。
 「僕はいつも、クラブの10はダチョウ、スペードの6は魚だった。
  でもイメージの中で反芻すると、最後に魚が2ヶ所出てきてしまった。
  魚に腹が立った。
  正しいのと違うのとどっちかだというのは分かっていて
  当てずっぽうで選ばねばならなかった」

 まさに運を天に任せる状態だったらしい
 魚に腹立った、てのがリアルですね。

 さて結果は?
 「4位、ボリス」
 ドイツの方でした

 「3位は史上最強の新人、ヨーナス」
 彼は「メダルが取れるなんて夢にも思ってなかった」と飛び上がって大喜び。

 ちなみに金メダルは車イスの方で
 ヨーナスくんは「車イスが玉座に見えた」そうです

 そして喜びの余韻に浸るまもなく、次は団体の結果発表でした。
 主催者は
 「番狂わせもありました」

 ちなみに強豪はイングランド、アメリカ、ドイツなどだそうです

 「7位、イングランド…」
 「6位、中国、5位アメリカ、4位インド、3位フィリピン…」
 フィリピンとかインドもスゴいんですね。

 さてスウェーデンは…
 「2位、スウェーデン」
 スゴさがいまいち分からんが、
 スウェーデンはそれまでほとんど無名だったそうで
 これは奇跡に近いのだそうです
 ちなみに1位はドイツでした。

 それから、グランドマスターも今大会で6人認定され
 そのうち3人はスウェーデン勢だったそうです。
 マティアスも悲願のグランドマスターを取得して
 いつもクールなのにおどけた表情でした。

 さて大会のあと。
 マティアスはみんなに
 「今回で僕は最後だ」
 と突然の引退宣言。
 イドリスは驚いて
 「いつ決めたんだ?」
 「ずっと考えていたんだ、グランドマスターが夢だったけど、それも達成できたし」
 彼は
 「これからは教育分野に記憶を生かしたい。
  頂点の時が引き際って言うだろう?
  イドリスのように情熱を傾けてくれる人を大事にしないとね」
 と話していました

 「これからイドリスの活動を見守っていくよ、
  ヨーナスやマーヴィンのような人が発掘できたら優勝できるだろう」

 個人プレーが多そうに見えたけど
 一番イドリスを見ていたのは彼かもしれない、と思いました。

 そして、スウェーデンでは記憶力選手権が活発になりつつある、
 みたいな話で終わっていました
 
 ちなみにその後の彼らについても少し触れられています
 マティアスは記憶法を生かした勉強法の本を出版した
 イドリスはチームのコーチを続けている
 マーヴィンは医学部に合格し、新たな記憶法を開発中
 ヨーナスは世界選手権で優勝し、
 中国語も猛勉強し、次の年に中国で開催された大会でも優勝しだそうです

○感想など
ドラマとして見ていて面白かったです。
マティアスさんは変わり者と思われたくなかったみたいだけど、
一番変わってるように見えたのは気のせい?
まぁでも考え方は独特だけど憎めない人だなと思いました(笑)

ちなみに日本人は?と思ったのでググったら
Wiki情報ですが、記憶力選手権には個人で日本人の方も出ていたようです。

ただし100位前後ですので世界レベルとは言いがたいようで…
ただ日本でも東京で2014年頃から記憶力の大会は開かれているみたいです。

ちなみに同じWiki情報によれば
2016年頃に世界記憶力選手権の主催団体が内部分裂してしまったらしく
中国、アラブ圏以外は脱退。
別の団体ができて、
2つの団体が主催する大会が共存するややこしい状態のようです。

そのせいか、近年は中国などアジア開催が多いようだ。
ここにも中国パワーが台頭してるのかな?

ところでスウェーデンチームを率いているイドリスさんは、
記憶についてのプレゼンもしているようで
http://logmi.jp/14618
にありました。
やはり絵に変換するというのが基本テクニックみたいです。
ヨーナスくんの魚の話もリアルでしたね。

ちなみに私は機械的な記憶が苦手、ていうか嫌いで
どっちかいうとストーリー性、因果関係がある方が好きです。

歴史なども「イイクニ作ろう」とかより
この人があーなってこーなってあーだから、この年にこれができた、
みたいなストーリーがあった方がいいかな。
なので1年くらいずれても、
大体の話がわかればいいじゃんとか思っちゃう。

英語の単語でも、だいたいの感じで覚えてるので
(楽しい感じとか、ふわっとした感じとか)
ニュアンスはあってても、言語的に厳密な意味は間違えることもありますね…

たぶん入試向けではないんでしょうね(笑)
大学受験でも記述式が多かったので助かったようなものでした…。

なので、絵に変換しろとか言われても
その単語の成り立ちに関係ないストーリーを勝手に考えるのはやっぱり抵抗あるかなーとか思います。

でもまぁ、人間の能力って無限だな、と思いました。
日本だと、昔の受験戦争への批判からか、
あるいは討論型授業の流行りのせいか、
記憶学習って軽視されがちだけど
知識の蓄積がないと議論や思考は生まれないわけで、
やはりある程度の暗記も大事なのかなと思います。
楽しんで行われるのはアリなのかなと思ったりしました。

ドラマとして面白かったです。

というわけで今回はこの辺で。

「坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本」

「坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本」

 そういや人工知能、て基本的に分かってないなー、と思い、図書館で借りてみた本です。
 「坂本先生が…」て言うくらいなので有名な方なんかな?
 (申し訳ないが私は知りませんでした)
 と思い一応調べてみましたが、
 「ホンマでっか?TV」に出演されている研究者みたいです。

 綺麗な方だからかな?オスカープロモーションにも所属、てことです。

 ちなみにウィキによれば
 「男性タレントのジャニーズ、
  お笑い芸人の吉本興業と並び、
  美女タレントのオスカー」
 だそうで、所属されているのは美人女優、タレントさんたちが多いらしいです。へぇ。

 まぁそれはさておき、彼女は人間の感性を人工知能で表現する、
 みたいな感じの研究をされているようですが
 (オノマトペなど、感性言語が専門みたいです)

 人工知能学会の学会誌の編集委員でもあり、
 過去にも本を書かれていた縁で、
 出版社から一般向けの人工知能解説本を書いてほしいと依頼された、とのこと。

 人工知能ってなんか男性的な本が多いので、これはユルくて良かったです。
 漫画的なイラストもあるんで、入門編としてはいいかなと。
 ただ詳しい内容は省いてあるので
 既に歴史とか仕組みを知っている人には物足りない内容かもしれない。

 まぁでも素人の私としては良かったです。
 人工知能=ディープラーニング
 かと思っていたらそうじゃなかった
 (あくまでも、ニューラルネットワーク、という1つのやり方の進化形らしい)、とか
 AIが小説書いた、とか言ってたけど構成などは人間が考えた、とか
 ニュースになってるわりに知らなかった内容があったので
わりと収穫な本でした。

 印象に残ったところを挙げたいと思います。

○そもそも人工知能とは
 最初の方に、そもそも人と人工知能との違いは?
 という話がされていました。
 たぶん専門家により定義は色々なのでしょうが
 筆者によれば
 「人は体があり、人工知能にはない」のだそうです。

 人間は、体の五感を通し、外部から情報を得ているが
 AIにはそれがないので
 人間が何らかの情報を入れてあげないと知識を獲得できない。

 また、人には心がある、というのも大きな違いだそう。
 人は、五感からの情報を元に
感じたり、想像したり、共感したり、新しい課題を設定する。
 こういう心の動きがAIにはないのだそうです。

 ただ、しぐさや表情をなどを状況に応じて変えるようプログラムすることで、
 AIに心があるように「見せかける」ことはできるそうです。
 それでも、行動の意味を理解して自発的に動いているわけではない。

○今は第三次AIブーム
 そんなAIですが、今は歴史的に見れば3回目のブームなんだそうです

 ・第一次ブームは1950~1960年代、
 AIという名称がダートマス会議で初めて考え出された
 このときは、検索という方法が使われたそうです

 例えばゲームの解決法、迷路を出る方法などを考えるとき
 人間なら間違えたところに戻ってそこからやり直すが
 機械はいちいち最初から全てのパターンを場合分けし
 最適なものを探す、という泥臭いやり方

 時間はかかるが、
 コンピューターの性能の向上により飛躍的に成績をあげるようになったそうです

 しかしこの方法では、
 病気の治療法など、
 正解がはっきりわからない社会の現実問題には対応できない、実用的でないとして廃れたそうです

 ・第二次ブームは1980年代
  エキスパートシステム、というのができたそうです
これは専門的な問題に特化した人工知能だそう

  この時代の人工知能の特徴は
  知識をたくさん入れて最適な方法を探させるというやり方
  病気の治療法などは、治療例や論文、症状などのデータを学習させることで見つけられる

  このため、データをコンピューターで扱いやすくするにはどのように変換したらいいか、
  などが研究されるようになったそうです

  しかしこのときは
  人間の知識が多すぎ、データを入れるのに時間がかかった。

  また、意味を文脈や状況に応じて理解する
  という人間の脳(心?)の仕組みは複雑で、
  人工知能で再現するのが難しい、
  などの問題があり廃れていった

 ・そして今は第三次ブーム
  1990年代くらいから
  ウェブを使って大量データが一気に入手できるようになったこと、
  機械学習、ニューラルネットワークなどの自律学習の研究も進んだことが大きいみたいです

  また廃れるんじゃ…てな話もありますが
  今度のブームは人類に大きな変化をもたらすことになりそうです

○人工知能とロボットは違う
 人工知能とロボットの違いも書かれていました

 文科省だったか経産省だったかの定義によればロボットは
 「センサーと制御系と駆動系を備えた機械」
 だそうです。

 つまり外の環境を感知し、それに対応した動きをする体があるのがロボット
 産業(製造や運搬など)、医療、介護、農業などで既に応用されている

 しかしAIはコンピューターだけで、動きをもつ体は必要ないそうです

 アンドロイド研究でも、
 体の動きなどを主にするならロボットに近く、
 制御系や人間の思考法などを研究対象にするならAIに近くなる、とのこと

 ただしAIにも体は必要、と考える研究者もいて
その辺は意見が別れるらしい。

 例えば体の感覚や情動から知性が生まれるなら、AIにも体が必要、とする人もいる

 筆者の場合は、人に寄り添う人工知能を目指すならば、
 五感を取り込む人工知能は必要なのでは、
 と述べています

○AIの進化の段階
 AIの進化は五段階に分けられているそうです
 1 人工知能家電
  部屋の温度をキャッチして温度や湿度を制御するエアコンなど、
  入力、出力の関係がわりと単純に制御されるものを指すようです

 2家電のもう少し複雑なもの
  掃除機のルンバなどがこれに当たる
  数十の行動パターンを持ち、
  状況に応じて最適な動きを選択するそうです
  つまり入力から出力までの経路が1より高度

 3機械学習をするもの
  何かの教師データをたくさん学習することで、
  行動パターンを自分で学習する
  ただし学ぶためのプログラムや、正解などは人間が入れる

 4何かの目的に特化して、自ら学ぶプログラムを持つもの
  3と違うのは、人がするのは教師データを入れるだけで、
  学びかた(特徴やルールの抽出)は人工知能自身が考える、ということ
  最近流行りのディープラーニングはこの段階に相当するらしい

 5汎用的な人工知能
  4の場合、囲碁のための人工知能、医療診断のための人工知能、など、何らかの目的に特化しているが
  5の段階では、
  人間と同じく全てのことが1つの機械でこなせる
  感情や判断などもできるようになる

 4までの進化の仕方では5の段階はたどり着けないだろう、
 もっと飛躍的な技術が必要なのでは
 と考えられているそうです

 5まで来ると、人間並み、あるいは人間よりも高度な知能を持つ可能性も高くなる
 いわゆるシンギュラリティが起きる

○シンギュラリティの定義
 私も漠然としか分かっていなかったシンギュラリティですが、
 筆者の言葉で言えば
 「人工知能が、自分よりも賢い人工知能を作り始める時」
 だそうです。

 今は、関数曲線で言えば
 1以下の数を掛け算している状態で
 この場合元の数よりは小さくなる
 つまり自分よりは幼いAIを作っている状態

 しかし1より大きい数を掛け算したらどんどん大きくなる。
 この1以下か1以上かの境目がシンギュラリティなのだそうだ。

 シンギュラリティ=「特異点」と聞いていたけどよくわからんと思っていたので、
 これは何となく腑に落ちる説明でした。

 「ムーアの法則」(コンピューターチップが1.5年ごとに2倍になるという法則)というのがあり
 これに当てはめれば2045年にシンギュラリティになる、と言われているそうです

○人工知能が人間を滅ぼす可能性
 シンギュラリティが起きたら人工知能が暴走して人類を及ぼすのか…
 という懸念についても書いてありました。

 松尾豊氏によれば
 人工知能増殖には3つのシナリオが考えられるが
 どれも人類を滅ぼすとは考えにくいそうです

 ・1つはAIが「自分を増やしたい」という欲望を自分に組み込み、ロボット(物理的なもの、ハード)のコピーを作る

  しかしこの場合、ロボットを作る材料を調達するのが大変
  ロボットを作る機械をロボットが作れば可能では?という気もしますが
  それは遠い未来ですね…

 ・2つ目はAIが「自分を増やしたい」という欲望を組み込み、
  プログラム(ソフト)をコンピューターウイルスのごとくどんどんコピーしていく

  しかしこの場合、色んなコピーが出来れば不具合も起こりうるが
  全ての不具合に対応するのはAIのみでは難しい

 ・3つ目はAIが人工生命を作り、そこにAIのプログラムを入れる

  しかし人工生命が外的な環境変化に全て対応するのは不可能

 結局、AIは未知のトラブルには弱い。
 進化なんて危機への適応だらけだが、AIは危機には弱いということですね。

 (ただしAIの予想外の進歩による危険性を指摘する人も少なくなく、
 http://tocana.jp/i/2017/03/post_12479_entry.html
 などのサイトによれば
 「ケンブリッジ絶滅リスク研究センター」というところが発表した
 「地球壊滅の脅威10」のうち3つに人工知能によるものを挙げています。
 ・人工知能が人間の目的と違う発達をすること、
 ・バイオハッキング(人工生命を勝手に作ること)
 ・キラーロボット、だそうです

 スティーブン・ホーキング博士、ビル・ゲイツ氏、イーロン・マスク氏なども
 AIに危惧を抱く発言をしているとか…
 
 そういえば中村文則さんの小説「R帝国」なんかは、
 AIや記憶を操作する薬など、高度文明を支配層が利用して大衆を巧妙に操り、
 しかも操られている大衆はそれなりの娯楽を与えられ気づかない。
 支配層に抵抗する人もいるが、そういう人は排除される方向に大衆の思考が操作されていく…
 という近未来社会が描かれて、なかなかコワかったです)

○AIにとって変わられる仕事、人間に残る仕事
 これも結構、シビアな話です。
 AIが人間並み、あるいは人間より優秀になってきたのは
 ・画像認識、音声認識
 ・ビッグデータを使った予測
 ・ある程度のマニュアルに沿った応答
 ・決められた動き
 …などだそうで
 具体的には
 ・医療診断、審判
 ・受付業務、電話オペレーター
 ・データ解析、
 ・金融、証券、保険
 ・運輸、物流
 …など。
 ほかには、検索と連動した広告業、
 文書作成、デザイン、作曲なんかも行っているそうです
 ですので広告業界とかウェブデザイン、産業デザイン、とかも危ういですね…
 そう言えば新聞記事も、気象予測など事実を伝えるだけのものならAIが書いていました

 一方AIが苦手なのは
 ・手先を使う繊細な動き
 ・経験が必要とされるもの
 ・高度な判断が必要なもの
 ・複雑な人とのやり取り
 …などで
 具体的には、
 ・歯科技師
 ・理学療法士
 ・カウンセラー
 ・責任者
 ・教師
 などだそうです

 仕事って廃れることもあれば新しく生まれるものもあるので、時代に合わせた能力を付けていくことが重要なのかも。

○AIに入れられるデータ
 AIに入れられるのは
 テキスト、画像、音声など、デジタル化できるデータだそうです

 最近は音声認識の分野も進歩がめざましく、
 マイクの性能も上がっている。
 また、従来は音声認識と、言語への変換は別個に処理していたが、
 聞き取ったものを同時に言語に変換する技術も進んでいるそうです

○AIに入れられないもの
 ・言葉の意味
  会話や文章の中で、ある単語の意味を理解する仕組み
  てのは意外と複雑なんだそうです

  意味を記憶、学習する研究に
 「意味ネットワーク」
 が考えられていて
 心理学の話にもよく出てきます

 これは、人は、それぞれの言葉をバラバラに機械的に覚えるのではなく、
 他の言葉とのネットワークを作りながら覚えていく、というもの

 例えば「ウサギ」という単語は
 「白い」「ふわふわ」などという連想される単語と強いネットワークを作り
 「かばん」とか「青」など関係無さそうな単語とは結び付きが弱いもの、として記憶される

 梅干しを見て唾液が出るのも
 赤くて丸くてしわしわのもの、
という概念と
 酸っぱさとが結び付いて記憶されるからだそうだ

 これをAIに実現させようとすると、
 全ての単語、知識を入れる必要がある
 第二次ブームではこれをしようとしたが、あまりに膨大なため挫折した

 第三次AIブームではビッグデータを扱う技術が進み、
 言語データをたくさん入れられるようになった
 このため現在は、それぞれの言語の意味ネットワークを、
 人工知能自身に見つけさせようという方法がとられているようです

 例えばIBMのワトソン
 (質問に答える人工知能らしい)
 はWikiなどのデータをたくさん入れてあり
 ある単語を入れると、それと関連性の高そうな答えをさがしだす仕組みなのだそう

 ただし、ワトソンくんは質問の意味は理解してなくて
 ひたすら関連性の高いものを捜しだすだけなのだそう
 (NHKのAIひろしもこのやり方?
 でも、「理解できた」てどうやって判定するんだろう?答えが探せたら理解できたってことにはならないのかな?
 と思いました)

 もう1つ、人工知能に入れるのが難しいのは五感の感覚みたいです
 視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚のうち、
 視覚、聴覚以外の3つはまだまだ再現しにくいらしい

 ・味覚はセンサーが複雑
  そもそもAIは食べないから必要かもしれないが、
  レシピを考える知能はある そうです
  この場合、言語化された味(つまりテキスト化されている)と食材のデータを元に
  調合のしかたを考え、レシピを作るらしい

 ・臭覚は、今のところ受容体が400近くあり、組み合わせが大変らしい

 ・触覚は一番大変らしい
  皮膚は体全体に広がるし、個人差も大きいのだそう

 次に、人工知能がどう学習しているかの話もありました
○機械学習とは
 機械学習は、人が学びかたをプログラムしなくても、
 コンピューター自身に特徴やルールを見つけてもらう学習方法

 大きく3つに分けられるそうです
 ・教師あり学習
  これは親データと正解を入れ、学習させる
  例えば猫の画像を見せて「これは猫」と言語として教える
  ここから、「こういうものは猫」と学習していく

  やり方としては要素を数値化するのだそうで
  例えば何かの特徴があれば「0.75点」「-0.2点」など、加点を加える
  (この点数の大小を「重み」というらしい)

  そして、最終的な点の大小で正解を決める

 「スパムメールかどうかを見分ける」などの分類問題
  (メール中の単語を要素として、加点あるいは減点していく)
 「温度や湿度から明日の降水確率を出す」などの回帰問題
 があるそうです

 ちなみに降水確率では、
 パラメータ(温度、湿度、風など)と
 求めたい値(降水確率)との回帰式(関係式)を作り、
 そこに現在のデータ(今の温度、湿度)を代入して予測値を求める、
 というやり方をとるそうですが

 これらのパラメータ要素が多すぎたり
 極端にズレた値が混じっていると結果が大きく変わる欠点があるそうです

 また、学習しすぎると未知の問題に対応できない(過学習、というそうです)

 …つまり、あんまり柔軟性は無さそうですね。

 ・教師なし学習
  これは、正解の分からないデータを分析するのに使われる

  例えば顧客データを入れ、
  その顧客の好みに合うと思われる商品をアドバイスするサービスなど

  この場合、人工知能はデータを元に、自分で顧客をタイプ別に分ける
  ただし分類の仕方も色々できるので
  「同じ人数ずつにする」などの縛りはかけておくそうです

  ネットの購入履歴から傾向を把握する、などにも使われるらしい

 ・強化学習
  これは動物の学習と似ているそうです
  正解にたどり着けば加点し、
  不正解ならマイナス点を与える

  つまりマウスの実験などで、成功したら報酬(えさ)を与え
  失敗したら罰(電気ショック)を与えるのと同じ

  これにより、より正解に近い道を早く学ぶことができるそうです

次は、AIの中でどうやって知能を実現させているか?の方法の話。
○ニューラルネットワーク
 ニューラルネットワークとは、
 人間の脳にある神経ネットワークをコンピューター上に再現させたものだそうです。

 今流行りのディープラーニングはこの進化形なのだそう

 生物の脳のニューロンの仕組みを書くと、
 ニューロンはトゲトゲのある神経細胞で、
 それぞれのトゲから軸索と呼ばれる糸みたいなものが伸び、
 別の神経細胞の軸索の端っこと接している
 接する部分はシナプスと呼ばれる

 1つの神経細胞が活性化すると、
 電気刺激が軸策、シナプスを通して別の細胞に伝わる

 色んな別の細胞から電気刺激を受け取った次の細胞は、
 電気刺激の総量が、ある程度の値以上になると活性化するが
 それ以下なら何も起きない

 この仕組みをコンピューターで再現したそうです

 最初は1940年代に
 ウォーレン・マカロックさん、ウォルター・ピッツさんという方たちが「人工ニューロン」を考えたそうです

 やり方としてはシンプルで
 複数の入力ニューロンから、出力ニューロンに信号が送られる仕組み

 各入力ニューロンから出る信号には、それぞれ色んな値の「重み」があって、
 出力ニューロンの受けとる信号の総和が、
 ある値以上なら出力ニューロンは出力を1、
 それ以下なら0の信号、とする
 …というもの

 数字だと分かりにくいですが、
 ある人が色んな人から何かの商品の評判を聞いて、
 聞いた人が他の人に話したくなるときが出力1、話すほどの気は起きないのが0、
 と例えていました。
 この場合、噂の出所が信用できるほど「重み」の値が大きくなるらしい。なるほど。

 この人工ニューロンをもう少し進化させたのが
 「パーセプトロン」だそうで
 これは、入力ニューロンと出力ニューロンを2層に並べてつなげているそうです
 この際、出力は0と1のみではなく「0.7」とかの値で出す
 また、入力層から出力層の「重み」の調整をできるようにする
 これにより、
 望み通りの出力値になるよう、
 重みを微調整させるよう学習ができる

 ただこのやり方だと、
 はっきり関連性のあるデータの学習はできるが、それ以外はできないらしい

 そこでこれをさらに進化させたのが
 「バックプロパゲーション」
 これは1986年にデビット・ラメルハートさん、ジェフリー・ヒントンさんらが考えた方法で
 入力層と出力層の間にもう1つの層を作り、3層構造にしたもの

 これは、出力の答えが正しくないときとか、誤差があるときに、
 その間違った答えを真ん中の層あるいは入力層に返して、
 誤差をなるべく小さくするよう信号の重みを自動的に調整させる
 (重みには、
 入力層と中間層をつなぐ重みと、
 中間層と出力層をつなぐ重みがある)

 例としては手書き数字を「7」として認識させるやり方で
 この場合は入力する手書き文字データを細かい点に分けて
 それぞれの点の光の色データを入力層に入れる
 入力層のピクセルはたくさんなので、その入力層から来る重みもたくさんある

 そして出力が間違って「1」などになってしまっていたら
 出力文字が「7」になるまで全ての重みを調整する、
 という気の遠くなる作業をするそうです

 学習には時間がかかるが
 これだと2層ではできない問題ができるようになったそうです

 そして、2層より3層がいいなら層をもっと増やせばいいのでは…
 とも思われたが

 しかし、そうはうまくいかなかったらしい
 というのは、間違った答えを中間層に返しても
 調整されるのは出力に近い層にとどまり、
 入力に近い層まで調整するのが難しいのだそうです

 …ここでニューラルネットワークの進歩はしばらく頓挫したそうです

○ディープラーニングのスゴいところ
 ここを乗り越えたのがディープラーニングなのだそうです

 これが世に出たのは2012年、
 頓挫してからしばらくたっていますね。
 考えたのはバックプロパゲーシヨンを考えたジェフリー・ヒントンさんだそうです

 ディープラーニングでは、
 4層以上のニューラルネットワークを使うのだそうです
 多層だとうまくいかなかったんじゃ?…て思いますが
 そこには工夫があったらしい

 いまいち理解してないですが私の理解で書きます
 1つは、学習を階層ごとにしたこと
 もう1つは、オートエンコーダー、といって
 入力と出力のデータを同じにしたことがミソだそうです

 同じとはどういうことか?
 手書き文字認識の例で言えば
 バックプロパゲーションの頃は
 入力は手書き文字、出力はパソコン文字を正解として与えていたそうですが、

 ディープラーニングの場合は入力も出力も手書き文字にして
 特徴はAI自身に抽出させたそうです

 これにより、層が入力側から出力側に進むたびに情報が圧縮され、
 必要な特徴の要点だけが取り出される
 最後の出力層でまたもとのデータに戻って答えあわせができる
 という仕組みだそうです

 統計処理の「主成分分析」と同じ、と書いてありましたが
 主成分分析はよくわからん…

 イラストでは、
 途中でギュッとデータが凝縮され、最後でまたデータがポン、と広がる、て感じなので
 私のイメージでは
 画像の圧縮、解凍みたいな感じかなぁと思いました
 (違ってたらごめんなさい)

 多分層ごとで学習するので
 層が進むたびに洗練された要点だけが抽出されていくのでしょう。
 しかも始めと終わりのデータは全く一緒なので
 出力層から近い層と入力層に近い層とで重みの調整に差が出ない、という利点がありそうです

 筆者としては、人間の脳でも似たようなことが起きてそうで理解しやすい、とのことです

 ちなみにディープラーニングでは
 音と画像、文と画像など
 違う種類の情報も一緒に扱えるのだそうです

 また、ディープラーニングは
 「4層以上のニューラルネットワーク」の総称に過ぎず、
 層の作り方とかネットワークのつなぎ方の違いなどにより、
 細かくいうと手法はたくさんあるんだそうです。
 現状でベストというわけでもなく、日々改善もされているそうです。

 ディープラーニングと言っても色々なんだなぁと思いました

○遺伝的アルゴリズム
 ディープラーニングはニューラルネットワークの1つですが
 他にも「遺伝的アルゴリズム」という手法もあるそうです

 遺伝的アルゴリズム、とは
 ダーウィンの進化論を再現したようなものだそうです。
 (ニューラルネットワークは脳を再現したようなもの、ですし、こちらは進化論。
 人類の仕組みってやっぱりすごいなあと思います)

 遺伝的アルゴリズムは、
 無限にある答えから、
 最も良さそうなものを探すのが得意なのだそうだ

 ダーウィンの進化論とは
 ・突然変異はランダムに起きる
 ・進化とはある目的に向かっているわけではなく、機械的に起きる
 と捉えているそうです

 つまり、変異は何の意図もなくランダムに起き、
 その変異の中で、そのときの環境に一番適応している個体が機械的に選ばれる、
 ということらしい。

 そしてこの進化論をアルゴリズムとして再現したのが遺伝的アルゴリズム

 具体的には
 1 n個の個体を作る
 2 次の世代を作るとき
  ・そのままコピー
  ・別の個体とかけあわせる
  ・突然変異
 のどれかを選ぶ
 3 n個になったら次の世代ができる
 ある程度これを繰り返して
 そのときの環境に最適な個体を答えとして選ぶ

 …というやり方だそうです
 実際これは、株取引、飛行経路の最適化などに使われているそうです

 このあと、人工知能の実用例が書かれていました
 手法としてはやっぱりディープラーニングが多いのかな?
○ゲームAI
 NHKの羽生善治さんの番組でもやってましたが
 囲碁の「アルファゴ」「ディープゼンゴ」、
 将棋の「ボナンザ」などが有名ですね。

 将棋の場合は、たくさんの対局譜面を機械学習させることで、
 盤や駒の位置関係など、どこに注目すればいいかがわかるようになったそうです

 囲碁の場合は、最初の2手のありうる方法が他の将棋やチェスなどのゲームに比べ、膨大なのだそうですが
 この場合、過去の譜面からの学習だけではなく
 人工知能同士の対局も3千万局(人が毎日10局しても8200年かかる!)させて学習させたのだそう

○画像診断のAI
 画像診断の技術は向上し
 今では顔認識、指紋認識が実用化されている。
 膨大な量の顔写真を学習させるのだそう

 また医療診断(ガンの検出、ほくろかメラノーマかの判断など)
 も研究されているそうです

○自動運転
 自動運転は研究途上で
 手順としてはシミュレーターを作り、
 バーチャル運転をたくさんさせて学習させる
 さらに、なにか飛んでくるとか、普段ならあり得ない状況も学習させる、
 という方法が考えられるそうです

 しかしまだまだ課題はある。

 1つは運転の場合、画像ではなく動画
 変化する状況にリアルタイムで反応せねばならない

 もう1つは視覚などの情報を捉えるセンサーをどこにつけるか
 どんなセンサーを付けるかの問題もある
 今のところレーダーの活用、3D地図やGPSによる位置情報の把握、などが考えられるそうです

 そして一番問題なのは、事故が出たらどうするか
 誰が責任を取るのか
 予防策をどうすべきか
 (プログラムは人間が作ったわけではないので、プログラムを変えられない
  事故が起きないような学習を機械にさせないといけない)

 というわけで課題は多そうです。電車など、決まった道を走るものなら既に自動運転はされていますけどね…

○会話AI
 言葉を理解するAIはいまだないが、会話のやりとりは進歩はしているようです
 大きくは2つに分けられるそうです
 ・知識ありの会話
  IBMのワトソンなどがこの例で
  マニュアルをもとにコールセンターのオペレーター支援なとはしているそうです

  ワトソンくんは先程も出ていましたが、質問を音声認識し、テキストに変換
  それを単語に分解し、データベースからその単語と関連性の強い文章を探す…
  というやり方で
  学習させることで精度をあげていくのだそうです

  シェフワトソン、てのもあって
  キーワードのイメージにあうレシビ提案をするらしい。

 ・知識なしの会話
  これは簡単なおしゃべりロボットだそう
  おうむ返しなど、ルールを仕込んで返答させる
  仕込み方はいくつかあり
  ・辞書型…単語とテンプレートの組み合わせを記憶させ
   ある単語が来たら返す言葉を決めておくやり方
  ・ログ型…過去の履歴から回答を探す
  ・マルコフ型…会話をバラバラにして分析し
   ある言葉のあとに来る確率が高い言葉を持ってくる

  これらの組み合わせで簡単な会話はできるが
  前提知識が必要な話とか
  意味がたくさんある言葉とか(「凧を上げる」「蛸を揚げる」)の理解は難しいみたいです

気晴らしのおしゃべり程度はOK、てことですね。

○小説
 クリエイティブな分野は評価が難しいので学習しにくい、
 というのはあるみたいですが
 小説をAIに書かせる試みはいくつかあるようです

 星新一賞は人間以外に書かせてもOKというユニークな小説の賞で
 2016年には11本のAI作品が出されたそうです。これは新聞でも話題になってました。

 そのうちここで紹介されていたのは2つで
 1つは「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」
 このプロジェクトでの作り方は
 小説の構成、条件設定は人間が行い
 文章部分をAIにさせているらしい

 もう1つは「人狼知能プロジェクト」
 これは村人に紛れ込んだ人狼を探すゲームを人工知能に作らせる、というもの
 大まかなシナリオをゲームとして人工知能が作り、
 人間が面白いと思うものを選んで、それをもとに小説として書く、
 というやり方みたいです。

 つまりどちらも完全にAIではなく
 骨組み作りとか大事な所は人間が担うみたいです

 小説を書くには
 テーマを決め、筋書、構成、登場人物、時代背景などを決め、
 そのあとに意味の通る文章を書く、
 というたくさんの手順があり
 なかなか大変そうです。
 ていうか人間でも書ける人はごくわずかですよね。私も書けません…

○絵、音楽
 イメージを指定して、写真を元にデザインや画像を作る
 というサービスは既になされているようです

 また、音楽スタイルや技術を学習させて独自の曲を作る
 ということもされているようです。

 意外と文章よりは実現早そうだなーと私は思う。
 そもそもアートって競うものでもないし
 組み合わせのパターンをたくさん作るだけでも斬新なものができそう。

 アーティストも、AIから仕事を奪われるというより、新たに刺激を受けられるなら
 それはそれでいいのかなと思ったりします。

○筆者のあとがき
 筆者としては
 これからの人工知能は「感性」ではないか、とのこと

 人間の気持ちよさとか美しさとかの価値観などは、
 五感や感情から来ている
 ここを理解できる人工知能が必要なのでは、とのことです

 また、どうしても人工知能って、理性とか正解、予測など
キチキチしたものを出すものになりがちですが

 人間ってのは感情もあるから判断の誤りもあるし
 そもそも正解を求めてないときもある
 好みなどは個人差があるから優劣はつけられない

 そういった人間に寄り添う人工知能に今後は可能性があるのでは、
 という感じでしめくくられていました。

○感想など
ざっくりですが、AIの仕組みなどが何となく分かって面白かったです。

AIが人間とか生命体を模しているとすれば、
我々は生命体の進化を短期間で見せられているようなものなのかもしれない、とも思う。
AI開発により、人間の思考法とか脳の仕組み、意識とは何か、という問いへの理解が更に深まるのかなと思いました。

色んな所でAIが人間を越えたら…の危惧が言われていますが、
私は結構楽観的です。
というのは本当に賢いAIならば、
生き残るには「多様性を保つ」のがいちばんの得策だと気付くのではと思うからです。

これは社会的に色んな考え方の人がいた方がいい、てのもあるし
宇宙の中で生命体が生き残るために色んな生物がいた方がいい、
という物理的な意味合いもあります。

AIは最強頭脳、みたいに言われるけど
天変地異が起きたら真っ先に壊れるでしょう。
つまり物理的変化にはめっぽう弱い。
百歩譲って、それを防ぐために耐熱性、耐寒性素材を見つけるにしても、自然の中からヒントを探さないといけない。

結局我々生命体は「土が無きゃ生きていけないのよ」だと思う
(「天空の城ラピュタ」でシータが言ったセリフですね)

それに人類も、何だかんだ言って「善なる方向」に進んでいるんじゃないかしら。
もちろんテロとかは無くなってないけど
奴隷制度とか差別は昔よりは無くなっている。
過去から学んで良くなろうとはしていて、
それはAIも同じではないかと。

筆者が「これからは感性を持つAI」と話しているように
AIを怖いものとして捉えるのではなく
共感しあい、協調しあい、仲良くしていける社会が実現するといいなと思います。

日本人って、感性とか思いやりとか可愛い文化とかその辺は強いので
そういうものを融合したAIを作ることに貢献できたらな~と思いました。

まぁでも悪用の可能性はゼロではない。
時代に乗り遅れないように、あるいは利用されないように、
新しい技術は勉強していこう。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 08:36| Comment(0) | 本(科学) | 更新情報をチェックする

2017年08月22日

子供の前で食後に間食する義母さんに一言言ったら怒られた件

子供の前で食後に間食する義母さんに一言言ったら怒られた件


 昨日は暑かった…
 そのせいか昨日は義母さんとちょっと衝突してしまいました。
 今回はこのことについて。

 義母さんは更年期障害の後遺症もあり、暑さに滅法弱いです。
 頭がくらくらするらしい。

 そのくせ、夕方まだ暑いのに
 「汗もかかんと」と、
 長袖で草むしりして
 「あつい~」と言ってるからよくわからん。
 1日くらいやらんでも良かろうに。

 さてそんな昨日の夕食の時。
 さすがに暑いのでクーラーはつけていますが、
 クーラーは居間についていて食堂にはなく、
 居間の冷やした空気が流れてくるのを待つしかないので効きが悪い。
 ですので、食べ終わったら涼しい居間にみんな移動します。

 しかし下の子は食べるのが遅く、最後まで一人で残ってしまう。
 それで義母さんに
 「おばあちゃん、食べ終わるまでここにいて」
 と待ってもらっていました
 (私は食器を洗っていました)

 すると、義母さんは手持ちぶさたなのか、
 冷凍庫からアイスを出して食べようとする。
 私はまだ下の子がご飯が終わってないので、
 子供が食べたがったら困るし、慌てて義母さんに
 「もー、やめて!」
 と言いました。

 本当は義父母さんの食べるもの、あれこれ口出ししたくないし
 しないように気を付けています。
 私だって指示されるの嫌だし。

 なので、義父さんが食事中に、お酒のつまみにスナック菓子を食べるのも黙認。
 (心の中ではイライラしてますが)

 子供が目ざとく見つけても
 「あれはおじいちゃんのだから」
 「君らはご飯入らなくなるからダメ」
 と言うだけ。
 それで欲しがっても義父さんに任せる。
 個別交渉してくれ、という感じです。

 また、義母さんは、たいがいご飯後に一口足らん、とか言って
 饅頭とかアイスとかたまに食べますけど
 これもイライラはするが
 子供が食べ終わった後ならば、何を食べようが何も言わないようにしている。
 (本当は健康を考えればいいことではないのだが)

 だから言うのはよっぽどの時なんだけど、
 昨日は私も少々暑さで苛立っていたのもあり
 ついキツい言い方をしてしまった。

 義母さんは、
 普段私がイラッとはするけどなにも言わないようにしている、
 という事実は知らないだろう。
 だからたぶん食べ物に口うるさい嫁だと思われてるんだろうな。

 昨日の場合は、
 子供が終わったあと、
 義母さんがアイス食べられるようにスプーン出しといたんだけど、
 義母さんはすねてしまって
 「アイス食べたらあかんのか」
 とかぶつぶつ言ってました。
 「意地悪で言うてんのと違う、
  子供がまだご飯食べてるのに欲しがったらあかんから言うてんのに、何でそんな言い方すんの!」
 と怒ってしまいました。

 ここからずーっと腹立ってしょうがなかった。
 私は正しいこと言ってるのに、て。
 下の子にも「あんたが食べんの遅いから悪いのよ!」と当たってしまいました…

 でもこういうやり方好きじゃないなぁ…と心のどこかで思っていて
 なんかモヤモヤしてました。

 若いときは、
 私は正しい、て筋を通すこと言って相手を言い負かしてスキッとしたものだが
 ある程度年を重ねると、
 「正論を言うのがいいとは限らない」と思う。

 何だろう、たしかに正しいことをいうのは大事なのだが
 言い方の問題と言うか、
 言われた側の気持ちにもならないと…、と思うようになった。
 相手を言い負かして、
 相手との今後の関係を悪くする方がマイナスになることがある。

 昔読んだ本に
 「相手が間違っているときほど、思いやり、謙虚さ持たないといけない」
 みたいなことが書いてあったけど
 今回はそれが足りなかったなぁ…と。

 かといって、私が悪かったと謝るのもなんかおかしい。
 子供のためを思って言ったことだし、
 できれば義父母さんには、子供の前で食事前後に間食はしてほしくない、てのは事実なので、
 謝ってしまったらそれはそれで子供や義母さんに対して筋が通らない。

 どうすりゃいいんだろうなぁ
と思ったんですが

 一晩寝て思ったのは
 「正しいと思うなら、もうそれ以上蒸し返さないこと」かなぁと思いました。

 食い物に口うるさい嫁だ、と思われても仕方ない。
 嫌われても筋は通す覚悟が要るのかな、と。
 たぶん、蒸し返したって
 「私は悪くなかったもん」
 ていう自己防衛の言葉しか出てこないような気がする。
 言ってしまったこと、済んだことは取り消せないので
 結果は潔く受け止めることかなと。

 会社だって、上司がある判断をするとき、
 一部の部下には恨みを持たれるかもしれない。
 しかし、上司はそのとき、それがベストなものと判断して選択したわけで
 そこで恨みを持たれても仕方ないと割りきるしかない。
 決断とはそういうものではないかと思いました。

 もうひとつは、今後の対応方法です。
 昨日のケースも、義父さんのおつまみと同じで
 ほっといたら良かったのかもしれない。
 子供が欲しがったら
 「ご飯食べてからね」て言って、
 あとは義母さんに引き受けてもらう。

 子供が本当に欲しければ交渉してもらう。
 それで子供がご飯食べないでアイス食べてたら
 さすがにそれは良くないと義母さんも気づくだろう。

 本人に気づいてもらうのがベストなんだろうなと思いました。

 もちろん、食事前にお菓子を食べさせようとする、とか
 ご飯よりもお菓子を勧める、
 などよっぽどの例なら
 「ご飯ちゃんと食べないといけないから止めてください」
 てキッパリ言うべきだろうとは思う。

 しかし、うちの義父母さんはそこは気を使ってくださってまして
 「先にお母さんに聞いてからね」
 と子供に言い、私に確認をとらせる、
 という手順を踏んでくれています。
 そこはありがたいです。

 それにしても、食べ物のことって気を使いますね…
 例えば買い物は普段は義母さんにお願いしてるんですけど
 たくさんあるのにまた買ってきた、てのはけっこうある話で
 しかしそれはなかなか言いづらい。
 なんとか無理矢理消費しますけど。

 ていうか何回も同じ料理出して、
 いっぱいあるんだよというのをアピールしたりとか(笑)

 子供のおやつなんかもかぶることが多いので
 何回も同じの出して、不満を子供に言わせるとか(笑)

 ただイラッとしてたら
 「これ、まだあるんだけど…」
 言ってしまうこともあり
 (そういうときは、既にある袋をどさっと見せたりする)
 義母さんには
 「食べることにはうるさい」
 と思われてるかもです。
 まぁ、基本食べ物にはうるさいのでそこは認めることにします(笑)

 今後もたぶん子育てについて、
 義父母さんとの方針のズレで色々モヤモヤするとは思いますが

 言うべきことは言う、
 言ったら筋は通す、
 でも言い方には気を付ける、

 ていうのは心に留めていこうと思います。

というわけで今回はこの辺で。
posted by Amago at 08:54| Comment(0) | 子育て | 更新情報をチェックする